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Execute メソッド

Microsoft Word Visual Basic リファレンス

Execute メソッド

Find オブジェクトの Execute メソッド

指定された検索を実行します。検索が正しく実行できた場合、True を返します。ブール型 (Boolean) の値を使用します。

expression.Execute(FindText, MatchCase, MatchWholeWord, MatchWildcards, MatchSoundsLike, MatchAllWordForms, Forward, Wrap, Format, ReplaceWith, Replace, MatchKashida, MatchDiacritics, MatchAlefHamza, MatchControl)

*expression * 必ず指定します。Find オブジェクトを表すオブジェクト式を指定します。

FindText 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。検索する文字列を指定します。書式だけを検索する場合は、空文字列 ("") を指定します。適切な文字コードを指定すると、特殊文字を検索できます。たとえば、"^p" は段落記号に対応し、"^t" はタブ記号に対応しています。指定できる特殊文字の一覧については、ここをクリックしてください。

MatchCase 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、検索文字列の大文字と小文字が区別されます。[検索と置換] ダイアログ ボックス ([編集] メニュー) の [大文字と小文字を区別する] チェック ボックスに対応しています。

MatchWholeWord 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。単語全体を検索対象とし、長い単語の一部は対象としないようにする場合は、True を設定します。[検索と置換] ダイアログ ボックスの [完全に一致する単語だけを検索する] チェック ボックスに対応しています。

MatchWildcards 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。検索文字列として特殊な検索演算子を指定する場合は、True を設定します。[検索と置換] ダイアログ ボックスの [ワイルドカードを使用する] チェック ボックスに対応しています。

MatchSoundsLike 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。検索文字列と類似した単語を検索する場合、True を設定します。[検索と置換] ダイアログ ボックスの [あいまい検索 (英)] チェック ボックスに対応しています。

MatchAllWordForms 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、英単語の他の活用形も検索されます。たとえば、"sit" の場合は "sitting" や "sat" も検索されます。[検索と置換] ダイアログ ボックスの [英単語の異なる活用形も検索する] チェック ボックスに対応しています。

Forward 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、下方向に検索されます。

Wrap 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。文書の先頭以外の場所から検索を開始して、文書の末尾まで検索された後に行う処理を指定します。引数 ForwardFalse を設定した場合は、文書の先頭まで検索された後の処理を指定します。この引数には、選択範囲または指定範囲内での検索で、検索文字列が見つからない場合の処理を指定することもできます。使用できる定数は、次に示す WdFindWrap クラスの定数のいずれかです。

使用できる定数は、次に示す WdFindWrap クラスの定数のいずれかです。
wdFindAsk 選択範囲または指定範囲を検索し、文書の残りの部分も検索するかどうかをたずねるメッセージを表示します。
wdFindContinue 検索範囲の先頭または末尾まで検索し、さらに検索を続けます。
wdFindStop 検索範囲の先頭または末尾まで検索したら、検索を終了します。

Format 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、検索文字列と書式または書式のみの検索が行われます。

ReplaceWith 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。置換文字列を指定します。引数 Find によって指定された文字列を削除するには、空文字列 ("") を使用します。引数 Find と同じように、特殊文字や高度な検索条件を指定できます。グラフィック オブジェクトまたはその他の文字列以外の項目を置換文字列として指定するには、クリップボードにコピーし、引数 ReplaceWith に "^c" を指定します。

Replace 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。置換文字列を置換する個数 (1 つだけ、すべて、または置換しない) を指定します。WdReplace クラスの定数を使用します。

使用できる定数は、次に示す WdReplace クラスの定数のいずれかです。
wdReplaceAll
wdReplaceNone
wdReplaceOne

MatchKashida 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、アラビア言語の文書内で kashida と一致する文字列の検索が行われます。この引数は、選択またはインストールされている言語の設定 (たとえば、日本語) によっては使用できない場合があります。

MatchDiacritics 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、右から左へ記述された言語の文書内で diacritics と一致する文字列の検索が行われます。この引数は、選択またはインストールされている言語の設定 (たとえば、日本語) によっては使用できない場合があります。

