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.NET Alerts と .NET Messenger サービス

Microsoft® .NET Alerts サービスは Microsoft .NET Messenger サービスと連携して、Microsoft Windows® Messenger クライアント ソフトウェアまたは MSN® Messenger クライアント ソフトウェアを実行しているコンピュータのデスクトップに通知を配信します。

.NET Messenger サービス

.NET Messenger サービスは、Windows Messenger クライアント プログラムまたは MSN Messenger クライアント プログラムを実行しているユーザーに対してオンライン状態表示機能とインスタント メッセージング機能を提供します。ユーザーが Windows Messenger または MSN Messenger にサインインすると、ユーザーのオンライン状態を管理する .NET Messenger サービスに接続されます。

プロバイダが申込者に配信する通知を .NET Alerts ルーティング エンジンに送信すると、ルーティング エンジンは通知の受信者のオンライン状態を .NET Messenger サービスに問い合わせます。受信者のオンライン状態が判明すると、ルーティング エンジンは受信者の配信設定を調べ、通知のルーティング先となる配信ポイントを決定します。配信ポイントの 1 つに受信者のデスクトップがある場合、.NET Alerts ルーティング エンジンは .NET Messenger サービスに通知をルーティングします。.NET Messenger サービスは受信者のデスクトップに通知を配信する処理の細部を担当します。

Windows Messenger クライアントと MSN Messenger クライアント

Windows Messenger および MSN Messenger は、Microsoft Windows オペレーティング システムまたは Mac OS オペレーティング システムを使用するコンピュータ上でユーザーが実行するクライアント プログラムです。このうち、Windows Messenger は Microsoft Windows XP でのみ利用できます。これらの Messenger クライアントの主な目的は、ユーザーにオンライン状態表示機能を提供し、そのユーザーのオンライン状態を他のユーザーが確認できるようにすることです。Messenger クライアントには、ユーザーのオンライン状態を一覧表示にしたメンバ リストが表示されます。また、Messenger クライアントはさまざまなコミュニケーションおよびグループ作業の機能 (インスタント メッセージング、音声通信、ビデオ会議、ファイル転送、チャット ルーム、ネットワーク ゲームなど) をサポートしています。

Messenger クライアントは .NET Alerts の主要な配信ポイントです。.NET Alerts で現在サポートされている配信ポイントの中では、Messenger クライアントが提供するユーザー操作環境が最も優れています。ユーザーのデスクトップに通知が配信されると、そのユーザーのコンピュータ上で実行中の Messenger クライアントによってユーザーのデスクトップの右下端にポップアップ メッセージが表示されます。このポップアップ メッセージはサウンドによる合図と共にアニメーションで表示され、ユーザーの注意を引きます。

ユーザーがポップアップ メッセージのテキストをクリックすると、Web ブラウザのウィンドウが開き、通知を送信した .NET Alerts プロバイダが提供するページが読み込まれます。このページには、通知に関する詳細情報が掲載されています。

ポップアップ メッセージには、ユーザーが自分の通知設定を変更するための Web ページにリンクする [変更] リンクも表示されます。また、ポップアップ メッセージには通知を送信した .NET Alerts プロバイダのロゴ アイコンが表示されるため、ユーザーはその通知がどのプロバイダのものかをひとめで確認できます。次の図に、通知ポップアップ メッセージの例を示します。Adventure Works のロゴ アイコンが左上端に表示されています。

ユーザーは、.NET Alerts の申し込みごとに、Windows Messenger または MSN Messenger のオンライン状態によって配信先を変える配信設定を指定できます。たとえば、ユーザーは自分の状態が "オンライン" のときはコンピュータのデスクトップに通知を配信し、"オフライン" のときはモバイル デバイスに通知を転送するように指定できます。

MSN Messenger は無料で利用でき、MSN Messenger の Web サイト (http://messenger.msn.co.jp 外部 Web サイト) からダウンロードできます。MSN Messenger は、Microsoft Windows のすべてのバージョンおよび Mac OS バージョン 8.6 以降で利用できます。

Windows Messenger は Windows XP に付属しており、Windows XP を実行しているコンピュータでのみ利用可能な拡張機能が追加されています。

[Alerts] タブ

Messenger クライアントには、ユーザーが最近受信した通知の履歴を簡単に確認できる特別な "タブ" があります。この [Alerts] タブは、Windows Messenger または MSN Messenger のタブ欄にある .NET Alerts のベル アイコンをクリックすると表示されます。次の図に、Windows Messenger の [Alerts] タブの例を示します。

ユーザーが [Alerts] タブに表示された通知のメッセージ テキストをクリックすると、Web ブラウザのウィンドウが開き、通知を送信した .NET Alerts プロバイダが提供するページが読み込まれます。このページには、通知に関する詳細情報が掲載されています。この動作は、ユーザーが通知ポップアップ メッセージのメッセージ テキストをクリックしたときと同じです。

