第 14 章 Office 2000 の多国語機能

Microsoft Office 2000 は、世界中のユーザーに対応できるように設計されています。多国語機能が組み込まれているので、Office の国際的な環境への導入、管理、およびサポートが大幅に単純化されます。

注  Microsoft Office 2000 MultiLanguage Pack は、ライセンス製品のみでの提供となります。Microsoft のライセンス製品の販売代理店にご相談ください。

この章の内容

  • Office 2000 の多国語機能の概要
  • 国際環境でのユーザー コンピュータの設定

Office 2000 の多国語機能の概要

Microsoft Office 2000 MultiLanguage Pack は、世界中で動作するコア機能と、国際的な環境にいるユーザーのために設計された言語固有の機能です。

1 つの Office で複数の言語を使用する

以前のバージョンの Office では、Office は言語ごとにローカライズされていたので、言語ごとに個別の Office のバージョンがありました。しかし、Office 2000 では、すべての言語のサポートが単一の製品にまとめられました。Office 2000 MultiLanguage Pack は、各国語で実行できるコア コードを基盤として作られます。言語固有の機能は、主にダイナミックリンク ライブラリ (DLL) ファイルとして個別に格納されます。これらの機能は、Office 2000 のコア コードに 「プラグ イン」 されます。つまり、ユーザーは必要なときにこれらの機能をインストールし、実行することができます。

このプラグイン言語機能とは、Office 2000 MultiLanguage Pack をコンピュータにインストールすると、Office 2000 のユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプをドイツ語で表示したり、あるいは、ユーザー インターフェイスは英語で、ヘルプはドイツ語で表示するということが可能になることを意味します。

Microsoft Office 2000 MultiLanguage Pack をインストールする

Office 2000 のプラグイン言語機能は、MultiLanguage Pack によって提供されます。MultiLanguage Pack と Office 2000 は、別々の CD-ROM からインストールされます。MultiLanguage Pack には、専用のセットアップ プログラムが用意されています。

MultiLanguage Pack のインストール手順は、Office 2000 のインストール手順と同じです。MultiLanguage Pack のための管理者用インストール ポイントを作成することができます。また、カスタム セットアップ ウィザードを使用して、ユーザー グループに応じて MultiLanguage Pack のセットアップをカスタマイズすることができます。

MultiLanguage Pack をインストールする際には、ユーザーのコンピュータにファイルをコピーする代わりに、必要になったときにオンデマンドで言語ファイルを使用できるようにすることができます (ユーザーのハード ディスクに言語ファイルをコピーすることもできます)。MultiLanguage Pack は Windows インストーラと連携して、ユーザーが特定の言語設定で Office 2000 を実行するときに、必要なファイルだけをインストールします。

ローカライズ版の Office 2000 をインストールする

MultiLanguage Pack を使用すると、ユーザー インターフェイスとヘルプを多くの言語の中の任意の言語に変更することができ、80 以上の言語の Proofing ツールが用意されています。しかし、Office 2000 MultiLanguage Pack は、ローカライズ版の Office 2000 と同じではありません。

すべての機能がプラグイン言語機能を備えているわけではないので、Office のすべての機能を自分の言語で使用したいユーザーのために、Office 2000 は多くの言語でローカライズされています。ローカライズ版 Office 2000 は、Office 2000 MultiLanguage Pack とデータの互換性があります。すなわち、ある言語版のユーザーが他の言語版で作成された文書を共有するということが容易にできます。

注 ローカライズ版の Office 2000 (タイ語版およびインド言語版を除く) は、Office 2000 MultiLanguage Pack と同じ国際的なコア コードに基づいています。タイ語版およびインド言語版は、ベトナム語もサポートする別の共有コード ベースに基づいています。サポートされるインド言語は、デーバナーガリに基づく言語 (ヒンズー語、コンカニ語、マラーティー語、ネパール語、およびサンスクリット語) とタミール語です。

ツールボックス:ユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの言語を変更できない Office 2000 機能について、Intlimit.xls で検索することができます。Intlimit.xls のインストールについては、付録の 「多国語情報」 を参照してください。

関連情報

  • 全社規模で Office 2000 MultiLanguage Pack を導入することも、Office 2000 MultiLanguage Pack とローカライズ版 Office 2000 の組み合わせを導入することもできます。詳細については、第 4 章の 「Office を国際的に導入する方法」 を参照してください。
  • Office 2000 MultiLanguage Pack とローカライズ版のどちらを導入するかは、ユーザーが使用しているオペレーティング システムによって決まることもあります。オペレーティング システムの互換性と Office 2000 の多国語機能については、本章の 「国際環境でユーザーのコンピュータを設定する」 を参照してください。

MultiLanguage Pack の機能

Microsoft Office 2000 MultiLanguage Pack は、Office のユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの言語を変更するための機能を提供します。これには Office 2000 Proofing ツールが含まれます。Proofing ツールは、スペルチェック、文法チェックなど、さまざまな言語での編集ツールを提供します。

MultiLanguage Pack のセットアップ プログラムで使用可能な機能

MultiLanguage Pack のセットアップ プログラムは、ユーザー インターフェイスとヘルプの言語を変更するための機能をインストールします。また、Proofing ツールの機能をインストールすることもできます。

