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SQL Server サービスのインストールの概要

SQL Server 2012 サービス更新プログラムが適用された、インストール済みの SQL Server 2012 コンポーネントに更新プログラムを適用できます。 既存の SQL Server 2012 コンポーネントのバージョン レベルが更新のバージョン レベルより新しい場合、そのコンポーネントは、セットアップ プログラムによって自動的にアップデートから除外されます。 サービスの更新プログラムの適用の詳細については、「SQL Server 2012 サービス更新プログラムのインストール」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=231297) を参照してください。

SQL Server 2012 の更新プログラムをインストールする際は、次の点に注意してください。

  • 1 つの SQL Server インスタンスに属する機能はすべて同時にアップデートする必要があります。 たとえば、データベース エンジンをアップデートする際に、同じ SQL Server インスタンスの一部として Analysis Services と Reporting Services がインストールされている場合は、それらのコンポーネントもアップデートする必要があります。 管理ツール、SQL Server データ ツール (SSDT)、SQL Server Integration Services などの共有機能は、常に最新の更新プログラムで更新しておく必要があります。 機能ツリーで選択されていないコンポーネントまたはインスタンスは、更新されません。

  • 既定では、SQL Server 2012 更新プログラムのログ ファイルは %Program Files%\Microsoft SQL Server\110\Setup Bootstrap\LOG\ に保存されます。

  • SQL Server のセットアップでは、更新プログラムと元のメディアを統合して、元のメディアと更新プログラムを同時に実行できるようになりました。 詳細については、「SQL Server 2012 のインストールでの製品の更新プログラム」および「SQL Server インストールの新機能」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=219508) を参照してください。

  • SQL Server 2012 サービス更新プログラムを適用する前に、データのバックアップを検討することをお勧めします。

  • SQL Server 更新プログラムは、Microsoft Update で入手できます。 SQL Server のインスタンスを最新で安全な状態に保つために、更新プログラムを定期的に確認することをお勧めします。SQL Server 2012 SP1 は、SQL Server の完全なインストールとして提供されています。 このリリースでは、SQL Server 2012 RTM インスタンスに適用される標準の修正プログラム実行可能パッケージとして Service Pack が提供されるのではなく、インストール パッケージ (2 ファイルで構成) が提供されます。 これを実行すると、SP1 がプレインストールされた状態で SQL Server 2012 の新しいインスタンスがインストールされます。 詳細については、「SQL Server 2012 SP1 の完全インストール」を参照してください。

要件および既知の問題

パッケージをインストール、ダウンロード、および展開するために必要な推奨ディスク領域は、パッケージのサイズの約 2.5 倍です。 サービス パックのインストール後は、ダウンロードしたパッケージを削除できます。 一時ファイルは、すべて自動的に削除されます。

既知の問題の確認: 現在のリリースの既知の問題の詳細については、「SQL Server リリース ノート」の対応するトピックを参照してください。

インストールの概要

ここでは、SQL Server 2012 の累積更新プログラムおよびサービス パックのインストール方法について、次の各操作を含めて説明します。

  • SQL Server 2012 更新プログラムのインストールの準備

  • SQL Server 2012 更新プログラムのインストール

  • サービスとアプリケーションの再起動

SQL Server 2012 更新プログラムのインストールの準備

SQL Server 2012 更新プログラムをインストールする前に、次のように対処することを強くお勧めします。

  • SQL Server システム データベースをバックアップする - SQL Server 2012 更新プログラムをインストールする前に、master データベース、msdb データベース、および model データベースをバックアップします。 SQL Server 2012 更新プログラムをインストールするとこれらのデータベースは変更され、以前のバージョンの SQL Server 2012 と互換性がなくなります。 これらの更新プログラムが適用されていない SQL Server 2012 を再インストールする場合には、これらのデータベースのバックアップ データが必要になります。

    また、必要なユーザー データベースのバックアップも行ってください。

    重要な注意事項重要

    レプリケーション トポロジに含まれる SQL Server インスタンスに更新プログラムを適用する場合は、適用前に、システム データベースに加えてレプリケートされたデータベースもバックアップする必要があります。

