スプリント計画会議

チームは、スプリントの最初の日に計画会議でスプリント バックログを構築します。 この会議では、製品所有者がチームと共同でスプリントで完了するストーリーを決定します。 計画会議は 2 部で構成され、それぞれに会議の長さ全体の半分が充てられます。 第 1 部では、チームと製品所有者は、前のスプリントでの経験に基づいて、このスプリントでチームが完了できると思われるユーザー ストーリーを特定します。 ユーザー ストーリーを特定した後に、製品計画ブックを使用してそれらをスプリントに割り当てることができます。 詳細については、「製品計画ブック」を参照してください。

会議の第 2 部では、チームはユーザー ストーリーを開発してテストする方法を決定します。 次に、ユーザー ストーリーをタスクに分割し、それらを完了するために必要な作業を見積もります。 最後に、チームは、これらの見積もりに基づいて、ユーザー ストーリーの一部またはすべてを実装することにコミットします。

会議の第 1 部では、製品所有者は、スプリントに含めるユーザー ストーリーについてチームと話し合います。 製品所有者は、情報を提供し、これらのストーリーについてチームの質問に答えます。 この話し合いによって、データ ソース、ユーザー インターフェイス、レイアウト、予想される応答時間、セキュリティや使用性に関する考慮事項などが明らかになります。 チームは、これらの詳細をユーザー ストーリーに追加する必要があります。 会議のこの部において、チームは、構築する必要のあるシステムを把握します。

チームが必要と判断したユーザー ストーリーに関するすべての詳細事項について話し合った後に、スクラム マスターが計画会議の第 2 部を開始します。 製品所有者は会議のこの部に参加して、要件の明確化や、代替方法の把握と選択を手助けする必要があります。 会議のこの部では、スクラム マスターの進行によって、チームは、ユーザー ストーリーをどのように実装するか、および製品所有者から要求されたすべてのストーリーを実装することにコミットできるかを判断します。 チームは、各ユーザー ストーリーを完了するのに必要な作業をより的確に把握するために、各ストーリーを、そのストーリーを実装し、確実に完了するために実行する必要のあるタスクに分割します。 スプリント バックログについては、タスク例の「Update the stored procedure to use the new data feed (ストアド プロシージャの更新による新しいデータ フィードの使用)」および「Create the class for the collector web service (コレクター Web サービスのクラスの作成)」で確認できます。

チームは、イテレーション バックログ ブックを使用して、ユーザー ストーリーをタスクに分割できます。 詳細については、「イテレーション バックログ ブック」を参照してください。

次に、チームは、各タスクに必要な作業時間数を見積もります。 タスクは見積もりの前に割り当てられないため、チーム全体で協力してこれらの見積もりを作成します。 多くの場合、スプリント計画会議中にすべての作業を特定して見積もることはできません。 スプリント中にチームが完了する作業量の 40% は、スプリント計画会議後に浮上します。

プランニング ポーカー手法は、タスクの時間を見積もるのに適したツールです。 このツールを使用すると、各チーム メンバーは、それぞれのタスクを見積もるのに領域の専門家に頼るのではなく、自ら見積もりに参加することができます。 この手法を使用するか、別の手法を使用するかに関係なく、各タスクにかかる時間数の決定にチーム全体がかかわる必要があります。 詳細については、"プランニングポーカー" についての Web リソースを参照してください。

タスクは、1 日以内に完了する必要があります。 タスクが大きすぎる場合、チームはそのタスクを分割する必要があります。 タスクによっては、他のタスクが完了するまで適切に見積もることができない場合もあります。 そのようなタスクについては、まず作成しておいて、十分な情報を得てから見積もります。 個々のタスクの見積もりがすべて加算されて、チームが各ユーザー ストーリーを完了するために必要な時間数が決まります。

スプリントに十分なストーリーが含まれているとチームが判断するまで、継続して各ユーザー ストーリーを分析し、そのタスクを見積もります。 チームは、見積もった時間数を、スプリントでチームが完了するのにかかると予想される時間数と比較して、これを決定します。

イテレーション バックログ ブックのチームの最大利用可能時間ワークシートを使用すると、スプリントに対するチームの最大利用可能時間を決定するのに役立ちます。 設定ワークシートにスプリントの詳細を入力する必要があります。 休暇、休業日、およびその他の作業中断が考慮されるようにするには、割り込みワークシートにそれを入力する必要があります。 詳細については、「イテレーション バックログ ブック」を参照してください。

ストーリーのタスクの見積もりが利用できる時間数を超えているため、製品所有者から要求された 1 つ以上のストーリーを完了できないとチームが判断した場合は、製品所有者にその旨を通知する必要があります。 製品所有者は、小さいユーザー ストーリーに置き換える、ストーリーを分割する、ストーリーを将来のスプリントで使用するために製品バックログに保持するなどの対応を行います。 チームが計画会議の両方の部を完了すると、次の作業を行ったことになります。

  • 各ユーザー ストーリーのタスクと時間数を示すスプリント バックログを作成

  • チームがスプリントで達成する必要のあるユーザー ストーリーにコミット

  • 自己組織化チームとして、共同して責務を果たす方法を理解

参照

概念

プロジェクトの計画および追跡

その他の技術情報

MSF for Agile Software Development v5.0