MultiLanguage Pack のセットアップ プログラムは、次の機能をインストールします。

  • ユーザー インターフェイス ダイナミックリンク (DLL) ファイル
  • オンライン ヘルプ DLL ファイル
  • ローカライズ版のテンプレートとウィザード
  • アジア言語のユーザー インターフェイス フォント

MultiLanguage Pack のセットアップ プログラムは Proofing ツールも含んでおり、次の機能をインストールします。

  • スペルチェック
  • 文法チェック
  • 類義語辞典
  • ハイフネーション
  • オートコレクト リスト
  • 要約の作成 DLL ファイル
  • ワード ブレーカ (単語の区切りにスペースを使用しない言語用)
  • 文法、ハイフネーション、スペルチェック、および類義語辞典の辞書

さらに、Proofing ツールは、アジア言語で作業するユーザーに特に役立つ、次のユーティリティを提供します。

  • 簡体字中国語翻訳と繁体字中国語翻訳
  • ハングルと漢字の変換

ツールボックス:それぞれの言語で使用可能なユーザー インターフェイスとヘルプ機能、および Proofing ツールの一覧は、Multilpk.xls ワークシートに含まれています。Multilpk.xls のインストールについては、付録の 「多国語情報」 を参照してください。

MultiLanguage Pack CD-ROM で使用可能な機能

MultiLanguage Pack のセットアップ プログラムでインストールされる機能のほかに、MultiLanguage Pack CD-ROM で提供されるそのほかの機能をインストールすることができます。これらの機能は、MultiLanguage Pack CD-ROM の Extras フォルダに収録されています。

次の表に、Extras フォルダに収録されている機能を示します。

機能

フォルダ

説明

Excel アドイン

XLAddinslanguage

Update Add-in Links など、特定のローカライズ アドインを実行することができます。

Excel オブジェクトライブラリ

95olbslanguage

Microsoft Excel 95 および 5.0 で作成された多国語マクロを Excel 2000 で実行することができます。

Microsoft Internet Explorer ユーザー インターフェイス言語

Ie5language

Internet Explorer 5 のユーザー インターフェイスの言語を変更することができます。

入力システム (IME)

Imelanguage

アジア言語の文字列を入力することができます。

Microsoft Jet 4.0 ユーザーインターフェイス言語

Jetlanguage

Microsoft Access 2000 データベース エンジンと、Microsoft Jet 4.0 を使用するそのほかのアプリケーションのユーザー インターフェイスの言語を変更することができます。

Outlook At Work ファックス パッチ

AWFAXpatlanguage

Outlook At Work ファックス機能のローカライズ版パッチを提供します。

Outlook フォーム

EFDSupplanguage

ローカライズ版の EFD (Electronic Forms Disign) ファイルでフォームを開くことができます。

注 グローバル IME を使用すると、アジア言語以外の Windows オペレーティング システムを実行しているユーザーは、Word、Outlook、および Internet Explorer でアジア言語のテキストを入力することができます。

MultiLanguage Pack 機能のインストール パス

MultiLanguage Pack の機能は、必要に応じてユーザーのハード ディスクにインストールすることができます。あるいは、サーバーから実行することもできます。MultiLanguage Pack の機能がユーザーのハード ディスクにインストールされるときには、ファイルは次のフォルダに格納されます (LCID は、言語のロケール ID です)。

Program Files\Microsoft Office9\Office\LCID フォルダは、次の機能が納めれています。

  • ユーザー インターフェイス DLL ファイルとそのほかのリソース
  • オンライン ヘルプ ファイル
  • ローカライズ版のテンプレートとウィザード
  • 既定のオートコレクト リスト

Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Proof フォルダは、次の機能が納められています。

  • ハイフネーション (Mshy*.dll および Mshy*.lex ファイル)
  • スペルチェック (Msp*.dll、Mssp*.dll、および Mssp*.lex ファイル)
  • 類義語辞典 (Msth*.dll および Msth*.lex ファイル)
  • 文法辞書 (Msgr*.lex ファイル)

Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Proof\LCID フォルダは、次の機能を含みます。

  • 文法チェック (Msgr*.dll ファイル)

ユーザー インターフェイスを複数の言語で提供する機能は、同じファイル名で個別の LCID フォルダに格納されます。文法とスペルチェックの辞書など、そのほかの機能は、一意な名前を持ち、同じフォルダに格納されます。

たとえば、英語の文法チェックのファイルは Msgr2en.dll です。英語のユーザー インターフェイス用の Msgr2en.dll ファイルは 1033 フォルダに格納されますが、日本語のユーザー インターフェイス用の Msgr2en.dll ファイルは 1041 フォルダに格納されます。一方、英語の文法辞書ファイルは Msgr2en.lex であり、日本語の文法辞書ファイルは Msgr2jp.lex です。両方とも Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Proof フォルダに格納されます。

関連情報

  • MultiLanguage Pack CD-ROM の Extras フォルダにある MultiLanguage Pack 機能をインストールするには、特別な手順が必要です。詳細については、第 4 章の 「MultiLanguage Pack の追加機能」 を参照してください。

