作業の追跡の概要

このチュートリアルでは、作業項目を作成し、それを Visual Studio アプリケーション ライフサイクル管理 (ALM) の完全なプロジェクトを通して追跡する方法について説明します。 また、プロジェクト チェックリストを使用してプロジェクトの各フェーズで主要な手順を確実に実行する方法についても説明します。

このチュートリアルを完了すると、作業項目を簡単に他のプロジェクト処理と統合できることがわかります。

このトピックの内容

  • 前提条件

  • チーム エクスプローラーにおけるチーム プロジェクト

  • 作業項目の追加

  • 作業項目の表示

  • 作業項目の検索

    • 簡単な作業項目クエリの作成

    • フィールドの追加およびクエリ結果の並べ替え

    • クエリ句のグループ化

  • クエリの保存

  • クエリへのリンクの電子メールによる送信

注意

このトピックは、MSF (Microsoft Solutions Framework) for Agile Software Development v5.0 に対応する作業項目の種類およびクエリに基づいています。 プロジェクトで別のプロセス テンプレートを使用する場合は、作業項目の種類やクエリが異なることがあります。 MSF for Agile Software Development v5.0 は、Team Foundation に含まれているプロセス ガイダンス テンプレートの 1 つです。 詳細については、「成果物 (アジャイル)」を参照してください。

必要なアクセス許可

作業項目を表示または作成するには、貢献者グループのメンバーであるか、または [このノードの作業項目を表示します] および [このノードの作業項目を編集します] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 詳細については、「チーム プロジェクトへのユーザーの追加」を参照してください。

チーム クエリを保存するには、チーム クエリに対する [投稿] または [フル コントロール] アクセス許可が割り当てられているグループに割り当てられているか、そのグループに属している必要があります。 詳細については、「作業項目クエリに対するアクセス許可の整理および設定」を参照してください。

前提条件

  • 既存の Team Foundation Server 接続。 詳細については、「Connect and Access Team Projects in Team Foundation Server」を参照してください。

  • 既存のチーム プロジェクト。 詳細については、「チーム プロジェクトの作成」を参照してください。

  • 作業項目の割り当て対象として可能な 1 人以上の Team Foundation ユーザー。 詳細については、「チーム プロジェクトへのユーザーの追加」を参照してください。

チーム エクスプローラーにおけるチーム プロジェクト

Visual Studio を起動すると、次の図に示すように、チーム エクスプローラーの個別のペイン (ドッキング可能) でプロジェクトが開きます。

すべてのチーム プロジェクトのチーム プロジェクト ツリーに次のノードが含まれています。

  • [作業項目]   このノードには、チーム プロジェクトの [チーム クエリ][マイ クエリ] が含まれます。これについては、このトピックで後ほど説明します。

  • [ドキュメント]   ドキュメントの共有をサポートします。プロジェクトの作成時にアップロードされたドキュメントが含まれます。 このノードは、SharePoint 製品に基づくプロジェクト ポータルでチーム プロジェクトが構成されている場合に限り表示されます。

  • [レポート]   レポートの共有をサポートします。プロジェクトの作成時にアップロードされたレポートが含まれます。 このノードは、SQL Server Reporting Services でチーム プロジェクトが構成されている場合に限り表示されます。

  • [チーム ビルド]   このノードから Team Foundation のビルド機能を使用できます。

  • [ソース管理]   このノードから Team Foundation のバージョン コントロール機能を使用できます。

チーム プロジェクト ノードに加え、チーム プロジェクトの一覧の一番上には [お気に入り] フォルダーが表示されます。 [お気に入り] フォルダーにショートカットを追加すると、よく使用する作業項目にすばやくアクセスできます。 詳細については、「頻繁に使用するまたは最近表示した作業項目、クエリ、およびレポートへのアクセス」を参照してください。

チーム エクスプローラー ノード

作業項目の追加

作業項目を作成および更新することで、チーム プロジェクトの作業を追跡します。 チーム メンバーが作業項目を処理するに従って、作業項目はアクティブから終了まで各種の状態に遷移します。 チーム プロジェクトで MSF for Agile Software Development v5.0 プロセス テンプレートを使用する場合は、次の種類の作業項目を使用できます。

