Dr. GUI、Comdex に行く

1999 年 11 月 29 日

名医は先週の Comdex で、MSDN Online のブースを運営するチャンスに恵まれました。Las Vegas に滞在し、Comdex に参加したのは初めてでしたが、とても楽しい体験ができました。しかも、相当な数の読者と出会えたので最高でした。

何はともあれ、気分は初体験

抜け目のない長年の読者の中には、Dr. GUI が数年前 Comdex に出向いて行き、その後砂漠に消えたことを覚えている人もいるでしょう。ですが正直なところ、名医は前回体験したことは何も覚えていないのです。したがって、どういう点から見ても、Dr. GUI にとっては今回が初めての Comdex であり、Las Vegas なのです。

Las Vegas

Las Vegas は、驚くことばかりです。名医はこれまで、こんなにたくさんの、とてつもなく贅沢なホテルが林立しているのを見たことはありませんでした。通り沿いがすべてそうなのです!それぞれのホテルにはテーマがあり、エジプトをテーマとした Luxor、都市をテーマとした New York や Paris、そして素晴らしき Venetian、さらに Treasure Island では海賊さえもテーマにしています。Las Vegas に到着して、この景色を目にした途端、これらのホテルを建設するための資金がどこから出たのか不思議に思ったものです。

しかしその疑問は、すぐに解決しました。飛行機を降りた直後、名医の目の前に、滞在中に何千回(もしかしたら何百万回)と出会うことになるスロット マシンの最初の 1 台が立ちはだかっていたのです。それも空港ゲートで。明らかに、この街はギャンブルによって作り上げられたのです。

さて、名医はギャンブルについて、道徳上よろしくないなどというつもりはありませんが、その勝率が彼に有利でないことだけは、周囲の豪華な状況を見れば一目瞭然でした。ですから名医は、片腕の海賊船長の周りをうろつくだけにして、ポケットにあったお金はほとんどキープしていました。とはいえ、25 セントのスロット マシンだけは、抵抗できないものがありました。最初にスロットを回したとき、名医は 50 セント勝ちました。でも、あっという間になくなってしまい、それっきり勝てませんでした(合計損失は 1 ドル。それと Windows 2000 トレーニング チームのショーで配られたご祝儀の 1 ドルも)。

今後カンファレンスに出席する人たちのために、Dr. GUI はこんなアドバイスを残します。Las Vegas でのカンファレンスに参加するつもりなら、ホテルのフロントから、カジノを通り抜けて、自分の部屋に到達するまでの長い道のりを覚悟してください。また、乾燥しているので、水筒も絶対忘れずに携帯しましょう。

Bill 会長の基調講演

日曜日に到着し、ブースのコンピュータに MSDN Library をインストールすると、Dr. GUI はちょっとだけ心の余裕ができました。そこで、Bill Gates 会長の基調講演を聞きに行くことにしました。

Bill 会長の基調講演の人気が高いことは名医も知っていました。が、実際にチケットを持っている 10,000 人もの入場者(午後 7 時からの講演のために午前 10 時から並んでいる人もいました)の横を通り過ぎなければならないことになろうとは、考えもしませんでした。結局 Dr. GUI は、予備会場にあるプロジェクション TV で講演を見る羽目になりました。

Personal Web

Bill 会長は「Personal Web」について話しました。Personal Web とは、ユーザーが求める情報や商品、サービスに、いつでも、どこでも、どんなデバイスからでもアクセスできるというものです。Personal Web は Web サービス、つまり他のサイトやユーザーの PC に機能を公開して Web をプログラム可能にする Web サイトの基礎の上に構築されます。つまり、各 Web サイトは自らの API を公開できるということです。他の Web サイトは、公開されたインターフェイスを経由して、これらのサービスにアクセスすることができます。サービスを利用可能にするために Web サイトを再作成したり、画面表示を真似たりする必要がありません。

XML:Personal Web の言語

Web サービスにアクセスするために使用されるデータ フォーマットは XML になるでしょう。これは、Web サービスを実行するプラットフォームの違いを問わず、Web サイトが互いに相互運用できるようになるということを意味します。XML の重要性がどれほど高くなってきているかは、どんなに強調しても言い尽くせるものではありません。