MultiLanguage Pack ファイルを削除する方法

国際的な企業では、短期間の使用のために特定の言語の MultiLanguage Pack 機能のセットをコンピュータにインストールしなければならない場合があるかもしれません。その言語でファイルを操作する必要がなくなった場合や、出張中のユーザーが出発した後も、これらの MultiLanguage Pack ファイルをコンピュータに残しておくのは、ディスク領域の無駄です。

Office 2000 は、不必要な MultiLanguage Pack ファイルを自動的に削除しません。しかし、必要に応じて、これらのファイルを削除することができます。

MultiLanguage Pack ファイルを削除するには

  1. MultiLanguage Pack のセットアップ プログラムを再実行します。

    -または-

    コントロール パネルの [アプリケーションの追加と削除] アイコンをダブルクリックし、[Microsoft Office 2000 MultiLanguage Pack Disc n] をダブルクリックします。

  2. [追加と削除] をクリックし、削除したい MultiLanguage Pack 機能を選択し、[使用しない] をクリックします。

  3. [今すぐ更新] をクリックします。

ヒント  MultiLanguage Pack セットアップ プログラムを実行できない場合は、不要な LCID フォルダを削除することによって、ハード ディスクの空き領域を増やすことができます。LCID フォルダは、Program Files\Microsoft Office9\Office フォルダと Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Proof フォルダにあります。言語とそれに対応する LCID の一覧については、Office のヘルプを参照してください。

インストール言語と編集言語によって設定される Office 機能

Word、Excel、Access、および FrontPage は、インストール言語設定を使用して既定の動作を制御します。インストール言語設定は、Office セットアップ プログラムが次のレジストリ サブキーに作成する値エントリ InstallLanguage に割り当てられたロケール ID (LCID) です。

  HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\9.0\Common\LanguageResources

たとえば、InstallLanguageの値が1041 (日本語) の場合には、Word は日本語の設定に基づいて最初の Normal.dot ファイルを作成し、アジア圏言語のテキスト レイアウトのためのコマンドを自動的に有効にします。

ユーザーが編集用言語を有効にすると、Office 2000 アプリケーションの言語固有の機能が実際に使用可能になります。

たとえば、Word は、ユーザーが編集用として有効にした言語に基づいて、ユーザーが入力している言語を自動的に検出します。文書校正ツール機能がインストールされている場合は、Word は検出した言語のスペルチェック、オートコレクト リストなどを使用します。

一部の Office 2000 アプリケーションでは、有効な言語に基づいてコマンドとダイアログ ボックスのオプションを表示します。たとえば、Word でアジア圏言語を有効にした場合は、[書式] メニューで日本語用のテキスト レイアウトを設定することができます。

関連情報

  • Office 2000 を導入する際に、標準設定を特定の言語に基づいて設定することができます。詳細については、第 4 章の 「言語機能のカスタマイズ」 を参照してください。

国際環境でユーザーのコンピュータを設定する

Office 2000 の多国語機能は、Windows 95/98、Windows NT 4.0、および Windows 2000 で動作します。しかし、これらのオペレーティング システムの中には、複数言語の処理に、より適したものがあります。また、多国語機能を活かしたブラウザ、フォント、およびプリンタの設定も可能です。

多国語使用に適したオペレーティング システム

Windows 95/98、Windows NT 4.0、および Windows 2000 オペレーティング システムは、Office 2000 の多国語機能をサポートします。しかし、ユーザーがアジア圏の言語や右から左へ記述する言語 (アラビア語、ペルシア語、ヘブライ語、ウルドゥー語) で作業する場合には、文書の表示と編集、およびユーザー インターフェイスの言語の変更に対して最良のサポートを提供するのは、Windows 2000 です。

ツールボックス:それぞれのオペレーティング システムによってサポートされる言語とサポートの限界についての説明が、Wwsuppt.mdb という名前の Access データベースに含まれています。Wwsuppt.mdb のインストールについては、付録の 「多国語情報」 を参照してください。

ユーザー インターフェイスを他の言語で表示する

ユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプを複数の言語で表示する Office 2000 の機能は、オペレーティング システムの機能に依存します。Windows 95 と Windows 98 は、1 つの言語カテゴリ内では、かなり広範なサポートを提供します。Windows NT 4.0 はさらに柔軟性があり、Windows 2000 は、Office ユーザー インターフェイスのすべての言語に対するサポートを提供します。

たとえば、英語版の Windows 95/98 を実行しているコンピュータでは、Word はユーザー インターフェイスを任意のヨーロッパ言語で表示することができます。Windows NT 4.0 を実行しているコンピュータでは、Word はアジア言語でもユーザー インターフェイスを表示することができ、Windows 2000 では、右から左へ記述する言語もサポートされます。

言語のグループをサポートするコード ページと、1 つの言語だけをサポートするコード ページがあります。したがって、(システムのコード ページを左右する) ユーザーのシステムの場所が、ユーザーに必要な主要言語をサポートする場所に設定されていることを確認してください。

注  Windows NT 4.0 と Windows 2000 だけが、システムの場所の変更をサポートしています。Windows 95/98 では、適切なローカライズ版のオペレーティング システムを実行する必要があります。