  • Analysis Services データベース、構成ファイル、およびリポジトリをバックアップする - Analysis Services インスタンスを更新する前には、次のバックアップを行う必要があります。

    • Analysis Services データベース。 既定では、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSAS11.<InstanceID>\OLAP\Data\ にインストールされています。 WOW のインストールの場合、既定のパスは C:\ProgramFiles (x86)\Microsft SQL Server\MSAS11.<InstanceID>\OLAP\Data\ になります。

    • msmdsrv.ini 構成ファイル内の Analysis Services の構成設定。 既定では、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSAS11.<InstanceID>\OLAP\Config\ ディレクトリにあります。

    • (省略可) Analysis Services リポジトリが格納されているデータベース。 この手順が必要になるのは、Analysis Services が Decision Support オブジェクト (DSO) ライブラリを使用するように構成された場合のみです。

    注意

    Analysis Services データベース、構成ファイル、およびリポジトリをバックアップしなかった場合、更新された Analysis Services インスタンスを以前のバージョンに戻すことはできなくなります。

  • システム データベースに十分な空き領域があることを確認する - master システム データベースおよび msdb システム データベースに自動拡張オプションが選択されていない場合は、これらのデータベースにそれぞれ 500 KB 以上の空き領域が必要です。 データベースに十分な空き領域があるかどうかを確認するには、master データベースと msdb データベースで sp_spaceused システム ストアド プロシージャを実行します。 いずれかのデータベースで未割り当て領域が 500 KB より少ない場合は、データベースのサイズを増やします。

  • サービスとアプリケーションを停止する - システムの再起動を回避するために、SQL Server 2012 更新プログラムをインストールする前に、アップグレードする SQL Server インスタンスに接続しているすべてのアプリケーションとサービスを停止します。 これには、SQL Server Management Studio および SQL Server データ ツール (SSDT) も含まれます。 詳細については、「データベース エンジン、SQL Server エージェント、SQL Server Browser サービスの開始、停止、一時停止、再開、および再起動」を参照してください。

    注意

    フェールオーバー クラスター環境ではサービスを停止できません。 詳細については、後のフェールオーバー クラスターのインストールに関するセクションを参照してください。

  • 更新プログラムのインストール後にコンピューターを再起動しなくてもいいように、セットアップではファイルをロックしているプロセスの一覧が表示されます。 更新プログラムのセットアップ プログラムで、インストール中にサービスを終了する必要がある場合は、インストールの完了後にそのサービスが再起動されます。

  • セットアップで、インストール中にファイルがロックされていると認識された場合、インストール終了後にコンピューターの再起動が必要になることがあります。 再起動が必要な場合は、コンピューターの再起動を促すメッセージが表示されます。

SQL Server 2012 更新プログラムのインストール

ここでは、インストール プロセスについて説明します。

重要な注意事項重要

SQL Server 2012 更新プログラムは、この更新プログラムをインストールするコンピューターに対して管理者特権があるアカウントでインストールする必要があります。 ローカル インストールの場合は、セットアップを管理者として実行する必要があります。 SQL Server をリモート共有からインストールする場合は、そのリモート共有に対する読み取り権限と実行権限を持つドメイン アカウントを使用する必要があります。

SQL Server 2012 更新プログラムの開始

SQL Server 2012 更新プログラムをインストールするには、自己解凍形式のパッケージ ファイルを実行します。

累積更新プログラム パッケージ (CU): <SQLServer2012>-KBxxxxxx-PPP.exe

サービス パック パッケージ (PCU): <SQLServer2012><SPx> -KBxxxxxx-PPP-LLL.exe

  • x はサービス パックの番号を表します。

  • PPP は特定のプラットフォームを表します。

  • LLL は SQL Server 言語の省略形を表します。たとえば、英語の場合は LLL は ENU です。

フェールオーバー クラスターに含まれる SQL Server 2012 コンポーネントに更新プログラムを適用するには、フェールオーバー クラスターのインストールに関するセクションを参照してください。 更新プログラムのインストールを自動モードで実行する方法の詳細については、「コマンド プロンプトからの更新プログラムのインストール」を参照してください。

