PC のリカバリー機能のしくみ

オペレーティング システムとカスタマイズの復元

ここでは、ソフトウェアを PC に復元するために PC のリカバリー機能で使われるメカニズムについて説明します。

Windows の復元

Windows 10 では、PC のリカバリー機能によって OS を復元する場合、Windows コンポーネント ストア (C:\Windows\WinSxS) にあるランタイム システム ファイルを使って OS の新しいコピーを作成します。これにより、すべてのシステム ファイルのバックアップ コピーを含んでいる個別の回復イメージがなくても、回復が可能になります。

また、PC のリカバリー機能では、Windows は出荷時のプレインストールされた状態ではなく、更新された状態に復元されます。具体的には、最新のロールアップ更新プログラムが適用された状態が復元されます (ただし、ロールアップ更新プログラムが PC にインストールされてから 28 日以上が経過している場合)。ロールアップ更新プログラムが PC にインストールされてから 27 日以内である場合は、以前のロールアップ更新プログラムが適用された状態が復元されます。対象となるロールアップ更新プログラムの後にインストールされた他の更新プログラムはすべて、破棄されます。

この方法により、再インストールする必要がある更新プログラムの数を考慮したユーザー エクスペリエンスと、更新プログラムの問題に対処する際の機能の効果のバランスを取ることができます。また、実行時や回復で使う必要がなくなった以前のシステム ファイルを Windows によって削除することもできます。これにより、ディスク領域が解放されます。

  

どのユーザー アカウントでも使われていない言語パックは、Out-of-Box Experience (OOBE) が完了してから 7 日後に Windows コンポーネント ストアから削除されます。この後に PC のリカバリー機能を使っても、削除された言語パックは復元されません。これに対して、ユーザーがダウンロードしインストールした言語パックは、1 つ以上のユーザー アカウントで使われている場合、回復時に復元されます。

単一言語エディションの Windows (Windows 10 Home など) を実行している PC では、ユーザーは追加の言語パックをダウンロードしたりインストールしたりすることはできません。また、プレインストールされている言語パックを削除した後で、PC のリカバリー機能を使って言語を切り替えることもできません。

既定では、対象となるロールアップ更新プログラムの後にインストールされた更新プログラムは復元されません。製造時にプレインストールされた更新プログラムが回復後に破棄されないようにするには、それらの更新プログラムを永続的としてマークします。そのためには、DISM で、/StartComponentCleanup と /ResetBase オプションを指定して /Cleanup-Image コマンドを実行します。永続的としてマークされている更新プログラムは、回復時に必ず復元されます。

 

ドライバーの復元

ドライバーは、OS と同様な方法で復元されます。ただし、ドライバーは回復イメージから復元されるのではなく、既にあるドライバーが回復後も保持されます。システム ファイルと同様に、ドライバーは最新のロールアップ更新プログラムが適用された状態に復元されます (この状態が PC で 28 日以上経過している場合)。これにより、ドライバーと OS 間の互換性が確保されます。

ドライバーの INF パッケージ以外でインストールされたデバイス アプレットは、このプロセスの一環としては復元されません。これらのアプレットは、従来の Windows アプリケーションなど、その他のカスタマイズと同じ方法で出荷時のバージョンと状態に復元されます (詳しくは、「その他のカスタマイズの復元」をご覧ください)。デバイス アプレットがドライバーとの同期 (バージョンの同期) を常に維持する必要がある場合は、ドライバーとデバイス アプレットの両方を同じ INF パッケージを使ってインストールすることをお勧めします。

以前にインストールした Windows アプリの復元

プレインストールされている Windows アプリは、必ず出荷時のバージョンと状態に復元されます。これらのアプリは回復イメージから復元されるのではなく、イメージのカスタマイズや製造過程で Windows アプリがプロビジョニングされるときに、それらのアプリのコピーが自動的にバックアップされ、PC のリカバリー機能を使ってバックアップが復元されます。

その他のカスタマイズの復元

PC のリカバリー機能の既定では、OS ファイル、ドライバー、およびプレインストールされているユニバーサル Windows アプリのみが復元されます。その他のカスタマイズ (設定や従来の Windows アプリケーションなど) を復元するには、さまざまなメカニズムが使われます。

