Visual SourceSafe からアップグレードする準備

Visual SourceSafe (VSS) から Team Foundation Server (TFS) へのアップグレード プロセスを開始する前に、アップグレードを成功させ、重大な問題を防ぐために、事前にコンピューターおよびデータベースの計画と準備を行ってください。

注意

Visual SourceSafe データベースが Visual SourceSafe 6.0 より前のバージョンである場合は、先に Visual SourceSafe 2005 にアップグレードする必要があります。その後、データを TFS にアップグレードできます。このプロセスは、後で説明します。

アップグレードの準備

  1. 必要なアクセス許可があることを確認

  2. チームでのアップグレードのスケジュール設定

  3. アップグレード ツールで使用するデータベースの提供

  4. Team Foundation Server のインスタンスの準備

  5. Visual SourceSafe データベースのコピーと準備

  6. (省略可能) 項目の履歴の切り捨て

  7. アップグレード コンピューターの準備

必要なアクセス許可があることを確認

VSS から TFS にアップグレードするには、次のアクセス許可が必要です。

  • アップグレードするデータが格納されている VSS データベースに対する Admin アカウントのパスワードを知っている必要があります。

  • アップグレード ツールで使用する一時データベースに対しては、SQL 管理者であるか、CREATE ANY DATABASE アクセス許可がある必要があります。

  • Team Foundation Server については、Team Foundation 管理者セキュリティ グループのメンバーである必要があります。 「Team Foundation Server のアクセス許可の参照」を参照してください。

  • アップグレード コンピューター (アップグレードする VSS データベースのコピーが格納されているコンピューター) については、Administrators グループのメンバーである必要があります。

チームでのアップグレードのスケジュール設定

アップグレード対象の VSS データベースにチームがアクセスする必要がない時間帯にアップグレードをスケジュールします。 データ量やチームの人数が多い場合、またはプロジェクトの期間が長い場合は、データの準備とアップグレードに要する時間を確保する必要があります。

重要

アップグレード プロセスが行われる時間帯をチーム メンバーに知らせて、プロセスが開始する前にすべてのファイルをチェックインしておくように忠告します。

アップグレード ツールで使用するデータベースの提供

アップグレード ツールには、一時的なストレージに使用するデータベース (SQL Server Express または SQL Server) が必要です。 アップグレード プロセスが完了したら、このデータベースは不要になります。

ヒント

既定では、Team Foundation Server Express をインストールすると SQL Server Express がインストールされ、必要な CREATE ANY DATABASE アクセス許可が自動的に付与されます。

Team Foundation Server のインスタンスの準備

次の手順に従ってアップグレード コンピューターを準備します。

  1. TFS のデータ層に利用可能な記憶域が十分にあることを確認します。 一般に必要な量は、アップグレードする VSS データベース内にあるプロジェクトのデータ サイズの 2 倍程度ですが、正確な量は次の要素に左右されます。

    • アップグレードする VSS データベースのサイズ。

    • アップグレードするアクションの数。

  2. アップグレード ツールを使用するには、アップグレード プロセスを開始する前に、対象のチーム プロジェクトが Team Foundation Server に存在している必要があります。 アップグレードした VSS データを移植するチーム プロジェクト コレクションまたはチーム プロジェクトがまだない場合は、作成する必要があります。 「チーム プロジェクトの作成」を参照してください。

    まだ使用したことのない新しいチーム プロジェクトを使用することをお勧めします。 既に使用しているチーム プロジェクトにデータをアップグレードすることはできますが、 VSS の項目のいずれかのパスが既存のバージョン コントロールのパスと重複すると、アップグレード プロセスは失敗します。

Visual SourceSafe データベースのコピーと準備

次の手順に従って、VSS データベースのコピーと準備を行います。

  1. ファイルをチェックインする。   VSS データベース内のすべてのファイルをチェックインするのが理想的です。 これができない場合は、アップグレードする前にできるだけ多くのファイルをチェックインする必要があります。

