Azure Managed Cache Service の監視

重要

Microsoft では、すべての新しい開発で Azure Redis Cache を使用することをお勧めします。 Azure Cache オファリングの選択に関する最新のドキュメントとガイダンスについては、「自分に適した Azure Cache オファリング」を参照してください。

Azure Managed Cache Serviceは、アプリケーションの一部として組み込まれると、アプリケーションのパフォーマンスと可用性を維持する上で重要な役割を果たします。 サービスの可用性は、バックエンドのメンテナンス タスクや、割り当てられたサービス容量の消費状況によって影響を受けることがあります。 また、シナリオによっては、多様なサービス カウンターとパラメーターをよく考察し、クライアント アプリケーションが直面する可能性がある問題をデバッグする必要があります。

Azure Cache Service の監視

管理ポータルには、サービスのヘルスを監視し、パフォーマンス カウンターを確認して問題を解決するため役立つ次の機能があります。

  • キャッシュ ダッシュボードには、キャッシュの正常性、使用率、サービスのさまざまなプロパティの情報の概要が表示されます。

  • [監視] タブでは、管理ポータルを使用して、問題の解決に役立つ多様なサービス パフォーマンス カウンターを確認できます。

このセクションの内容

  • ダッシュボードを使用してキャッシュ サービスを監視する

  • [監視] タブを使用してキャッシュ サービスを監視する

ダッシュボードを使用してキャッシュ サービスを監視する

管理ポータルからサービスのダッシュボードにアクセスするには、サービス エントリを選択し、ダッシュボードのタブを開きます。

Windows Azure Cache Service Dashboard

ダッシュボードには、キャッシュ エンドポイント、キャッシュ状態 (実行中など)、現在のキャッシュ オファリング、および次の 6 つのパフォーマンス カウンターのメトリックを使用したグラフが表示されます。

  • 使用帯域幅 (%)

  • キャッシュ ミス (%)

  • 使用コンピューティング (%)

  • 使用メモリ (%)

  • 1 秒あたりの読み取り要求

  • 1 秒あたりの書き込み要求

表示される情報とパフォーマンス カウンターのメトリックを使用すると、次の領域でキャッシュのパフォーマンスを監視できます。

  • キャッシュに関する可用性通知

  • キャッシュの容量の使用状況

  • クライアントのキャッシュの効果を測定する

キャッシュに関する可用性通知

メンテナンス活動やサービスに問題が発生しているために、キャッシュ エンドポイントを使用できない場合、ダッシュボードのページの上部にエラー状態として示されます。 このエラー情報は、管理ポータルの [すべてのアイテム] にも表示されます。 これは、障害によってキャッシュが完全に使用できないか、サービスに断続的に影響する可能性がある一時的な問題があるかを示します。

次に、使用できない状況に関連してダッシュボードに表示される可能性がある多様なエラーを示します。

  1. Cache Service を使用できません - サービスに問題が発生し、キャッシュ エンドポイントまたは SSL (セキュア) キャッシュ エンドポイントが使用できない場合に、このエラーは発生します。 このような状況は、Microsoft が積極的に監視し、適時に移行し、サービスの可用性を復元します。 このような状況が続く場合は、Microsoft サポートにお問い合わせください。

  2. Cache Service が部分的に影響を受けているか、断続的なエラーが発生しています - サービスの可用性が完全には影響を受けていませんが、サービスがメンテナンス活動中なので、サービスに対する呼び出しの一部でエラーが発生したり、一時的に一部のキーにアクセスできなくなったりする可能性がある場合に、この警告が表示されます。 このような場合、ベスト プラクティスとして、クライアント アプリケーションで再試行ブロックを実装することをお勧めします。

