SQL Server 2012 SP1 リリース ノート

このリリース ノートでは、Microsoft SQL Server 2012 Service Pack 1 のインストールやトラブルシューティングを行う前に知っておく必要がある、既知の問題について説明しています。 このリリース ノートは、オンラインのみで入手でき、インストール メディアには含まれていません。また、定期的に更新されます。

コンテンツ

1.0 Before You Install

2.0 Analysis Services and PowerPivot

3.0 Reporting Services

4.0 Data Quality Services

5.0 SQL Server Express

6.0 Change Data Capture Service for Oracle by Attunity

7.0 SQL Server Data-Tier Application Framework (DACFx)

8.0 Known Issues Fixed in this Service Pack

1.0 インストールの準備

SQL Server 2012 SP1 をインストールする前に、次のことを考慮してください。

1.1 同じ IP アドレスを使用すると SQL Server フェールオーバー クラスターのインスタンスの再インストールに失敗する

問題点: SQL Server フェールオーバー クラスター インスタンスのインストール中に不適切な IP アドレスを指定すると、インストールは失敗します。 失敗したインスタンスをアンインストールした後に、同じインスタンス名と適切な IP アドレスを使用して SQL Server フェールオーバー クラスター インスタンスを再インストールしようとすると、インストールは失敗します。 このエラーは、前のインストールによって残されたリソース グループが重複するため発生します。

回避策: この問題を解決するには、再インストール時に別のインスタンス名を使用するか、再インストールする前にリソース グループを手動で削除してください。 詳細については、「SQL Server フェールオーバー クラスターでのノードの追加または削除」を参照してください。

1.2 ダウンロードとインストールに使用する正しいファイルの選択

ダウンロードとインストールに使用するファイルを確認するには、次の表を参照してください。 サービス パックをインストールする前に、システム要件を正しく満たしていることを確認します。 システム要件は、この表にあるリンクされたダウンロード ページに記載されています。

現在インストールされているバージョン

目的

ダウンロードとインストール

32 ビット インストール:

SQL Server 2012 のいずれかのエディションの 32 ビット バージョン

SQL Server 2012 SP1 の 32 ビット バージョンにアップグレード

SQLServer2012SP1-KB2674319-x86-ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 RTM Express の 32 ビット バージョン

SQL Server 2012 Express SP1 の 32 ビット バージョンにアップグレード

SQLServer2012SP1-KB2674319-x86-ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 のクライアントと管理ツールのみの 32 ビット バージョン (SQL Server 2012 Management Studio 含む)

SQL Server 2012 SP1 の 32 ビット バージョンにクライアントと管理ツールをアップグレード

SQLManagementStudio_x86_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 Management Studio Express の 32 ビット バージョン

SQL Server 2012 SP1 Management Studio Express の 32 ビット バージョンにアップグレード

SQLManagementStudio_x86_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 のいずれかのエディションの 32 ビット バージョンおよびクライアントと管理ツールの 32 ビット バージョン (SQL Server 2012 RTM Management Studio 含む)

SQL Server 2012 SP1 の 32 ビット バージョンにすべての製品をアップグレード

SQLServer2012SP1-KB2674319-x86-ENU.exe (ここから)

Microsoft SQL Server 2012 RTM 用 Feature Pack の 1 つ以上のツールの 32 ビット バージョン

Microsoft SQL Server 2012 SP1 用 Feature Pack の 32 ビット バージョンにツールをアップグレード

Microsoft SQL Server 2012 SP1 Feature Pack の 1 つ以上のファイル

SQL Server 2012 の 32 ビット インストールなし

SP1 を含む 32 ビット バージョンの SQL Server 2012 をインストール (SP1 がプレインストールされた新しいインスタンス)

SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x86-ENU.exe および SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x86-ENU.box (ここから)

SQL Server 2012 Management Studio の 32 ビット インストールなし

32 ビットの SQL Server 2012 Management Studio をインストール (SP1 含む)

SQLManagementStudio_x86_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 RTM Express の 32 ビット バージョンなし

32 ビットの SQL Server 2012 Express をインストール (SP1 含む)

SQLEXPR32_x86_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2008 または SQL Server 2008 R2 の 32 ビット インストール

32 ビットの SQL Server 2012 (SP1 含む) にインプレース アップグレード

SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x86-ENU.exe および SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x86-ENU.box (ここから)

64 ビット インストール:

