新しいチーム プロジェクトの開始

更新 : 2011 年 4 月

チーム プロジェクトは、チームのソース コード、ビルド、テスト、計画の整理と、情報の追跡を行うために使用する中心的な計画ツールです。 特定のソフトウェア テクノロジや製品を開発する際に必要なアクティビティを共有するうえで、チームの中心点となるチーム プロジェクトを作成します。 チーム プロジェクトを作成した後は、チーム プロジェクト用に作成されるメイン ノードを使用して作業の管理と追跡を行うことができます。

このトピックの内容

  • チーム プロジェクトで利用できるリソースおよびチーム プロジェクトの構成について

  • チーム プロジェクトの計画

  • チーム プロジェクトの作成、構成、および開始

  • チーム プロジェクトの定義と追跡

  • バージョン コントロール、ビルド、およびテスト管理

チーム エクスプローラーにおけるチーム プロジェクトのノード

チーム エクスプローラーでのチーム プロジェクト オブジェクト

チーム プロジェクトで利用できるリソースおよびチーム プロジェクト コレクションの構成について

次の表に、チーム プロジェクトを対応するリソースにプロビジョニングするために、Team Foundation の配置にプロビジョニングする必要があるサーバーを示します。

リソース

Windows SharePoint Services 3.0

Microsoft Office SharePoint Server 2007 または Microsoft SharePoint Server 2010 Standard Edition

Microsoft Office SharePoint Server 2007 または SharePoint Server 2010 Enterprise Edition

SQL Server 2008 Analysis Services

SQL Server 2008 Reporting Services

Team Foundation ビルド

プロジェクト ポータル ([ドキュメント] ノード)

完全にサポートされています 完全にサポートされています 完全にサポートされています

担当のダッシュボードおよびプロジェクト ダッシュボード

必須 必須

必須

エンタープライズ ダッシュボード

必須 必須

Excel レポート

完全にサポートされています 完全にサポートされています 完全にサポートされています 必須

レポート レポート

必須 必須

ビルド

必須

完全にサポートされています (緑のフィールド) チェックマークは、チーム プロジェクトをホストするプロジェクト コレクションが SharePoint 製品を実行中のサーバーで構成される場合に限り、チーム プロジェクトを [ドキュメント] ノードおよびポータルでプロビジョニングして情報の共有と Excel レポートの保存を実行できることを示しています。

必須 (青いフィールド) チェックマークは、サーバーで SharePoint 製品の特定エディションを実行中の場合に限り、ダッシュボードでチーム プロジェクトをプロビジョニングできることを示しています。 2 つの基本的なダッシュボードは、SQL Server 2008 Analysis Services だけでなく、Windows SharePoint Services 3.0、Microsoft Office SharePoint Server 2007 Standard Edition または SharePoint Server 2010 Standard Edition でも必要です。 エンタープライズ ダッシュボードは、Analysis Services だけでなく、Microsoft Office SharePoint Server 2007 Enterprise Edition、SharePoint Server 2010 Enterprise Edition でも必要です。

レポート [Reports] ノードをプロビジョニングするには、チーム プロジェクトをホストするプロジェクト コレクションが SQL Server 2008 の Reporting Services および Analysis Services の両方で構成済みである必要があります。 最後に、チーム プロジェクトのビルド処理として、Team Foundation ビルド サービスを構成する必要があります。

チーム プロジェクトを作成したら、次の表で "省略可能" と示されているリソースを追加または構成できます。

リソース

関連トピック

作業項目および作業項目クエリ: 作成した各チーム プロジェクトには、[作業項目] というノードが表示されます。 チームでは、作業項目を使用して、製品とその機能の開発を追跡、監視、および報告できます。 作業項目は、作業の定義、割り当て、優先度、および状態を保存するために使用するデータベース レコードです。

チームで作成できる作業項目の種類は、チーム プロジェクトの作成に使用したプロセス テンプレートで定義されている作業項目、またはチーム プロジェクトの作成後にチーム プロジェクトに追加された作業項目だけです。

Microsoft Solutions Framework (MSF) for Agile Software Development v5.0 のプロセス テンプレートでは、ユーザー ストーリー、タスク、テスト ケース、共有ステップ、バグ、および懸案事項という 6 種類の作業項目が定義されます。

