キーボード操作 (Windows ストア アプリ)
ユーザーがハードウェア キーボード、スクリーン キーボード、またはタッチ キーボードを通じて操作できる Windows ストア アプリを設計します。
このトピックでは、キーボード操作の設計時の考慮事項について説明します。キーボード操作の実装について詳しくは、「キーボード入力への反応」をご覧ください。
キーボード操作
キーボード入力は、Windows ストア アプリのユーザー操作エクスペリエンスの中でも重要な要素です。キーボードは、特定の障碍のあるユーザーや、キーボードを使った方がアプリを効率よく操作できると考えるユーザーにとって欠かせません。
適切に設計されたキーボード UI はソフトウェアのアクセシビリティの重要な要素であり、視覚に障碍のあるユーザーや、特定の運動障碍のあるユーザーがアプリ内を移動したり、その機能を操作したりするのに使います。このようなユーザーはマウスを操作できないため、代わりにさまざまな支援技術 (キーボード強化ツール、スクリーン キーボード、スクリーン拡大機能、スクリーン リーダー、音声入力ユーティリティなど) が不可欠である可能性があります。
最も一般的な種類のキーボードは、デバイスに物理的に接続されている外付けのハードウェア キーボードです。ハードウェア キーボードに加えて、Windows には 2 種類のソフトウェア キーボードが用意されています。
スクリーン キーボードは、物理的なキーボードの代わりに使うことができる視覚的なソフトウェア キーボードです。タッチ、マウス、ペン/スタイラス、またはその他のポインティング デバイス (タッチ スクリーンは必須ではありません) を通じてデータを入力します。スクリーン キーボードは、物理的なキーボードが存在しないシステムや、運動障碍により一般的な物理入力デバイスを使うことができないユーザーのために用意されています。スクリーン キーボードは、ハードウェア キーボードの機能のすべて、または少なくともほとんどをエミュレートします。
タッチ キーボードは、タッチ入力でのテキスト入力に使われる、視覚的なソフトウェア キーボードです。タッチ キーボードはテキスト入力専用であり (ハードウェア キーボードをエミュレートしません)、テキスト フィールドや編集可能なテキスト コントロールにフォーカスがあるときにだけ表示されるので、スクリーン キーボードの代わりになるものではありません。
注 スクリーン キーボードの方がタッチ キーボードより優先され、スクリーン キーボードが表示されている場合はタッチ キーボードは表示されません。
次に、タッチ キーボードの例を示します。最初の画像は既定のレイアウトであり、2 つ目の画像は親指レイアウトです (一部の言語では利用できません)。
ユーザーが、アプリでサポートされているすべてのタスクをハードウェア キーボードまたはスクリーン キーボードだけで実行できるようにしてください。
注 タッチ キーボードはテキスト入力にのみ使い、アプリ コマンドやシステム コマンドの入力には使いません。
キーボード コマンド パターン
信頼性の高い一貫したユーザー エクスペリエンスを実現するために、次の標準キーボード コマンド パターンをお勧めします。次の 3 つの表に、よく使われるキーボード コマンドを示します。キーボード コマンドの一覧については、Windows のキーボード ショートカット キーに関するページをご覧ください。
ナビゲーション コマンド
操作 | キー コマンド |
---|---|
戻る | Alt + ←、または特殊キーボードの戻るボタン |
進む | Alt + → |
上へ | Alt + ↑ |
キャンセルまたは現在のモードの終了 | Esc |
一覧の項目間の移動 | 方向キー (←、→、↑、↓) |
次の項目一覧にジャンプ | Ctrl + ← |
セマンティック ズーム | Ctrl + 正符号 (+) または Ctrl + マイナス記号 (-) |
コレクション内の名前付き項目にジャンプ | 項目の名前を入力します |
次のページ | PageUp、PageDown、または Space |
次のタブ | Ctrl + Tab |
前のタブ | Ctrl + Shift + Tab |
アプリ バーを開く | Windows+Z |
アクティブ化、または項目を開く | Enter |
選択 | Space |
連続して選択 | Shift + 方向キー |
すべて選択 | Ctrl + A |
一般的なコマンド
操作 | キー コマンド |
---|---|
項目をピン留めする | Ctrl + Shift + 数字 1 |
保存 | Ctrl + S |
検索 | Ctrl + F |
印刷 | Ctrl + P |
コピー | Ctrl + C |
切り取り | Ctrl + X |
新規項目 | Ctrl + N |
貼り付け | Ctrl + V |
開く | Ctrl + O |
アドレスを開く (たとえば、Internet Explorer で URL を開く) | Ctrl + L または Alt + D |
メディア ナビゲーション コマンド
操作 | キー コマンド |
---|---|
再生/一時停止 | Ctrl + P |
次の項目 | Ctrl + F |
前の項目 | Ctrl + B |
注: メディア ナビゲーションの "再生または一時停止" のキー コマンドは "印刷" のキー コマンドと同じであり、"次の項目" のキー コマンドは "検索" のキー コマンドと同じです。メディア ナビゲーションのコマンドよりも、一般的なコマンドの方が優先されます。たとえば、再生メディアと印刷の両方をサポートするアプリの場合、Ctrl + P のキー コマンド キーを押すと印刷が実行されます。
キーボードのフォーカスとナビゲーションのガイドライン
- アプリの起動時に、ユーザーが最初に直感的に操作する (または、その可能性が最も高い) 要素に、最初のキーボード フォーカスを設定します。
- 含まれる要素が少ないアプリでは、Tab キーを使ってコレクションまたはリスト内で次の個別要素にキーボード フォーカスを移動できるようにします。多数の要素が含まれるアプリでは、Tab キーを使ってキーボード フォーカスを要素のグループ間で移動できるようにします。
- Shift + Tab のキー コマンドを使って、逆方向にキーボード フォーカスを移動できるようにします。
- 方向キーを使って違和感なくアプリのコンテンツ内を前後に移動できるようにします。ただし、リーディング アプリは例外です。読み取りのためにコンテンツを提示する場合、方向キーでページ単位にコンテンツをスクロールできるようにします。
- Enter キーを使って、コレクション内または一覧内のすべての選択項目をアクティブ化できるようにします。
- Ctrl キーをしばらく押したままにすることで自動選択を一時的に無効にできるようにします。自動選択が無効になっていると、Space キーを押すことで項目を明示的に選択または選択解除できます。
- キーボードを使ってサーフェスを開いたとき、その新しいサーフェスの最初の要素にキーボード フォーカスが表示されるようにします。
- Esc キーを押してサーフェスを閉じることができるようにします。サーフェスが開かれた元の場所にキーボード フォーカスの表示を戻します。
視覚的なフィードバックのガイドライン
- キーボード操作でのみフォーカス用の四角形を使います。ユーザーがタッチ操作を始めたら、キーボードの UI を徐々にフェード アウトします。 これにより、UI の簡潔さが保たれます。
- 静的テキストなど、要素で対話式操作がサポートされていない場合は、視覚的なフィードバックを返さないでください。
- 同じ入力対象を表すすべての要素に対して視覚的なフィードバックを同時に表示します。
- パン、回転、ズームなど、タッチ ベースの操作をエミュレートするためのヒントとして画面ボタンを提供します (+、- など)。
視覚的なフィードバックに関する一般的なガイダンスについては、「視覚的なフィードバックのガイドライン」をご覧ください。