JScript の概要

Microsoft® JScript® (以下 JScript) は、Microsoft による ECMA 262 規格仕様の言語 (ECMAScript Edition 3) です。以前のバージョンとの互換性を含むいくつかの例外事項を除いては、JScript は ECMA 規格に完全に準拠しています。この概要は、これから JScript を使い始めるユーザーを対象としています。

JScript の使用

JScript は、オブジェクトを基本とするスクリプト言語で、インタープリタにより実行されます。C++ 言語のような完全なオブジェクト指向言語と比べると若干機能が少ないものの、その使用目的を考えると十分な機能が用意されています。

JScript は、ほかの言語の一部分を取り出したものではなく (Java 言語とも直接的な関連はありません)、別の言語の簡易版でもありません。ただし、JScript には注意するべき制限事項があります。たとえば、JScript だけでは、独立したアプリケーションを記述することはできません。また、ファイルの読み書きの機能も用意されていません。JScript スクリプトは、ASP (Active Server Pages)、Internet Explorer、または Windows Script Host のように、インタープリタのあるところか "ホスト" でしか実行できません。

JScript は、型に関する制限の緩い言語です。つまり、変数のデータ型を明示的に宣言する必要がなく、実際には JScript では、データ型を明示的に作成することができません。また、通常は、適切な型変換が自動的に行われます。たとえば、文字列と数値を加算しようとすると、数値が文字列に変換され、文字列の連結が行われます。

このユーザーズ ガイドでは、JScript の各種機能の概要を説明しています。言語体系の詳細については、「JScript ランゲージ リファレンス」を参照してください。

**メモ   **次のコードでは、実際の Web ページで見るコードに比べ、より簡潔にすることで理解しやすくしています。また、概念を主に説明するので、最適なコーディング方法やコーディング スタイルについての説明は省略しています。実際にコードを記述するときには、読みやすくわかりやすいコードを記述するようにしてください。