  • [ユーザー ストーリー]   ユーザーのニーズまたは要求に対応するために実装される特徴、機能、および要件の説明。

  • [バグ]   障害、つまり製品に期待される動作と実際に観察された動作間のずれ。

  • [タスク]   人またはグループが達成する必要があるスタンドアロンのアクション。

  • [懸案事項]   チーム プロジェクトに対する既知のまたは潜在的な問題、障害、またはリスク。

  • [テスト ケース]   予想される結果を含む一連のアクション。 テスト ケースは、アプリケーションが正しく実行されるかどうかを評価するために使用されます。

  • [共有ステップ]   テスト ケース間で再利用できるテスト ステップのグループ。

バグ作業項目を追加するには

  1. チーム エクスプローラーで、チーム プロジェクト ノードを展開します。

  2. [作業項目] フォルダーを右クリックし、[作業項目の追加] をポイントして、[バグ] をクリックします。

  3. [タイトル] フィールドに「バグのテスト」と入力します。

  4. フォームのフィールドに入力して、フォームを完成します。 作業項目を保存するには、すべての必須フィールドに入力する必要があります。

    必須フィールドは別の色になっています。

  5. フォーム ツール バーの 保存 ([作業項目の保存]) をクリックします。

    バグを保存すると、Team Foundation によってバグに ID 番号が割り当てられます。 この番号により、プロジェクトを通じてバグを追跡できます。 このチュートリアルの別の手順で参照できるように、この ID 番号を書き留めてください。

このチュートリアルを開始する前に、作業項目をいくつか追加し、必須フィールドに異なる値を割り当てる必要があります。 たとえば、優先度が "1" のバグを追加し、自分に割り当てる必要があります。 優先度が "1" の別のバグを追加し、チームの他のメンバーに割り当てます。 次に、[タスク] をいくつか追加し、自分または他のチーム メンバーに割り当てます。 続けて、5 つの使用可能な作業項目の種類を組み合わせて 8 ~ 10 個の作業項目を追加します。 さまざまな作業項目の種類がある場合は、それらの違いによって作業項目を検索できます。

作業項目の表示

現在作業中のチーム プロジェクト、またはチーム エクスプローラーに追加した別のチーム プロジェクトから任意の項目を開くことができます。

自分に割り当てられたすべての作業項目を表示するには

  1. いくつかの作業項目を作成し、他のチーム メンバーに割り当てたら、チーム エクスプローラーを開き、チーム プロジェクトを展開し、[作業項目] ノードを展開し、[チーム クエリ] ノードを展開します。

  2. [担当のバグ] クエリをダブルクリックして、自分に割り当てられたバグを検索します。

  3. [担当タスク] クエリをダブルクリックして、自分に割り当てられたタスクを検索します。

  4. [結果リスト] ウィンドウで作業項目を選択し、その作業項目をダブルクリックして、作業項目フォームを開きます。

作業項目 ID はすべてのチーム プロジェクトとすべての作業項目の種類全体で一意なので、ID がわかっていれば、作業項目を簡単に見つけることができます。

特定の作業項目を見つけるには

  1. [チーム] メニューの [作業項目へ移動] をクリックします。

  2. [作業項目へ移動] ダイアログ ボックスで、ID 番号を入力します。

  3. [OK] をクリックして作業項目を開きます。

作業項目の検索

特定の条件に合致する作業項目を見つけるには、検索、つまりクエリを使用します。 指定する条件は、必要としている情報によって異なります。 クエリの各行をクエリ句と呼びます。 クエリを作成することを質問することになぞらえると、クエリ句は、質問の範囲を絞り込んで、自分の目的に合った最適な答えを得るための手段にあたります。

ヒント

最適な結果を得るためには、クエリを実行する前に少なくとも 1 つの句を追加します。 句を使用せずにクエリを実行すると、チーム プロジェクト コレクション全体が検索されます。 チーム プロジェクト コレクションが大きい場合は、句を指定しなければ検索に多くの時間とリソースが必要になります。 クエリのデザインが不適切な場合、Team Foundation Server のパフォーマンスがチーム全体で低下する可能性があります。

既存の作業項目クエリの検索と実行を行うには

  1. [作業項目] ノードの [チーム クエリ] フォルダーで、[イテレーション 1] フォルダーをクリックします。

  2. [アクティブなタスク] クエリをダブルクリックします。

    クエリは結果ビューに表示されます。結果ビューの上部に [クエリ結果] が表示され、下のペインに作業項目フォームが配置されます。

簡単な作業項目クエリの作成

作成した作業項目を使用すると、基準を満たす 1 つ以上の項目を検索する簡単なクエリを作成できます。

簡単な作業項目クエリを作成するには

  1. [作業項目] ノードで、[マイ クエリ] ノードを右クリックし、[クエリの追加] をクリックします。

  2. 必要な答えが得られるまでクエリ句を追加します。 たとえば、「Priority = 1」の句を追加し、次に別の「Activated By = @me」の句を追加します (@me によって自動的に自分のエイリアスが挿入されます)。

    注意

    さらに複雑なクエリの場合は、結果がわかっている小さなサブセットを検索してクエリをテストします。 必要に応じて、チーム プロジェクト全体に対して実行する前にクエリを変更できます。 たとえば、グループ全員に割り当てられた作業項目に対して実行する前に、自分に割り当てられた作業項目に対してのみクエリをテストできます。