  • 従来の Windows アプリケーション: ユーザー状態移行ツール (USMT) の ScanState ユーティリティを使って、プロビジョニング パッケージ内の参照デバイス データ イメージにキャプチャできます。PC のリカバリー機能は、既知の場所でこのプロビジョニング パッケージを検索し、自動的に復元します。
  • Windows 10 のすべてのエディションに共通する設定 (Windows 10 Mobile を含む): Windows イメージングおよび構成デザイナー (ICD) ツールを使って設定し、プロビジョニング パッケージに保存できます。PC のリカバリー機能は、既知の場所でこのプロビジョニング パッケージを検索し、自動的に復元します。これらの設定は、無人セットアップ ファイルと PC のリカバリー用の拡張スクリプトを組み合わせて使い、復元することもできます。
  • Windows 10 デスクトップ エディション (Home、Pro、Enterprise、Education) に固有の設定: 無人セットアップ ファイルと PC のリカバリー用の拡張スクリプトを組み合わせて使い、復元することができます。このような設定には、製造元のサポート情報、製造元のロゴ、[スタート] メニューのレイアウトなどがあります。
  

OPD で許可されている (または必須となっている) 設定のカスタマイズの多くは、デスクトップ用 Windows 10 に固有のものであり、Windows ICD を使って作成したプロビジョニング パッケージに保存できません。Windows 10 RTM では、すべての設定のカスタマイズを回復時に復元する場合は、無人セットアップ ファイルと PC のリカバリー用の拡張スクリプトを使うことをお勧めします。Windows ICD を使って作成されたプロビジョニング パッケージの利用は、完全に任意な方法であり、この方法を必ずしも使う必要はありません。

 

PC のリフレッシュ

Mt210509.wedge(ja-jp,VS.85).gif[PC のリフレッシュ] 機能を次の手順にまとめました。

  1. PC を Windows 回復環境 (Windows RE) で起動します。
  2. 機能拡張ポイント A: OEM は必要に応じてここでスクリプトを追加できます (このトピック後半の「拡張ポイント」をご覧ください)。
  3. ユーザー アカウント、設定、データが収集され、一時的な場所に移動されます。
  4. OS の新しいコピーは、Windows コンポーネント ストアのファイルを使って一時的な場所に作成されます。
  5. C:\Recovery\Customizations にあるプロビジョニング パッケージに保存されたカスタマイズが、新しい OS に適用されます。
  6. 最新のロールアップ更新プログラムが適用された状態のドライバーが、既にある OS からコピーされ、新しい OS に挿入されます。
  7. プレインストールされている Windows アプリは、バックアップの場所から復元されます。
  8. システムの重要な設定が、新しい OS に適用されます。
  9. 既にある OS は C:\Windows.old に移動されます。
  10. 新しい OS が OS ボリュームのルートに移動されます。
  11. 機能拡張ポイント B: OEM は必要に応じてここでスクリプトを追加できます (このトピック後半の「拡張ポイント」をご覧ください)。
  12. PC が新しい OS で再起動されます。
  13. 初回起動時に、ユーザー データと設定が再適用されます。

保持される設定

[PC のリフレッシュ] 機能では、PC の再構成が最小限で済むように、システムの実行を継続するために必要な多くのシステム設定とユーザー設定が保持されます。

保持される設定は、次のカテゴリのいずれかに大きく分類されます。

  • [PC のリフレッシュ] 機能の実行後にユーザーが PC にログオンする際に必要となる設定。
  • ユーザーがドキュメントや個人用ファイルにアクセスする方法に影響する設定。
  • ユーザーによる再作成が難しい設定。
  • システムのセキュリティやユーザーのプライバシーに影響する設定。
  • PC をカスタマイズするため個人設定。

保持される設定を次に示します。

  • ユーザー アカウント (ローカル、ドメイン、Microsoft アカウント)、およびグループ メンバーシップ
  • ドメインの設定
  • Windows Update の設定
  • ライブラリの設定
  • ロック画面の背景
  • デスクトップ テーマ
  • 地域と言語の設定
  • ワイヤレス ネットワーク プロファイル
  • [Windows へようこそ] で構成される設定