レジストリ設定と環境

Messenger クライアントは、Windows レジストリを使用して各種の設定情報を保存します。保存される設定情報の中に、ユーザーがサインインするときに接続する .NET Messenger サービス サーバーの名前があります。 このサーバー名は次のレジストリ キーに保存されます。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\MessengerService\Server

MSN Messenger Version 5.0 以降では、レジストリの変更による任意のサインイン サーバーへのリダイレクトはサポートされていません。Messenger PREP 環境にサインインする必要がある場合は、Windows Messenger または 5.0 よりも前のバージョンの MSN Messenger を使用してください。

.NET Alerts サービスや Microsoft .NET Passport サービスと同様に、.NET Messenger サービスにも Preproduction (PREP) 環境と Production 環境が用意されています。これら 3 つのサービスでは、PREP 環境と Production 環境でそれぞれ別個にデータを管理します。.NET Alerts の実装をテストするときは、.NET Alerts、.NET Passport、および .NET Messenger の PREP 環境をそれぞれ使用する必要があります。通知を正常に受信するには、3 つのサービスがすべて同じ環境に設定されている必要があります。Production .NET Messenger サービスにサインインしたユーザーは、PREP .NET Alerts 環境からは通知を受信できません。既定では、Messenger クライアントは、Production .NET Messenger サービスに接続されます。PREP .NET Alerts 環境に送信した通知を受信するためには、PREP .NET Messenger サービスに接続するように Messenger クライアントを設定する必要があります。次の手順は、PREP .NET Messenger 環境を使用するようにコンピュータを設定する方法を示しています。

  1. 設定するコンピュータ上の Messenger クライアントからサインアウトします。

  2. レジストリ エディタを起動して、このトピックの最初に示したパスにある MessengerService キーを表示します。サーバー文字列の現在の値をバックアップします (サーバー文字列の名前を "server_backup" などに変更してから、改めて "server" という名前の文字列を作成すると簡単です)。

  3. Messenger のサーバー文字列を PREP .NET Messenger サービスのコンピュータ名に変更します。この名前は、プロバイダが .NET Alerts プロバイダとして登録したときに提供されます。

    Messenger のサーバー名は HTTP アドレスではありません。サーバー名の先頭に http:// を付けると、Messenger クライアントがサインインできなくなります。 サーバー名 (および必要に応じてポート番号) だけを指定してください。

  4. Windows XP を実行しているコンピュータは、PREP .NET Passport 環境にサインインするように設定する必要があります。最初に、以下のレジストリ キーの内容を削除します。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Passport
    
    HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Passport\DAMap
    

    次に、レジストリ構成スクリプト (http://www.passport.net/downloads/blaze-default.reg) をダウンロードして実行します。

  5. 必要に応じて、Messenger にサインインして PREP 通知を申し込むときに使用する PREP .NET Passport を作成します。PREP .NET Passport を作成するには、http://register.passport-ppe.net 外部 Web サイト にアクセスしてください。

  6. PREP .NET Passport を使用して Messenger にサインインします。これで、PREP .NET Alerts 環境から通知を受信できるようになります。

ファイアウォールに関する留意事項

ファイアウォール経由で Messenger クライアントを使用する場合は、ポート 1863 に送信される TCP 接続がファイアウォールによってブロックされないようにしてください。Messenger クライアントは、このポートを使用して .NET Messenger サービス サーバーとの間でデータを送受信します。したがって、このポートをブロックするファイアウォールの背後で実行している Messenger クライアントが別の通信経路 (プロキシなど) を使用するように設定されていない場合は、通知を受信できません。

ネットワークで使用するプロキシの種類 (HTTP、SOCK4、または SOCK5) を決定し、Messenger クライアントの [オプション] ダイアログ ボックスの [接続] タブに必要な詳細情報 (サーバー名やポート番号など) を入力してください。 また、ファイアウォールの背後にあるコンピュータがドメイン ネーム システム (DNS) サーバーにアクセスして外部リソースの名前を解決できることを確認してください。

ポップアップ メッセージの制限事項

Windows Messenger や MSN Messenger によって表示されるポップアップ メッセージの表示領域は限られています。このため、通知のテキスト メッセージが長過ぎると、ポップアップ メッセージとして正しく表示されません。表示可能なメッセージの正確な最大長は、表示される文字の幅や行を折り返す方法によって異なります。メッセージ テキストは空白 (単語間の空白など) の位置で折り返されます。次の図は、長すぎてポップアップ メッセージのウィンドウに入りきらないメッセージの例です。この通知で送信されたメッセージ テキストは、"This message is too long." を 6 回繰り返した文字列です。

ポップアップ メッセージ ウィンドウでは、1 つの長い単語を表示できる幅も限られています。ポップアップ メッセージ ウィンドウの表示幅よりも長い単語が通知メッセージに含まれている場合は、その単語の途中までが表示され、その後に表示幅を超えたことを示す省略記号が付けられます。次の図は、この場合の例です。この通知メッセージのテキストは、A から Z までの文字が空白なしで続く文字列になっています。

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