リボン (WPF)

リボンは、アプリケーション ウィンドウの上部の、アプリケーションの機能を一連のタブにまとめたコマンド バーです。 リボン ユーザー インターフェイス (UI: User Interface) により、機能が見つけやすくなり、アプリケーションをより短時間で理解できるようになります。また、ユーザーが、アプリケーションが操作しやすいと感じるようになります。 リボンは、従来のメニュー バーとツール バーの代わりに表示されます。

Microsoft Ribbon for WPF (Windows Presentation Foundation) はリボンの WPF 実装であり、タブ、グループ、コントロール、クイック アクセス ツール バー、ウィンドウ タイトル バーとの統合、動的レイアウトを伴うサイズ変更などの基本的な機能がすべて含まれています。

メモメモ

このドキュメントは Microsoft Ribbon for WPF 固有のドキュメントです。リボンを使い始めたばかりである場合、またはリボン UI に関する一般的な情報が必要な場合は、「Windows ユーザー エクスペリエンス ガイドライン」の「リボン」を参照してください。その他のリボンの実装固有のドキュメントについては、このトピックの最後にある「その他のリソース」セクションを参照してください。

リボンのコンポーネントと機能

リボン コントロールは、複数のコンポーネントで構成されます。 どのリボンにも、アプリケーション メニュー、クイック アクセス ツール バー、タブ、グループ、およびコントロールが含まれます。 リボン タブにはグループが含まれ、各グループにはコントロールが含まれます。 リボン コントロールには、ボタン、チェック ボックス、テキスト ボックスなどの単純なコントロールと、コンボ ボックス、分割ボタン、メニュー ボタンなどのメニュー コントロールがあります。 関連するコントロールを、さらにコントロール グループにまとめることができます。 リボンには、必須のコンポーネントのほかに、コンテキスト タブ、拡張ツールヒント、ギャラリーなどのオプションのコンポーネントを含めることもできます。

次の図は、Windows 7 のワードパッド アプリケーションに似た、リボン コマンド バーがある単純なテキスト エディター アプリケーションを示しています。

大きなコントロールを使用したリボン

アプリケーション メニュー

どのリボンにも、リボンの最初のタブとしてアプリケーション メニューが含まれます。 他のリボン タブには、ドキュメントのコンテンツを操作するためのコントロールが含まれます。 これに対してアプリケーション メニューには、ファイルを操作するためのコマンドのメニューが表示されます。 例として、従来は [ファイル] メニューに含まれていた、ファイルを作成するコマンド、開くコマンド、保存するコマンド、印刷するコマンドなどがあります。 アプリケーション メニューは、アプリケーションのオプションおよび [終了] コマンドにアクセスするためにも使用されます。

次の図は、リボン コントロールのアプリケーション メニューを示しています。

リボンのアプリケーション メニュー

クイック アクセス ツール バー

どのリボンにも、クイック アクセス ツール バーが含まれます。 クイック アクセス ツール バーは、カスタマイズ可能な小さいツール バーで、選択されているリボン タブとは無関係に、よく使用するコマンドへのアクセスを提供します。 既定では、クイック アクセス ツール バーはアプリケーション ウィンドウのタイトル バーに配置されますが、リボンの下に表示されるように構成することもできます。 クイック アクセス ツール バーに表示する既定のコマンド セットは、開発者が指定します。ユーザーも、クイック アクセス ツール バーに表示するコマンドをリボンから選択できます。

拡張ツールヒント

リボン コントロールには、関連付けられているコマンドを詳しく説明する拡張ツールヒントがあります。 グラフィックスを含めることで、コマンドの効果を図示することもできます。

次の図は、リボン コントロールの拡張ツールヒントを示しています。

拡張されたツールヒント

キーヒント

どのリボンでも、キーヒントを使用することでキーボード ナビゲーションが可能になります。 Alt キーを押すと、リボンのすべてのタブのキーヒントが表示されます。 タブに関連付けられている文字または数字を押すと、そのタブ上のすべてのコントロールのキーヒントが表示されます。 コントロールに関連付けられているキーを押すと、そのコントロールが選択され、関連付けられている操作が実行されます。

次の図は、リボン コントロールのキーヒントを示しています。

KeyTip が表示されたリボン

サイズ変更とレイアウト

アプリケーション ウィンドウが狭められたり、広げられたりすると、リボンは動的にサイズ変更され、常に可能な限り多くのコントロールが最適なレイアウトで表示されます。 さらに、左から右または右から左のドキュメントのフローに合わせて、リボンの内容が調整されます。 動的サイズ変更の詳細については、「リボンのレイアウトおよびサイズ変更」を参照してください。

リボン ウィンドウ

クイック アクセス ツール バーやコンテキスト タブのヘッダーなどの一部のリボン コンポーネントは、アプリケーション ウィンドウのタイトル バーの非クライアント領域に描画されます。 これは、Microsoft Ribbon for WPF において、ルート要素 Window の代わりにルート要素 RibbonWindow を使用することで実現されます。 RibbonWindow クラスは、必要なリボン コンポーネントをタイトル バー領域にレンダリングするために必要な相互運用コードを実装します。 Microsoft Ribbon for WPF を RibbonWindow 要素内で使用することは必須ではありませんが、タイトル バーとの統合が必要な場合は、これが最も簡単な実現方法です。 RibbonWindow 要素を使用しない場合、すべてのコンポーネントがウィンドウのクライアント領域に描画されます。

Microsoft Ribbon for WPF のダウンロードとインストール

Microsoft Ribbon for WPF は、.NET Framework 3.5 SP1 以降のバージョンと共に使用できるスタンドアロン コントロールです。 Microsoft Ribbon for WPF のインストーラーは、Microsoft Download Center (Microsoft ダウンロード センター) からダウンロードできます。 インストーラーには、リボンを使用するために必要なアセンブリとライセンス ファイル、および Visual Studio 2010 および Expression Blend 4 のプロジェクト テンプレートとプロジェクト デザイナーのサポートが含まれています。

Microsoft Ribbon for WPF をダウンロードしたり、リファレンス ドキュメントを確認したりするには、次のリソースを参照してください。

その他のリソース

Microsoft Office リボンについては、次のリソースを参照してください。

Microsoft Windows 7 のリボン フレームワークについては、次のリソースを参照してください。

MFC リボンについては、次のリソースを参照してください。