BranchCache の概要
Windows 7 クライアントと Windows Server 2008 R2 サーバー の BranchCache 機能を使用することによって頻繁に使用されるコンテンツをブランチ オフィスのローカル ネットワーク内にキャッシュし、拠点(ブランチ オフィス)でのエンド ユーザー エクスペリエンスの向上が期待されます。
利用者側のメリットとしては、ファイル転送にかかる時間の短縮やアプリケーションのレスポンスの改善になりますが、管理者にとってもセキュリティの確保や WAN のネットワークトラフィック減少にともなう維持コストの削減のメリットがあります。
動作モード
BranchCache には、小規模の拠点に適した「分散キャッシュモード」と中規模以上の拠点に適した「ホスト型キャッシュモード」の 2 種類があります。それぞれの特徴については、表 1 のとおりです。
分散キャッシュ モード
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ホスト型キャッシュ モード
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- 小規模の拠点に推奨される構成
- Windows 7 を導入するだけで 特別なインフラの構築は不要
- Windows 7 がキャッシュを保持する
- クライアントがオフラインの場合は、 BranchCache が利用できない
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- 中規模以上の拠点に推奨される構成
- 拠点内にキャッシュ専用サーバーを 設置し、集中管理が可能
- 拠点全体のキャッシュをカバー
- クライアントの状態にかかわらず BranchCache が利用可能
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表 1 動作モード別の特徴
システム構成
BranchCache に必要なシステム構成ならびに対応アプリケーションは表 2、表 3 のとおりです。
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分散キャッシュモード
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ホスト型キャッシュモード
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本社サーバー |
Windows Server 2008 R2 Standard 以上 |
Windows Server 2008 R2 Standard 以上 |
拠点クライアント |
Windows 7 |
Windows 7 |
キャッシュ サーバー |
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Windows Server 2008 R2 Enterprise 以上 |
サーバー証明書 |
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必要 |
- Windows 7 のエディションは Enterprise, Ultimate
- ドメイン環境、ワーク グループ環境問わず動作可能
- 対応プロトコルは、SMB と HTTP/HTTPS
- 通信のセキュリティ対策: SSL, TSL, HTTPS, IPSec
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表 2 システム構成
Windows Server 2008 R2 エディションの違い
https://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/r2/editions/features.mspx
プロトコル
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アプリケーション
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SMB |
- Robocopy
- Xcopy
- Windows Explorer
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HTTP/HTTPS |
- Internet Explorer
- Windows Media Player
- Silverlight
- Windows SharePoint Services
- Microsoft Office SharePoint Server 2007
- Adobe Flash Player
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表 3 対応プロトコルとアプリケーション
BranchCache の展開
BranchCashe は、次のステップで展開できます。
では、それぞれについてみていきましょう。