たとえば、ユーザーが主に日本語で作業する場合は、システムの場所を日本語に設定します (あるいは、日本語版の Windows 95/98 を実行します)。ユーザーが主にフランス語で作業する場合は、システムの場所は任意の西ヨーロッパ言語に設定することができます (あるいは、任意の西ヨーロッパ言語版の Windows 95/98 を実行することができます)。

ユーザーが Windows 95/98 または Windows NT 4.0 を実行しているときに、Access、Excel、PowerPoint、および Word での Office 2000 のユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの表示について最良のサポートを得るためのガイドラインを次の表に示します。

次の表は、Windows 95/98 で Office 2000 のユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの表示について最良のサポートを得るためのガイドラインです。

Windows 95/98 を実行しているユーザーの言語

表示することができるユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプ

英語、西ヨーロッパ言語、または東ヨーロッパ言語

英語、西ヨーロッパ言語、および東ヨーロッパ言語

アジア言語

英語および該当のアジア言語

右から左へ記述する言語 (アラビア語またはヘブライ語)

英語、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、および該当の右から左へ記述する言語

次の表は、Windows NT 4.0 で Office 2000 のユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの表示について最良のサポートを得るためのガイドラインです。

Windows NT 4.0 を実行しているユーザーの言語

表示することができるユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプ

英語、西ヨーロッパ言語、または東ヨーロッパ言語

英語、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、およびアジア言語

アジア言語

英語、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、およびアジア言語

右から左へ記述する言語

英語、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、

(アラビア語またはヘブライ語)

および該当の右から左へ記述する言語

次の表は、Windows 2000 で Office 2000 のユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの表示について最良のサポートを得るためのガイドラインです。

Windows 2000 を実行しているユーザーの言語

表示することができるユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプ

任意の言語

英語、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、アジア言語、および右から左へ記述する言語

注 東ヨーロッパ言語は、中央ヨーロッパ言語、バルト海沿岸言語、キリル語、ギリシア語、およびトルコ語のコード ページによってサポートされます。

他の言語でユーザー インターフェイスを表示した場合の制約

Office 2000 の一部のアプリケーションと機能については、オペレーティング システムのネイティブコード ページがユーザー インターフェイス言語をサポートする必要があります。これらのアプリケーションと機能については、Outlook の [連絡先 ]や [バインダー] のファイル名など、ユーザー インターフェイスの文字が (ユーザーが入力する文字も含めて)、オペレーティング システムのコード ページによってサポートされなければなりません。

Outlook と、バインダーや Office ショートカット バーなど、一部の Office 機能を使用するときには、オペレーティング システムのコード ページがその言語をサポートする限り、ユーザー インターフェイスの言語を変更することができます。

FrontPage では、オペレーティング システムのコード ページがその言語をサポートする限り、ユーザー インターフェイスの言語をほとんどの言語に変更することができます。ただし、ユーザー インターフェイスを右から左へ記述する言語に変更することはできません。

ユーザー インターフェイスの言語をコード ページによってサポートされない言語に変更した場合には、Outlook と FrontPage はユーザー インターフェイスを英語で表示します。

ツールボックス:ユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの言語を変更できない Office 2000 機能についての情報を Intlimit.xls で検索することができます。Intlimit.xls のインストールについては、付録の 「多国語情報」 を参照してください。

他の言語でオンライン ヘルプを表示する

Office 2000 でオンライン ヘルプの言語を変更すると、ヘルプの内容は新しい言語で表示されますが、ヘルプのユーザー インターフェイスは、Office ユーザー インターフェイスの言語で表示されます。ただし、ヘルプのユーザー インターフェイスのいくつかの要素は ([目次] タブ、[オプション] メニュー、ツールバーのボタン名など)、常に英語で表示されます。

さらに、ヘルプの内容の言語を変更する場合、その言語がオペレーティング システムのコード ページによってサポートされている必要があります。サポートされない場合、[内容] タブに一覧表示されるヘルプ項目を理解できなくなります。この場合は、[質問] および [キーワード] タブを使用してヘルプ項目を見つけることができます。しかし、これらのタブを使用したい場合は、Answer Wizard がサポートする言語でオンライン ヘルプを表示する必要があります。

注  Windows 2000 は、Office 2000 で使用されるすべての言語をサポートします。

ヘルプの言語を Answer Wizard によってサポートされない言語に変更する場合には、その言語がコード ページによってサポートされている必要があります。この場合、ヘルプに [フル テキスト検索] タブが表示されるので、ヘルプ項目を見つけることができます。

Answer Wizard は、次の言語をサポートします。


アラビア語

フィンランド語

ポーランド語

中国語 (簡体字)

フランス語

ポルトガル語 (ブラジル)

中国語 (繁体字)

ドイツ語

ポルトガル語 (イベリア)