ユーザー データ

ユーザー データはさまざまな場所に保存できるため、[PC のリフレッシュ] 機能では、標準の Windows インストールに含まれていないほとんどのフォルダーやファイルが保持されます。 [PC のリフレッシュ] 機能では、次のシステムの場所が更新されますが、その内容は保持されません。

  • \Windows
  • \Program Files
  • \Program Files(x86)
  • \ProgramData
  • \Users\<ユーザー名>\AppData (ユーザー プロファイルごとに存在します)
  一部のアプリケーションでは、ユーザー プロファイルの \AppData フォルダーにユーザー データを保存します。[PC のリフレッシュ] 機能を使った後では、\AppData フォルダーは C:\Windows.old 内で利用可能になります。
 

[PC のリフレッシュ] 機能では、次のシステムの場所は更新されませんが、その内容は保持されます。

  • ファイル履歴のバージョン管理データ
  • OS パーティション以外のパーティションにあるすべてのファイルとフォルダー

Windows アプリケーション

[PC のリフレッシュ] 機能では、PC を信頼できる状態に確実に復元するために、アプリケーションはその種類に応じて異なる方法で処理されます。 アプリケーションは、次のように処理されます。

  • Windows ストアから取得した Windows アプリは保持されません。ユーザーは、Windows ストアから再インストールする必要があります。これは、Windows 8/8.1 からの変更点です。
  • プレインストールされている Windows アプリは、出荷時のバージョンと状態に復元されます。インターネット接続が利用可能になると、これらのアプリに対する更新プログラムが自動的にダウンロードされ、再適用されます。
  • ユーザーが取得した従来の Windows アプリケーションは保持されません。これらのアプリケーションは、手動で再インストールする必要があります。
  • カスタマイズのプロビジョニング パッケージにキャプチャされた、プレインストールされている従来の Windows アプリケーションは、そのアプリケーションを以前にアンインストールした場合でも、出荷時の状態に復元されます。

既定では、[PC のリフレッシュ] 機能はユーザーがインストールした従来の Windows アプリケーションを保持しません。また、アプリケーションの設定を保存するために通常使われる場所 (\AppData と \ProgramData) は削除されます。製造元は、必要に応じて PC のリカバリーの拡張ポイントを利用し、特定のアプリケーションの設定やデータを保存して、これらを後で復元することができます。

PC を初期状態に戻す

Mt210509.wedge(ja-jp,VS.85).gif[PC を初期状態に戻す] 機能を次の手順にまとめました。

  1. PC を Windows 回復環境 (Windows RE) で起動します。
  2. ユーザーのアカウントやデータ、およびインストール済みの Windows アプリや従来の Windows アプリケーションは、OS ボリュームから削除されます。
  3. データ ボリュームはフォーマットされます (ユーザーが要求した場合)。
  4. OS ボリュームやデータ ボリュームに対してデータ消去が実行されます (ユーザーが要求した場合)。
  5. 機能拡張ポイント C: OEM は必要に応じてここでスクリプトを追加できます (このトピック後半の「拡張ポイント」をご覧ください)。
  6. OS の新しいコピーは、Windows コンポーネント ストアのファイルを使って一時的な場所に作成されます。
  7. C:\Recovery\Customizations にあるプロビジョニング パッケージに保存されたカスタマイズが、新しい OS に適用されます。
  8. 最新のロールアップ更新プログラムが適用された状態のドライバーが、既にある OS からコピーされ、新しい OS に挿入されます。
  9. プレインストールされているユニバーサル Windows アプリは、バックアップの場所から復元されます。
  10. 既にある OS が削除されます。
  11. 新しい OS が OS ボリュームのルートに移動されます。
  12. 機能拡張ポイント D: OEM は必要に応じてここでスクリプトを追加できます (このトピック後半の「拡張ポイント」をご覧ください)。
  13. PC が新しい OS で再起動されます。
  14. OOBE が起動されます。

データ削除のオプション

[PC を初期状態に戻す] 機能を使うとき、PC からデータを削除する方法に影響を与えるオプションがユーザーに示されます。

  • ユーザーがアクセスできるハード ドライブ ボリュームが PC に複数ある場合、ユーザーは、すべてのボリュームからデータを削除するか、Windows ボリュームだけからのデータを削除するかを選ぶことができます。