SQL Server 2012 のいずれかのエディションの 64 ビット バージョン

SQL Server 2012 SP1 の 64 ビット バージョンにアップグレード

SQLServer2012SP1-KB2674319-x64-ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 RTM Express の 64 ビット バージョン

SQL Server 2012 SP1 の 64 ビット バージョンにアップグレード

SQLServer2012SP1-KB2674319-x64-ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 のクライアントと管理ツールのみの 64 ビット バージョン (SQL Server 2012 Management Studio 含む)

SQL Server 2012 SP1 の 64 ビット バージョンにクライアントと管理ツールをアップグレード

SQLManagementStudio_x64_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 Management Studio Express の 64 ビット バージョン

SQL Server 2012 SP1 Management Studio Express の 64 ビット バージョンにアップグレード

SQLManagementStudio_x64_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 のいずれかのエディションの 64 ビット バージョンおよびクライアントと管理ツールの 64 ビット バージョン (SQL Server 2012 RTM Management Studio 含む)

SQL Server 2012 SP1 の 64 ビット バージョンにすべての製品をアップグレード

SQLServer2012SP1-KB2674319-x64-ENU.exe (ここから)

Microsoft SQL Server 2012 RTM 用 Feature Pack の 1 つ以上のツールの 64 ビット バージョン

Microsoft SQL Server 2012 SP1 用 Feature Pack の 64 ビット バージョンにツールをアップグレード

Microsoft SQL Server 2012 SP1 Feature Pack の 1 つ以上のファイル

SQL Server 2012 の 64 ビット インストールなし

SP1 を含む 64 ビット バージョンの SQL Server 2012 をインストール (SP1 がプレインストールされた新しいインスタンス)

SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x64-ENU.exe および SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x64-ENU.box (ここから)

SQL Server 2012 Management Studio の 64 ビット インストールなし

64 ビットの SQL Server 2012 Management Studio をインストール (SP1 含む)

SQLManagementStudio_x64_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2012 RTM Express の 64 ビット バージョンなし

64 ビットの SQL Server 2012 Express をインストール (SP1 含む)

SQLEXPR_x64_ENU.exe (ここから)

SQL Server 2008 または SQL Server 2008 R2 の 64 ビット インストール

64 ビットの SQL Server 2012 (SP1 含む) にインプレース アップグレード

SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x64-ENU.exe および SQLServer2012SP1-FullSlipstream-x64-ENU.box (ここから)

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2.0 Analysis Services と PowerPivot

2.1 PowerPivot 構成ツールで PowerPivot ギャラリーが作成されない

問題点: PowerPivot 構成ツールはチーム サイトを準備するため、PowerPivot ギャラリーは作成されません。

回避策: 新しいアプリ (ライブラリ) を作成します。

  1. サイト コレクション機能の [サイト コレクションの PowerPivot 機能の統合] がアクティブになっていることを確認します。

  2. 既存のサイトの [サイト コンテンツ] ページで、[アプリの追加] をクリックします。

  3. [PowerPivot ギャラリー] をクリックします。

2.2 Excel 2013 で PowerPivot for Excel を使用する場合は Excel と一緒にインストールされたアドインを使用する必要がある

問題点: Office 2010 で PowerPivot for Excel を使用する場合は、https://www.microsoft.com/bi/powerpivot.aspx からスタンドアロンのアドインをダウンロードできます。 このアドインは、Microsoft ダウンロード センターからもダウンロードできます。 ダウンロードできる PowerPivot アドインの 2 つのバージョンがあることに注意してください。1つは SQL Server 2008 R2 に、もう 1 つは SQL Server 2012 にそれぞれ付属しています。 ただし、Office 2013 の場合、PowerPivot for Excel は Offce に付属していて、Excel のインストール時にインストールされます。 SQL Server 2008 R2 および SQL Server 2012 に付属の PowerPivot for Excel 2010 には Excel 2013 との互換性はありませんが、Excel 2010 と Excel 2013 をサイド バイ サイドで実行する場合は、クライアント コンピューターに PowerPivot for Excel 2010 をインストールできます。 つまり、2 つのバージョンの Excel が共存できるため、対応する PowerPivot アドインも共存できます。

