CPU 使用状況ビュー

このビューには、分析対象のプロセス (アイドル状態のプロセス、システム プロセス、および一定期間システム上で実行中のその他のプロセス) による平均コア使用状況が表示されます。 任意の時点にどのコアがアクティブかは表示されません。 たとえば、2 つのコアが特定の期間それぞれ最大利用可能時間の 50% 実行されている場合、このビューには使用されている 1 つの論理コアが表示されます。 このビューは、プロファイル時間を短い時間セグメントに分割して生成されます。 セグメントごとに、その期間中に論理コアで実行されているプロセス スレッドの平均数がグラフに示されます。

CPU 使用状況ビュー

このグラフの x 軸には時間が示され、アイドル状態のプロセス (アイドル状態のコアを表示) およびシステム プロセス (その他のプロセスの代わりの処理を実行する Windows 内の特別なプロセス) について、その時間に対象プロセスが使用する平均論理コア数が表示されます。 システム アカウント上で実行されているその他のプロセスが、残りのコアの使用状況に対応します。

論理コアの数は、y 軸に示されます。 Windows オペレーティング システムは、ハードウェアでの同時マルチスレッドのサポート (たとえば、Hyper-Threading など) を論理コアとして扱います。 このため、1 つのコアについて 2 つのハードウェア スレッドをサポートするクアッドコア プロセッサが搭載されたシステムは、8 つの論理コアのシステムとして表示されます。 これは、コア ビューにも当てはまります (詳細については、「コア ビュー」を参照してください)。

また、アプリケーションが 1 つのコアを使用中であると表示された場合、このアプリケーション スレッドがコア 1 上で実行されているのではなく、このアプリケーション スレッドが、1 つの論理コア相当分を平均的に使用したことを示しています。 コア ビューを使用すると、論理コアへのスレッドのマッピングを調べることができます。

アプリケーションでシナリオ マーカーを使用する場合、CPU 使用状況ビューには、アプリケーション内の開始および停止の組み合わせに対応する垂直のマーカーも表示できます。 これにより、ビュー内の領域を、調査中の動作の実行元であるアプリケーションのフェーズと関連付けることができます。 詳細を表示するには、垂直のマーカーの上にカーソルを配置します。これにより、アプリケーション内でマーカーに指定した文字列がツールヒントに表示されます。 これはオプションの機能ですが、パフォーマンス分析に使用することをお勧めします。 同時実行ビジュアライザーでは、CPU 使用状況ビュー用に最大 100 個のマーカーと、コア ビューおよびスレッド ビュー用に最大 500 個のマーカーがサポートされます。

目的

CPU 使用状況ビューは、同時実行ビジュアライザーを使用したパフォーマンス調査の開始点として使用することをお勧めします。 一定時間におけるアプリケーションの同時実行の程度を示すことで、目的の領域をすばやく識別できます。 同時実行ビジュアライザーは、パフォーマンスの調整と並列化という 2 つの作業を実施する目的で使用します。

パフォーマンスの調整を目的とする場合は、予想する動作と異なる動作を特定してください。 論理 CPU コアの使用率が低い領域の存在と原因を特定することに目を向けることもできます。

アプリケーションの並列化を目的とする場合、通常は CPU がバインドされている実行領域 (CPU が活用されていない領域) を探します。

CPU がバインドされている領域は緑色になっており、アプリケーションが並列の場合は使用されている 1 つのコアがグラフに表示されます。

CPU が活用されていない領域は、灰色で表示されます。 これらは、アプリケーションがアイドル状態になっているポイント、またはブロックの原因となる I/O (他の CPU バインド処理と重なることで並列化の実施対象になる) を実行するポイントを表している可能性があります。

目的の動作を特定すると、領域を選択することでその領域を拡大できます。 拡大すると、スレッド ビューまたはコア ビューに切り替え、より詳細な分析を行うことができます。

ズーム

CPU 使用状況グラフを拡大するには、グラフ内をクリックしてドラッグすることでセクションを選択する、またはグラフ上のズーム スライダー ツールを使用します。 さらに拡大するには、同じ操作を実行します。 ズーム設定は、他のビューに切り替えてもそのままになります。 縮小し直すには、ズーム スライダー ツールを使用します。

参照

概念

同時実行ビジュアライザー

その他の技術情報

コア ビュー