SQL Server 2012 インストールの製品の更新プログラム

製品の更新プログラムは、SQL Server 2012 セットアップの新機能です。 セットアップでは、メインの製品と適用可能な更新プログラムが同時にインストールされるように、最新の製品の更新プログラムとメインの製品のインストールが統合されます。 製品の更新プログラムは、Microsoft Update、Windows Server Update Services (WSUS)、ローカル フォルダー、またはネットワーク共有で適用可能な更新プログラムを検索できます。 セットアップで最新バージョンの適用可能な更新プログラムが検出されると、ダウンロードが実行されて、現在の SQL Server のセットアップ プロセスと統合されます。 製品の更新プログラムは、累積更新プログラム、サービス パック、またはサービス パックと累積更新プログラムに取り込むことができます。 製品の更新プログラム機能は、SQL Server 2008 PCU1 で提供されていたスリップストリーム機能を拡張したものです。 SQL Server 2012 セットアップの製品の更新プログラム機能の詳細については、「SQL Server 2012 のインストールでの製品の更新プログラム」を参照してください。

SQL Server 2012 SP1 の完全インストール

SQL Server 2012 SP1 は、SQL Server の完全なインストール パッケージとして利用することもできます。 SQL Server 2012 SP1 インストール パッケージでは、SP1 がプレインストールされた状態で SQL Server の新しいインスタンスがインストールされます。

このパッケージには、実行可能ファイルと圧縮形式のインストール ファイルが含まれます。 各ファイルは、SQLServer2012SP1-<アーキテクチャ>-<言語>.exe および SQLServer2012SP1-<アーキテクチャ>-<言語>.box という形式です。

SQL Server 2012 SP1 のインストール時は、次の指示を確認してください。

  • ダウンロード ページから、デバイスの一時ディレクトリに次のファイルをダウンロードします。

    • SQLServer2012SP1-architecture-language.box

    • SQLServer2012SP1-architecture-language.exe

  • ダウンロードが完了したら、SQLServer2012SP1-<アーキテクチャ>-<言語>.exe をダブルクリックしてインストール処理を開始します。

  • [抽出したファイルのディレクトリを選択します] ダイアログには、既定のディレクトリ パスとして <現在のドライブ>\<現在の作業フォルダー>\<パッケージ名> が入力されています。 たとえば、%temp%\SQLServer2012SP1-x64-ENU\ です。 抽出したファイルのディレクトリ パスを変更するには、[参照] をクリックします。

  • パッケージは指定したインストール パスに解凍され、インストールの完了後も選択したディレクトリ パスに残されます。 将来のインストールで、抽出フォルダー内のバイナリを使用できます。

  • インストール ウィザードで SQL Server インストール センターが実行されます。 「インストール ウィザードからの SQL Server 2012 のインストール (セットアップ) (https://msdn.microsoft.com/library/ms143219.aspx)」に示されているインストール手順に従ってください。

次の表に、SQL Server 2012 SP1 パッケージの抽出に使用できるコマンド ライン パラメーターのいくつかを示します。

SP1 パッケージに直接指定することが可能な、サポートされているコマンド ライン パラメーターの詳しい一覧については、「コマンド プロンプトからの SQL Server 2012 のインストール (https://msdn.microsoft.com/library/ms144259.aspx)」を参照してください。

パラメーター

説明

/x または -x

[抽出したファイルのディレクトリを選択します] ダイアログを開いた後、指定されたパスにパッケージを抽出します。

セットアップは実行しません。

/x:<パス> または -x:<パス>

指定されたパスにパッケージを抽出します。セットアップは起動しません。

/q または -q

セットアップが、ユーザー インターフェイスなしで、非表示モードで実行されるように指定します。 このパラメーターは、自動インストールに使用されます。

/l:<パス> または -l:<パス>

既定では、ログ ファイルは temp ディレクトリに SQLServer2012SPx-<アーキテクチャ>-<言語>_decompression_log.txt という名前で保存されます。

このパラメーターを使用して、指定したパスに抽出ログ ファイルを生成します。

例:

SQLServer2012SP1-x64-ENU /x /l:<パス>

このオプションは /x または –x と共に使用するか、/x:<パス> または -x:<パス> と共に使用する必要があります。

SQL Server の準備済みイメージの更新

未構成の準備済み SQL Server インスタンスの構成を完了しなくても、そのインスタンスに更新プログラムを適用できます。 準備済み SQL Server インスタンスに更新プログラムを適用するさまざまな方法について説明します。