MatchAlefHamza 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、アラビア言語の文書内で Alef Hamza に一致する文字列の検索が行われます。この引数は、選択またはインストールされている言語の設定 (たとえば、日本語) によっては使用できない場合があります。

MatchControl 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、右から左へ記述された言語の文書内で文字列の方向を制御する文字の検索が行われます。この引数は、選択またはインストールされている言語の設定 (たとえば、日本語) によっては使用できない場合があります。

解説

MatchWildcardsTrue に設定されている場合、引数 FindText にワイルドカード文字やその他の高度な検索条件を指定できます。たとえば、"*(ing)" を指定すると、最後が "ing" で終わる単語がすべて検索されます。

記号を検索する場合、キャレット (^) とゼロ (0) を入力し、記号の文字コードを入力します。たとえば、"^0151" は全角ダッシュ (-) に対応します。

他の方法で指定しない限り、置換文字列は置換前の文字列の書式を文書内で受け継ぎます。たとえば、文字列 "abc" を "xyz" に置換する場合、文字列 "abc" に太字の書式が設定されていると、文字列 "xyz" にも太字の書式が設定されて置換されます。

また、引数 MatchCaseFalse を設定した場合、元の検索文字列が大文字であると、検索する文字列および置換後の文字列の大文字小文字に関係なく、大文字の文字列に置換されます。前の例の場合、文字列 "ABC" は "XYZ" に置換されます。

Dialog および KeyBinding オブジェクトの Execute メソッド

Dialog オブジェクトでは、ダイアログ ボックスの現在の設定を適用します。

KeyBinding オブジェクトでは、指定されたキーの組み合わせと関連するコマンドを実行します。

expression.Execute

*expression * 必ず指定します。対象となるオブジェクトへの参照を表すオブジェクト式を指定します。

MailMerge オブジェクトの Execute メソッド

指定された差し込み印刷を実行します。

expression.Execute(Pause)

*expression * 必ず指定します。対象となるオブジェクトへの参照を表すオブジェクト式を指定します。

Pause 省略可能です。バリアント型 (Variant) の値を指定します。True を設定すると、差し込み印刷時にエラーが発生した場合に、Word が一時停止し、トラブルシューティングのダイアログ ボックスが表示されます。False を設定すると、エラーの内容が新しい文書に書き込まれます。

使用例

Find オブジェクトの場合

次の使用例は、単語 "library" を検索し、次に、検索された "library" を選択します。

With Selection.Find
    .ClearFormatting
    .MatchWholeWord = True
    .MatchCase = False
    .Execute FindText:="library"
End With
				

次の使用例は、作業中の文書で単語 "前略" を検索し、すべての "前略" を "拝啓" に置き換えます。

Set myRange = ActiveDocument.Content
myRange.Find.Execute FindText:="前略", _
    ReplaceWith:="拝啓", Replace:=wdReplaceAll
				

Dialog オブジェクトの場合

次の使用例は、[段落] ダイアログ ボックスの [改ページと改行] タブで [次の段落と分離しない] チェック ボックスをオンにします。

With Dialogs(wdDialogFormatParagraph)
    .KeepWithNext = 1
    .Execute
End With
				

KeyBinding オブジェクトの場合

次の使用例は、Ctrl + Shift + C キーの組み合わせを FileClose コマンドに割り当て、キーの組み合わせを実行します。

CustomizationContext = ActiveDocument.AttachedTemplate
Keybindings.Add KeyCode:=BuildKeyCode(wdKeyControl, _
    wdKeyShift, wdKeyC), KeyCategory:=wdKeyCategoryCommand, _
    Command:="FileClose"
FindKey(BuildKeyCode(wdKeyControl, wdKeyShift, wdKeyC)).Execute
				

MailMerge オブジェクトの場合

次の使用例は、作業中の文書がデータ ソースの添付されたメイン文書である場合、データの差し込み印刷を実行します。

Set myMerge = ActiveDocument.MailMerge
If myMerge.State = wdMainAndDataSource Then MyMerge.Execute