MSF for CMMI Process Improvement v5.0 のプロセス テンプレートでは、要件、タスク、変更要求、バグ、懸案事項、リスク、レビュー、テスト ケース、および共有ステップという 9 種類の作業項目が定義されます。

チーム クエリおよび個々のクエリは、[作業項目] ノードの下に格納されます。

(省略可能) ドキュメント: チーム プロジェクトの SharePoint サイトを作成または構成することを選択した場合、チーム プロジェクトの [ドキュメント] ノードが表示されます。 このノードは、チームで作成する Excel レポート、プロセス ガイダンス、および他のドキュメント ライブラリのコンテナーです。 また、SharePoint サイトは、チーム プロジェクトについてのコード以外の作業生産物およびレポートを格納し、バージョン コントロールするためのプロジェクト ポータルとして機能できます。

Team Foundation 管理者が、プロジェクトが存在するチーム プロジェクト コレクションをサポートするように 1 つ以上の SharePoint Web アプリケーションを構成した場合、チーム プロジェクトを作成するときに SharePoint サイトを追加できます。 または、プロジェクトの作成後にチーム プロジェクト ポータルとして機能する Web サイトを追加することもできます。

(省略可能) プロジェクト ポータル: プロジェクト ポータルは、チーム プロジェクトとそのステータスに関する情報を提供するための単一点として使用できる Web サイトです。 プロジェクト ポータルは、チームのメンバー間のコミュニケーションおよびリソースの共有に役立ちます。 ポータルを使用して、プロセス ガイダンスをチームと共有することもできます。

重要 :重要
SharePoint サイトをチーム プロジェクト ポータルとして追加した場合、チーム プロジェクトの [ドキュメント] ノードがチーム エクスプローラーに表示されます。このフォルダーは、チーム プロジェクトの SharePoint ライブラリにリンクされ、プロジェクト メンバーはこのフォルダーを使用してプロジェクトに関連するドキュメントを保存および共有できます。この機能は、SharePoint サイトを追加した場合のみ使用できます。別の種類の Web サイトを追加した場合、チーム エクスプローラーにチーム プロジェクトの [ドキュメント] ノードは表示されません。

チームでは、プロジェクト ポータルを使用して、ドキュメント テンプレートおよび定義済みレポートを共有します。 これらの定義済みオブジェクトは、チーム プロジェクトに対して選択したプロセス テンプレートに基づいています。

(省略可能) プロセス ガイダンス: プロセス ガイダンスには、チーム プロジェクトの作業の調整方法、およびプロジェクト ライフ サイクル全体における作業項目の種類の使用方法が記載されています。 プロセス ガイダンスには、作業項目フィールドを完成させる方法についての説明、正常なレポートと問題のあるレポートの例、クエリの説明、担当するロール、完了させるアクティビティなど、チーム プロジェクトについての詳細が記載されています。

重要 :重要
プロセス ガイダンスにアクセスするには、チーム プロジェクトのプロジェクト ポータルを有効にし、構成する必要があります。

チームのプロセス ガイダンスは、選択したプロセス テンプレートに基づいています。 プロセス ガイダンスは、チーム プロジェクトで作業するチーム メンバーが従うプロセスを文書化したコンテンツです。 このコンテンツは、選択した Web サイトでローカルにホストすることも、選択した Web サイト以外の場所でホストされているコンテンツを指す一連のリンクとして参照することもできます。

(省略可能) ダッシュボード: 製品所有者およびチーム メンバーは、ダッシュボードを使用して、チーム プロジェクトに関する重要な情報をすぐに見つけることができます。 ダッシュボードには、プロジェクト データが表示され、調査作業をサポートします。ダッシュボードは、チームが共通のタスクをすばやく実行するのに役立ちます。

ダッシュボードにアクセスするには、プロジェクト ポータルを開きます。 使用できるダッシュボードおよびダッシュボードのカスタマイズ機能は、ポータル上にインストールされている SharePoint 製品のバージョンに応じて異なります。 ほとんどのダッシュボードでは、Analysis Services キューブ内のデータにアクセスする Microsoft Excel のレポートを複数表示できます。

