Visual Studio 2017 を使用することをお勧めします

MSBuild インライン タスク

 

公開日: 2016年7月

Visual Studio 2017 RC の最新のドキュメントの詳細については、Visual Studio 2017 RC ドキュメントをご参照ください。

MSBuild タスクは通常、ITask インターフェイスを実装するクラスをコンパイルして作成します。 詳細については、「タスク」を参照してください。

.NET Framework Version 4 以降では、プロジェクト ファイルでタスクをインラインで作成できます。 個別のアセンブリを作成してタスクをホストする必要はありません。 これにより、ソース コードの追跡やタスクの配置が簡単になります。 ソース コードはスクリプトに統合されます。

インライン タスクは UsingTask 要素に格納されます。 インライン タスクとそれを格納する UsingTask 要素は通常、.targets ファイルに含められ、必要に応じて他のプロジェクト ファイルにインポートされます。 基本的なインライン タスクの例を次に示します。 このタスクでは何も実行されないことに注意してください。

<Project ToolsVersion="12.0" xmlns="http://schemas.microsoft.com/developer/msbuild/2003">  
  <!-- This simple inline task does nothing. -->  
  <UsingTask  
    TaskName="DoNothing"  
    TaskFactory="CodeTaskFactory"  
    AssemblyFile="$(MSBuildToolsPath)\Microsoft.Build.Tasks.v12.0.dll" >  
    <ParameterGroup />  
    <Task>  
      <Reference Include="" />  
      <Using Namespace="" />  
      <Code Type="Fragment" Language="cs">  
      </Code>  
    </Task>  
  </UsingTask>  
</Project>  

この例の UsingTask 要素には、タスクとそれをコンパイルするインライン タスク ファクトリを記述した 3 つの属性が含まれています。

  • TaskName 属性は、タスクの名前を指定します。この例では DoNothing と指定しています。

  • TaskFactory 属性は、インライン タスク ファクトリを実装するクラスの名前を指定します。

  • AssemblyFile 属性は、インライン タスク ファクトリの場所を指定します。 代わりに、AssemblyName 属性を使用してインライン タスク ファクトリ クラスの完全修飾名を指定することもできます。これは通常、グローバル アセンブリ キャッシュ (GAC: Global Assembly Cache) に配置されます。

DoNothing タスクの残りの要素は空になっていますが、ここではインライン タスクの順序と構造を示すために含めてあります。 具体的な例については、この後の例を参照してください。

  • ParameterGroup 要素は省略可能です。 指定する場合は、タスクのパラメーターを宣言します。 入力パラメーターと出力パラメーターの詳細については、この後の「入力パラメーターと出力パラメーター」を参照してください。

  • Task 要素にはタスクのソース コードを記述して格納します。

  • Reference 要素は、コードで使用する .NET アセンブリへの参照を指定します。 これは、Visual Studio でプロジェクトに参照を追加することに相当します。 Include 属性は参照アセンブリのパスを指定します。

  • Using 要素には、アクセスする名前空間をリストします。 これは、Visual C# の Using ステートメントに似ています。 Namespace 属性は、含める名前空間を指定します。

Reference 要素と Using 要素は言語に依存しません。 インライン タスクは、サポートされているどの .NET CodeDom 言語 (Visual Basic や Visual C# など) でも記述できます。

System_CAPS_ICON_note.jpg メモ

Task 要素に含まれる要素はタスク ファクトリによって異なります。この例では、コード タスク ファクトリが格納されています。

コード要素

Task 要素内の最後の子要素は Code 要素です。 Code 要素では、タスクにコンパイルするコードを記述するか参照します。 Code 要素に含める内容は、タスクを記述する方法に応じて異なります。

Language 属性は、コードを記述する言語を指定します。 指定できる値は、cs (C# の場合) または vb (Visual Basic の場合) です。

Type 属性は、Code 要素内のコードの種類を指定します。

  • Type の値が Class の場合、Code 要素には ITask インターフェイスから派生したクラスのコードが含まれます。

  • Type の値が Method の場合、コードは ITask インターフェイスの Execute メソッドのオーバーライドを定義します。

  • Type の値が Fragment の場合、コードは Execute メソッドの内容を定義します。ただし、シグネチャや return ステートメントは含まれません。

コード自体は通常、<![CDATA[ マーカーと ]]> マーカーの間に記述します。 コードは CDATA セクション内に記述するため、"<" や ">" などの予約文字のエスケープを気にする必要はありません。

また、Code 要素の Source 属性を使用して、タスクのコードを含むファイルの場所を指定することもできます。 ソース ファイルのコードの種類は、Type 属性で指定された種類である必要があります。 Source 属性が指定されている場合、Type の既定値は Class です。 Source が指定されていない場合の既定値は Fragment です。