PC 対ビッグ ボックス

さらに Bill 会長は、Web サイトを運営するときに、1 台の大型コンピュータの代わりに、小さなコンピュータのクラスタを使う場合の利点、つまり低いコスト、優れたスケーラビリティ、高い信頼性などについても話題にしました。この説明のために、Bill 会長は壇上で Ford Focus の新車を注文してみせました。注文を出している最中に、Bill 会長の注文が入っているサーバーがシャット ダウンされてラックから取り外されましたが、Windows 2000 Advanced Server のネットワーク負荷分散機能のおかげで、注文は失われることなく、ちゃんと出されたのです。

Personal Web が織りなす世界

本当のお楽しみは、注文した自動車がステージ届いたところから始まりました(この部分のデモは Dr. GUI の同僚がシナリオを書いたので、特別楽しかったのです)。Bill 会長は、新車で家に帰る段取りを整えるために様々な Web サービスを利用しみせました。サービスの一部は Ford から提供されましたが、自動車の GPS 受信機やコンピュータと通信までして、自動車の現在位置を調べたり、燃費を計算したり、保守点検の予定を立てたりしました(要するに、自動車自身がこれらのサービスを提供していたのです)。地図情報サービスは経路情報を提供し、経路沿いにあるガソリン スタンドの情報まで問い合わせて(これまた Web サービスを介して)、最も安上がりな給油計画を立てました。また、この自動車は新車なので、帰路の中間地点辺りでオイル交換が必要となるはずです。そこで、アプリケーションは別の Web サービスを利用し、道中でのオイル交換の予約をスケジュールに組み込んだのでした。

Bill 会長は別の Web サービスを利用して自動車にダウンロードする音楽を何曲か選び、これとはまた別の Web サービスを利用して、最後にその料金を支払ったのです。

この筋書きは複雑なので、おそらく現時点ではまだ実現はできません。しかし、Web サービスと共通の XML フォーマットを利用すれば、任意のサーバーやクライアントを使って、任意のアプリケーションから、高度なサービスに簡単にアクセスできるようになるでしょう。そして、真に刺激的で総合的なアプリケーションが構築できるようになるはずです。

新しいデバイス

Bill 会長はさらに、MSN の Web Companion デバイスの 1 つを紹介しました。これらは非常にシンプルな Windows CE 搭載機で、Web の閲覧と電子メールの送受信機能を提供します。PC の持つ全機能を必要としないユーザーや、2 台目、3 台目の PC を必要としないユーザーに向けられたものです。

世界は変わる

Bill 会長の講演で本当に強調されていたのは、ソフトウェア開発の世界がどんなに進化しているかという点でした。Microsoft は、パッケージ ソフトを販売するよりも、ソフトウェア サービスの提供から生じるビジネスの占める割合が大きくなると認識しています。皆さんの会社のビジネスも、おそらく同様の変化を経験することになるでしょう。

こうした変化は一朝一夕にして起るものではありませんが、変化がどのように起るのか、変化に引きずられずに、変化を受け入れるためにはどうすればいいのかといった問題は、考える価値があるはずです。

詳細について

Bill 会長が行った講演の概要は https://www.microsoft.com/misc/features/comdex99_billg.htm でご覧になれます。このページには、講演の筆記録と映像へのリンクもあります。

コンピューティングの収束?

Comdex でのもう 1 つ楽しみは、産業界のリーダーが数多く基調講演を行い、将来に対する彼らの見解を披露することです。スケジュールの都合で、Dr. GUI は出席したいと思っていたすべての基調講演に参加することはできませんでした。出席できたのは、Bill 会長、Linus Torvald 氏、Scott McNealy 氏の講演だけでした。

講演者は別々の人物なのに、彼らが披露したコンピューティングについての重要な考え方は、いくつかの点で似通っていたことに Dr. GUI も驚きました。例えば Linus 氏は、長い時間をかけて、Linux 上で動作する種々のデバイスすべてについて語りました。話を聞いていて Dr. GUI は(おそらく、みなさんも)、ここ数年に渡る Microsoft の話しの中で見てきた数枚のスライドを思い出しました。以下は、1992 年に示されたスライドを参考にしています。

そのスライドの、昨年のバージョンがこちらです。名前は変わりましたが、考え方は変わっていません。

これらのスライドは長年の間にすっかり有名になってしまい、「Barney Everywhere」というタイトルが付いたパロディーを見たことがあるほどです。これには、Barney CE、Barney TV、Barney 98、Barney NT、Barney NT Advanced Server Cluster などが登場していました。

