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Business Intelligence Development Studio の Reporting Services

Business Intelligence Development Studio は、MicrosoftVisual Studio 2008 の環境に SQL Server 2008 のビジネス インテリジェンス ソリューション固有の拡張が追加されたものです。SQL Server 2008Reporting Services でレポートおよびレポート モデルを開発するには、Business Intelligence Development Studio を使用します。Reporting Services をインストールすると、Business Intelligence Development Studio で次のプロジェクト テンプレートを使用できるようになります。

  • レポート サーバー プロジェクト

  • レポート サーバー プロジェクト ウィザード

  • レポート モデル プロジェクト

Business Intelligence Development Studio には、レポート デザイナとモデル デザイナを実行するための環境も用意されています。これらのデザイナは、Reporting Services でレポートやモデルを作成するために使用するデザイン ツールです。

Business Intelligence Development Studio のプロジェクトまたはデザイナを開くと、プロジェクト固有のメニューが Visual Studio に表示されます。さらに、Visual Studio のメニュー オプションやショートカット メニューも、作成しているプロジェクトの種類や、作業している特定のアイテムに応じて変わります。このトピックで説明する Business Intelligence Development Studio と Reporting Services の機能を調べる場合は、さまざまなアイテムを右クリックすると、これらのオプションを確認できます。

SQL ServerReporting Services を以前に使用したことがあるユーザーにとっては、Business Intelligence Development Studio の Visual Studio 機能は親しみやすいものです。Reporting Services を初めてお使いになる場合は、このトピックをお読みになり、Business Intelligence Development Studio で使用される、Reporting Services 固有のプロジェクトやメニューについて理解してください。

注意注意

SQL ServerBusiness Intelligence Development Studio は、レポート サーバー プロジェクトおよびレポート モデル プロジェクトのための 32 ビット開発環境であり、Itanium ベースのコンピュータで実行できるようにデザインされていないため、Itanium ベースのサーバーにはインストールされません。ただし、x64 ベースのコンピュータでは BI Development Studio がサポートされています。

サポートされるバージョン

次の表では、Business Intelligence Development Studio でのレポートの作成およびパブリッシュをサポートするバージョンについて説明します。

プロジェクトまたはファイルの種類

バージョン

レポートの作成

レポートのパブリッシュ

備考

レポート サーバー プロジェクト

または

レポート サーバー プロジェクト ウィザード

SQL Server 2008

2008 RDL スキーマ

SQL Server 2008Reporting Services レポート サーバーのみ

2003 RDL および 2005 RDL を 2008 RDL スキーマにローカルでアップグレードします。

レポート サーバー プロジェクト

または

レポート サーバー プロジェクト ウィザード

SQL Server 2005

2005 RDL スキーマ

SQL Server 2005 または SQL Server 2008Reporting Services レポート サーバー

レポート サーバー プロジェクト

SQL Server 2000

2003 RDL スキーマ

サポートしない

Visual Studio RDLC レポート デザイナ

Visual Studio 2005

Visual Studio 2008

2005 RDL スキーマ

サポートしない

2008 RDL スキーマはサポートされていません。

Visual Studio ビューア コントロール

Visual Studio 2005

Visual Studio 2008

ローカル モードでは 2008 RDL がサポートされていません。

該当なし

サーバー モードの SQL Server 2008Reporting Services レポート サーバーで 2008 RDL レポートを表示できます。

以前のバージョンのレポート定義スキーマでレポートを開く方法の詳細については、「レポートのアップグレード」を参照してください。特定のレポート定義スキーマの詳細については、「レポート定義言語の仕様」を参照してください。

レポート サーバー プロジェクト

レポート サーバー プロジェクトを選択すると、レポート デザイナが開きます。レポート サーバー プロジェクトは、Visual Studio によってインストールされ、[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスで使用できるビジネス インテリジェンス プロジェクト用のテンプレートです。詳細については、「Business Intelligence Development Studio でのレポート デザイナの操作」および「レポートを作成する方法 (Reporting Services)」を参照してください。