ダッシュボードにアクセスするには、チーム プロジェクトが SharePoint 製品でプロビジョニングされている必要があります。また、システム管理者によってチーム プロジェクト コレクションが SQL Server Analysis Services でプロビジョニングされていることも必要です。 6 つのエンタープライズ ダッシュボードすべてにアクセスできるチーム メンバーに対しては、Microsoft Office SharePoint Server 2007 Enterprise Edition または SharePoint Server 2010 Enterprise Edition がインストールされている SharePoint サイトを選択する必要があります。 ダッシュボードの表示に必要な構成とアクセス許可の詳細については、「Visual Studio ALM のレポートの表示と管理に必要なアクセス許可の割り当て」を参照してください。

(省略可能) Microsoft Excel レポート: Microsoft Excel のレポートを使用すると、チーム プロジェクトのデータ ウェアハウスから情報を表示できます。

このレポートは、[ドキュメント] ノードの下の [Excel レポート] フォルダーにあります。 Microsoft Excel レポートは、チーム プロジェクトの SharePoint 製品をホストしているサーバーに格納されます。 チーム プロジェクトでプロジェクト ポータルが有効になっていない場合、このレポートにアクセスできません。

このレポートにアクセスするには、チーム プロジェクトが SharePoint 製品でプロビジョニングされている必要があります。また、システム管理者によってチーム プロジェクト コレクションが Analysis Services でプロビジョニングされていることも必要です。

(省略可能) ブック: ブックを使用して、製品を計画し、ユーザー ストーリー、タスク、バグ、および懸案事項を特定のイテレーションに割り当てることができます。 MSF for Agile Software Development v5.0 のプロセス テンプレートに用意されたブックを使用することで、作業項目をすばやく作成できます。 複数の作業項目の順位、優先度、状態、および割り当てを同時に変更することもできます。

ブックは、[ドキュメント] ノードの下の [共有ドキュメント] フォルダーにあり、チーム プロジェクトの SharePoint 製品をホストするサーバー上に格納されます。 チーム プロジェクトでプロジェクト ポータルが有効になっていない場合、このブックにアクセスできません。

Microsoft Excel ブックにアクセスするには、チーム プロジェクトが SharePoint 製品でプロビジョニングされている必要があります。

(省略可能) Reporting Services レポート: チームでは、レポートを使用してプロジェクトの進行状況および品質を分析できます。 レポートでは、作業項目、バージョン コントロール、テスト結果、およびビルドの測度が集計されます。

レポートは、チーム エクスプローラーの [レポート] ノードにあり、チーム プロジェクトの SQL Server Reporting Services をホストするサーバーに格納されます。

Analysis Services および Reporting Services を使用するように配置が構成されている場合、チーム プロジェクトの [レポート] フォルダーが自動的に作成されます。 自動的に作成されない場合は、このリソースを後でチーム プロジェクトに追加することもできます。

(省略可能) ビルド: Team Foundation ビルドを使用すると、チームは製品ビルドを定期的に作成および管理できます。 たとえば、チームでデイリー ビルドを実行して共有サーバーにポストできます。 また、Team Foundation ビルドには、各ビルドのステータスと品質に関するビルド レポートも用意されています。

配置で Team Foundation ビルドを使用している場合は、チーム プロジェクトの [ビルド] フォルダーが作成されます。 ビルド定義は、チーム プロジェクトの [ビルド] ノードの下にあります。 ビルド エクスプローラーを使用して、ビルドの管理とビルド定義の整理を行うことができます。

Team Foundation ビルド サービスにアクセスするには、ビルド コントローラーを使用するようにチーム プロジェクト コレクションが構成されている必要があります。 各ビルド コントローラーは、1 つのチーム プロジェクト コレクション専用になります。 コントローラーは、指定されたコレクション内の任意のチーム プロジェクトからのビルド要求を受け付けます。

バージョン コントロール: 各チーム プロジェクトについて [ソース管理] ノードが作成されます。 このノードにより、チーム プロジェクトのソース コードの管理に使用できるソース管理エクスプローラーにアクセスできるようになります。

(省略可能) 通知: チーム メンバーは、チーム プロジェクトの変更が行われた場合、電子メールで通知を受け取るようにサブスクライブできます。 警告は、作業項目のステータスが変更されたとき、チェックインが発生したとき、ビルドが完了したとき、またはビルドの状況が変更されたときに送信されます。

