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第 1 章 「はじめに」~ Commerce Server 2002 で学ぶ ASP.NET ~

NRI ラーニングネットワーク株式会社
溝端 二三雄

2003 年 1 月 22 日

目次

1-1 このコラムについて 1-1 このコラムについて
1-2 サンプルアプリケーションのセットアップ 1-2 サンプルアプリケーションのセットアップ
  1-2-1 セットアップ用ファイルのダウンロード1-2-1 セットアップ用ファイルのダウンロード
  1-2-2 サンプルプログラムのセットアップ1-2-2 サンプルプログラムのセットアップ
1-3 サンプルアプリケーションの概要1-3 サンプルアプリケーションの概要

1-1 このコラムについて

このコラムでは ASP.NET を用いたデータベースアプリケーションの構築方法をオンラインショッピングサイトの構築を例に解説します。サンプルのオンラインショッピング Web アプリケーションには大きな特徴があります。それは Microsoft Commerce Server 2002leave-site.gifで使用されているクラスをモデルにして構築されている点です。

Microsoft Commerce Server 2002 は E-Commerce サイトの構築を大幅に効率化することができるサーバー製品です。ユーザープロファイル管理、パーソナライズ、カタログ管理、トランザクション管理、サイト分析など E-Commerce サイトにとって魅力的な数多くの機能を提供します。注目すべき点は Microsoft Commerce Server 2002 を使用すると数多く提供されるこれらの機能を最低限のプログラミンで実現することができることです。そのために管理ツール、テンプレートして使用できるソリューションサイト、クラス群(フレームワーク)が提供されます。

この Microsoft Commerce Server 2002 のフレームワークをお手本にして作られたのが、このコラムで使用するサンプルアプリケーションです。ただし、管理ツールまで開発することはしておりません。また、コラムのサンプルにふさわしいようにできる限り単純化したクラス設計を使用しています。ですので、実際の Microsoft Commerce Server 2002 が使用するクラスよりもかなりシンプルなものです。

単純化したクラスとは言え、ポイントとなるところは省略するわけにいかないので、プログラミングではなく設計的な内容も含まれますが、オブジェクト指向にかかわる専門用語は使用せずに解説いたします。是非皆様の .NET Framework を用いたアプリケーション開発の参考にしていただければ幸いです。

なお、基本的な ASP.NET や Visual Basic .NET、SQL Server の構文、使用方法に関しては既にご理解いただいている方を対象に解説させていただきますので、ご了承ください。

1-2 サンプルアプリケーションのセットアップ

このコラムで使用するサンプルアプリケーションは以下のソフトウェアがインストールされていることを前提に作成されています。

  • SQL Server 2000(Edition は問いません。)

  • Visual Studio .NET

1-2-1 セットアップ用ファイルのダウンロード

サンプルコード (FabrikamWeb.exe, 368 KB 自己解凍形式)

  1. サンプルコードのダウンロードリンクをクリックします。

  2. ファイルのダウンロード ダイアログボックスで [保存] ボタンをクリックします。

  3. FabrikamWeb.exe を実行します。C:\FabrikamSetup フォルダに必要なファイルが解凍されます。

1-2-2 サンプルプログラムのセットアップ

解凍された FabrikamSetup フォルダ内の Setup.txt ファイルの手順に従ってセットアップを行ってください。使用する SQL Server の sa のパスワードは password に設定してから実行してください。

なお、このサンプルは画像ファイルを表示するように作成しておりますが、ダウンロードサイズを小さくするために別ファイルとしてダウンロードするようになっています。画像ファイルがなくても画像表示部分にエラーが表示されますが、動作には差し支えありません。画像ファイルのダウンロードはこちらです。

画像ファイル (images.exe, 17,756 KB 自己解凍形式)

1-3 サンプルアプリケーションの概要

アプリケーション構築は分析、設計の手順から始まりますが、このコラムは実装(プログラミング)を中心に解説しますので、既に設計は終わっていると考えてください。では、まずは図1 Fabrikam サイトの全体像 がサンプル Web アプリケーションである Fabrikam サイトの全体像です。

各ページの役割を簡単に解説します。買い物をする際にアクセスするページ順に解説するので、サンプルプログラムを実行しながらこのサイトの概要を理解してください。

  • Default.aspx
    このサイトのトップページです。ユーザー認証なしでアクセスできます。

  • Login.aspx
    ユーザー認証のためのログインページです。ユーザー認証には ASP.NET フォーム認証を使用します。

  • CategoryPage.aspx
    オンラインショッピングの開始ページです。オンラインショッピングの開始にはユーザー認証が必要です。各商品はいずれかのカテゴリ(グループ)に属しています。カテゴリをまとめものをカタログと呼びます。このページではカタログのリスと(今回は Furniture のみ)そのカタログ内のカテゴリごとのリンクが表示されます。

  • ProductList.aspx
    CategoryPage ページで選択されたカテゴリに属する商品のリストを表示します。このリストには商品の詳細ページへのリンクがあります。

  • ProductPage.aspx
    ProductList.aspx で選択された商品の詳細を表示します。商品を購入する場合このページで数量を入力し、〔バスケットに追加〕ボタンをクリックします。

  • BasketPage.aspx
    ユーザーごとに保存しているバスケットの内容を表示します。商品を購入する場合〔注文する〕ボタンをクリックします。

  • AddressList.aspx
    購入した商品の発送先の住所、氏名等を入力します。初期値としてユーザープロファイルとして登録されている住所が表示されます。〔チェックアウト〕ボタンをクリックすると注文処理が実行されます。注文処理されたバスケットの内容は全て削除されます。

  • OrderComplete.aspx
    正常に注文が処理された場合、注文結果と注文番号が表示されます。

  • OrderPage.aspx
    注文登録されたデータを確認するためのページです。

  • CatalogImport.aspx
    XML Web サービスからカタログデータをインポートする際に使用する管理者用ページです。インポートの連載が始まるまで実行しないでください。このページはyawara としてログオンしないとアクセスできません。XML Web サービスが提供するカタログデータは C:\FabrikamSetup\CatalogData.xml ファイルです。

    図

    1 Fabrikam サイトの全体像

    コラムはクラスライブラリ(5 つのアセンブリ)ごとに章分けしています。連載の都合上分割される章もあります。また、最後の連載では蓄積された販売データをベースにした SQL Server Analysis サービスの解説を行います。

    CS2000.jpg

      二三雄: 東京を中心に .NET Framework ならびに .NET Enterprise Servers のトレーニングを開発、実施している。その多忙な業務の中、日々夜の街に吸い込まれ、そこでも大活躍しているようだが、実は大阪在住で2児の父親でもある。できるだけ多くの技術者のお役に立てる技術を伝達することに喜びを感じているので、トレーナーという職業はまさに天職である。