  2. Visual SourceSafe プロジェクトへのアクセスを削除する。   アップグレード対象の Visual SourceSafe プロジェクトに自分しかアクセスできないことを確認します。

  3. データベースをコピーする。   Microsoft Web サイトの「How To Back Up a Visual SourceSafe Database (方法: Visual SourceSafe データベースをバックアップする)」に記載されている手順に従います。

  4. データベースのコピーをアップグレードする。   Visual SourceSafe データベースが Visual SourceSafe 6.0 よりも前のバージョンの場合は、Visual SourceSafe DDUPD ユーティリティを使用して Visual SourceSafe 2005 にアップグレードします。

  5. データベースのコピー内でデータ整合性の懸案事項を調べて修正する。

    重要

    Visual SourceSafe ANALYZE ユーティリティを使用して、データベース内のデータ整合性の懸案事項を検出し、修正する必要があります。このツールの使用方法の詳細については、Microsoft Web サイトの「ANALYZE ユーティリティ」および「How to Detect and Fix Database Corruption Errors in Visual SourceSafe (Visual SourceSafe データベース破損エラーを検出して修正する方法)」を参照してください。

(省略可能) 項目の履歴の切り捨て

すべての履歴データが必要ない場合は、Visual SourceSafe からアップグレードするときに時間を節約し、特定の日付以降の履歴だけを保持できます。 これは、履歴の切り捨てと呼ばれます。 この処理を行うには、VSS のアーカイブ機能を使用します。

ヒント

すべての履歴データを除外し、VSS のアップグレード ウィザードを使用することを計画している場合は、このセクションはスキップできます。

注意

永続的なアーカイブを行うと、VSS データベースからバージョン履歴が削除されます。したがって、実際に運用中の VSS データベースではなくデータベースのコピーに対してこの手順を実行してください。

次のいずれかの値をタイム スタンプとして使用して、その値以前の履歴を切り捨てるように指定できます。

  • ラベル

  • フォルダーのバージョン

  • 日付

Visual SourceSafe でアーカイブを実行する方法の詳細については、「データベースのアーカイブ」を参照してください。

注意

Visual SourceSafe のアーカイブ機能では、アーカイブ ファイルのサイズを 2 GB 以下にする必要があります。アーカイブの実行中にエラーが発生する場合は、プロジェクトを分割して別々にアーカイブしてください。

アップグレード コンピューターの準備

アップグレードを実行するコンピューターにログオンし、準備します。

  1. コンピューターで次のオペレーティング システムのいずれかが実行されていることを確認します。

    • Windows 8

    • Windows Server 2012

    • Windows 7

    • Windows Server 2008 R2

  2. Visual SourceSafe アップグレード ツールをインストールします。

  3. アップグレード プロセスを実行するのに十分な空きディスク領域がコンピューターにあることを確認します。 必要なディスク容量を見積もるには、次の項目の合計を算出します。

    • アップグレード ツールで一時ファイルを作成し、ログ ファイルを生成するための 5 GB。

    • アップグレードする Visual SourceSafe データベース内のプロジェクトのサイズの 2 倍。

  4. このトピックで既に説明した「Visual SourceSafe データベースのコピーと準備」の手順に従ったことを確認します。

  5. VSS データベースをアップグレード コンピューター上のフォルダーにコピーします。

    注意

    VSS データベースをコピーする代わりに、ファイル共有を使用してアップグレード コンピューターがデータベース内のデータにアクセスできるようにする場合は、アップグレード コンピューターにログオンするときに使用するアカウントに読み取りと変更のアクセス権を付与する必要があります。このアプローチはアップグレード プロセスを長引かせる可能性があるため、推奨されません。

    注意

    アップグレード コンピューターによる VSS データベースへのアクセスをどのように設定するかにかかわらず、実際に運用中のデータベースではなく、データベースのコピーに対してアップグレード プロセスを実行してください。このアプローチはデータの保護に役立ちます。

次の手順

次のいずれかのプロセスを選択します。