電子メール通知をサポートするには、既存の簡易メール転送プロトコル (SMTP: Simple Mail Transfer Protocol) を使用して電子メール通知が送信されるように、チーム プロジェクトが格納されているサーバーが構成されている必要があります。

(省略可能) 仮想環境: Visual Studio Lab Management を使用することで、アプリケーションの開発、配置、およびテストをサポートする仮想環境の作成、割り当て、および追跡を行うことができます。 テスト チームで Microsoft テスト マネージャー を使用すると、このような仮想環境に基づいてアプリケーションをテストするためのテスト ケースを作成できます。

このような仮想環境に テスト マネージャー からアクセスするには、チーム プロジェクトが格納されているサーバーが Lab Management と通信するように構成されている必要があります。

(省略可能) 分散チームのサポート: 一部のチーム メンバーがバージョン コントロールに使用されているメインの場所とは別のリモートの場所で作業している場合、そのようなメンバーをサポートするために Team Foundation Server Proxy をインストールするよう要求することをお勧めします。 

分散チームの場所にある、ダウンロードされたバージョン コントロール ファイルのキャッシュを Team Foundation Server Proxy で管理することにより、広域接続間で必要な帯域幅を大幅に低減できます。 Team Foundation Server Proxy を使用するようにクライアントが構成されている場合、ユーザーはファイルの管理を意識する必要がなくなります。 メタデータの交換とファイルのアップロードは、すべて Team Foundation Server との直接のインターフェイスで行われることに変わりはありません。

Web アクセス: チーム メンバーは、Team System Web Access を使用することにより、作業項目の検索と更新、バージョン コントロールされたファイルとフォルダーの操作、レポートとドキュメントへのアクセス、および製品ビルドの操作を行うことができます。Team System Web Access はカスタマイズできる Web インターフェイスであり、チーム エクスプローラーを通じて提供される、ほぼすべての機能を使用できます。

チーム プロジェクトが作成され、必要なアクセス許可がチーム メンバーに付与されると、チーム メンバーが Team System Web Access にアクセスできるようになります。

チーム プロジェクトの計画

チーム プロジェクトは、チーム プロジェクト コレクションとしてグループ化されます。 チーム プロジェクト コレクションは、Team Foundation Server 内のチーム プロジェクトのグループを定義および制御するために Team Foundation の管理者が使用する編成構造です。

チーム プロジェクトを作成するときにそのチーム プロジェクト用に選択するチーム プロジェクト コレクションによって、使用できるリソースおよび共同作業できる他のチーム プロジェクトが決まります。

タスク

関連トピック

チーム プロジェクトを格納するコレクションを特定する。 プロジェクトの要件について配置の管理者と話し合い、チーム プロジェクトをホストするために使用するプロジェクト コレクションを決定します。

この決定は、少なくとも次の要因に左右されます。

  • チーム プロジェクトに必要なリソース

  • チーム プロジェクトが他のチーム プロジェクトと共有するグループ間コラボレーションの要件

前のセクションで説明したように、チーム プロジェクトで使用できる多くのリソースは、チーム プロジェクトをホストするために選択したチーム プロジェクト コレクションによって異なります。 また、チームが連絡を取り合って共同作業する他のチーム プロジェクトと同じプロジェクト コレクションを選択する必要があります。 チーム メンバーが Team Foundation を使用してチーム プロジェクト間の依存関係を追跡できるのは、相手のチーム プロジェクトが同じプロジェクト コレクションに格納されている場合のみです。

プロセス要件に最も合ったプロセス テンプレートを選択する。 プロセス テンプレートによって、追跡できる作業項目オブジェクトの種類が定義されます。 また、チーム メンバーが使用する、既定のルール、ポリシー、セキュリティ グループ、およびクエリも定義されます。

チーム エクスプローラーには、MSF に基づいたプロセス テンプレートが含まれています。 既定では、MSF for Agile Software Development v5.0 または MSF for CMMI Process Improvement v5.0 のプロセス テンプレートを使用できます。 これらのテンプレートのいずれかを使用できるほか、カスタム テンプレートを作成したり、インターネットからテンプレートをダウンロードすることもできます。