ですが Linus 氏の講演の「Linux」を「Windows」と置き換えれば、Bill 会長でもほとんど同じようなことを言ったかもしれません。

Dr. GUI は、Linux の世界は革新性が足りず、苦悩していると言っているのではありません。むしろ、Linus 氏と Bill 会長が、各種デバイスの API に互換性を持たせることについてよく似た考えを持っている事実は、こういった互換性が大変良いものだと考えられることを示します。そして、コンピュータ業界が一連の優れた考え方へと何らかの形で収束しつつあるということを示します。

名医は収束の証拠を、もっとたくさん見つけました。Bill Gates 会長と Scott McNealy 氏の両者が、共にサービスとしてのソフトウェアを強調したときです。これらのサービスは、偏在するインターネットを介して、どこでも、いつでも、どんなデバイスでも利用できなければならないと両者とも言いました。事実、McNealy 氏が行った講演のほぼ全体を通して、氏の後ろにある幕に「誰でも」、「いつでも」、「どこでも」、「どんなものでも」という言葉が映し出されていました(Sun もまた、Comdex 会場周辺に山ほど横断幕を張っていました。その 1 つに「Anyone. Anywhere. Anytime. Anydevice. Anyquestions? (誰でも。どこでも。いつでも。どんなデバイスでも。何かご質問は?)」と書いてあるかわいいのがありました)。しかし、こうしたアイデアは、コンピュータ業界のほかの人たちも持っています。4 月に開催された Windows World で Bill Gates 会長が講演中に見せた、このスライドを見てください。

書き方こそ変わっていますが、アイデアはほとんど同じです。過去 20 年ほどの間、常に進歩を続けてきたコンピュータ業界で、互いに競っている産業界のリーダーたちの間にこれほど多くの一致を見るなんて、Dr. GUI の記憶にはないことです。

うーん、ちょっと違うぞ・・・

しかし、大きな違いもいくつかあります。Linux のユーザー ベースに関する Linus Torvald 氏の明快な認識に、Dr. GUI は心を打たれました。Linux のユーザー ベースは、一般ユーザーと開発者であり、しばしば同じ組織に属しています。つまり、Linux を運用するには、多少なりともスタッフに、いつでも問題を修正したり改良版を提供したりできる開発者が数名必要だということです(この判断について、Linux ディストリビューションを販売している企業の多くが反論することは分かっています)。他のオペレーティング システムの場合、販売業者やシステム インテグレータがオペレーティング システムを機能させることに責任を持ち、使用者が開発者を用意する必要はありません。これは開発者を、オペレーティング システムを実際に便利なものとするためのアプリケーション プログラムを作成することから解放します。さて、どちらがほうが良いのでしょう。答えは、人によって違います。

大きい箱と小さい箱

膨大な種類のデバイスがすべて相互接続される Gates 会長のモデルと、サーバー中心の中央制御型の McNealy 氏のモデル。これほど違うものはほかにありません。サーバー上にデータを置くことがとても良い場合もありますが、いつでもそうとは限りません。インターネットにそのときに接続していなくても作業が行えるほうが便利な場合もあります。Sun の考える世界ではそれは難しいことです(ネットワークがすなわちコンピュータであると Sun は言います。ではネットワークがなければコンピュータもないのでしょうか?Java や Solaris がラップトップで動いているのを最後に見たのはいつか覚えていますか?)。

お金は大型サーバーから生み出されています。Sun は、Las Vegas Convention Center 近くの駐車場に巨大な横断幕を張っていました。そこには、「Scott McNealy はお金を要求しません」と書いてありました。これは、アプリケーション サービス プロバイダが自分たちの顧客に代金を請求しないなら、StarOffice のライセンスも無料で提供するという事実を指しています。あなたにお金は求めない、という McNealy の言葉を信じるかどうかは別として、この広告には疑問が湧きます。それなら、McNealy は何が欲しいのでしょうか?この横断幕は明らかに未完成です。どうすれば完成できるでしょうか。

昼食を食べていたとき、私の仲間に、こんなアイデアがひらめきました。「Scott McNealy は、お金を要求しません。あなたの魂が欲しいのです」。そして、集中化サーバー アーキテクチャに捉えられると、彼はその両方を手に入れることになるのでしょう。

Dr. GUI でも、サーバーベースのコンピューティングにも適した場所があることは認めます。Microsoft はもう少ししたら、Office Online を提供します(直接およびアプリケーション サービス プロバイダを通じて)。また、WebTV、MSN の Web Companion の提供も開始します。そして Web アプリケーションは、真に刺激的な開発チャンスとなるわけです。このため、サーバー ベースのコンピューティングも、重要な位置を占めることになります。名医はただそれを唯一の選択肢にしてはならないと思うのです。

ちょっと待ってください・・・まだあるんです!