System_CAPS_ICON_note.jpg メモ

ソース ファイル内のタスク クラスを定義する場合は、クラス名が、対応する UsingTask 要素の TaskName 属性と一致する必要があります。

具体的なインライン タスクの例を次に示します。 HelloWorld タスクは、既定のエラー ログ デバイスに "Hello, world!" と表示します。通常、既定のデバイスは、システム コンソールまたは Visual Studio の出力ウィンドウです。 この例の Reference 要素は、例を示す目的でのみ含めてあります。

<Project ToolsVersion="12.0" xmlns="http://schemas.microsoft.com/developer/msbuild/2003">  
  <!-- This simple inline task displays "Hello, world!" -->  
  <UsingTask  
    TaskName="HelloWorld"  
    TaskFactory="CodeTaskFactory"  
    AssemblyFile="$(MSBuildToolsPath)\Microsoft.Build.Tasks.v4.0.dll" >  
    <ParameterGroup />  
    <Task>  
      <Reference Include="System.Xml.dll"/>  
      <Using Namespace="System"/>  
      <Using Namespace="System.IO"/>  
      <Code Type="Fragment" Language="cs">  
<![CDATA[  
// Display "Hello, world!"  
Log.LogError("Hello, world!");  
]]>  
      </Code>  
    </Task>  
  </UsingTask>  
</Project>  

HelloWorld タスクを HelloWorld.targets という名前のファイルに保存すると、次のようにしてプロジェクトから呼び出すことができます。

<Project ToolsVersion="4.0" xmlns="http://schemas.microsoft.com/developer/msbuild/2003">  
  <Import Project="HelloWorld.targets" />  
  <Target Name="Hello">  
    <HelloWorld />  
  </Target>  
</Project>  

インライン タスクのパラメーターは、ParameterGroup 要素の子要素です。 どのパラメーターも、それを定義する要素の名前を受け取ります。 次のコードは、Text パラメーターを定義しています。

<ParameterGroup>  
    <Text />  
</ParameterGroup>  

パラメーターには、以下の 1 つ以上の属性を含めることができます。

  • Required は省略可能な属性で、既定値は false です。 true の場合、そのパラメーターは必須で、タスクを呼び出す前に値を指定する必要があります。

  • ParameterType は省略可能な属性で、既定値は System.String です。 System.Convert.ChangeType を使用して文字列との間で変換できる項目または値の完全修飾型に設定できます (つまり、外部タスクとの受け渡しが可能なすべての型)。

  • Output は省略可能な属性で、既定値は false です。 true の場合、そのパラメーターの値を、Execute メソッドから戻る前に指定する必要があります。

次に例を示します。

<ParameterGroup>  
    <Expression Required="true" />  
      <Files ParameterType="Microsoft.Build.Framework.ITaskItem[]" Required="true" />  
    <Tally ParameterType="System.Int32" Output="true" />  
</ParameterGroup>  

この例では、以下の 3 つのパラメーターを定義しています。

  • Expression は、System.String 型の必須の入力パラメーターです。

  • Files は、必須の項目リスト入力パラメーターです。

  • Tally は、System.Int32 型の出力パラメーターです。

Code 要素の Type 属性が Fragment または Method の場合、すべてのパラメーターに対して自動的にプロパティが作成されます。 それ以外の場合は、タスクのソース コードで明示的にプロパティを宣言する必要があります。プロパティはパラメーター定義と完全に一致している必要があります。

指定されたファイル内のすべてのトークンを指定された値に置き換えるインライン タスクの例を次に示します。

<Project xmlns='http://schemas.microsoft.com/developer/msbuild/2003' ToolsVersion="12.0">  
  
  <UsingTask TaskName="TokenReplace" TaskFactory="CodeTaskFactory" AssemblyFile="$(MSBuildToolsPath)\Microsoft.Build.Tasks.v12.0.dll">  
    <ParameterGroup>  
      <Path ParameterType="System.String" Required="true" />  
      <Token ParameterType="System.String" Required="true" />  
      <Replacement ParameterType="System.String" Required="true" />  
    </ParameterGroup>  
    <Task>  
      <Code Type="Fragment" Language="cs"><![CDATA[  
string content = File.ReadAllText(Path);  
content = content.Replace(Token, Replacement);  
File.WriteAllText(Path, content);  
  
]]></Code>  
    </Task>  
  </UsingTask>  
  
  <Target Name='Demo' >  
    <TokenReplace Path="C:\Project\Target.config" Token="$MyToken$" Replacement="MyValue"/>  
  </Target>  
</Project>  

タスク
チュートリアル: インライン タスクの作成

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