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SharePoint ファームへの PowerPivot サーバーの追加

SharePoint ファームで PowerPivot クエリ処理の要求が大量になることが予想される場合、SQL Server PowerPivot for SharePoint インスタンスをファーム内の新規または既存のアプリケーション サーバーに追加して、スケールアウト配置を構成することができます。

このトピックでは、SharePoint ファームに PowerPivot サーバーを追加する手順について説明します。この手順では、ファーム内に既に PowerPivot サーバーが 1 つ存在しており、2 番目のサーバーを追加して処理負荷の増加に対処することを想定しています。インストール要件、インストール後の構成、および確認の内容が異なる点を除けば、スケールアウト ソリューションの配置手順は、既存のファームに 1 つの PowerPivot サーバーを追加する場合と同じです。

このトピックの内容は次のとおりです。

前提条件

Analysis Services サービス アカウントの確認

PowerPivot for SharePoint のインストール

追加した PowerPivot サービス インスタンスのインストールの確認

インストールのトラブルシューティング

インストール後の手順

必要条件

PowerPivot サーバー インスタンスは SharePoint 2010 が配置されたコンピューターにインストールし、その SharePoint サーバーを他の PowerPivot サーバー インスタンスが含まれる同じファームに結合する必要があります。

SQL Server セットアップを実行するには、コンピューターのローカル管理者である必要があります。

ファームに Analysis Services を追加するには、ファームの管理者である必要があります。ファーム管理者アカウントがローカルの管理者グループのメンバーでない場合は、PowerPivot for SharePoint をインストールしてファームにサービスを追加できるようにここでアカウントを追加します。このアカウントは、セットアップの完了後に管理者グループから削除できます。

ファームのデータベース サーバーの名前を確認しておく必要があります。

既存の Analysis Services サービスを実行しているサービス アカウントを確認しておく必要があります。

マルチサーバー ファームでは、すべての PowerPivot インスタンスのバージョンが同じである必要があります。ファーム内にある他の既存の PowerPivot サーバーにサービス パックや更新プログラムが適用されている場合は、配置する新しいインスタンスを、セットアップの完了後に同じバージョンに更新する必要があります。インストールが完了しても、必要な更新プログラムを適用するまでは、新しいインスタンスを使用することはできません。

注意

PowerPivot for SharePoint をファーム トポロジに追加する場合は、それぞれの構成に必要なサーバー コンポーネントを把握している必要があります。インストールの順序の詳細やファーム内の専用サーバーに必要なクライアント ライブラリについては、「SharePoint ファームへの PowerPivot の配置の計画」を参照してください。

Analysis Services サービス アカウントの確認

SQL Server セットアップの実行時に、Analysis Services サービス インスタンスのサービス アカウントを指定するように求められます。ファーム内の他の Analysis Services サービス インスタンスで使用されているものと同じサービス アカウントを指定する必要があります。このアカウントは、ドメイン ユーザー アカウントであることが必要です。ネットワーク サービスやローカル管理などのビルトイン アカウントでサービスを実行している場合は、ファームに 2 台目のサーバーを追加する前に、そのアカウントを変更してください。詳細については、「SharePoint ファームへの PowerPivot の配置の計画」を参照してください。

次のどちらかの方法でサービス アカウントを確認します。

  • サーバーの全体管理で、[セキュリティ] セクションの [サービス アカウントの構成] をクリックします。[Windows サービス - SQL Server Analysis Services] を選択します。サービスを選択すると、サービス アカウント名がページに表示されます。

  • PowerPivot サービスが既にインストールされているサーバーで、管理ツールの [サービス] コンソール アプリケーションを開きます。[SQL Server Analysis Services] をダブルクリックします。[ログオン] タブをクリックしてサービス アカウントを確認します。

    重要な注意事項重要

    サービス アカウントを変更する場合は、必ずサーバーの全体管理を使用してください。それ以外のツールや方法で行うと、ファームで権限が正しく更新されません。

PowerPivot for SharePoint のインストール

SQL Server 2008 R2 セットアップを実行し、既存のファーム オプションを使用して SQL Server PowerPivot for SharePoint をインストールします。

  1. SharePoint 2010 が既にインストールされているコンピューターで、インストール メディアを挿入するか、SQL Server 2008 R2 のセットアップ ファイルが格納されているフォルダーを開きます。

  2. 管理者権限で SQL Server セットアップを実行します。Setup.exe を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。

  3. 左側のナビゲーション ウィンドウで [インストール] をクリックします。

  4. [新規インストールの作成または既存のインストールへの機能の追加] をクリックします。

  5. [セットアップ サポート ルール] で、問題が検出されなかった場合は [OK] をクリックします。問題が検出された場合は、ページの指示に従って問題を修正し、セットアップを再度実行します。[インストール] をクリックして次に進みます。

  6. [インストールの種類] で [SQL Server 2008 R2 の新規インストールを実行する] を選択します。このページは、インストール済みの既存のインスタンスがある場合にのみ表示されます。[既存のインスタンスに機能を追加する] は選択しないでください。PowerPivot for SharePoint は、新しいインスタンスとしてインストールする必要があります。

  7. プロダクト キーで、Evaluation エディションを指定するか、Enterprise エディションのライセンス コピーのプロダクト キーを入力します。[次へ] をクリックします。

  8. マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意し、[次へ] をクリックします。

  9. [セットアップ サポート ファイル] で [インストール] をクリックします。

  10. [セットアップ サポート ルール] で [次へ] をクリックします。

  11. [セットアップ ロール] で [SQL Server PowerPivot for SharePoint] を選択します。

  12. 同じく [セットアップ ロール] ページで、[PowerPivot サービスの追加先] ボックスの一覧から [既存のファーム] を選択します。[次へ] をクリックします。