  • 事前に準備された SQL Server インスタンスを更新する。

    準備済みインスタンスに対する更新プログラムは、構成前に適用することができます。 更新プログラム パッケージは、インスタンスが準備された状態であることを検出すると、その準備済みインスタンスに修正プログラムを適用します。その際、構成は完了しません。

  • Microsoft Update を使用して準備済みインスタンスを更新する。

    Microsoft Update を使用して、準備済み SQL Server インスタンスに更新プログラムを適用できます。 Microsoft Update パッケージは、インスタンスが準備された状態であることを検出すると、その準備済みインスタンスに修正プログラムを適用します。その際、構成は完了しません。

SQL Server の準備済みイメージを更新している場合は、InstanceID パラメーターを指定する必要があります。 詳細およびサンプル構文については、「コマンド プロンプトからの更新プログラムのインストール」を参照してください。

SQL Server の完了したイメージの更新

完了および構成済みの SQL Server インスタンスを更新するには、インストールされているその他の SQL Server インスタンスと同じプロセスに従います。

SQL Server 2012 フェールオーバー クラスター ノードの再構築

更新プログラムの適用後にフェールオーバー クラスター内のノードを再構築する必要がある場合は、次の手順を実行します。

  1. フェールオーバー クラスター内のノードを再構築します。 ノードの再構築の詳細については、「フェールオーバー クラスター インスタンス障害からの復旧」を参照してください。

  2. 元の SQL Server 2012 セットアップ プログラムを実行して、フェールオーバー クラスター ノードに SQL Server 2012 をインストールします。

  3. 追加したノードに対して SQL Server 2012 更新プログラムのセットアップを実行します。

サービスとアプリケーションの再起動

セットアップ プログラムの完了時に、コンピューターの再起動が必要になる場合があります。 システムを再起動した後、または再起動を求められることなくセットアップ プログラムが終了した後は、コントロール パネルの [サービス] ノードを使用して、SQL Server 2012 更新プログラムの適用前に停止したサービスを再起動します。 たとえば、分散トランザクション コーディネーター サービスや Microsoft Search サービスのようなサービス、またはインスタンス固有のサービスなどを再起動します。

次に、SQL Server 2012 更新プログラムのセットアップの実行前に終了したアプリケーションを再起動します。 インストールが正常に終了した直後に、アップグレード後の master データベース、msdb データベース、および model データベースをバックアップすることもお勧めします。

SQL Server 2012 の更新プログラムのアンインストール

SQL Server 2012 累積更新プログラムおよびサービス パックのアンインストールは、コントロール パネルの [プログラムと機能] で行うことができます。 インストールされた更新プログラムの一覧を表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[コントロール パネル] をクリックします。[プログラム][プログラムと機能][インストールされた更新プログラムを表示] の順にクリックして、[インストールされた更新プログラム] を開きます。 各累積更新プログラムは、個別に表示されています。 ただし、累積更新プログラムより新しいサービス パックがインストールされていると、累積更新プログラムの項目が表示されなくなるため、サービス パックをアンインストールしないと個別の項目を利用できません。

サービス パックおよび更新プログラムをアンインストールするには、SQL Server のインスタンスに適用されている最新のものから古いものへと順番に処理していってください。 以下の各例では、サービス パックおよび更新プログラムをアンインストールすることによって、SQL Server は Cumulative Update 1 の状態になります。

  • SQL Server 2012 のインスタンスに Cumulative Update 1 および SP1 がインストールされている場合、SP1 をアンインストールします。

  • SQL Server 2012 のインスタンスに Cumulative Update 1、SP1、および Cumulative Update 2 がインストールされている場合、まず Cumulative Update 2 をアンインストールし、次に SP1 をアンインストールします。

関連項目

その他の技術情報

コマンド プロンプトからの SQL Server 2012 のインストール

SQL Server 2012 サービス更新プログラムのインストール

SQL Server のインストールの検証

SQL Server セットアップ ログ ファイルの表示と読み取り