Comdex では、もっともっと多くの人々が講演を行いました。基調講演と、その他行われた数多くインタビューについては、Comdex Webcast サイト http://daily.zdevents.com/comdex/fall99/webcast/ でご覧ください。

Windows 2000 をベースにしたソリューション:問題なし

Windows 2000 が、ラップトップ、会社や家で使う PC、そしてサーバーにとって素晴らしいオペレーティング システムとなる機能を備えていることがますます明らかになってきています。

Windows 2000 を導入すべきでない理由をあえて挙げるとすれば、Dr. GUI には以下のような理由しか考えられません。

  • 必要不可欠なハードウェアが Windows 2000 でサポートされていない(実際には、これが唯一の理由ですね。Dr. GUI が自宅のマシンのアップグレードしない理由もこれです)。

  • 十分なメモリがない(提案:アップグレードしましょう。)

  • この先ずっと、Windows アプリケーションを実行するつもりがない。

  • 青い色が画面によく似合ってすてきだと思っている。

上記のいずれにも当てはまらないなら、アップグレードすべきです。Windows 2000 は高速で信頼性が高く、先進機能を満載した、忠実かつ慎ましく、勇敢にして高潔、敬虔で頼りになる奴なのです。Dr. GUI が経験したように、Windows 2000 はみなさんの生活も、一段と良くしてくれるのです。

さらに、Windows 2000 はきわめて要求の高い作業もこなせるようになってきています。Bill Gates 会長の基調講演中に行われたデモで、Windows 2000 のスケーラビリティと信頼性の高さが示されました。しかし。Dr. GUI が本当に度肝を抜かれたのは Comdex で見た別のデモでした。

来たるミレニアムに向けた Unisys のデータ センター

Comdex の会場で、折良く Unisys が、芸術の域に達するほどの信頼性とスケーラビリティを提供する、Windows 2000 を使って構築したシステムの信じられないようなデモンストレーションを行っていました。

Unisys のブースはエリアの中央が囲われた部屋になっていて、そこには 20 台の Web サーバー、COM+ 中間層オブジェクトを実行する 6 台のサーバー、そしてクラスタ化された SQL Server 7.0 データベース サーバーが置いてありました。さらに、電子商取引サイトを訪れる顧客をシミュレートするいくつかのシステムもあり、それらを使って 1 日あたり 30 億ヒットをシミュレートし(これは先月のインターネット全体での 1 日のヒット数の 3 倍)、毎秒 4,000 から 8,000 のデータベース トランザクションを生成していました。このマシン群は、冷却装置が毎分 125 ガロンの冷却水を使用するほどの熱を発生させていました(1 ガロンあたりの水温を華氏で約 30 度の上昇させるほどの熱でした)。

Comdex が開催されていた 5 日間で、そのシステムは昨年のクリスマス商戦の期間中に全世界で行われた電子商取引の全トランザクションと同等の処理をこなし、9 テラバイトに及ぶデータベースを生成したのです(思い出してください。1 テラバイトは 1,000 ギガバイト、1 ギガバイトは 1,000 メガバイトですよ。ですから 9 テラバイトといえば、それこそ巨大なデータベースです!)。

しかも、このシステムは期間中クラッシュすることなく、このすべてを成し遂げたのです。MicroNews(Microsoft 社内のニュースレター)には、Unisys の Integration Architect である Dave Jones の言葉が引用してありました。「私たちがテストを行っていた 4 ヶ月間、ブルー スクリーンを見たのは、実に 1 度だけでした。しかもそれは、使用していたカードの一部に非標準ドライバを用いたことが原因でした。この性能と安定性には、大いに満足しました」。

Dr. GUI は、その意見を支持します。Windows 2000 をインストールして以来、名医はコンピュータのクラッシュが何だったのか完全に忘れていたのですから。自宅のマシンを使うまでの話しですけど。

