Microsoft XML Parser Version 3.0 Release の新機能

Microsoft Corporation

October 2000

MSXML 3.0 SDK Release のダウンロード

The Microsoft® XML Parser (MSXML) 3.0 Release は、長い間待ち望んでいた MSXML 3.0 の製品リリースです。このリリースでは、Windows® 2000 とともに出荷された MSXML 2.5 から更に大きく進歩しています。このリリースでは、次のような機能を提供します。

XSLT (Extensible Stylesheet Language Transformations) と XPath (XML Path Language) に関する W3C (World Wide Web Consortium) 標準の完全実装。

SAX2 (Simple API for XML) の COM/Microsoft ActiveX® による完全実装。C++、Microsoft Visual Basic® およびスクリプト環境からアクセス可能な Helper オブジェクトを含む。追加情報に関しては、「C++ を使用した SAX2 アプリケーション作成のジャンプスタート」 および 「Visual Basic を使用した SAX2 アプリケーション作成のジャンプスタート」 をご覧ください。

サーバー側アプリケーションでの Server-safe HTTP アクセスの利用。

DOM (Document Object Model) および名前空間サポートの十分な向上。

W3C の XML 1.0 および Namespaces 1.0 標準、 OASIS (Organization for the Advancement of Structural Information Standards) XML 1.0 test suite への高い準拠。

数多くのバグ修正とパフォーマンスの改善。

この MSXML 3.0 リリースでは、September 2000 MSXML 3.0 Beta Release からほんのわずかの変更(主としてパフォーマンス改善)しか行われておりません。また、この変更には、SAX2 API 実装の小さな変更が含まれています。

この記事では、September 2000 MSXML 3.0 Beta Release 以降に取り入れられた新機能について概説します。詳細な情報については、パーサーに付属の「MSXML Reference」ドキュメントを参照ください。

Side-by-Side 機能

MSXML 3.0 Release は、September 2000 MSXML Beta Release と同じ ProgIDs と ClassIDs を持ちます。実際のファイル名 (msxml3.dll, msxml3a.dll, and msxml3r.dll) は、このリリースでは変更はないことにご注意ください。

MSXML 3.0 Release は、パーサー (msxml3.dll) を side-by-side モードでインストールします。これは、このバージョンのパーサーのインストールによって、前のバージョンのどのパーサーも置換しないことを意味します。 新しいパーサーと古いパーサーは、平行して (side-by-side) で当該のコンピュータに存在することになります。しかしながら、Microsoft Internet Explorer、Windows 95、Windows 98、Windows NT® および Windows 2000 は、xmlinst.exe を使用しない限り古いバージョンのパーサを使用し続けます。前のバージョンの MSXML 3.0 は自動的に xmlinst.exe をインストールプロセスの一部として、パーサーと一緒にインストールしましたが、この製品リリースでは、September Beta release と同様に ダウンロード ユーティリティとして提供します。

xmlinst.exe ユーティリティと readme のダウンロードのダウンロード

注: 置換モードは、MSXML 3.0 の新機能を享受できますが、その代わりに古い ProgID を使っている既存の XML アプリケーションの挙動が変えてしまう可能性があります。

Server-Safe HTTP

September 2000 MSXML Beta Release では server-safe HTTP 実装が取り込まれましたが、この機能について調べることは意義のあることです。このリリースで サーバー側の環境においてネットワークを通じて XML にアクセスするコンポーネントを必要としません。

Server-safe HTTP は、server-safe の手法をは除けば、XMLHTTP オブジェクトと同様の機能を提供します。server-safe HTTP を利用するには、XMLDOMDocument2setProperty メソッド か SAXXMLReadersetFeature を使ってください。あるいは、汎用的な server-side HTTP アクセスコンポーネントとして、この新しいオブジェクトを作ることもできます。

イントラネットで稼動しているサーバーは、proxycfg.exe ユーティリティを実行して、プロキシ サーバー を介して HTTP あるいは HTTPS サーバーにアクセスする WinHTTP を調整する必要があります。 例えば、WinHTTP コンポーネントにアクセスする ServerXMLHTTP を使用するアプリケーションの導入展開プロセスの一部として、proxycfg.exe ユーティリティを使えるでしょう。

proxycfg.exe ユーティリティと readme のダウンロードのダウンロード

SAX2 実装の変更

September 2000 MSXML Beta Release と比較すると、MSXML 3.0 のこのリリースでは、ErrorHandler インターフェイス に関して次のような API の変更が行われました。

  • Visual C++ の ISAXErrorHandler インターフェイス の 3 つのメソッド全てに関して、IErrorInfo オブジェクトの代わりにエラー メッセージ文字列が導入されました。
  • オートメーション環境で衝突を避けるために、Visual C++ と Visual Basic のインターフェイスにおける (ISAXErrorHandlerIVBSAXErrorHandler)warning メソッド は、ignorableWarning メソッドに置き換えられました。