    Windows ボリュームはフォーマットされません。OS の再構築に必要なファイルがこのボリュームにあるためです。ただし、ユーザー データ ファイルは個別に削除されます。

    すべてのボリュームからデータを削除するように選んだ場合は、データ ボリュームがフォーマットされます。

  • ファイルを単に削除するか、他のユーザーによるデータの回復が難しくなるようにドライブに対するデータ消去も実行するかを選ぶことができます。

製造元は、カスタム ユーティリティ パーティションを次のように構成して、これらのパーティションが初期状態に戻すプロセスによって影響を受けないようにする必要があります。

  • UEFI ベースの PC では、GUID パーティション テーブル (GPT) ディスク上のユーティリティ パーティションに GPT_ATTRIBUTE_PLATFORM_REQUIRED 属性を設定する必要があります。GPT パーティション属性について詳しくは、PARTITION_INFORMATION_GPT structureをご覧ください。
  • BIOS ベースの PC では、マスター ブート レコード (MBR) ディスク上のユーティリティ パーティションは、0x7、0x0c、0x0b、0x0e、0x06、0x42 以外の種類にする必要があります。

データ消去の実行にかかる時間は、ドライブの速度、パーティションのサイズ、およびドライブが Windows BitLocker ドライブ暗号化によって暗号化されているかどうかによって異なります。データ消去機能はコンシューマーを対象としており、政府や業界のデータ消去標準を満たしていません。

ベア メタル回復

ユーザーがハード ドライブを交換する必要がある場合や、完全にワイプする必要がある場合、起動可能な回復メディアを使ってベア メタル回復を実行できます。ベア メタル回復では、システム ディスク上に既にあるすべてパーティションが削除され、ソフトウェアを PC に復元する前に、すべてのパーティションが再作成されます。次の 2 種類の回復メディアがサポートされています。

  • ユーザーが作成した回復メディア: Windows 10 の回復ドライブの作成ユーティリティを使って作成されたメディアです。この回復メディアは、PC を初期状態に復元するために必要なファイルをバックアップします。
  • 製造元が作成した回復メディア: サポートと再生のシナリオで使われます。起動可能な Windows RE メディアに回復イメージが配置されます。

Mt210509.wedge(ja-jp,VS.85).gifユーザーが作成した回復メディアを使う場合のベア メタル回復機能を次の手順にまとめました。

  1. システム ディスクが特定されます。
  2. システム ディスクからすべてのパーティションが削除されます。
  3. システム ディスクに対してデータ消去が実行されます (ユーザーが要求した場合)。
  4. 出荷時または既定のパーティション レイアウトがシステム ディスク上に再作成されます。
  5. すべてのパーティションがフォーマットされます。
  6. 回復メディアから OS ボリュームに回復ファイルがコピーされます。
  7. OS の新しいコピーが OS ボリュームのルートに作成されます。
  8. プロビジョニング パッケージに保存されているカスタマイズが適用されます。
  9. ドライバーが新しい OS に挿入されます。
  10. プレインストールされていた Windows アプリが復元されます。
  11. ブート ファイルがシステム パーティションに構成されます。
  12. PC が新しい OS で再起動されます。
  13. OOBE が起動されます。

データ削除のオプション

ベア メタル回復機能を使うとき、ユーザーは、出荷時のパーティション レイアウトが再適用される前にシステム ディスク全体に対してデータ消去を実行するように選ぶことができます。ほとんどの PC では、このデータ消去のプロセスはソフトウェアで実行され、暗号化されたランダムなパターンがシステム ディスクの LBA 範囲全体に書き込まれます。 ただし、特定のハードウェア構成では、データ消去のプロセスが記憶装置のハードウェア コントローラーによって実行されます。この方法は短時間で完了する場合が多く、通常は、残余データの削除がより徹底して行われます。ハードウェア ベースのデータ消去は、次の条件を満たしている記憶装置を搭載した PC でサポートされています。

