InfoPath Forms Services で動作する InfoPath フォーム テンプレートを作成する
Microsoft InfoPath Forms Services 2007 および Microsoft Office SharePoint Server 2007 と InfoPath Forms Services に展開されるブラウザ互換フォームでは、大部分の InfoPath フォーム使用シナリオで利用される機能とコントロールをサポートしています。しかし、InfoPath Forms Services で提供されるブラウザ互換フォームでは、InfoPath 機能をすべてサポートしているわけではありません。一部の機能とコントロールはサーバーに実装されません。また、サーバーには対応する機能がないこともあります。
ここでは、ブラウザ互換フォームでサポートされている機能、ブラウザ互換フォームで使用できない機能、およびブラウザ互換フォームで指定できるが Web ブラウザで動作しない機能を示します。
InfoPath と InfoPath Forms Services の両方でサポートされている機能
ここでは、InfoPath Forms Services に展開され、InfoPath とブラウザの両方で開くことができるブラウザ互換フォーム テンプレートでサポートされている機能を一覧表示します。
コントロール
次のコントロールは、InfoPath とブラウザの両方で開くことができるフォーム テンプレートでサポートされています。
テキスト ボックス
リッチ テキスト ボックス (Microsoft Internet Explorer でのみ編集できます)
ドロップダウン リスト ボックス
リスト ボックス
日付の選択 (Internet Explorer 以外のブラウザではテキスト ボックスとして表示されます)
チェック ボックス
オプション ボタン
ボタン
セクション
省略可能なセクション
繰り返しセクション
繰り返しテーブル
添付ファイル
ハイパーリンク
式ボックス
宣言機能
InfoPath とブラウザの両方で動作する他の宣言機能は以下のとおりです。
ルール
計算
検証
メモ : |
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簡単なルール、計算、およびデータ検証は、JScript を使用してブラウザで有効にし、実行されます。複雑なルール、計算、およびデータ検証はサーバーで行うため、これらの操作にポストバックが必要です。 |
コード
ビジネス ロジック コードは、Microsoft.Office.InfoPath 名前空間によって提供される InfoPath マネージ コード オブジェクト モデルに基づく必要があります。サーバーで実行されるビジネス ロジック コードには、次の制限が適用されます。
各サーバー要求は異なるフロントエンドで処理されることがあり、InfoPath Forms Services ではビジネス ロジックの 1 つのインスタンスしか読み込まないため、プログラマはグローバル変数または静的変数に代入されたデータに依存することはできません。この問題に対処するため、ビジネス ロジックでは状態をプロパティ バッグに格納し、FormState プロパティによって提供されるものにアクセスする必要があります。
Microsoft.Office.InfoPath 名前空間のメンバのサブセットでは、サーバーでサポートされない Information Rights Management (IRM) などの機能が提供されます。サポートされているオブジェクト モデル メンバとサポートされていないメンバについては、このトピックの「InfoPath と InfoPath Forms Services で動作するオブジェクト モデル メンバ」と「InfoPath でのみ動作するオブジェクト モデル メンバ」を参照してください。
VBScript、JScript、および Microsoft.Office.Interop.InfoPath.SemiTrust 名前空間のメンバによって提供される InfoPath 2003 互換オブジェクト モデルで作成されたビジネス ロジックはサーバーではサポートされません。
InfoPath Forms Services でサポートされていない機能
ここでは、InfoPath Forms Services に展開され、InfoPath とブラウザの両方で開くことができるブラウザ互換フォーム テンプレートではサポートされていない機能を一覧表示します。
InfoPath デザイン モードでデザイン チェック機能を使用し、InfoPath Forms Services との互換性を確認すると、サポートされていない機能ではエラーが発生するかメッセージが表示されます。エラーが発生する機能があると、フォーム テンプレートはブラウザ対応フォームとしてパブリッシュできません。メッセージが表示される機能は使用できますが、フォームがブラウザで開かれるとき、その機能は実行されません。
コントロール
次のコントロールとコントロール機能は、InfoPath とブラウザの両方で開くことができるフォーム テンプレートではサポートされません。
繰り返しコントロールに対するフィルタ
マスタと詳細
縦書きラベル
横方向繰り返しテーブル
コンボ ボックス
複数選択リスト ボックス
描画
インク描画
標準リスト
箇条書き
選択肢セクション
選択肢グループ
繰り返し選択肢グループ
繰り返し再帰セクション
InfoPath Forms Services でサポートされていないか完全にはサポートされていない他の機能
InfoPath Forms Services ではサポートされていない他の機能
ActiveX コントロール。
HTML 作業ウィンドウ。
コントロールのプレースフォルダ テキスト。たとえば、"テキストを入力するにはここをクリックします" (ブラウザにテキストは表示されません)。
データベース データ接続は SQL サーバー データベースへの読み取り専用アクセスに制限されます。
ユーザー ロール。
オブジェクト モデルによるデジタル署名拡張。サーバーでのデジタル署名は Microsoft Internet Explorer でのみ実行される ActiveX コントロールによってサポートされます。
Human Workflow Services (HWS) 統合。HWS は BizTalk Server で現在使用されていません。
XML スキーマ エラー メッセージのオーバーライド。この機能はあまり使用されません。ドキュメントが検証されないとき (通常は種類の不一致のため)、フォーム設計者はこの機能を使用し、MSXML または System.Xml で提供されているメッセージとは異なるメッセージを指定できます。この機能はデザイン モード ユーザー インターフェイスではサポートされていないため、フォーム定義 (.xsf) ファイルを手動で編集する必要があります。
InfoPath Forms Services に直接対応するものがない機能