メモメモ
プロセス テンプレートに含まれているほとんどの成果物は、チーム プロジェクトの作成前または作成後にカスタマイズできます。チーム プロジェクトを作成する前にプロセス テンプレートをカスタマイズすることの利点は、作成するすべてのチーム プロジェクトに同じ変更が適用されることです。

チームがチーム プロセスを採用して従うようサポートする方法を決定する。 プロセス ガイダンスは、チーム プロジェクトで作業するチーム メンバーが従うプロセスを文書化したコンテンツです。 MSF プロセス テンプレートには、Visual Studio ALM ヘルプでオフラインで利用でき、MSDN ライブラリからオンラインで利用できる、トピック ベースのプロセス ガイダンスが用意されています。

チーム プロジェクト ポータルまたは指定した他の Web サイトに他のプロセス ガイダンスをホストすることもできます。

ソース コードの分岐構造を決定する。 チーム プロジェクトを作成するときに、ソース コード用の空のフォルダーを作成できるほか、バージョン コントロールの分岐を作成することもできます。

名前付けの制約および他の属性制約について理解する。 チーム プロジェクトを作成する前に、名前および他の属性に対する Visual Studio ALM の制約について理解しておく必要があります。 これらの制限事項には、長さ、特殊文字、一意性などの属性が含まれます。 具体的には、チーム プロジェクトに関連する次の項目の制約事項について理解しておく必要があります。

  • チーム プロジェクト名

  • 作業項目の添付ファイルのサイズ

  • チーム プロジェクトの区分パスおよびイテレーション パス (名前、長さ、および入れ子のレベル)

  • 作業項目のカスタマイズ (フィールド名、ヘルプ テキスト、グローバル リストなど)

  • プロセス テンプレート (名前およびサイズ)

  • Team Foundation バージョン管理で使用する名前 (分岐パスの名前と長さ、シェルブセット、変更セットなど)

チーム プロジェクトの作成、構成、および開始

タスク

関連トピック

チーム プロジェクトを作成する。 新しいチーム プロジェクト ウィザードを使用して、チーム プロジェクトを作成します。 新しいチーム プロジェクト ウィザードにアクセスするには、コンピューターにチーム エクスプローラーがインストールされている必要があります。 チーム エクスプローラーは Visual Studio のアドインであり、Visual Studio アプリケーション ライフサイクル管理 (ALM) 製品スイートの任意の製品からインストールできます。

チーム プロジェクト用に構成するリソースによっては、チーム プロジェクト コレクションおよび SharePoint 製品と Reporting Services をホストしているサーバーで、昇格されたアクセス許可を設定する必要があります。

チーム プロジェクトの構造を定義する。 製品区分およびイテレーション パスを定義することにより、追跡する作業を整理できます。 チームが開発する製品の個々のコンポーネントまたは機能を表す区分を定義できます。 イテレーションを定義することで、製品開発サイクルをチーム プロセスに適合した複数の期間に分割できます。 イテレーションはスプリントとも呼ばれます。

メモメモ
選択されたプロセス テンプレートに応じて、複数の既定の区分パスとイテレーション パスが定義されます。既定のパスの名前を変更および削除できるほか、プロジェクトの追跡要件をサポートするためのパスを追加できます。

プロジェクトの構造内の要素は、プロジェクト ライフサイクル全体を通じて追加および変更できます。

チーム メンバーにチーム プロジェクト リソースへのアクセス権を与える。 チーム プロジェクトに対するチーム メンバーのアクセスのレベルは、各プロジェクトのグループにメンバーを割り当てることにより制御できます。 チーム メンバーを個別に追加できるほか、Active Directory またはワークグループに定義されているグループを追加することもできます。

チーム プロジェクトを作成すると、選択したプロセス テンプレートに関係なく、そのプロジェクト用に 4 つの既定のグループが作成されます。 4 つのグループとは、読み取りユーザー貢献者ビルダー、およびプロジェクト管理者です。 これらのグループのそれぞれについて、既定で一連のアクセス許可が定義されており、これによってグループのメンバーが実行を承認される操作が決定されます。