  • eMMC
  • Secure Trim コマンドと Sanitize コマンドをサポートする記憶装置

システム ディスクの選択

ベア メタル回復では、次の方法で自動的にシステム ディスクを特定します。

  • アダプターの場所を示すパスとシステム ディスクの GUID が、OOBE 実行時に UEFI 変数に書き込まれます。

    この操作は、システム パーティションと Windows パーティションの両方がシステム ディスクにある場合にのみ行われます。

    Windows RE を無効にして再び有効にした場合、必要に応じて変数が更新されます。

  • ベア メタル回復の実行中、複数の内部ディスクが検出されると、システム ディスクが次の順序で検索されます。
    • UEFI 変数に格納されている値と一致する GUID を持つディスク
    • ファームウェアに格納されている値と一致する場所のパスを持つディスク
    • ESP が既に作成されているディスク

      注: ESP が作成されているディスクが複数見つかった場合、ベア メタル回復は中断されます。

    • 初期化されていない (直接) ディスク

      注: 初期化されていないディスクが複数見つかった場合、ベア メタル回復は中断されます。

  • 従来の BIOS/MBR システムでは、BIOS で報告されるシステム ディスクが使われます。

ユーザーが作成した回復メディア

回復ドライブの作成ユーティリティを使ってユーザーが USB 回復メディアを作成した場合、作成されるメディアには、Windows RE の起動可能なコピーが必ず含まれています。これにより、回復メディアからの起動時にトラブルシューティング ツールや回復ツールを利用することができます。 ユーザーは、ベア メタル回復の実行に必要なファイルを必要に応じてバックアップできます。

オプションを選ぶことにより、USB 回復メディアに次のデータもコピーされます。

  • Windows コンポーネント ストア
  • インストール済みのドライバー
  • プレインストールされる Windows アプリのバックアップ
  • プレインストールされるカスタマイズを含んでいるプロビジョニング パッケージ (C:\Recovery\Customizations にあります)
  • PC のリカバリーの構成 XML とスクリプト (C:\Recovery\OEM にあります)

製造元が作成した回復メディア

製造元によってメディアが準備されている場合、ベア メタル回復では、回復 WIM イメージの利用をサポートします。この種類のメディアは、主にサポートと再生のシナリオで使われます。

製造元が作成したメディアには、次のデータを含める必要があります。

  • 起動可能な Windows RE イメージ
  • PC のリカバリーと互換性のある回復イメージ (install.wim)
  • ディスクのパーティション情報が指定されている PC のリカバリーの構成ファイル (Resetconfig.xml)
  • ディスクのパーティション分割を実行するための DISKPART スクリプト

PC のリカバリー機能用の拡張ポイント

PC のリカバリーでは、ユーザーが [PC のリフレッシュ][PC を初期状態に戻す] 機能を実行する場合、製造元はカスタム操作を挿入できる拡張ポイントを使うことができます。

これらの機能に対して実行できるカスタム操作を指定する場所については、上記のセクションをご覧ください。

[PC のリフレッシュ] の拡張ポイントを次の表にまとめました。

拡張ポイントシステム状態使用例
A移行される設定とデータが、一時的な場所に移動されています。ユーザーが [PC のリフレッシュ] 機能を実行するときに既定では移行されないファイル、ドライバー、設定をコピーします。
BOS が再構築されています。ドライバーとカスタマイズが再適用されています。重要なシステム設定のみが移行されています。カスタマイズ ファイル (unattend.xml、layoutmodification.xml など) や、拡張ポイント A でバックアップできるファイルと設定を復元します。

 

[PC を初期状態に戻す] の拡張ポイントを次の表にまとめました。

拡張ポイントシステム状態使用例
CWindows パーティションからすべてのユーザー データが削除されています。ユーザーが要求した場合は、データ パーティションがフォーマットされています。必要に応じてデータ パーティションを再構成します。
重要  Windows パーティションは変更しないでください。
 
DOS が再構築されています。ドライバーとカスタマイズが再適用されています。カスタマイズ ファイル (unattend.xml、layoutmodification.xml など) を復元したり、追加のカスタマイズを適用したりします。

 

コンパクト OS

コンパクト OS は、最低 16 GB の記憶域容量を使って Windows 10 を PC に展開できるようにするテクノロジのコレクションです。具体的には、次の 2 つのテクノロジが PC のリカバリーの変更点と連携して動作し、Windows が占めるディスク容量を減らします。