  13. [機能の選択] で、インストールされる機能の一覧を確認します。この一覧は読み取り専用で、情報を示すためだけに表示されます。このロールにあらかじめ選択されている項目を追加または削除することはできません。[次へ] をクリックします。

  14. [インストール ルール] で [次へ] をクリックします。

  15. [インスタンスの構成] で、インスタンス名が 'PowerPivot' と表示されます。この名前は読み取り専用で、情報を示すためだけに表示されます。必ずこのインスタンス名にする必要があり、変更することはできません。ただし、ディレクトリ名とレジストリ キーがわかるように、固有のインスタンス ID を入力することができます。[次へ] をクリックします。

  16. [必要なディスク領域] で、機能をインストールできるだけの十分なディスク領域があることを確認し、[次へ] をクリックします。

  17. [サーバーの構成] で、SQL Server Analysis Services のドメイン ユーザー アカウントを指定します。SharePoint ファームに Analysis Services をインストールする場合は、必ず指定してください。アカウントに関する推奨事項の詳細については、「SharePoint ファームへの PowerPivot の配置の計画」を参照してください。[次へ] をクリックします。

  18. [Analysis Services の構成] で、[追加] をクリックし、ファーム内の既存の PowerPivot サーバーにインストールされた PowerPivot サービス アプリケーションで使用されているアカウントを入力します。

    必要なアカウント情報を取得するには、SharePoint サーバーの全体管理を使用して、[セキュリティ] セクションの [サービス アカウントの構成] ページを開きます。

    セットアップ時に、このアカウントには、Analysis Services サービス インスタンスに対するシステム管理者権限が付与されます。このアカウントはセットアップの完了後に変更できます。詳細については、「サービス アカウントとパスワードの変更 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。

  19. 同じページで、Analysis Services インスタンスに対する管理権限が必要なユーザーの Windows ユーザー アカウントを追加します。データベースの接続に関する問題のトラブルシューティングを行ったり、バージョン情報を取得したりするために、SQL Server Management Studio で Analysis Services サービスに接続するユーザーには、サーバーに対するシステム管理者権限が必要です。サーバーのトラブルシューティングや管理を担当する可能性があるユーザーのユーザー アカウントをここで追加しておきます。

  20. [次へ] をクリックします。

  21. 残りの各ページで [次へ] をクリックし、[インストールの準備完了] ページまで進みます。

  22. [インストール] をクリックします。

追加した PowerPivot サービス インスタンスのインストールの確認

インストールしたサーバーで PowerPivot クエリ処理を確認するには、次の操作を行います。

  1. サーバーの全体管理で、[サーバーのサービスの管理] ページを開き、サーバーとそのサービスが表示されることを確認します。

    1. [サーバー] の下矢印をクリックし、[サーバーの変更] をクリックして、新しい PowerPivot for SharePoint をインストールしたサーバーを選択します。

    2. SQL Server Analysis Services と SQL Server PowerPivot System サービスが開始されていることを確認します。

  2. サーバーの全体管理で、インストールしたサーバーだけを残し、他の PowerPivot for SharePoint サーバーを停止します。詳細については、「PowerPivot for SharePoint インスタンスでのサービスの開始または停止」を参照してください。

  3. PowerPivot ブックをクリックしてライブラリから開きます。

  4. スライサーをクリックするか、データをピボットして、クエリを開始します。サーバーにバックグラウンドで PowerPivot データが読み込まれます。次の手順で、サーバーに接続して、データの読み込みとキャッシュが行われたことを確認します。

  5. [スタート] メニューの Microsoft SQL Server 2008 R2 プログラム グループから SQL Server Management Studio を起動します。このツールがサーバーにインストールされていない場合は、以降の手順はスキップし、最後の手順でキャッシュされたファイルがあるかどうかを確認します。

  6. [サーバーの種類] で [Analysis Services] を選択します。

  7. [サーバー名] に「<server-name>\powerpivot」と入力します。<server-name> には、新しい PowerPivot for SharePoint をインストールしたコンピューターの名前を入力します。

  8. [接続] をクリックします。

  9. オブジェクト エクスプローラーで、[データベース] をクリックして、読み込まれた PowerPivot データ ファイルの一覧を確認します。

  10. コンピューターのファイル システムのフォルダーで、ファイルがディスクにキャッシュされているかどうかを確認します。キャッシュされたファイルが存在していれば、配置が機能していることの確認になります。ファイル キャッシュを表示するには、\Program Files\Microsoft SQL Server\MSAS10_50.POWERPIVOT\OLAP\Backup フォルダーに移動します。

  11. 前の手順で停止したサービスを再開します。

インストールのトラブルシューティング

予想したページや機能ではなくエラーが表示された場合は、次の操作を行います。

  • SharePoint 2010 と SQL Server 2008 R2 の両方のリリース ノートで、インストールの既知の問題を回避する方法を調べます。リリース ノートは、インストール メディア、またはソフトウェアをダウンロードした Microsoft サイトで提供されています。

  • Microsoft TechNet WIKI の「PowerPivot for SharePoint のインストールの問題のトラブルシューティング」のページを参照してください。

  • Microsoft Web サイトで SharePoint 配置に関する記事を参照します。これらの記事には、Internet Explorer で設定を構成する手順が記載されています。詳細については、「SQL Server を使用する単一サーバーを展開する」を参照してください。

インストール後の手順

必要な手順はこれで終了です。サービス アプリケーションを作成したり、機能をアクティブ化したり、ソリューションを配置したり、サービス アカウントを変更したりする必要はありません。既存の Web アプリケーションやサービス アプリケーションで、新しいサーバー ソフトウェアが自動的に検出されて使用されます。