さて、Windows 2000 にこれほどの信頼性があるなら、Linus Torvald 氏と Scott McNealy 氏は Microsoft のことを、どう言ってこき下ろすつもりなのでしょう。見守ることにしましょう。

最先端技術

MSDN ブースでの作業の合間に、Dr. GUI は製品展示会場を歩いて回るチャンスに恵まれました。ここ数年に行われたものほど大きくないとはいえ、Comdex は大規模な催しです。Comdex は、2 カ所のコンベンション センター(Sands Convention Center と Las Vegas Convention Center)に分かれて行われました。実際、あまりにも規模が大きくて、2 つある大展示ホールの一方のほとんどを見逃したほどです。

展示品も、信じられないほど多様でした。巨大企業に中小企業。世界中から企業が集まっているのです。キーボードやマザーボード、マウス デバイス、電源、(あるものは iMac の影響を受けた半透明色の)筐体、ソフトウェア、モニタ、音源カード、カメラ、デジタル オーディオ プレーヤー、USB デバイス、信じられないような形状のコンピュータ、それに Dr. GUI にはまったく理解できなかった 2、3 のデバイスなどを、数多くの企業が製造しています。これらすべての中で、とりわけ目立ったものが 2 つありました。

ClearType

ClearType は去年の Comdex で発表されたものなので、厳密には新しいものではありませんが、数ヶ月前のものと比べても、ClearType は一段とよくなっています。ClearType チームは来年早々にも、第1号製品として Microsoft Reader(https://www.microsoft.com/reader/)の出荷を行おうと準備しています。そこまで改善されているのです。

忘れてしまっている方々のために説明すると、ClearType テクノロジとは、液晶ディスプレイの特性を利用してテキストのギザギザが目立たないようにし、紙に印刷された活字に一層近づけようという技術です。これにより、文字は従来よりも読みやすくなります。ClearType によって、電子ブックが受け入れられるようになるでしょう。また Microsoft Reader には、Dr. GUI が必須と考えている機能、すなわち辞書機能が組み込まれています。

(ところで、Dr. GUI は大柄なペンサイズのスキャナをいくつか見かけましたが、中には辞書が搭載されているものがありました。これなら、印刷物を読んでいる途中で単語の意味を素早く調べられそうです。)

Bluetooth

しかし、Dr. GUI が一番エキサイトしたのは、「パーソナル エリア ネットワーク Bluetooth」の技術でした。Bluetooth は、半径 10 メートルの範囲内で約 1 メガビット / 秒の無線データ転送を行います。これを利用して、ラップトップと周辺装置または LAN、携帯電話と PDA、ヘッドセットと携帯電話など、任意の 2 つのデバイスを相互に接続できます。つまり、コストさえ下がってくれば、多種多様な応用が可能になるということなのです。

Dr. GUI は、Bluetooth を搭載した携帯電話の試作品を見たのですが、普通の携帯電話とほとんど変わらない大きさでした(事実、あるものは名医愛用の携帯電話と同じモデルで、Motorola StarTac でした)。さらに、Bluetooth を搭載した PC/MCIA、CF、Handspring Springboard モジュールなどを発表していた企業もありました。つまり、ラップトップや PDA から、Bluetooth 対応の携帯電話を利用してインターネットに接続し、世界中のあらゆるサービスに簡単に接続できるようになるのです。しかも、完全に無線で。Dr. GUI はとても待っていられません。でも、来年のいつかまでは、待たなければならないでしょうね(ぜひベータ テスターになりたいものです)。

読者と出会えて

Dr. GUI は、その週の大半を、展示会場の MSDN Online ブースで来場者と話すことに費やしました。名医は白衣や聴診器、額帯反射鏡を持参したのですが、大げさすぎると思って、初めのうちはそれらを身に着けていませんでした。しかし展示会場をちょっと歩き回ってみて、他の参加企業にどれほど奇抜なことをしているかを目の当たりにしてから、これらを身に着けることはまったく問題ないと確信できたので、火曜日からは医師の格好を始めました。

Comdex は開発者専用の展示会ではありませんが、多くの方々が名医に気づいて立ち止まり、「やあ!」と声をかけてくれたのです。そのすべての人たちに、特にやっかいな質問をしてくれた人たちに、Dr. GUI は感謝しています。