C++ 経験者が C# で開発する場合

C++ と C# のプロジェクトは、異なるプロジェクト モデルが基になっています。C++ プロジェクトと C# プロジェクトの相違の詳細については、「プロジェクトにおける項目の管理」および「ソリューション エクスプローラの使用」を参照してください。

継承 : C++ ではクラスと構造体はほとんど同じですが、C# の場合はまったく異なります。C# のクラスは任意の数のインターフェイスを実装できますが、1 つの基本クラスからしか継承できません。さらに、C# の構造体では、継承と明示的な既定コンストラクタ (既定で 1 つ提供されます) がサポートされません。

class

interface

struct (C# リファレンス)

ブール型 : C++ では、bool 型は実質的に整数です。C# では、bool 型とその他の型は変換できません。

bool

パラメータを渡す方法 : C++ の場合、明示的にポインタまたは参照で渡される場合を除き、すべての変数は値によって渡されます。C# の場合、クラスは参照によって渡されます。構造体は、ref または out のパラメータ修飾子が指定された参照によって明示的に渡される場合を除き、値によって渡されます。

struct

class

ref (C# リファレンス)

out (C# リファレンス)

デリゲート : C# のデリゲートは、C++ の関数ポインタとほぼ同じですが、タイプ セーフであり、安全です。

delegate

メソッドの隠ぺい : C++ では、継承によってメソッドが暗黙的に "隠ぺい" されます。C# では、new 修飾子を使用して、継承メンバを明示的に隠ぺいする必要があります。

new

例外処理 : C# では、例外がスローされたかどうかにかかわらず実行するコードに、finally キーワードを指定します。

try-finally

try-catch-finally

typedef キーワード : C++ では、既に宣言されている型に対して、より短い名前や便利な名前を作成する場合に typedef を使用します。C# では、using ディレクティブがこの機能を提供します。

using ディレクティブ (C# リファレンス)

static キーワード : C++ では、クラス レベルの要素を宣言するときと、モジュール独自の型を宣言するときに、static キーワードを使用できます。C# では、クラス レベルの要素を宣言するときにのみ、static を使用できます。

static

C# でもポインタを使用できますが、使用できるのは unsafe モードの場合のみです。

unsafe

文字列 : C++ の文字列は、単に一連の文字です。C# の文字列は、強力な検索メソッドをサポートするオブジェクトです。

string

String

グローバル : C# では、グローバル メソッドとグローバル変数はサポートされません。メソッドと変数は、class または struct に含める必要があります。

C# プログラムの一般的な構造

型のインポート : C++ では、複数のモジュールに共通した型は、ヘッダー ファイルに配置されます。C# では、この情報はメタデータ経由で使用できます。

using

メタデータの概要

メモリ管理 : C++ は、ガベージ コレクションが行われる言語ではありません。明示的に解放されないメモリは、プロセスが終了するまで割り当てられたままです。C# は、ガベージ コレクションが行われる言語です。

ガベージ コレクション

コンストラクタ : C++ と同様に、C# でクラス コンストラクタを指定しない場合は、既定のコンストラクタが自動的に生成されます。既定のコンストラクタは、すべてのフィールドを既定値に初期化します。

インスタンス コンストラクタ

既定値の一覧表

C# の入出力サービスおよび書式指定は、.NET Framework のランタイム ライブラリに依存します。

C# 言語ツアー

数値結果の書式指定の一覧表

C# では、ジェネリック型とジェネリック メソッドで、型のパラメータ化が規定されます。その方法はある程度 C++ のテンプレートに似ています。ただし、大きな違いがあります。たとえば、C# ジェネリック型では情報は実行時に保存されます。

C# のジェネリック