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_mktemp_s、_wmktemp_s

一意のファイル名を作成します。 これらの関数は、「CRT のセキュリティ機能」に説明されているように、_mktemp、_wmktemp のセキュリティが強化されたバージョンです。

errno_t _mktemp_s(
   char *template,
   size_t sizeInChars
);
errno_t _wmktemp_s(
   wchar_t *template,
   size_t sizeInChars
);
template <size_t size>
errno_t _mktemp_s(
   char (&template)[size]
); // C++ only
template <size_t size>
errno_t _wmktemp_s(
   wchar_t (&template)[size]
); // C++ only

パラメーター

  • template
    ファイル名のパターン。

  • sizeInChars
    終端の null を含めたバッファーのサイズ。_mktemp_s では 1 バイト文字単位、_wmktemp_s ではワイド文字単位。

戻り値

これらの関数は両方とも、正常終了した場合は 0 を返し、失敗した場合はエラー コードを返します。

エラー条件

template

sizeInChars

戻り値

テンプレート内の新しい値

NULL

any

EINVAL

NULL

誤った形式 (正しい形式については、「Remarks」を参照)

any

EINVAL

空の文字列

任意

<= X の数

EINVAL

空の文字列

上記のいずれかのエラー条件が発生すると、「パラメーターの検証」に説明されているように、無効なパラメーター ハンドラーが呼び出されます。 実行の継続が許可された場合、errno が EINVAL に設定され、関数から EINVAL が返されます。

解説

_mktemp_s 関数は、引数 template を変更することで一意のファイル名を作成し、呼び出し後に template ポインターが新しいファイル名を含む文字列を指すようにします。 _mktemp_s 関数は、ランタイム システムで現在使用されているマルチバイト コード ページに従ってマルチバイト文字シーケンスを認識し、マルチバイト文字列の引数を適切な方法で自動的に処理します。 _wmktemp_s 関数は _mktemp_s 関数のワイド文字バージョンで、_wmktemp_s 関数の引数はワイド文字列です。 _wmktemp_s 関数と _mktemp_s 関数の動作は、_wmktemp_s 関数がマルチバイト文字列を扱わない点を除いて同じです。

汎用テキスト ルーチンのマップ

Tchar.h のルーチン

_UNICODE および _MBCS が未定義の場合

_MBCS が定義されている場合

_UNICODE が定義されている場合

_tmktemp_s

_mktemp_s

_mktemp_s

_wmktemp_s

template 引数の形式は baseXXXXXX です。ここで、base は指定した新しいファイル名の一部で、X は _mktemp_s で指定された文字のプレースホルダーです。 template の各プレースホルダー文字には、大文字の X を指定する必要があります。 _mktemp_s は base を保持し、後に続く X のうち先頭の X を英字に置き換えます。 さらに、_mktemp_s は残りの X を 5 桁の値に置き換えます。この値は、呼び出し元プロセス (マルチスレッド プログラムの場合は呼び出し元スレッド) を識別する一意の数字です。

_mktemp_s の呼び出しが成功するたびに、template が変更されます。 同じ template 引数を使用して同じプロセスまたはスレッドから呼び出されると、_mktemp_s は、前の呼び出しで _mktemp_s から返された名前と一致するファイル名を調べます。 指定した名前のファイルが存在しない場合、_mktemp_s はその名前を返します。 以前返されたすべての名前のファイルが存在する場合、_mktemp_s は、その名前の英字部分をアルファベット順の次の小文字に置き換えて、新しい名前を作成します。 たとえば、base が次のような場合があります。

fn

さらに、_mktemp_s で指定した 5 桁の値が 12345 の場合、最初に次の名前が返されます。

fna12345

この名前が FNA12345 ファイルの作成に使用され、そのファイルがまだ存在する場合、template に同じ base を指定して同じプロセスまたはスレッドを呼び出すと、次の名前が返されます。

fnb12345

FNA12345 が存在しない場合は、次の名前がもう一度返されます。

fna12345

_mktemp_s は、base 値と template 値をどのように組み合わせても、最大で 26 個の一意のファイル名を作成できます。 したがって、この例で使用されている base 値と template 値に対して _mktemp_s が作成できる最後の一意のファイル名は FNZ12345 になります。

C++ では、これらの関数の使用はテンプレートのオーバーロードによって簡素化されます。オーバーロードでは、バッファー長を自動的に推論できる (サイズの引数を指定する必要がなくなる) だけでなく、古くてセキュリティが万全ではない関数を新しく安全な関数に自動的に置き換えることができます。 詳細については、「セキュリティ保護されたテンプレート オーバーロード」を参照してください。

必要条件

ルーチン

必須ヘッダー

_mktemp_s

<io.h>

_wmktemp_s

<io.h> または <wchar.h>

互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。

使用例

// crt_mktemp_s.cpp
/* The program uses _mktemp to create
 * five unique filenames. It opens each filename
 * to ensure that the next name is unique.
 */

#include <io.h>
#include <string.h>
#include <stdio.h>

char *fnTemplate = "fnXXXXXX";
char names[5][9];

int main()
{
   int i, err, sizeInChars;
   FILE *fp;

   for( i = 0; i < 5; i++ )
   {
      strcpy_s( names[i], sizeof(names[i]), fnTemplate );
      /* Get the size of the string and add one for the null terminator.*/
      sizeInChars = strnlen(names[i], 9) + 1;
      /* Attempt to find a unique filename: */
      err = _mktemp_s( names[i], sizeInChars );
      if( err != 0 )
         printf( "Problem creating the template" );
      else
      {
         if( fopen_s( &fp, names[i], "w" ) == 0 )
            printf( "Unique filename is %s\n", names[i] );
         else
            printf( "Cannot open %s\n", names[i] );
         fclose( fp );
      }
   }

   return 0;
}

出力例

Unique filename is fna03188
Unique filename is fnb03188
Unique filename is fnc03188
Unique filename is fnd03188
Unique filename is fne03188

同等の .NET Framework 関数

該当なし標準 C 関数を呼び出すには、PInvoke を使用します。詳細については、「プラットフォーム呼び出しの例」を参照してください。

参照

参照

ファイル処理

fopen、_wfopen

_getmbcp

_getpid

_open、_wopen

_setmbcp

_tempnam、_wtempnam、tmpnam、_wtmpnam

tmpfile_s