DirectShow におけるビデオ レンダリングについて

  • [アーティクル]

DirectShow はビデオをレンダリングする次のようなフィルタを備えている。

  • ビデオ レンダラ フィルタ。このフィルタは DirectX をサポートするすべてのプラットフォームで利用でき、特別なシステム要件はない。ビデオ レンダラは、可能な限り DirectDraw を使ってビデオをレンダリングする。DirectDraw を使えない場合、GDI を使う。このフィルタは Windows XP より以前のプラットフォームでデフォルトのビデオ レンダラである。
  • Video Mixing Renderer フィルタ 7 (VMR-7)。VMR-7 は Windows XP で利用でき、Windows XP ではデフォルトのビデオ レンダラである。VMR-7 ではレンダリングに常に DirectDraw 7 を使う。VMR-7 は、従来のビデオ レンダラ フィルタにはない多くの高性能な機能を備えており、アプリケーションがレンダリングに使う DirectDraw サーフェイスを制御するプラグイン モデルなども含まれている。
  • Video Mixing Renderer フィルタ 9 (VMR-9)。VMR-9 は Video Mixing Renderer の新しいバージョンであり、レンダリングに Direct3D 9 を使う。DirectX をサポートするすべてのプラットフォームで利用できる。ただし、VMR-9 はビデオ レンダラ フィルタよりシステム要件が高いため、デフォルト レンダラではない。

通常、可能な限り VMR-9 の使用を推奨する。VMR-9 は最新グラフィック API を使う最高の機能を備えているためである。VMR-7 フィルタと VMR-9 フィルタの使用の詳細については、「Video Mixing Renderer の使い方」を参照すること。

ウィンドウ モードとウィンドウレス モード

DirectShow ビデオ レンダラは "ウィンドウ" モードと "ウィンドウレス" モードのどちらでも動作できる。

  • ウィンドウ モードでは、レンダラは独自のウィンドウを作成してビデオを表示する。通常、このウィンドウはアプリケーション ウィンドウの子になる。詳細については、「ビデオ ウィンドウの設定」を参照すること。
  • ウィンドウレス モードでは、レンダラはアプリケーション ウィンドウに直接ビデオを描画する。独自のウィンドウは作成しない。このモードの詳細については、「ウィンドウレス モードの使い方」を参照すること。

ビデオ レンダラ フィルタはウィンドウ モードしかサポートしていない。VMR-7 フィルタと VMR-9 フィルタは両方のモードをサポートしている。下位互換性のため、デフォルトではウィンドウ モードになる。