Windows CE 2.0 の登場

1997 年 10 月 27 日

CE は、もうハンドヘルド PC だけではない

とっておきの話を聞かせてあげよう。いや、株式市場の話ではない。プログラミングの話である。今が絶好のチャンスだ。初期のハンドヘルド PC を知っているだろうか。Windows CE は単にシステム手帳代わりの小型のハンドヘルド コンピュータだと思っているかもしれない。プログラミングを行うプラットフォームとしてはもの足りなく感じていると思う。

しかし、Windows CE 2.0 (https://www.microsoft.com/windows/embedded/ce/) の登場により、もう Windows CE は単なるハンドヘルド PC ではなくなった。誤解しないでほしいが、ハンドヘルド PC は私のお気に入りである。うちの家庭にも 2 台ある。お気に入りとは言え、問題がないわけではない。楽々と持ち運ぶには大きすぎる。それでも私はハンドヘルド PC を持ち歩いている。高校のときから電卓を腰にぶら下げていたものだ。また、キーボードが小さすぎて打ちにくい。なんとか皆さんに Microsoft Internet Explorer をたくさん使ってもらい、これから出てくるより小型のハンドヘルド PC を買いたいと思っている。現在発表されている少し大きめのものでもよい。私が Microsoft Internet Explorer の売り上げの分け前をもらえることを忘れないでほしい。なぜかまだ一度も明細が来ないのだが。

現在でも、さまざまなアプリケーションが https://www.microsoft.com/windowsce/hpc で入手できる。ゲームから Pocket Streets のような専門的なアプリケーションまで揃っている。Microsoft Expedia Streets 98 の Pocket Streets では、米国のすべての市街地図をダウンロードできる。先月 PDC に出席したときは、サンディエゴの地図を H/PC に入れて活用でき、とても便利であった。

今回最も興味を引くのは、Windows CE 2.0 のリリースである。Windows CE 2.0 は、思い付くすべての組み込みシステムに対応できる最新のモジュール化されたオペレーティング システムだ。

将来的には WebTV のセットトップ ボックス、DVD プレーヤー、ゲーム コンソールなど、いたるところで Windows CE を目にすることになるだろう。Windows CE は DirectX もサポートする予定だ。現在、多くの企業が Microsoft と共同で Windows CE の開発に取り組んでいる。https://microsoft.com/windowsce/developer/ を参照していただきたい。

なぜ今がチャンスなのか

簡単な話である。多くのマシンが登場すれば、さまざまな Windows CE を搭載したデバイス用に、素敵なアプリケーションを作る機会が増えるというわけだ。

現在では、Visual C++ と Visual Basic のベータ版アドオンを https://www.microsoft.com/windows/downloads/default.asp?site=cehome&openmenu=cehome からダウンロードできる。Visual J++ のベータ版アドオンも間もなくリリースされる。Visual C++ のアドオンを使用すると、C 言語または C++ 言語を使って Windows CE SDK をプログラミングできるようになる。Windows CE 対応の MFC、ATL などもサポートされている。Visual Basic のアドオンでは、多くの標準 Visual Basic ActiveX コントロールに加え、Windows CE 対応の特別なコントロールが提供されている。そして、Visual J++ のアドオンでは、JDK 機能に加え、Windows CE 対応の特別なクラスがサポートされる予定だ。

これでも満足しないのなら、MetroWerks が今年度初旬に出荷を発表した CodeWarrior for Windows CE (http://www.metrowerks.com/embedded/wince.html) に注目していただきたい。これは C/C++ と Java の両方をサポートしている。

たくさんツールが登場するから、使い慣れたプログラミング言語をサポートしているものが必ず 1 つはあるだろう。

Windows CE は Windows ファミリの一部なので、既に使い慣れたプログラム方法を活用できる。これは大きなメリットだ。確かに API の違いはいくつかあるが、Windows のしくみを既にマスターしているなら、まったく難しいものではない。