InfoPath Forms Services ではサポートされていない他の機能
モードレス検証中のポップアップ ダイアログ
Outlook 統合
COM アドイン
フォームの結合
自動保存、クラッシュの検出、および回復
メールの封筒
Excel へのエクスポート
インク描画コントロールを含むタブレット/インク機能
元に戻す/やり直す
Information Rights Management (IRM)
ビジネス ロジックからのモーダル ダイアログ
XSLT 拡張 (xd:preserve ブロック)
外部自動化
オフライン クエリ キャッシュ
スペルチェック
制限セキュリティ モード
メモ : |
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InfoPath デザインモードのデザイン チェック機能を使用したとき、上記の機能にはエラーやメッセージ通知は発生しません。 |
InfoPath と InfoPath Forms Services の両方で動作するオブジェクト モデル メンバ
InfoPath は、新しいマネージ コード オブジェクト モデルと、フォーム テンプレート内でカスタム ビジネス ロジックを作成するための機能のコア セットを提供します。この新しいオブジェクト モデルを使用して作成したビジネス ロジックを、Microsoft InfoPath Forms Services 2007 または Office SharePoint Server 2007 と InfoPath Forms Services に展開した場合、Web ブラウザでも InfoPath でも実行することができます。また、Office InfoPath 2007 で編集のために開かれたフォーム テンプレート内でのみ実行できる、このオブジェクト モデルで提供される追加レベルの機能を使用するビジネス ロジックを作成することもできます。
フォームが Web ブラウザと InfoPath の両方で開かれたときに実行されるビジネス ロジックを書くには、新しいフォーム テンプレートを作成する際に、[フォーム テンプレートのデザイン] ダイアログ ボックスで [ブラウザ互換の機能のみを有効にする] チェック ボックスをオンにします。InfoPath で開かれたときにのみ追加機能を使用できるビジネス ロジックを書くには、新しいフォーム テンプレートを作成する際に [ブラウザ互換の機能のみを有効にする] チェック ボックスをオフにします。この設定は、フォーム テンプレートの作成後に変更することができます。変更するには、[デザイン チェック] 作業ウィンドウで [互換性設定の変更] をクリックし、[ブラウザまたは InfoPath で開くことができるフォーム テンプレートをデザインする] チェック ボックスをオンまたはオフにします。ブラウザ互換フォーム テンプレートを作成する場合、InfoPath Forms Services と互換性のないクラスまたはメンバを使用すると、コンパイラでエラーが表示されます。
メモ : |
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マネージ コードが入ったブラウザ対応フォーム テンプレートを Microsoft InfoPath Forms Services 2007、Office SharePoint Server 2007 と InfoPath Forms Services、または共有の場所にパブリッシュした後、フォーム テンプレートをアップロードし、サーバー管理者の承認を受けた後、実行できるようになります。 |
Microsoft.Office.InfoPath 名前空間によって提供される InfoPath マネージ コード オブジェクト モデルの次のクラスとメンバは、InfoPath と InfoPath Forms Services の両方でサポートされています。
親クラス | メンバ |
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FormState |
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InfoPath でのみ動作するオブジェクト モデル メンバ
Microsoft.Office.InfoPath 名前空間によって提供される InfoPath マネージ コード オブジェクト モデルの次のクラスとメンバは Office InfoPath 2007 でのみサポートされています。
メモ : |
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フォームをブラウザで開くか Office InfoPath 2007 で開くかを指定する条件付きロジックを書く場合、次のオブジェクト モデル メンバはブラウザ対応のフォーム テンプレートのコードで使用できます。詳細については、「[方法] 実行時の環境を指定する条件付きロジックを書く方法」を参照してください。 |
親クラス | メンバ |
---|---|
Application |
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FormError |
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FormErrorCollection |
|
FormEvents |
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FormTemplate |
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User |
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View |
|
ViewInfo |
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XmlEvent |
|
XmlForm |
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XmlFormCollection |
|
XmlFormOpenMode.Default |
|
XmlFormOpenMode.FailOnVersionMismatch |
|
XmlFormOpenMode.FailOnVersionOlder |
|
XmlFormOpenMode.IgnoreDataConnectionsFailure |
|
XmlFormOpenMode.PromptIfSigned |
|
XmlFormOpenMode.ReadOnly |
|
XmlFormOpenMode.TransformEvenIfSigned |
|
XmlFormOpenMode.UseExistingVersion |
|
XmlFormOpenMode.UseFileConverter |
|
XmlValidatingEventArgs |