チェコ語

イタリア語

ロシア語

デンマーク語

日本語

スペイン語

オランダ語

韓国語

スウェーデン語

英語

ノルウェー語

タイ語

他の言語で文書を表示する

Office 2000 を実行しているユーザーは、Office 2000 のユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプの表示よりも広い範囲の言語で文書を表示することができます。たとえば、ドイツ語版の Windows 98 で Office 2000 を実行しているドイツ人ユーザーは、日本語のユーザー インターフェイスに切り替えることはできませんが、日本語の文書を表示することはできます。

Windows 2000 のすべての言語版が、すべての言語での文書の表示をサポートしています。次の表は、Windows 95/98 または Windows NT 4.0 で Office 2000 の文書の表示について最良のサポートを得るためのガイドラインです。

Windows 95/98 または Windows NT 4.0 を実行しているユーザーの言語

文書を表示することができる言語

英語、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、またはアジア言語

右から左へ記述する言語、タイ語、ベトナム語、およびインド言語を除くすべての言語

右から左へ記述する言語 (アラビア語またはヘブライ語)

タイ語、ベトナム語、およびインド言語を除くすべての言語

タイ語

右から左へ記述する言語、ベトナム語、およびインド言語を除くすべての言語

ベトナム語

右から左へ記述する言語、タイ語、およびインド言語を除くすべての言語

注 東ヨーロッパ言語は、中央ヨーロッパ言語、バルト海沿岸言語、キリル語、ギリシア語、およびトルコ語のコード ページによってサポートされます。サポートされるインド言語は、デーバナーガリに基づく言語 (ヒンズー語、コンカニ語、マラーティー語、ネパール語、およびサンスクリット語) とタミール語です。タイ語とベトナム語のテキストは、南アジア英語版の Office 2000 でのみサポートされます。

他の言語で文書を編集する

一般に、ユーザーのオペレーティング システムで特定の言語が表示できない場合には、その言語で文書を編集することはできません。しかし、アジア言語の文書の場合は、文書を表示できても、編集できない場合があります。

アジア言語の文字の入力には、IME が必要です。アジア言語以外のオペレーティング システムは、一般に IME をサポートせず、アジア言語のオペレーティング システムは、通常はネイティブ言語の IME だけをサポートします。たとえば、韓国語版の Windows 98 を実行しているユーザーは日本語の IME を使用することはできません。

Office 2000 MultiLanguage Pack は、日本語、韓国語、簡体字中国語、および繁体字中国語のためのグローバル IME を提供することによって、この制約をある程度まで解消します。グローバル IME により、ユーザーはオペレーティング システムの言語に関係なく、Word および Outlook でアジア言語のテキストを編集することができます。

Windows 95/98 に多国語サポートを追加する

複数の言語で Office 2000 文書を使用する Windows 95/98 ユーザーがいる場合は、オペレーティング システムに多国語機能を追加することができます。多国語サポートを追加することによって、Windows 95/98 がサポートしていない文字を表示することができます。また、キーボード サポートを追加することによって、キーボードにない文字を入力することができます。

多国語サポートを追加するには

  1. コントロール パネルの [アプリケーションの追加と削除] をダブルクリックし、[Windows セットアップ] タブをクリックします。

  2. [多国語サポート] チェック ボックスを選択します。

    選択した言語のサポートをインストールするには、[多国語サポート] をダブルクリックして、目的の言語を選択します。

    特定の言語でテキストを入力するには、適切なキーボード レイアウトを使用する必要があります。

    キーボード サポートを追加するには

  3. コントロール パネルの [キーボード] をダブルクリックし、[言語] タブの [追加] をクリックします。

  4. [言語の追加]ダイアログ ボックスで、[言語] 一覧から設定を選択します。

  5. 言語のキーボード レイアウトを変更するには [プロパティ] ボタンをクリックし、[言語のプロパティ] ダイアログ ボックスで、[キーボードのレイアウト] 一覧から設定を選択します。

  6. タスクバーのインジケータをクリックすることによってキーボードを切り替えられるようにするには、[タスク バー上に状態を表示] チェック ボックスを選択します。

関連情報

  • Windows NT 4.0 と Windows 2000 は多国語サポートを提供しますが、使用したいキーボード レイアウトを選択する必要があります。キーボード サポートの追加については、適切なオペレーティング システムのオンライン ヘルプを参照してください。
  • MultiLanguage Pack には、キーボードにない文字の入力を容易にするキーボード レイアウト プログラムが用意されています。MultiLanguage Pack の詳細については、「MultiLanguage Pack の機能」 を参照してください。

多国語使用に適した Web ブラウザ

Office 2000 のユーザー インターフェイスの言語を変更する機能は、ユーザーのコンピュータにインストールされている Web ブラウザによって影響を受けます。また、Unicode をサポートするブラウザでは、多国語の Web ページを作成することができます。

多国語のダイアログ ボックスをサポートする

Internet Explorer 5 がインストールされている場合、Office 2000 アプリケーションは、オペレーティング システムがサポートする任意のユーザー インターフェイス言語で特定のダイアログ ボックスを表示することができます。[ファイル] メニューの [新規作成] および [ファイルを開く] などのダイアログ ボックスでのテキストの表示は、オペレーティング システムのコード ページに依存します。