独自のデバイス

独自の Windows CE デバイスを作りたいなら、組み込みシステム用アドオンのベータ版 CD (https://www.microsoft.com/windows/downloads/default.asp?site=cehome&openmenu=cehome) を手数料と送料だけで入手できる。このアドオンを使用すれば、Windows CE をカスタマイズし、独自のデバイスを作成できる。データ イメージを作成して ROM に焼き付けたり、ハードウェア開発プラットフォームにダウンロードしてテストすることもできる。Windows CE はモジュール化されているため、ハードウェアやアプリケーションに必要なモジュールだけを組み込むことができる。つまり、RAM や ROM の必要量を制御できるのである。

初めてハードウェアや組み込みシステムの開発を行う場合は、技術パートナーに助けてもらうこともできる。(https://www.microsoft.com/windowsce/Embedded/programs/si.asp) には、多くのパートナーが紹介されている。

ところで、組み込みシステムや専用システムで使用できる Microsoft のオペレーティング システムは、Windows CE だけではないことを Dr. GUI は思い出した。DOS、Windows 3.1x、Windows 95、Windows NT もすべて使用できるのだ。この辺については https://www.microsoft.com/embedded/ を参照していただきたい。さらに、DOS と Windows 3.1 は Windows CE と同じように、ROM からも起動できる。しかし、Windows CE は、ROM から起動できる唯一の 32 ビット マルチタスクのオペレーティング システムである。したがって、組み込みシステムには Windows CE が最適だ。そのうえ、設計がモジュール化されており、さまざまなプロセッサをサポートしているのだから魅力的である。

Windows CE 2.0 はなぜクールなのか

なぜ私はこんなにまで Windows CE に熱くなっているのか。それは Windows NT と同様にクールだからだ。最初から完全に 32 ビット、マルチスレッド、マルチタスク対応のオペレーティング システムとして設計されている。16 ビッドはどこにもない。DOS もない。セグメント レジスタは関係ない。本当に強力なオペレーティング システムなのである。Unicode のサポート、プリエンプティブなマルチタスク、メモリ保護、小さなフットプリント (利用記録) などの機能を備えた軽量で楽しいオペレーティング システムだ。少し時間があればプログラムを書くことができる。

強力だがシンプルなので、プログラムを昔のように楽しく簡単に作成できる。セグメント レジスタや TSR (メモリ常駐) にわずらわされずに昔の DOS や Windows でプログラミングするようなものだ。そして、今ではフロッピー ディスクを使わなくても、作品を Web でシェアウェアとして配布できる。

登録するには

登録は簡単だ。必要なベータ版アドオンを Microsoft (https://www.microsoft.com/windows/downloads/default.asp?site=cehome&openmenu=cehome) からダウンロードするだけでよい。

アドオンには PC で動作する H/PC エミュレータが含まれているが、アプリケーションが実際にどのように動くのか見るために、最低 1 つは H/PC が欲しくなると思う。低電力のプロセッサは Pentium に比べるとかなり低速である。幸運にも、新しいデバイスが発売されたため、H/PC のメーカーは初期の H/PC を特売している。ほとんどは 200 ドルから 400 ドルくらいである。新品同様のものが 60.95 ドルで売られているのを見つけたこともあるが、これはもう残っていないだろう。今年後半には、これらのマシンはどれも Windows CE 2.0 にアップグレードできる。無料でアップグレードできる場合もある。細かい点については買う前に確かめてほしい。Casio は、Windows CE 2.0 にアップグレードすると RAM を 2MB 追加すると発表した。合わせて 100 ドル以内ということである。さらに、9 月 8 日から年末にかけての購入者には、無料でアップグレードするそうだ。

1 つだけ教えよう。ツールは Windows NT 4.0 と 32MB のメモリが必要である。いずれしにろアップグレードしたいと思っているのではないだろうか。それなら、デスクトップ マシンに 64MB のメモリを追加するよい機会である。

Windows CE は次の重要な技術となるだろうか。おそらく間違いない。Windows プログラマは次の波をキャッチできるよい位置にいるわけである。今から Windows CE に取り組めば、さらに成功に近づくことができるだろう。そして、その過程も楽しいものである。