レポート デザイナでレポートをデザインおよびプレビューするには、次のタブ、ウィンドウ、メニュー、およびツールを使用します。

タブとウィンドウ

レポート デザイナは、レポートを作成するためのグラフィック ツールであり、レポートをデザインするための [デザイン] ビューと、レポートをローカルで実行して表示レポートをレポート ビューアに表示するための [プレビュー] ビューという 2 つのビューがあります。

  • [デザイン]   レポートをデザインする場合にこのビューを使用します。

    このビューでは、次のウィンドウやペインで追加の機能を提供しています。

    • [レポート データ]   データ ソース、データセット、レポート パラメータ、および画像を定義するために使用します。

    • [デザイン画面]   レポート レイアウトをデザインするために使用します。

    • [ツールボックス]   テーブルやグラフなどのレポート アイテムをデザイン画面に追加するために使用します。

    • [グループ化]   テーブル、マトリックス、および一覧のデータ領域のグループを定義するために使用します。これらのデータ領域はすべて、Tablix データ領域に基づいたテンプレートです。

    • [プロパティ]   デザイン画面の [グループ化] ペインで選択されているアイテムのプロパティを直接設定するために使用します。

    • [ツール バー]   デザイン画面で選択されているレポート アイテムの書式設定および配置を変更するために使用します。

    • [ドキュメント アウトライン]   データ領域で使用されるレポート アイテムとテキスト ボックスを、レポート定義の階層ビューに表示します。

    レポートの背景を右クリックして表示されるショートカット メニューの [表示] をクリックし、[ルーラー] をクリックして、ルーラーの表示を切り替えることができます。

    詳細については、「レポート データへの接続」、「レポート レイアウトのデザイン」、および「レポート データの処理」を参照してください。

  • [プレビュー]   ローカル コンピュータ上でレポートを実行して、表示レポートをレポート ビューアに表示する場合にこのビューを使用します。プレビュー時には、レポート データがローカルでキャッシュされます。また、ブラウザを使用してデバッグ ビューでレポートを実行するようにプロジェクト プロパティを設定することもできます。このビューでは、次のコンポーネントも使用できます。

    • [出力]   ローカルのレポート プロセッサからのエラー メッセージ、またはレポート サーバーにレポートをパブリッシュする際の配置状況を表示するために使用します。

    • レポート ビューア ツール バー   レポート パラメータ値の設定、レポート内の移動、および異なるファイル形式でのレポートの印刷またはエクスポートを行うために使用します。

    詳細については、「レポートの表示と保存」を参照してください。

  • [デザイン] と [プレビュー]   両方のビューで、ソリューション エクスプローラを使用できます。

    • [ソリューション エクスプローラ]   BI Development Studio プロジェクトの共有データ ソースおよびレポートを表示するために使用します。[プロジェクト] メニューから、プロジェクトのプロパティを設定したり、レポート サーバーにレポートをパブリッシュしたりできます。

    詳細については、「データ ソースとレポートのパブリッシュ」を参照してください。

メニュー

レポート デザイナでは、次のメニューを使用します。

  • [表示]   ウィンドウ ([レポート データ]、[ソリューション エクスプローラ]、[コード]、[デザイナ]、[出力]、[ドキュメント アウトライン]、[ツールボックス]、および [プロパティ]) やツール バー ([レポートの罫線]、[レポートの書式]、および [レイアウト]) の表示/非表示を切り替えるために使用します。

  • [プロジェクト]   プロジェクトのプロパティの表示、プロジェクトへの新しいアイテムまたは既存のアイテムの追加、および Access からのレポートのインポートを行うために使用します。[レポートのインポート] というメニュー項目は、Microsoft Access がインストールされている場合にのみ表示されます。

  • [レポート]   ページ ヘッダーとページ フッターの追加または削除、[グループ化] ペインの表示/非表示の切り替え、デザイン ビューからプレビュー ビューへの切り替え、およびレポート プロパティの表示を行うために使用します。このメニューは、デザイン画面がアクティブな場合にのみ使用できます。デザイン画面をアクティブにするには、[デザイン] タブまたは [プレビュー] タブをクリックします。