次の成果物にアクセスするには、1 つ以上の既定のグループにチーム メンバーを追加する必要があります。

  • 作業項目、作業項目クエリ、およびソース コード: Team Foundation データベースに格納されているデータにアクセスするには、チーム メンバーは、チーム プロジェクトの読み取りユーザー グループ、貢献者グループ、またはプロジェクト管理者グループに属している必要があります。

  • プロジェクト ポータル、ダッシュボード、およびブック: SharePoint 製品に格納されているリソースにアクセスするには、チーム メンバーはチーム プロジェクト ポータルの閲覧者グループ、メンバー グループ、または所有者グループに属している必要があります。

  • レポート: Reporting Services レポートにアクセスするには、SQL Server Reporting の閲覧者グループまたはコンテンツ マネージャー グループにチーム メンバーを追加する必要があります。

  • Microsoft Excel レポート: Microsoft Excel レポートを表示するには、Team Foundation の有効なユーザー セキュリティ グループのメンバーである必要があります。

選択されたチーム メンバーに追加のアクセス許可を付与する。 管理者は、特定の責務を持つ個々のチーム メンバーまたはグループに追加のアクセス許可を割り当てることができます。 このようなアクセス許可により、チーム メンバーは、Team Foundation バージョン管理下のソース コードの管理、ビルドの管理、テストおよびラボ テスト環境の管理、および他のプロジェクト レベルのアクティビティを実行できます。

Microsoft Excel または Reporting Services のレポートを編集するには、Analysis Services の TfsWarehouseDataReaders セキュリティ ロールのメンバーである必要があります。 また、チーム プロジェクトの SharePoint 製品に対する貢献者アクセス許可が割り当てられているグループに属している必要があります。

チーム メンバーにチーム プロジェクト リソースを通知する。 チーム メンバーにチーム プロジェクトへのアクセス権を付与したら、各チーム メンバーが利用できるリソースおよび各メンバーが対応する必要がある最初のタスク セットについてチーム メンバーに通知できます。

Team Foundation とのやり取りに必要なクライアントをインストールする。 チーム メンバーは、Team Foundation 用クライアント アプリケーションの中のいずれかを使用して、Visual Studio ALM および Team Foundation Server とやり取りすることができます。すべてのクライアントでは、Team Foundation Server を実行するサーバーに接続してから、プロジェクト コレクションとチーム プロジェクトを指定する必要があります。 また、チーム メンバーには、各チーム プロジェクトにアクセスするために要求されるアクセス許可が必要です。

チーム プロジェクトの定義と追跡

タスク

関連トピック

タスクを作成し、作業項目クエリを理解する。 チーム メンバーは、作業項目を使用して、タスク、バグ、懸案事項、および他の要素を追跡できます。 作業項目クエリを使用すると、バグ、タスク、および他の作業項目の一覧表示、更新、および作成を行うことができます。

ユーザー ストーリーを定義し、イテレーション間で作業負荷を分散させる。 MSF for Agile Software Development v5.0 のプロセス テンプレートに基づくチーム プロジェクトの場合は、製品計画ブックを使用して製品を計画できます。 ユーザー ストーリーを作成し、複数のイテレーション (スプリントとも呼ばれます) 間で作業負荷を分散できます。

メモメモ
プロジェクト計画ブックは、MSF for Agile Software Development v5.0 のプロセス テンプレートを選択した場合のみ利用できます。

要件を定義し、タスクをスケジュールする。 MSF for CMMI Process Improvement v5.0 のプロセス テンプレートに基づくチーム プロジェクトの場合は、生産物要件チーム クエリを使用して製品の計画を開始できます。 このクエリを Microsoft Excel で開き、要件を追加して、Team Foundation に要件を発行できます。 Microsoft Project を使用してプロジェクトの計画とスケジュールを立てることもできます。

Project 2010 の手動スケジュールされたタスクに対し、新しいフィールドの同期をサポートする。 Project 2010 に追加された Team Foundation でフィールドを更新するには、タスクの作業項目の種類と Microsoft Project のフィールド マッピング ファイルをチーム プロジェクト用にカスタマイズする必要があります。 この方法は、チーム メンバーが各自のタスクの存続時間および開始日と終了日を手動でスケジュール設定できるようにする場合に特に有効です。

