Windows 7 評価ガイド

Microsoft Desktop Optimization Pack による継続的な価値

マイクロソフトでは、Windows をリリースすることによって、企業に新しいメリットを提供していますが、その一方で、Microsoft Desktop Optimization Pack for Software Assurance (MDOP) を通して新しいエンタープライズ テクノロジを定期的に提供しています。 IT プロフェッショナルは、現在の MDOP テクノロジを利用することで、完全に自動化されたデスクトップ環境に向けて一歩前進し、 Windows 7 への移行を簡単にすることができます。

Microsoft Desktop Optimization Pack で提供されるテクノロジについて、次に説明します。

Microsoft Application Virtualization

Microsoft Application Virtualization によって企業は、インストールの必要がなく、回帰テストも必要としないソフトウェアをオンデマンドで展開することができます。ユーザーはどこにいてもソフトウェアを使用できます。 Windows ベースのアプリケーションは一元管理型の仮想サービスに変えられ、世界中のデスクトップやラップトップのクライアントに配布されます。 MDOP のアプリケーション仮想化は、Windows 7 の仮想デスクトップ インフラストラクチャ機能を補完するもので、物理デスクトップまたは仮想デスクトップのどちらにもアプリケーションをストリーミングできるようになります。

Microsoft Application Virtualization によって、IT プロフェッショナルは新しいアプリケーションとその他のプログラムとの連携について心配することなく、アプリケーションの展開日数を数か月から数日間に短縮できます。これによってIT プロフェッショナルは、ビジネス プロセスの自動化やユーザーの生産性の向上といった組織のニーズに、より適切に対応できるようになります。

Microsoft Application Virtualization によって実現するアプリケーションの隔離は、従来のWindows アプリケーションをサービスに変えることで、画期的なメリットを提供できます。ユーザーはアプリケーションをインストールしなくてもにローカルで実行できます。これには同じアプリケーションの複数バージョンも含まれ、移動中も場所を問わず実行できます。 IT プロフェッショナルは、柔軟性の向上した展開モデル、回帰テストの回数削減によるアプリケーション間の競合の回避、アプリケーションとオペレーション システムの移行の単純化および高速化、アプリケーション サポート機能の強化によるメリットを享受できます。

アプリケーション仮想化は、Windows の将来のバージョンへのアップグレードも簡素化します。すべてのアプリケーションを仮想化してストリーミングしている企業では、新しいバージョンのWindows (Windows Vista や Windows 7) にアップグレード可能になり、ユーザーが最初にログオンするとすぐに、すべてのエンド ユーザー アプリケーションを使用できるようになります。

「仮想化アプリケーション」の使用画面
隔離によって、各アプリケーションが独自の仮想レジストリを持ち、独自の仮想環境で実行可能

Microsoft Asset Inventory Service

ソフトウェア資産のインベントリを効率的に管理することは、コンプライアンスの確保とIT 予算の最適化にとって重要です。また、企業が使用するアプリケーションの正確なインベントリは、 Windows の新しいバージョンへのアップグレードを計画するために必要な最初のステップです。 Microsoft Asset Inventory Service は、高度なソフトウェア インベントリ スキャン機能によってこうしたニーズに対応しており、ソフトウェア タイトルの堅牢なデータベースを使用して、アプリケーション データを有用で IT フレンドリな情報に変換してオンデマンド アクセスを可能にします。Asset Inventory Service は管理やホストの簡単なサービスとして提供され、事実上世界中のどこからでもアクセス可能です。これによってIT プロフェッショナルは、組織内の専門技術者以外の人に対しても、簡単にレポートを提供できるようになります。さらに、リモート ユーザー、在宅勤務者、ブランチ オフィスのシナリオもサポートしています。

IT プロフェッショナルは Asset Inventory Service によって、企業ポリシーに違反するインストール アプリケーションをすばやく簡単に識別できます。豊富な分類機能とインテリジェンス機能は、組織のニーズの予測から、回復およびトラブルシューティングが必要な個々のコンピューターの識別まで、幅広い方法で使用できます。 Asset Inventory Service によって提供されるその他の重要なメリットには、展開が簡単なこと、結果をすばやく確認できること、初期投資を抑えられることなどが挙げられます。

「Asset Inventory Service」画面
Asset Inventory Service の管理コンソール

Microsoft Advanced Group Policy Management

Microsoft Advanced Group Policy Management を使用すると、変更管理/ バージョン管理/ ロールバックを効果的に行えるので、ユーザーのデスクトップを高度に制御できるようになります。これらはすべて、グループ ポリシー オブジェクトと堅牢な役割ベースの管理および委任モデルに基づいています。 Advanced Group Policy Management によってIT プロフェッショナルは、ユーザーのPC 上で現在実行されている Windows バージョンのグループ ポリシー機能を利用できるだけでなく、 Windows 7 における新しいグループ ポリシーの機能強化を十分に活用できるようになります。