回避策: PowerPivot for Excel 2013 を使用するには、COM アドインを有効にする必要があります。 Excel 2013 で、[ファイル] | [オプション] | [アドイン] の順にクリックします。 [管理] ボックスの一覧で [COM アドイン] を選択し、[設定] をクリックします。 [COM アドイン] で、[Microsoft Office PowerPivot for Excel 2013] を選択し、[OK] をクリックします。

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3.0 Reporting Services

3.1 Reporting Services をインストールする前に SharePoint Server 2013 をインストールおよび構成する

問題点: SQL Server Reporting Services (SSRS) をインストールする前に、次の要件を完了します。

  1. SharePoint 2013 製品準備ツールを実行します。

  2. SharePoint Server 2013 をインストールします。

  3. SharePoint 2013 製品構成ウィザードを実行するか、同等の構成手順を完了して SharePoint ファームを構成します。

回避策: SharePoint ファームの構成前に Reporting Services SharePoint モードをインストールした場合、必要な回避策は、インストールされている他のコンポーネントによって異なります。 回避策の詳細については、「SharePoint 2013 を使用した SQL Server BI 機能のインストール (SQL Server 2012 SP1)」の「必要なインストール シーケンス」を参照してください。

3.2 SharePoint Server 2013 の Power View には Microsoft.AnalysisServices.SPClient.dll が必要

問題点: Reporting Services では、必要なコンポーネントである Microsoft.AnalysisServices.SPClient.dll がインストールされません。 SharePoint Server 2013 Preview と SQL Server 2012 SP1 Reporting Services を SharePoint モードでインストールしても、PowerPivot for SharePoint 2013 インストーラー パッケージ (spPowerPivot.msi) をダウンロードしてインストールしないと、Power View は動作せず、Power View では次の現象が発生します。

現象: Power View レポートを作成しようとすると、次のようなエラー メッセージが表示されます。

  • "データ ソースへの接続を作成できません"

内部エラーの詳細には、次のようなメッセージが含まれます。

  • "値 'SharePoint Principal' は、接続文字列プロパティ 'User Identity' ではサポートされていません。"

回避策: SharePoint Server 2013 に PowerPivot for SharePoint 2013 インストーラー パッケージ (spPowerPivot.msi) をインストールします。 インストーラー パッケージは、SQL Server 2012 SP1 機能パックに付属しています。 この機能パックは、Microsoft ダウンロード センターの SQL Server 2012 SP1 機能パック (https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkID=268266) からダウンロードできます。

3.3 定期データ更新の後で、PowerPivot ブックの Power View シートが削除される

問題点:PowerPivot for SharePoint アドインでは、Power View が含まれたブックでScheduled Data Refreshを使用すると、すべての Power View シートが削除されます。

回避策:Power View ブックでScheduled Data Refreshを使用するには、データ モデルだけの PowerPivot ブックを作成します。 Excel シートと Power View シートを含む別のブックを作成し、データ モデルを含む PowerPivot ブックにリンクします。 データ モデルを含む PowerPivot ブックに対してのみ、定期データ更新を実行します。

4.0 Data Quality Services

4.1 DQS がサポートされていないエディションの SQL Server 2012 で使用可能になる

問題点: SQL Server 2012 RTM リリースでは、Enterprise、Business Intelligence、および Developer 以外のエディションの SQL Server でも Data Quality Services (DQS) 機能を使用できます。 SQL Server 2012 SP1 のインストール後は、Enterprise、Business Intelligence、および Developer 以外のエディションで DQS を使用できなくなります。

回避策:サポートされていないエディションで DQS を使用している場合は、サポートされているエディションにアップグレードするか、アプリケーションからこの機能の依存関係を削除します。

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5.0 SQL Server Express

5.1 SQL Server 2012 Express SP1 で完全版の SQL Server Management Studio を使用可能

SQL Server 2012 Express Service Pack 1 (SP1) リリースには、SQL Server 2012 Management Studio Express の代わりに、以前は SQL Server 2012 の DVD にしか収録されていなかった完全版の SQL Server 2012 Management Studio が含まれています。 SQL Server 2012 Express SP1 をダウンロードしてインストールする方法については、「SQL Server 2012 Express Service Pack 1」を参照してください。

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6.0 Change Data Capture Service for Oracle by Attunity と Change Data Capture Designer for Oracle by Attunity

6.1 CDC Service および CDC Designer のアップグレード

問題点: SQL Server 2012 SP1 をインストールする時点で、Change Data Capture Designer for Oracle および Change Data Capture Service for Oracle by Attunity がコンピューターにインストールされている場合、SP1 をインストールしてもこれらのコンポーネントはアップグレードされません。

