strcpy_s、wcscpy_s、_mbscpy_s

文字列をコピーします。 strcpy、wcscpy、_mbscpy のこれらのバージョンは、「CRT のセキュリティ機能」に説明されているように、セキュリティが強化されています。

重要

_mbscpy_s は、Windows ランタイム で実行するアプリケーションでは使用できません。詳細については、「/ZW でサポートされない CRT 関数」を参照してください。

errno_t strcpy_s(
   char *strDestination,
   size_t numberOfElements,
   const char *strSource 
);
errno_t wcscpy_s(
   wchar_t *strDestination,
   size_t numberOfElements,
   const wchar_t *strSource 
);
errno_t _mbscpy_s(
   unsigned char *strDestination,
   size_t numberOfElements,
   const unsigned char *strSource 
);
template <size_t size>
errno_t strcpy_s(
   char (&strDestination)[size],
   const char *strSource 
); // C++ only
template <size_t size>
errno_t wcscpy_s(
   wchar_t (&strDestination)[size],
   const wchar_t *strSource 
); // C++ only
template <size_t size>
errno_t _mbscpy_s(
   unsigned char (&strDestination)[size],
   const unsigned char *strSource 
); // C++ only

パラメーター

  • strDestination
    追加先の文字列バッファーの場所。

  • numberOfElements
    追加先の文字列バッファーのサイズ。

  • strSource
    null で終わる元の文字列バッファー。

戻り値

正常に終了した場合は 0 を返し、それ以外の場合はエラーを返します。

エラー条件

strDestination

numberOfElements

strSource

戻り値

strDestination の内容

NULL

任意

任意

EINVAL

変更されない

任意

任意

NULL

EINVAL

strDestination[0] が 0 に設定される

任意

0 または小さすぎる

任意

ERANGE

strDestination[0] が 0 に設定される

解説

strcpy_s 関数は、strSource のアドレスの内容を、終端の NULL 文字も含めて、strDestination で指定された場所にコピーします。 コピー先の文字列には、コピー元の文字列とその終端の NULL 文字を保持できるサイズが必要です。 コピー元とコピー先の文字列が重なり合っている場合の strcpy_s 関数の動作は未定義です。

wcscpy_s は strcpy_s のワイド文字バージョンであり、_mbscpy_s はマルチバイト文字バージョンです。 wcscpy_s 関数の引数と戻り値はワイド文字列で、_mbscpy_s 関数の引数と戻り値はマルチバイト文字列です。 それ以外では、これらの関数の動作は同じです。

strDestination または strSource が NULL ポインターの場合、またはコピー先文字列が小さすぎる場合は、「パラメーターの検証」に説明されているように、無効なパラメーター ハンドラーが呼び出されます。 実行の継続が許可された場合、strDestination または strSource が NULL ポインターならば、これらの関数は EINVAL を返し、errno を EINVAL に設定します。コピー先の文字列が小さすぎると、ERANGE を返し、errno を ERANGE に設定します。

正常に実行されると、コピー先の文字列は常に NULL で終わります。

C++ では、これらの関数をより簡単に使用できます。これはバッファー長を自動的に推論できるテンプレートのオーバーロードにより可能です。その結果、サイズの引数を指定する必要がなくなります。また、セキュリティが万全ではない以前の関数は、セキュリティが強化された新しい関数に自動的に置き換わります。 詳細については、「セキュリティ保護されたテンプレート オーバーロード」を参照してください。

これらの関数のデバッグ バージョンは、最初にバッファーを 0xFE で埋めます。 この動作を無効にするには、_CrtSetDebugFillThreshold を使用します。

汎用テキスト ルーチンのマップ

TCHAR.H のルーチン

_UNICODE & _MBCS が未定義の場合

_MBCS が定義されている場合

_UNICODE が定義されている場合

_tcscpy_s

strcpy_s

_mbscpy_s

wcscpy_s

必要条件

ルーチン

必須ヘッダー

strcpy_s

<string.h>

wcscpy_s

<string.h> または <wchar.h>

_mbscpy_s

<mbstring.h>

互換性の詳細については、「互換性」を参照してください。

使用例

// crt_strcpy_s.cpp
// This program uses strcpy_s and strcat_s
// to build a phrase.
//

#include <string.h>
#include <stdlib.h>
#include <stdio.h>
#include <errno.h>

int main( void )
{
   char string[80];
   // using template versions of strcpy_s and strcat_s:
   strcpy_s( string, "Hello world from " );
   strcat_s( string, "strcpy_s " );
   strcat_s( string, "and " );
   // of course we can supply the size explicitly if we want to:
   strcat_s( string, _countof(string), "strcat_s!" );
   
   printf( "String = %s\n", string );
}
  

同等の .NET Framework 関数

System::String::Copy

参照

関連項目

文字列操作 (CRT)

strcat、wcscat、_mbscat

strcmp、wcscmp、_mbscmp

strncat_s、_strncat_s_l、wcsncat_s、_wcsncat_s_l、_mbsncat_s、_mbsncat_s_l

strncmp、wcsncmp、_mbsncmp、_mbsncmp_l

strncpy_s、_strncpy_s_l、wcsncpy_s、_wcsncpy_s_l、_mbsncpy_s、_mbsncpy_s_l

_strnicmp、_wcsnicmp、_mbsnicmp、_strnicmp_l、_wcsnicmp_l、_mbsnicmp_l

strrchr、wcsrchr、_mbsrchr、_mbsrchr_l

strspn、wcsspn、_mbsspn、_mbsspn_l