Microsoft Project 2010 によるチーム プロジェクトのスケジュール設定

チーム プロジェクトで利用できるダッシュボードおよびレポートについて理解する。 チーム メンバーは、ダッシュボードおよびレポートを使用して、チーム プロジェクトに関する重要な情報をすぐに見つけることができます。 ダッシュボードは、プロジェクト データを表示し、調査をサポートするため、チームは共通のタスクをすばやく実行できます。 Reporting Services から利用できるレポートでは、作業項目、バージョン コントロール、テスト結果、およびビルドの測度が集計されます。 さらに、プロジェクトの現在の状態についても確認できます。

重要 :重要
ダッシュボードおよびレポートに表示されるデータは、データ ウェアハウスから派生します。既定では、データ ウェアハウスは 1 時間ごとに更新されます。チームが作業項目の作成およびアプリケーションのビルドを開始すると、有用なデータがレポートに含まれるようになります。

チームと効果的に共同作業する方法を理解する。 チーム プロジェクトの作成が終わると、チーム内のコミュニケーションを促進し、ワークフローを簡素化するための各種ツールを利用できるようになります。 Team Foundation は、コミュニケーションの強化、多面的な役割のサポート、作業ステータスの追跡、チームのプロセスの実行、およびツールの統合を通じてコラボレーションを可能にします。

バージョン コントロール、ビルド、およびテストの概要

タスク

関連トピック

(省略可能) ソース管理を使用するように Visual Studio を構成する。 Team Foundation バージョン管理を使用する前に、チーム メンバーは Team Foundation バージョン管理プラグインを使用するように Visual Studio を構成する必要がある場合があります。

メモメモ
Visual Studio をインストールした後でチーム エクスプローラーをインストールすると、Visual Studio は自動的に Team Foundation バージョン管理プラグインを使用するように構成されます。

ソース コードのチェックインとチェックアウトを管理するポリシーを構成する。 Team Foundation バージョン管理の管理者は、バージョン コントロールのチェックインおよびチェックアウト設定を構成できます。 チェックイン ポリシーによって、開発チーム全体にわたって開発の手法が揃えられます。 チェックイン メモによって、チェックイン プロセス中にチーム メンバーのデータが収集されます。 チームのニーズを満たすために、両方の種類のポリシーをカスタマイズできます。

チェックアウト設定によって、複数のメンバーがファイルを同時に編集できるようになります。

チーム プロジェクトのワークスペースを設定し、ソース コードを追加する。 チームで Team Foundation バージョン管理を使用する場合、チーム メンバーはワークスペースを作成し、各自のソース コードを追加する必要があります。 ワークスペースにはローカル ディスク上のクライアント側フォルダーが含まれ、このクライアント側フォルダーは Team Foundation バージョン管理サーバー上のバージョン コントロールされているフォルダーにマップされます。

プロキシ サーバーを使用するように Visual Studio クライアントを構成する。 チームで Team Foundation バージョン管理を使用していて、リモート チームをサポートするために Team Foundation Server Proxy がインストールされている場合、プロキシ サーバーを使用する前に Visual Studio クライアントを構成する必要があります。

ビルド定義の作成。 チームで Team Foundation ビルドを使用している場合、ビルド システムが作成されていることを確認したうえで、ビルド定義を作成する必要があります。 ビルド定義には、コンパイルするコード プロジェクトに関する指示、実行する追加操作、および追加操作の実行方法が含まれます。

テスト計画およびテスト ケースを作成する。 チームで テスト マネージャー を使用する場合、テスト担当者はテスト計画を使用してテスト作業を定義および管理する必要があります。

参照

概念

Visual Studio のアプリケーション ライフサイクル管理の概要

Team Foundation クライアントの操作

プロジェクトの計画および追跡

その他の技術情報

チーム プロジェクトのカスタマイズ

Team Web Access での作業の管理

Project Server と Team Foundation Server を使用することによるプロジェクトの管理

履歴の変更

日付

履歴

理由

2011 年 4 月

チーム リソースをサポートするサーバー製品と、チーム リソースに必須の製品を明確にするため、トピック内の最初の表を変更しました。

情報の拡充

2010 年 7 月

トピック内の最初の表が修正されました。 また、SharePoint Server 2010 に関する情報が追加されました。 さらに、Project 2010 での作業に関するトピックの説明とリンクが追加されました。

コンテンツ バグ修正