Internet Explorer 5 の最小セットアップでは、コード ページに関係なく、ユーザー インターフェイスの言語を切り替えることができます。Internet Explorer 5 がインストールされていない場合、ユーザー インターフェイスの言語を変更すると、ダイアログ ボックスに判読不能な文字が表示されることがあります。

注 同じコード ページを使用する言語 (たとえば、すべての西ヨーロッパ言語) の間で切り替える場合は、Internet Explorer 5 がインストールされていなくても、すべてのダイアログ ボックスが正しく表示されます。

異なるコード ページを使用するユーザー インターフェイス言語に変更できるようにしたいが、ユーザーのコンピュータにフル機能の Internet Explorer 5 をインストールするのは望ましくないという場合には、Internet Explorer の最小セットアップで Office セットアップをカスタマイズすることができます。

Internet Explorer 5 の最小セットアップで Office セットアップをカスタマイズするには

  • Office カスタム セットアップ ウィザードの [IE5 セットアップ オプションのカスタマイズ] ウィンドウで、[Internet Explorer 5 にアップグレード] オプションを選択し、[Internet Explorer 5 アップグレード モード] ボックスで、[最小] を選択します。

注 ユーザー インターフェイスの言語を変更するためには、Internet Explorer 5 をインストールした後、Microsoft Active Desktop を無効にする必要があります。

多国語の Web ページで Unicode を使用する

Unicode を使用すると、多国語の Web ページを作成することができ、複数のスクリプトを使用するだけでなく、ファイル サイズも小さくなるので、イントラネットでの解析が容易になります。Unicode の Web ページを解釈するには、Internet Explorer バージョン 4.01 以上または Navigator 4.03 以上のブラウザが必要です。以前のブラウザとの互換性を保持したい場合には、Unicode の使用を避けてください。

注 インターネットで一般に使用される Unicode 形式は、UTF-8 (Universal Character Set Transformation Format 8-bit) と呼ばれます。UTF-8 は、Web ブラウザと FrontPage Server Extensions が共通してサポートする唯一の Unicode 形式です。

Office 2000 アプリケーションの設定によって、現在の HTML 文書を Unicode で保存することができます。[オプション]([ツール] メニュー) をクリックし、[全般] タブの [Web オプション] をクリックします。[エンコード] タブの [保存する形式] 一覧で、[Unicode (UTF-8)] を選択します。

注  HTML 文書の標準の保存形式を Unicode 形式にするには、[Web オプション] ダイアログ ボックスで、[既定のエンコードで Web ページを保存する] チェック ボックスを選択します。

多国語の URL で Unicode を使用する

UTF-8 エンコードで HTML 文書を作成できるだけでなく、Office 2000 と Internet Explorer 5 では、UTF-8 でエンコードされた URL を Web サーバーに送信することができます。

UTF-8 エンコードでは、ユーザーのオペレーティング システムとブラウザの言語や Office の言語版に関係なく、非 ASCII 文字を含む URL を使用することができます。UTF-8 エンコードを使用しない場合は、Web サーバーが非 ASCII の URL を解釈するためには、Web サーバーはユーザーのオペレーティング システムと同じコード ページに基づいている必要があります。しかし、Web サーバーが UTF-8 でエンコードされた URL を解釈するためには、Web サーバーは UTF-8 をサポートしなければなりません。

注  UTF-8 でエンコードされた URL を使用するには、Microsoft Internet Information Server (IIS) 4.0 以上、または UTF-8 をサポートする Web サーバーが必要です。

UTF-8 をサポートしないコード ページベースの Web サーバーを使用している企業で、非 ASCII の URL がある場合には、Internet Explorer 5 の UTF-8 URL エンコードを無効にする必要があります。さもなければ、ユーザーが非 ASCII 文字を含む UTF-8 でエンコードされた URL を使用しようとすると、UTF-8 をサポートしないコード ページベースの Web サーバーは、URL を解釈することができません。

URL を UTF-8 エンコードで送信しないようにするには

  1. Internet Explorer 5 で、[ツール] メニューの [インターネット オプション] をクリックします。
  2. [インターネット オプション] ダイアログ ボックスで、[詳細設定 ]タブをクリックします。
  3. [設定] ボックスの [ブラウズ] にある [いつも UTF-8 として URL を送信する] チェック ボックスをクリアします。

関連情報

  • クライアント サイドの多国語機能を最適化するだけでなく、Web サーバーに多国語サポートを追加することもできます。多国語 URL など、多国語サーバーの要件については、第 12 章の 「国際ユーザーのための Office Web 機能をインストールする」 を参照してください。
  • Unicode を使用した文書は、異なる言語で作業するユーザー間での共有が容易です。Unicode については、第 15 章の 「多国語文書を共有する」 を参照してください。
  • ローカライズされたサーバー メッセージを表示するには、ローカライズ版の Microsoft FrontPage Server Extensions をインストールする必要があります。特定の言語での FrontPage Server Extensions の最新リリースについては、Microsoft FrontPage Web サイト (https://www.microsoft.com/frontpage/) を参照してください。

多国語 Office でのフォントの管理

Office 2000 は、異なる言語体系の複数の言語で文書を表示/編集できるフォントを提供します。これらのフォントの一部は Office 2000 とともにインストールされます。そのほかのフォントは、Office 2000 MultiLanguage Pack に含まれています。Office 2000 で提供される国際フォントの中には、ユーザーが既に使用している Windows フォントを更新するものもあります。

