クラスタ化について

クラスタ化について

重要   ここで説明するクラスタ化機能は Windows 2000 Advanced Server にのみ用意されています。

ここでは、クラスタ化、フォールト トレランス、負荷分散、複製の概念について説明します。複数のサーバーを持つサイトでは、適切なフォールト トレランスと負荷分散により、パフォーマンスが強化されます。

クラスタ化

クラスタ化ソフトウェアを使用して、ユーザー側からは 1 台のコンピュータとして見えるように、複数のサーバーを接続することができます。この方法で接続すると、フェールオーバーや負荷分散など、スタンドアロンのサーバー ノードでは使用できない機能を利用できるようになります。また、クラスタ化されたサーバーでは、データベースなど重要な情報の入ったクラスタ化ディスクを共有することも可能です。

フォールト トレランス

フォールト トレランスとは、1 つのサーバー ノードが機能を停止した場合に、別のサーバー ノードによって即座に要求の負荷を引き継ぎ、処理の中断を最小限に抑えることを意味します。1 つのサーバー ノードの作業負荷を、自動的に別のノードに引き継ぐプロセスは "フェールオーバー" と呼ばれます。停止したサーバー ノードがオンラインに戻ったときに、負荷を元に戻すプロセスは "フェールバック" と呼ばれます。

負荷分散

負荷分散とは、複数のサーバーの間で要求負荷を分散して、大量のアクティビティをサポートすることをいいます。この結果、負荷が過剰になったり、十分に活用されていなかったりするサーバー ノードが 1 つもなくなります。サーバー クラスタでは、特定のサーバー ノードに Web サイトや FTP サイトを手動、あるいはプログラムで割り当てることにより、静的な負荷分散を行います。ネットワーク負荷分散クラスタでは、複数のサーバー ノードの間でクライアント接続を分散させることにより、負荷分散を行います。

   一般に、クラスタは、負荷分散とフォールト トレランスの両方を目的として構成されます。

複製

複製では、あるサーバーから別のサーバーへ構成設定がコピーされるので、すべてのサーバーからユーザーへ同じリソースが提供されます。クラスタがコンテンツを共有しているかどうかに関係なく、すべてのクラスタで構成設定が複製される必要があります。また、ディスク ドライブなどのデータ記憶装置を共有しているクラスタでは、コンテンツの複製は必要ありません。クラスタ化アプリケーションの多くで、コンテンツと構成設定の両方の複製がサポートされています。IIS には、1 台のコンピュータからほかの任意の数のコンピュータに構成設定を複製するユーティリティが用意されています。このユーティリティの詳細については、「IIS における複製とクラスタ化」を参照してください。

サーバー クラスタの基本構成

次の図は、サーバー クラスタの基本構成を示しています。各サーバーには、ノードに固有の情報が入ったローカル ディスクが 1 台あります。あるハード ディスクにあるリソースを両方のノードが共有していますが、一度に 1 ノードしか、このディスクのリソースにアクセスできません。これらのノードは、クラスタ通信専用のプライベートな接続を使用するように構成できます。このように構成されていない場合、クライアントや内部クラスタ通信を含むすべてのネットワーク通信は同じネットワーク接続で発生します。サーバー クラスタで使用する場合、IIS に用意されている複製機能やクラスタ化機能のすべてを使用するには、プライベートな接続を除いて、この構成が必要です。クラスタの構造により、負荷分散、フェールオーバー、およびフェールバックが可能になります。

Cluster Diagram