レポート サーバー プロジェクトのプロパティ

レポート サーバー プロジェクトのプロパティは、Business Intelligence Development Studio プロジェクト内のすべてのレポートとすべての共有データ ソースに適用されます。これらのプロパティには、レポート サーバーの URL、およびレポートと共有データ ソースのフォルダ名が含まれます。現在のプロパティ値を確認するには、[プロパティ ページ] ダイアログ ボックスを使用します。このダイアログ ボックスを開くには、[プロジェクト] メニューの [<project name>のプロパティ] をクリックします。

企業のテスト用レポート サーバーや運用レポート サーバーなど、さまざまな種類の展開に対して複数のプロジェクトのプロパティ セットを作成するには、構成マネージャを使用します。詳細については、「データ ソースとレポートのパブリッシュ」を参照してください。

レポート サーバー プロジェクト ウィザード

レポート サーバー プロジェクト ウィザードを選択すると、レポート サーバー プロジェクトが自動的に作成され、レポート ウィザードが開きます。このウィザードでは、各ページの手順に従ってレポートを作成し、データ ソースへの接続文字列の作成、データ ソースの資格情報の設定、クエリのデザイン、テーブルまたはマトリックス データ領域の追加、レポート データやグループの指定、フォントや色のスタイルの選択、レポート サーバーへのレポートのパブリッシュ、およびローカルでのレポートのプレビューを行うことができます。

ウィザードを使用してレポートを作成した後で、レポート サーバー プロジェクトでレポート デザイナを使用して、レポート データおよびレポート デザイナを変更できます。

レポート モデル プロジェクト

レポート モデル プロジェクトを選択すると、Reporting Services のモデル デザイナが開きます。レポート モデル プロジェクトは、Visual Studio によってインストールされる、[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスの [ビジネス インテリジェンス プロジェクト] セクションで使用できるテンプレートです。モデル デザイナは、SQL Server データベースに基づいてレポート モデルを作成するためのグラフィック ツールです。レポート モデルは、アドホック レポートを作成するためにレポート ビルダで使用します。レポート モデルを作成する場合、既定では [レポート モデル] タブだけが表示されます。

  • [レポート モデル] タブ   [レポート モデル] タブでは、モデル オブジェクトの追加や削除を実行できます。[レポート モデル] タブは 2 つのペインに分割されており、左側にはツリー ビュー ペイン、右側にはリスト ビュー ペインがあります。ツリー ビューでは、モデルに含まれるすべてのエンティティが表示されます。リスト ビューでは、選択されたエンティティまたはフォルダに含まれるアイテムが表示されます。どちらのビューでも、モデルのアイテムの追加や削除を行うためにショートカット メニューを使用できます。

  • [データ ソース ビュー] タブ   [データ ソース ビュー] タブでは、プロジェクト用に定義されている 1 つの共有データ ソースのビューを作成できます。[データ ソース ビュー] タブは既定では開かれていませんが、ソリューション エクスプローラでデータ ソース ビューの名前をダブルクリックするとこのタブを表示できます。モデル デザイナのユーザー インターフェイスの詳細については、「モデル デザイナの F1 ヘルプ」を参照してください。

詳細については、「Business Intelligence Development Studio でのモデル デザイナの操作」を参照してください。Reporting Services でアドホック レポートを作成する方法の詳細については、「レポート ビルダ 1.0 を使用したレポートのデザインと実装」を参照してください。

メニュー

Business Intelligence Development Studio で [レポート モデル] タブがアクティブになっている場合、[レポート モデル] メニューがメインのメニュー バーに追加されます。[レポート モデル] タブにフォーカスがなくなると、[レポート モデル] メニューがメインのメニュー バーに表示されなくなります。

モデル デザイナでのプロジェクトのプロパティ

レポート モデル アイテムを選択すると、プロパティ ウィンドウの内容が変更され、選択されたアイテムに関連するプロパティが表示されます。いくつかのプロパティはモデル デザイナによって既定で設定されますが、現在のプロパティを変更することや、新しいプロパティを割り当てることも可能です。