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サポートされなくなったコントロールと新しく追加されたコントロール

Cc440850.download(ja-jp,MSDN.10).gif サンプル コードのダウンロード (vbmigtips_control.exe, 242 KB)

Visual Basic 6.0 の標準コントロールのほとんどは Visual Basic .NET では Windows コントロールに対応し、さらに、Visual Basic .NET では新しく追加されたコントロールがあります。その一方、対応されなくなったコントロールも存在します。そこで今回は、Visual Basic .NET でサポートされなくなったコントロールと新しく追加されたコントロールについて紹介します。

サポートされなくなったコントロール
図1 は、Visual Basic 6.0 の標準コントロールの DriveListBox コントロール、DirListBox コントロール、FileListBox コントロールを使用したアプリケーションです。DriveListBox コントロールでドライブを変更したとき、DirListBox コントロールに表示する下の階層のフォルダも変更します。同様にフォルダが選択されたとき FileListBox コントロールに表示するファイルリストも変更します。

 Cc440850.control_fig01(ja-jp,MSDN.10).gif
 図1

図1 の実装コードは以下のとおりです。

Private Sub Drive1_Change()
Dir1.Path = Drive1.Drive
End Sub

Private Sub Dir1_Change()
File1.Path = Dir1.Path
End Sub

Private Sub munEnd_Click()
Unload Me
End Sub

リスト1

上記(リスト1)の「Dir1.Path = Drive1.Drive」では、ドライブとフォルダのパスを連結させ、「File1.Path = Dir1.Path」でフォルダとファイルのパスを連結させています。

Visual Basic 6.0 では、DriveListBox コントロール、DirListBox コントロール、FileListBox コントロールがサポートされていたため、図1 のようなアプリケーションを簡単に作成することができました。しかし、Visual Basic .NET では、これらのコントロールはサポートされておりません。それでは、Visual Basic .NET で 図1 のようなアプリケーションを作成する場合は、どのようにすればすればよいでしょう。実現方法は、幾つか考えられます。以下はその方法例です。

・ Visual Basic 6.0 で作成したプロジェクトをアップグレードウィザードを使用して、Visual Basic.NET へ変更。
・ 独自にコントロールなどを作成して実装する。

アップグレードウィザードを使用して Visual Basic .NET へ移行する場合、Visual Basic 6.0 のコントロールが使用されます。もちろん、Visual Basic 6.0 のコントロールを使用すれば、アップグレードウィザードを使用しなくても、Visual Basic .NET で作成することができます。

Visual Basic 6.0 の DriveListBox コントロール、DirListBox コントロール、FileListBox コントロールが Visual Basic .NET ではサポートされなくなったことは上記で説明しましたが、このほかにも、サポートされなくなったコントロールが幾つかあります。サポートされなくなったコントロールは以下のとおりです。

・Shape コントロール
・Line コントロール
・Image コントロール
・Data コントロール
・OLE コントロール

Image コントロールは、Picture Box コントロールと統合しました。また、サポートされているが「Frame」から「GroupBox」に、「OptionButton」から「RedioButton」に名前が変更されたコントロールや、プロパティが変更されたコントロールもあります。

追加されたコントロール
Visual Basic .NET では、Visual Basic 6.0 でサポートされていなかった様々なコントロールが追加されました。たとえば、実行時に表示されるメニューを表示する MainMenu コントロール、ツールヒントを表示することができる ToolTip コントロール、簡単にコントロールに関するエラーを表示することができる ErrorProvider コントロールなど、このほかにも効果的なコントロールが多く追加されました。今回、その中の MainMenu コントロールについて紹介します。

図1 のように、メニューを Visual Basic 6.0 で実装する場合、まず、[ツール]メニューの[メニュー エディタ]を選択し、[メニュー エディタ]ダイアログを(図3)表示します。このダイアログでメニューの設定を行います。

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 図3

図3 のように設定し、[OK]ボタンを選択すると、図4 のようにメニューが追加されます。([ファイル(F)]-[終了]メニューの Visual Basic 6.0 での実装コードは、リスト1 を参照してください。)

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 図4

一方、Visual Basic .NET では、[ツールボックス]から MainMenu コントロールをドラッグ&ドロップをします(コントロールはフォームデザイナの下部に配置されます)。後は、他のコントロール同様に各プロパティの設定を行います。これにより、Visual Basic 6.0 より簡単に作成することができます。