  • ファイルごとの圧縮: 参照イメージ ファイル (WIM) を PC に適用するときに、XPRESS Huffman コーデックを使って、ディスクに書き込まれる個々のファイルを圧縮できます。これは、Windows 8.1 の WIMBoot テクノロジで使われるコーデックと同じものです。PC のリカバリー機能によって OS を再構築するとき、ランタイム システム ファイルは圧縮されたままになります。
  • インストールされているカスタマイズの単一インスタンス作成: インストールされているカスタマイズ (従来の Windows アプリケーションなど) を、プロビジョニング パッケージ内に保存されている参照デバイス データ イメージにキャプチャした後 (ScanState を使う)、カスタマイズの 2 つのコピーを使って単一のインスタンスを作成し、ディスク容量による影響を軽減します。これは、インストールされているカスタマイズ (C:\Program Files\Foo\Foo.exe など) を、参照デバイス データ イメージの内容にリンクされているファイル ポインターに変換することによって実行されます。

次の図は、コンパクト OS が有効になっている PC のコンテンツ レイアウトの概要を示しています。

Mt210509.DEP_WinRE-CompactOS(ja-jp,VS.85).png

どちらのテクノロジもオプションであり、展開時に構成することができます。

ディスク上の Windows 回復環境の更新

Windows 10 では、Windows RE のディスク上のコピーは、OS のロールアップ更新プログラムの一部として操作できます。すべてのロールアップ更新プログラムで Windows RE を操作できるわけではありません。

通常の OS の更新プロセスとは異なり、Windows RE の更新プログラムでは、ディスク上の Windows RE イメージ (winre.wim) を直接操作することはできません。代わりに、新しいバージョンの Windows RE イメージが既にあるイメージと置き換わり、次のコンテンツが新しいイメージに挿入または移行されます。

  • 起動に不可欠なドライバーや入力デバイス ドライバーが、完全な OS 環境から新しい Windows RE イメージに追加されます。
  • マウントされた winre.wim の \Sources\Recovery にある Windows RE のカスタマイズが新しいイメージに移行されます。

既にある Windows RE イメージの次のコンテンツは、新しいイメージには移行されません。

  • 既にある Windows RE イメージには含まれているが、完全な OS 環境には存在しないドライバー
  • 既定の Windows RE イメージに含まれていない Windows PE オプション コンポーネント
  • Windows PE とオプション コンポーネント用の言語パック

Windows RE の更新プロセスでは、既にある Windows RE パーティションを、変更を加えずに再利用することを重視しています。ただし、まれに、新しい Windows RE イメージ (移行/挿入されたコンテンツを含む) が既にある Windows RE パーティションに収まらない場合があります。そのような場合は、更新プロセスは次のように動作します。

  • 既にある Windows RE パーティションが Windows パーティションの直後に配置されている場合は、Windows パーティションが縮小され、領域が Windows RE パーティションに追加されます。新しい Windows RE イメージは、拡張された Windows RE パーティションにインストールされます。
  • 既にある Windows RE パーティションが Windows パーティションの直後に配置されていない場合は、Windows パーティションが縮小され、新しい Windows RE パーティションが作成されます。新しい Windows RE イメージは、新しい Windows RE パーティションにインストールされます。既にある Windows RE パーティションは孤立します。
  • 既にある Windows RE パーティションが再利用できず、Windows パーティションを適切に縮小できない場合は、新しい Windows RE イメージが Windows パーティションにインストールされます。既にある Windows RE パーティションは孤立します。
重要  Windows RE の更新後にカスタマイズを引き続き確実に機能させるためには、それらのカスタマイズが、既定の Windows RE イメージ (WinPE-NetFX など) に含まれていない Windows PE オプション コンポーネントが提供する機能に依存しないことが必要になります。Windows RE のカスタマイズを容易に開発するために、Windows 10 では、WinPE-HTA オプション コンポーネントが既定の Windows RE イメージに追加されました。
 
  ロールアップ更新プログラムの一部として展開される新しい Windows RE イメージには、既にある Windows RE イメージに複数の言語用のリソースが含まれている場合でも、システムの既定の言語専用の言語リソースが含まれます。ほとんどの PC では、システムの既定の言語は OOBE の実行時に選んだ言語です。
 

 

 

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