回避策: 次の手順に従って CDC コンポーネントを最新バージョンにアップグレードしてください。

  1. SQL Server 2012 SP1 Feature Pack ダウンロード ページから Change Data Capture Service for Oracle by Attunity の .msi ファイルをダウンロードします。

  2. .msi ファイルを実行します。

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7.0 SQL Server Data-Tier Application Framework (DACFx)

インプレース アップグレードのサポート

このバージョンの Data-Tier Application Framework (DACFx) では、以前のバージョンからのインプレース アップグレードがサポートされているので、このリリースにアップグレードする前に以前の DACFx インストールを削除する必要はありません。 今後のリリースの DACFx は、ここにあります。

選択的 XML インデックスのサポート

SQL Server 2012 SP1 には、選択的 XML インデックス (SXI) のサポートが含まれています。これは SQL Server の新機能であり、高いパフォーマンスと効率を実現する新しい方法で XML 列データのインデックスを作成できます。

DACFx は、すべての DAC シナリオとクライアント ツールで、SXI インデックスをサポートするようになりました。 SXI がサポートされるのは、最新のバージョンの SSDT のみです。 SSDT RTM バージョンおよび September 2012 バージョンでは、SXI はサポートされません。

ネイティブ BCP データ形式のサポート

以前は、テーブル データを DACPAC パッケージおよび BACPAC パッケージ内に格納するために使用されるデータ形式は JSON でした。 今回の更新により、データ保存形式がネイティブ BCP になりました。 この変更によって、SQL_Variant 型のサポートなど、DACFx に対する SQL Server データ型の忠実度が向上し、大規模なデータベースのデータ配置のパフォーマンスが強化されました。

パッケージの作成/配置時における CHECK 制約状態の保持

従来、DACFx はデータベース スキーマ内のテーブルで定義された CHECK 制約の状態 (WITH CHECK/NOCHECK) を保持せず、この情報を DACPAC 内に格納しませんでした。 この動作により、CHECK 制約に違反している既存のテーブル データがある場合に、パッケージ配置の問題が発生することがありました。 今回の更新により、DACFx が現在の CHECK 制約の状態を、データベースから抽出するときに DACPAC 内に格納し、パッケージの配置時に適切に復元するようになりました。

SqlPackage.exe (DACFx コマンド ライン ツール) に対する更新

  • データを含む DACPAC の抽出: データベース スキーマの他にユーザー テーブルのデータを含むライブ SQL Server または Windows Azure SQL データベースから、データベース スナップショット ファイル (.dacpac) を作成します。 これらのパッケージは、SqlPackage.exe の Publish 操作を使用して、新規または既存の SQL Server または Windows Azure SQL データベースにパブリッシュできます。 パッケージに含まれているデータによって、ターゲット データベースの既存のデータは置き換えられます。

  • BACPAC のエクスポート: オンプレミス SQL Server から Windows Azure SQL データベースへのデータベースの移行に使用できる、データベース スキーマおよびユーザー データを含むライブ SQL Server または Windows Azure SQL データベースの論理バックアップ ファイル (.bacpac) を作成します。 サポートされているバージョンの SQL Server 間で、Azure と互換性のあるデータベースをエクスポートし、後でインポートできます。

  • BACPAC のインポート: .bacpac ファイルをインポートして、SQL Server または Windows Azure SQL データベースを新規に作成したり、空のデータベースにデータを入力したりできます。

SqlPackage.exe の完全なドキュメントは、MSDN のここにあります。

パッケージの互換性

今回のリリースでは、DAC パッケージの上位互換性シナリオが複数導入されています。

  • 今回のリリースで作成された、SXI 要素もテーブル データも含まない DAC パッケージは、以前のリリースの DACFx (SQL Server 2012 RTM、SQL Server 2012 CU1、および DACFx September 2012) で使用できます。

  • 以前のバージョンの DACFx で作成されたすべての DAC パッケージを、このリリースで使用できます。

8.0 この Service Pack で修正された既知の問題

この Service Pack で修正されたすべてのバグと既知の問題については、サポート技術情報記事を参照してください。

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関連項目

概念

SQL Server 2012 の各エディションがサポートする機能

その他の技術情報

SQL Server のバージョンとエディションを確認する方法