  3. クエリ ビュー ツール バーで、[クエリの実行] をクリックします。

    結果は、[クエリ結果] 一覧に表示されます。

  4. クエリ ツール バーの 保存 ([クエリの保存]) をクリックします。

  5. [クエリに名前を付けて保存] ダイアログ ボックスで [名前] に「MyQuery1」と入力します。

  6. [保存] をクリックして、クエリを [マイ クエリ] フォルダーに保存します。

フィールドの追加およびクエリ結果の並べ替え

初めてクエリを実行した後、クエリ結果の表示をカスタマイズできます。

クエリ結果に表示されるフィールドを変更するには

  1. [クエリ ビュー] ツール バーの [列のオプション] をクリックします。

  2. [列オプション] ダイアログ ボックスの [フィールド] タブを選択します。

  3. [使用可能な列] で、[作業項目の種類] を選択します。

    注意

    複数の列を表示する場合は、Ctrl キーを押しながら 2 つ以上の列を選択します。 列の名前は [使用可能な列] にアルファベット順に一覧表示されます。

  4. [>] をクリックして、選択項目を [選択した列] にコピーします。

    注意

    [クエリ結果] 一覧の列を削除するには、[選択した列] で列の名前を選択し、[<] をクリックします。

    注意

    [クエリ結果] 一覧で列の位置を変更するには、列を選択して、ダイアログ ボックスの上向きまたは下向きの矢印をクリックします。

  5. [OK] をクリックしてオプションを保存し、クエリ結果用に選択した列を表示します。

クエリ結果リストを並べ替えるには

  1. [クエリ ビュー] ツール バーの [列のオプション] をクリックします。

  2. [列のオプション] ダイアログ ボックスの [並べ替え] タブをクリックします。

  3. [使用できる列] で、列の [作業項目の種類] を選択します。

  4. [>] をクリックして、選択項目を [選択した列] に移動します。

  5. [選択された列] ボックスで列を選択し、ダイアログ ボックスの上向きまたは下向きの矢印をクリックして、列を並べ替えます。

  6. [選択された列] ボックスで列を選択し、昇順または降順アイコンをクリックして並べ替えの方向を制御します。

  7. [OK] をクリックしてオプションを保存します。

クエリ句のグループ化

大量のデータを処理する場合や正確な合計が必要な場合は、最適な結果が得られるような順序でクエリを構成する句を整理する必要があります。

  • クエリ句の追加、削除、および移動  操作の結果をテストします。 この方法で、ほとんどのクエリが作成されます。

  • 句のグループ化   クエリ句のグループ化は、数式で式を囲むかっこを付けるようなものです。

クエリ句をグループ化するには

  1. 先ほど作成したクエリの最後の 2 つのクエリ句を選択します。

  2. クエリ ツール バーの クエリ句のグループ化 ([句のグループ化]) をクリックしてクエリを実行します。

    かっこのように見える角かっこにより、2 つの行が囲まれます。

クエリの保存

必要な結果を検索するクエリを作成したら、後で使用するために保存できます。

クエリを保存するには

  1. クエリを作成します。

  2. クエリ ツール バーの 保存 ([クエリの保存]) をクリックしてクエリを実行します。

  3. [クエリに名前を付けて保存] ダイアログ ボックスで、[名前] にクエリの名前を入力します。

  4. [クエリの種類と保存場所を選択します] で、次のオプションのいずれかを選択します。

    • [作業項目] ノードの下にクエリを保存する: [サーバー] を選択します。 [クエリ フォルダー] ボックスで、チーム プロジェクトと、クエリを保存するフォルダーまたはサブフォルダーを選択します。

      クエリを使用するのが自分のみの場合は、クエリを [マイ クエリ] またはこのノードの下のフォルダーに保存します。

      クエリを他のチーム メンバーが使用する場合は、クエリを [チーム クエリ] またはこのノードの下のフォルダーに保存します。

    • クエリをファイルに保存して電子メールで送信できるようにする: [ファイル] を選択し、ファイルを保存するフォルダーとファイルの名前を入力します。 Team Foundation によって、クエリは .wiq というファイル名拡張子で保存されます。

      詳細については、「作業項目クエリに対するアクセス許可の整理および設定」を参照してください。

  5. [保存] をクリックします。

クエリへのリンクの電子メールによる送信

クエリ結果へのハイパーリンクを作成して Team System Web Access で表示するには

  • (省略可能) Team System Web Access に表示されるクエリ結果にアクセスするためのクエリへのハイパーリンクを作成するには、チーム エクスプローラーでクエリのタブを右クリックし、[完全パスのコピー] をクリックします。

    コピーしたリンクは電子メールで送信できます。

参照

概念

チーム クエリ (CMMI)

その他の技術情報

チーム クエリ (アジャイル)

作業項目とワークフロー (アジャイル)

作業項目とワークフロー (CMMI)

Managing Team Foundation Work Items

作業項目のクエリ

Walkthrough: Adding Links and Attachments to Work Items