キャッシュの容量の使用状況

キャッシュ サービスは専用インフラストラクチャとしてデプロイされます。 これらの容量カウンターには、専用インフラストラクチャのメモリに関する使用状況、帯域幅、およびコンピューティング リソースが、合計の使用可能容量に占める割合として表示されます。 これらのカウンターのいずれかが 100% に近い場合は、キャッシュ サービスに容量を追加することをお勧めします。 容量計画の詳細については、「Azure Managed Cache Service の容量計画」を参照してください。 容量を監視する場合、次のカウンターが重要です。

カウンター 詳細

メモリ使用量 %

キャッシュに割り当てられたメモリ量は、ユーザー データと、キャッシュで要求を処理するために保存する必要があるこれらのオブジェクトに関するメタデータの保存に使われます。 このカウンターは、キャッシュの使用可能メモリがどれ位使用済みであるかを反映しています。

使用可能な容量に対して既に使われているデータの正確なパーセントは確認できません。オブジェクトのサイズと機能 (タグ、地域、通知など) の使用によって値が異なるためです。

使用される帯域幅 %

キャッシュは、システムで送受信される帯域幅を提供する専用インフラストラクチャでホストされます。 帯域幅の利用率は、この帯域幅の使用方法を反映しています。 システムにサイズの大きなオブジェクトが多数存在する場合、帯域幅の利用率が高くなることがあります。

コンピューティング使用量 %

キャッシュ サービスはコンピューティング リソースを使用してキャッシュ要求を処理しています。 スループットの高いアプリケーションの場合、専用インフラストラクチャで使用可能なコンピューティング リソースが使い果たされることがあります。 このためこのようなアプリケーションでは、[使用コンピューティング (%)] を監視して、70 ~ 80% を超えないようにすることが重要です。こうすることで、キャッシュが正常に機能し、遅延が小さい情報でデータ アクセスを使用し続けることができます。

注意

一部の % カウンター値は 100% を超えています。 このような問題は、購入した容量よりも多く使用したときに発生します。 この問題が発生する場合、キャッシュ データの可用性と遅延が影響を受けたり、データの損失が発生したりすることがあります。 このような状況では即時にキャッシュを拡張子、サービスの中断を回避することをお勧めします。 詳細については、「Azure Managed Cache Serviceのキャッシュをスケーリングする」を参照してください。

クライアントのキャッシュの効果を測定する

クライアント アプリケーションのキャッシュの効果に影響がある主なパラメーターは、キャッシュに対して実行された要求数と、それらのキャッシュのヒットした割合とキャッシュできなかった数の割合です。 これらのパラメーターは、ダッシュボードでも使用できます。

カウンター 詳細

読み取り要求数/秒

キャッシュ サービス開始以降のすべてのクライアントから受信した読み取り要求 (バルク取得、取得、および列挙) の数/秒。

書き込み要求数/秒

キャッシュ サービス開始以降の 1 秒あたりの書き込み要求の数。 Put、Add、Lock メソッドは書き込み操作に含まれます。

キャッシュ ミス (%)

キャッシュ サービス開始以降の要求の合計数に対する失敗したキャッシュ要求の割合。

注意

Azure では、キャッシュ サービスのデータが一定の間隔で収集および集計されます。 数分間の遅延でデータはダッシュボードに表示されます。

[監視] タブを使用してキャッシュ サービスを監視する

ダッシュボードでは 6 つの一般的なメトリックを簡単に表示できますが、Managed Cache Serviceパフォーマンス カウンターの完全な一覧を使用でき、管理ポータルの [キャッシュ] タブで表示できます。

メトリック テーブルでは最大 12 個のメトリックを選択し、テーブルの見出しのそばのチェック ボックスをオンにすることで、そのメトリックのうちの 6 つをチャートでプロットすることができます。 メトリックを確認する前回の間隔も、[1 時間]、[24 時間]、または [7 日間] から選択できます。

Cache Service Monitor Tab

目的のメトリックを構成するには、[メトリックの追加] をクリックします。

Cache Service Monitor tab Select Metrics

Managed Cache Serviceで使用できるパフォーマンス カウンターの完全な一覧については、「Azure Managed Cache Service パフォーマンス カウンター」を参照してください。