IT プロフェッショナルは Advanced Group Policy Management によって、新しいポリシーや変更されたポリシーを実装する場合のエラーの可能性を減少させ、要求に対する応答性を向上させることができます。また、たとえば、部門ポリシーによって、サーバーのグループ ポリシー オブジェクトがサーバー管理者によって管理されているときには、デスクトップ管理者はグループ ポリシーを使用するユーザー PC の管理をできないというような、組織間のギャップの橋渡しを行うこともできます。

[ Group Policy Management ] 画面
Advanced Group Policy Management は、グループ ポリシー管理コンソールに対するネイティブの拡張機能として動作する

Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset

Diagnostics and Recovery Toolset によって IT プロフェッショナルは、重要なインフラストラクチャの問題をすばやく診断できます。トラブルシューティングの複雑なプロセスの多くを自動化する高度な診断ツールが提供されるので、組織は、トラブルシューティングのプロセスをドキュメント化することができます。

Diagnostics and Recovery Toolset は、Windows 7 における新しい Windows トラブルシューティング プラットフォームによって提供される機能を補完するものです。このプラットフォームはWindows 7 の実行時に発生する一般的な問題を解決するために設計されています。 IT プロフェッショナルは Diagnostics and Recovery Toolset を使用して、起動不能またはロックアウトされたシステムの修復、オペレーティング システムのワイプ/ 再ロードを伴わないユーザーの PC の回復、失われたデータの復元、システムおよびネットワーク問題の診断、システムを安全なオフライン状態にして感染システムからマルウェアを駆除することなど、非常に重大な問題の診断や修復をすばやく実行することができます。これらの機能は、ユーザーの生産性を上げ、ヘルプ デスクのコストを削減するために役立ちます。

「Diagnostics and Recovery Toolset」のツール群
IT プロフェッショナルは多くのツールを使用して、グループ ポリシー管理コンソールの問題を診断および修復可能

Microsoft System Center Desktop Error Monitoring

Microsoft System Center Desktop Error Monitoring によって IT プロフェッショナルは、ユーザーのPC のクラッシュやハングの原因となるアプリケーションおよびシステム コンポーネントの問題を、あらかじめ識別することができます。これにより、きめ細かくエラーを選別して警告を発する、スケーラブルで低コストのエンタープライズ対応ソリューションが提供されます。このツールでは、エージェントレス型のクラッシュ監視テクノロジによって、不具合の影響、考えられる原因、解決策を特定しやすくなります。

System Center Desktop Error Monitoring の提供するツールと情報によって、IT プロフェッショナルはユーザーの作業環境を理解し、事前にユーザーのデスクトップの安定性と信頼性を高めることができます。

多くの問題を発生前に識別して修復できるので、ビジネス ユーザーの生産性が向上します。また、ユーザーは必要なときに、問題の診断や修復に必要な情報をヘルプ デスクから入手できます。

「System Center Desktop Error Monitoring」ウィンドウ
Desktop Error Monitoring によるアプリケーションのクラッシュとハングのレポート

Microsoft Enterprise Desktop Virtualization

仮想デスクトップ インフラストラクチャと Windows 7 によって、ユーザー デスクトップはリモートでホストできます。デスクトップ仮想化のもう1 つのタイプは、クライアント- ホスト型の仮想化です。この仮想化では、 Windows のインスタンスが仮想マシン内で、つまり、ユーザーのPC 上でローカルに実行されている Windows バージョン上で実行されます ( たとえば、Windows XP Professional のインスタンスは、アプリケーションの互換性を保つために、 Windows Vista PC 上の VM 内で実行されます) 。

Microsoft Enterprise Desktop Virtualization は、Windows デスクトップ上の Microsoft Virtual PC イメージの展開と管理を強化するもので、デスクトップの仮想化に対するエンタープライズ ソリューションを提供します。IT プロフェッショナルは Microsoft Enterprise Desktop Virtualization を利用して、ローカルのデスクトップ構成やオペレーティング システムに左右されず、シームレスなユーザー エクスペリエンスを提供できます。Microsoft Enterprise Desktop Virtualization によって IT プロフェッショナルは、インストールされたオペレーティング システムと互換性のないアプリケーションに対応したり、オペレーティング システムのアップグレードを高速化できます。

「Microsoft Enterprise Desktop Virtualization」ウィンドウ
VM にインストールされたアプリケーションは、ローカルで実行されているのと同じようにデスクトップ上に表示される

ページのトップへ