Office 2000 が異なる言語のフォントどのように使用するかを理解すれば、国際企業のユーザーのフォントの管理に役立ちます。

Office 2000 に含まれている国際フォント

Office 2000 と MultiLanguage Pack には、Office の多国語機能の利用に必要なフォントが含まれています。これらの追加のフォントによって、次のことができます。

  • ユーザー インターフェイスとオンライン ヘルプをさまざまな言語で表示する。
  • テキストをさまざまな言語で入力する (IME を必要とする言語を除きます)。

注  MultiLanguage Pack には、Word、Outlook、および Internet Explorer で動作するいくつかのグローバル IME も含まれています。

特定の文字セットをサポートする MultiLanguage Pack のフォントのほかに、Office 2000 は完全な Unicode フォントも含んでいます。これは、Office によってサポートされるすべての言語のすべての文字をサポートします。この Unicode フォントは、複数のフォントを適用できないとき、たとえば、Access データ テーブルで多国語データを操作するときなどに特に便利です。

次の表は、MultiLanguage Pack によって提供されるフォントと、それらがサポートするコード ページと言語を示しています。

フォント (ファイル)

コード ページ

サポートされる言語

BatangChe (BatangCh.ttf)

1250、1251、1252、1253、1254、1257、949

すべてのヨーロッパ言語、韓国語

MingLiU (Mingliu.ttf)

32、936、950

英語、簡体字中国語、繁体字中国語、日本語

MS UI Gothic (Msuigoth.ttf)

1250、1251、1252、1253、1254、1257、932

すべてのヨーロッパ言語、日本語

次の表は、Office 2000 によって提供されるフォントと、それらがサポートするコード ページと言語を示しています。

フォント (ファイル)

コード ページ

サポートされる言語

Arial Unicode MS (Arialuni.ttf)

すべて

すべて

Batang (Batang.ttf)

250、1251、1252、1253、1254、1257、949

すべてのヨーロッパ言語、韓国語

PMingLiU (PMingliu.ttf)

932、936、950

英語、簡体字中国語、繁体字中国語、日本語

MS Mincho (Msmincho.ttf)

1250、1251、1252、1253、1254、

すべてのヨーロッパ言

 

1257、932

語、日本語

SimSun (Simsun.ttf)

936

英語、簡体字中国語、繁体字中国語

 

Windows フォントを大きいフォントに更新する

Windows 95/98、Windows NT 4.0、および Windows 2000 に含まれるフォントの多くは、大きいフォント ファイルとして格納されます。大きいフォント ファイルには Tahoma が含まれます。これは、アジア言語を除くすべての言語の Office 2000 の既定のユーザー インターフェイス フォントです。大きいフォント ファイルは、複数の文字セットの字形を含み、多くの言語に対応します。Office 2000 をインストールすると、Office は既存の Windows フォントを大きいフォントに更新して、追加のフォントをインストールします。

次に、Office セットアップ プログラムがインストールまたは更新する大きいフォントを示します。

  • Arial
  • Arial Black
  • Arial Bold
  • Arial Narrow
  • Bookman Old Style
  • Courier New
  • Garamond
  • Impact
  • Tahoma
  • Times New Roman
  • Trebuchet (中央および東ヨーロッパ言語のみ)
  • Verdana

複数の言語をサポートするフォントをインストールする

ユーザーが異なる言語の文書または電子メール メッセージを共有する機会が多い場合には、それらの言語をサポートするフォントをインストールすることができます。

ほとんどの場合、Office セットアップ プログラムは、複数の言語で文字を表示するためのフォントを自動的にインストールまたは更新します。たとえば、Arial フォントで書式設定された文書で、西ヨーロッパ言語、キリル語、トルコ語、バルト語、中央ヨーロッパ言語、ギリシャ語、アラブ語、またはヘブライ語のテキストを表示することができます。

ただし、アジア言語または Unicode 文字については、適切なフォントをユーザーのコンピュータにインストールする必要があります。

重要 既定のユーザー インターフェイス フォントを変更しないでください。Office 2000 のユーザー インターフェイスは、Tahoma と特定のアジア言語のフォントに対応できるように設計されています。別のユーザー インターフェイス フォントを使用すると、言語によっては、ユーザー インターフェイスのラベルが切り詰められることがあります。

アジア言語のフォントをインストールする

Office 2000 は、日本語、韓国語、簡体字中国語、および繁体字中国語の 4 つの言語のフォントを提供します。ユーザーがこれらの言語で文書を編集または表示する必要がある場合には、適切なアジア言語のフォントをインストールする必要があります。

アジア言語のフォントをインストールするには

  1. Office セットアップの [機能選択] 画面で、[Office ツール] - [インターナショナル サポート] 機能を選択します。
  2. 使用したいアジアのフォントのそれぞれについて、フォントを選択し、セットアップ状態を [マイ コンピュータから実行] に設定します。

