プロセス テンプレートの選択

チーム プロジェクトを作成するときに最適なプロセス テンプレートを選択して、チーム プロジェクトの作業をサポートするツールをチームに提供し、オーバーヘッドを削減することでチームが品質に専念できるようにします。 プロセス テンプレートは、プロジェクトの計画と追跡に使用する予定の、一連の作業項目、レポート、およびダッシュボードを定義します。

プロセス テンプレートには、チーム メンバーが使用する既定の規則、ポリシー、セキュリティ グループ、およびクエリのほか、追跡に使用できる作業項目の種類が定義されています。 通常は、次の点を考慮して選択してください。

  • スクラム プロセスなどのアジャイル プロセスをチームで使用している場合は、Microsoft Solutions Framework (MSF) for Agile Software Development v5.0 のプロセス テンプレートを選択します。

  • 厳密な監査証跡をチームで必要としており、変更管理のための正式なプロセスが存在する場合は、MSF for Capability Maturity Model Integration (CMMI) Process Improvement v5.0 のプロセス テンプレートを選択します。

それ以外の場合は、追加のプロセス テンプレートをインターネットからダウンロードするか、ニーズに合わせてプロセス テンプレートをカスタマイズします。

これらのプロセス テンプレートの詳細については、次の各トピックを参照してください。

このトピックの内容

  • MSF for Agile と MSF for CMMI の主な違い

  • Agile と CMMI のワークフロー状態の主な違い

  • プロセス テンプレートのカスタマイズ

MSF for Agile と MSF for CMMI の主な違い

次の表は、2 つの MSF プロセス テンプレートの主な違いをまとめたものです。

プロセス領域

MSF for Agile

MSF for CMMI

違い

ワークフロー状態

  • アクティブ

  • 解決済み

  • 終了

  • 提案済み

  • アクティブ

  • 解決済み

  • 終了

  • 作業項目の状態をアクティブから、解決済み、終了へと変更することによってチームのほとんどの作業が進行する場合は、MSF for Agile を選択します。 作業項目はアクティブ状態で作成され、作業が完了した後で解決されます。

  • 作業項目の状態を提案済みから、アクティブ、解決済み、終了へと変更することによってチームのほとんどの作業が進行する場合は、MSF for CMMI を選択します。 作業項目は提案済み状態で作成され、その後受け入れられて初めてアクティブ状態に移行します。

製品計画

  • ユーザー ストーリーとストーリー ポイントを中心に製品を計画する場合は MSF for Agile を選択します。

  • 要件と変更要求に基づいて製品を計画する場合は、MSF for CMMI を選択します。

イテレーション バックログの管理

  • MSF for Agile には、イテレーションの計画に使用できるイテレーション バックログ ブックが用意されています。

バグのバックログの管理

  • MSF for CMMI には、症状や提案された修正を追跡するためのフィールドが別途設けられています。

プロジェクト管理

  • MSF for Agile では、懸案事項の作業項目を作成することで、チーム プロジェクトの既知のまたは潜在的な問題、障害、またはリスクを追跡できます。

  • MSF for CMMI では、懸案事項またはリスクの作業項目を作成することで、チーム プロジェクトの既知のまたは潜在的な問題、障害、またはリスクを追跡できます。 また、レビュー作業項目を使用して、コード レビューを正式に追跡することができます。

テスト管理

  • テスト ケースのために追跡される情報は、基本的にどちらの MSF プロセス テンプレートも同じです。

  • テスト管理レポートは、基本的にどちらの MSF プロセス テンプレートも同じです。

監査証跡

サポート状況

サポート状況

  • 厳密な監査をサポートする必要がない場合は、MSF for Agile を選択します。

  • 厳密な監査証跡を維持する必要がある場合、または、Capability Maturity Model Integration (CMMI) 評価に向けた取り組みを行っている場合は、MSF for CMMI を選択します。

Agile と CMMI のワークフロー状態の主な違い

次の図は、MSF for Agile と MSF for CMMI のプロセス テンプレートに用意されている 4 種類の作業項目のワークフロー状態を示しています。 それぞれのワークフロー状態の主な違いは、MSF for CMMI の作業項目は常に "提案済み" 状態で始まる (つまり、最初の状態が "アクティブ" ではない) 点です。

また、ワークフローも MSF for Agile 方がシンプルです。MSF for Agile のワークフローは、タスクのプロセスが 2 つの状態から成るのに対し、MSF for CMMI のワークフローのプロセスには 4 つの状態があります。

MSF for Agile

MSF for CMMI

ユーザー ストーリーの状態の図

ユーザー ストーリーの状態ダイアグラム

要件の状態

要求ワークフロー

タスクの状態の図

タスクの状態ダイアグラム

タスクの状態の図

CMMI のタスクの状態ダイアグラムまたはワークフロー

バグの状態

バグの状態ダイアグラム

バグの状態

CMMI のバグの状態ダイアグラムまたはワークフロー

懸案事項の状態の図

懸案事項の状態ダイアグラム

懸案事項の状態の図

CMMI の懸案事項の状態ダイアグラムまたはワークフロー

プロセス テンプレートのカスタマイズ

すべてのプロセス テンプレートは、特定の要件に合うようにカスタマイズできます。 また、チーム プロジェクトのプロセスを作成した後で、特定のプロセス テンプレートを使用して、そのプロセスをカスタマイズすることもできます。 プロセス テンプレートの成果物は、別のプロセス テンプレートに追加して使用することができます。 詳細については、次のトピックを参照してください。

参照

その他の技術情報

成果物 (アジャイル)

成果物 (CMMI)

新しいチーム プロジェクトの開始