Unicode フォントをインストールする

Access データ テーブルなどの一部の文書は、1 つのフォントだけを表示することができます。しかし、Unicode フォントを使用すると、これらの文書でも複数の言語でテキストを表示することができます。Office 2000 によって提供される Unicode フォントにより、ユーザーは複数の言語と、さまざまな言語をサポートする複数のコード ページで文字を入力し、表示することができます。

ユーザーのコンピュータに Unicode フォントをインストールすることには、いくつかのデメリットがあります。まず、Unicode フォント ファイルは、コード ページに基づくフォント ファイルに比べると、かなり大きくなります。第 2 に、一部の文字は、コード ページでの表示とは違って見えることがあります。これらの理由から、Unicode フォントを既定のフォントとして使用しないでください。ただし、ユーザーが多くの異なる言語で文書を共有する場合は、Unicode フォントが最良の選択かもしれません。

Unicode フォントをインストールするには

  1. Office セットアップ プログラムの [機能選択] 画面で、[Office ツール] - [インターナショナル サポート] 機能を選択します。
  2. [ユニバーサル フォント] 機能を選択し、セットアップ状態を [マイ コンピュータから実行] に設定します。

関連情報

  • Windows 95/98、Windows NT 4.0、または Windows 2000 でフォント ファイルを右クリックしたときに表示されるプロパティにコード ページ情報を追加するユーティリティをインストールすることができます。フォント プロパティ拡張ユーティリティの詳細については、Microsoft Typography Web サイト (https://www.microsoft.com/typography/) を参照してください。

多国語設定で文書を印刷する

Office 2000 の多国語機能を使用しているときには、文書を印刷するときに注意しなければならないことがいくつかあります。プリンタの用紙サイズと代用フォントが正しく設定されていることを確認する必要があります。

正しい用紙サイズを指定する

多くのプリンタでは、A4 とレター サイズの両方の用紙を使用することができます。ヨーロッパのユーザーが米国のユーザーと文書を交換する場合、プリンタに A4 とレター サイズの両方の用紙を用意しておけば、ほとんどの文書に対応できます。

その地域で一般的に使用されている用紙しか給紙できないプリンタでも、ほとんどの Office 文書は、テキストを損なうことなく印刷できます。Word 文書と PowerPoint プレゼンテーションは、プリンタの既定の用紙サイズに応じて自動的に拡大/縮小されます。Outlook メッセージは、ローカルで定義された既定の印刷パラメータに従って印刷されます。FrontPage 文書は、ブラウザのページ レイアウト設定に従って印刷されます。

注  Access のレポートと Microsoft Publisher の文書については、レポートおよび文書を開いて、手動で用紙サイズを変更する必要があります。

場合によっては、プリンタの既定の用紙サイズに合わせて文書が拡大/縮小されるのは望ましくない場合があります。たとえば、プリンタの既定の用紙サイズは A4 に設定されているが、レター サイズの用紙もセットされているという場合、Word は両方のサイズが使用可能であることを検出できません。このような場合は、正しいサイズの用紙を使用できるので、Word で使用可能なサイズ調整オプションを無効にした方がよいでしょう。

システム ポリシーに関するヒント システム ポリシーを使用して、Word の [印刷] タブ ([オプション]メニュー) の [基本の用紙サイズ (A4/ レター) に合わせて自動調整する] オプションを無効にすることができます。システム ポリシー エディタで、[Microsoft Word 2000]-[ツール | オプション]-[印刷]-[印刷オプション]-[基本の用紙サイズ (A4/ レター) に合わせて自動調整する] ポリシーを設定します。システム ポリシー エディタの詳細については、第 7 章の 「システム ポリシー エディタを使用する」 を参照してください。

TrueType フォントが正しく印刷されるように設定する

複数言語の文字を表示するために、Office は大きいフォントを使用します。太字や斜体のほかに、大きいフォントはキリル文字、ギリシャ文字、またはそのほかの言語の文字にもできます。

ただし、大きいフォントは TrueType フォントでもあり、TrueType フォントを使用している文書を印刷するとき、多くのレーザー プリンタは組み込みのプリンタ フォントで代用します。組み込みのプリンタ フォントは、複数の文字体系で印字することはできないので、他の文字体系の文字は、正しく印刷されません。

たとえば、レーザー プリンタは独自の Arial フォントで代用する場合がありますが、これは西ヨーロッパ言語の文字にしか対応できません。Word は、文書内のギリシア文字とロシア文字を表示するために大きいフォントの Arial を使用しますが、そのような文書を印刷した場合、ギリシア文字とロシア文字は、判読不能な西ヨーロッパ言語の文字列として印刷されます。

この問題を回避するには、TrueType フォントをグラフィックスとして送信するようにプリンタ ドライバのオプションを設定します。

ヒント アジア言語のフォント サイズは非常に大きいので、プリンタのメモリには入りません。そのため、アジア圏以外のプリンタでは、アジア言語の文書を正しく印刷することはできません。プリンタのメモリを増設する必要があるかもしれません。

関連情報

  • Unicode は、Office 2000 文書の印刷に影響を与えることがあります。Unicode の Office 2000 サポートについては、第 15 章の 「Office 2000 の Unicode サポートを利用する」 を参照してください。