.NET Framework 3.5 の Windows フォームへの追加機能

[アーティクル]
08/09/2011

.NET Framework Version 3.5 に追加された新機能の多くは Windows フォームによってサポートされており、それらを使用することで Windows フォームアプリケーションの機能を拡張できます。ここでは、これらの新機能のいくつかと Windows フォームでの使用について説明します。

クライアントアプリケーションサービス

クライアントアプリケーションサービスは .NET Framework 3.5 の新機能です。この機能を使用すると、Windows フォームアプリケーションから、ASP.NET のログイン、ロール、およびプロファイルサービスへのアクセスが簡単になります。これらのサービスを使用して、ユーザーを認証したり、共有サーバーからユーザーロールとアプリケーション設定を取得できます。

クライアントアプリケーションサービスを有効にするには、Visual Studio プロジェクトデザイナーまたはアプリケーション構成ファイルでクライアントサービスプロバイダーを指定および構成します。これらのプロバイダーは Web 拡張モデルに組み込まれ、これを使用することで .NET Framework の既存のログイン、ロール、および設定の各 API を使用して Web サービスにアクセスできます。クライアントアプリケーションサービスでは、ローカルデータキャッシュにユーザー情報を格納しておき、アプリケーションのオフライン時にはこのキャッシュからユーザー情報を取得することで、たまにしか接続されない環境もサポートされます。詳細については、「クライアントアプリケーションサービス」を参照してください。

Windows Presentation Foundation のホスト

System.Windows.Forms.Integration 名前空間には、Windows フォームテクノロジと WPF (Windows Presentation Foundation) テクノロジの相互運用を実現するクラスが含まれています。 WPF によるコンテンツやコントロールは、Windows フォームアプリケーションで使用できます。また、Windows フォームコントロールを WPF アプリケーションで使用することもできます。詳細については、「System.Windows.Forms.Integration」ドキュメントを参照してください。さらに、Visual Studio の Windows フォームデザイナーを使用することで、Windows フォームで WPF コンテンツを視覚的にデザインできます。詳細については Windows Presentation Foundation コントロールの使用および WPF コントロールの使用.

Windows Vista のサポート

既存の Windows フォームアプリケーションは Windows Vista で円滑に動作します。また、いつでもアップグレードして、Windows Vista 用に作成されたアプリケーションと同じ外観を持たせることができます。ファイル操作用のコモンダイアログボックスは、Windows Vista バージョンに自動的に更新されます。また、.NET Framework 3.5 はユーザーアカウント制御 (UAC) シールドアイコンをサポートします。詳細については、「FileDialog クラス」および Shield を参照してください。

ClickOnce の機能強化

ClickOnce の機能強化には、複数の場所からの配置に対応する機能や、サードパーティの商標を追加するための機能などが含まれます。 ClickOnce では、シナリオに応じて、代替ブラウザーのサポートや XCOPY による発行機能も利用できます。詳細については、「ClickOnce のセキュリティと配置」を参照してください。

デザイン時の機能強化

Windows フォームアプリケーションの開発に Visual Studio 2008 を使用すると、デザイン時機能が強化されてることがわかります。これまで、フォームやコントロールをデザインサーフェイスに表示できなかった場合、表示されるエラー一覧が煩雑だったり混乱したりしていました。 Visual Studio 2008 では、Windows フォームのデザイン時エラー一覧が再設計され、わかりやすくなりました。新しいデザイン時エラー一覧には、エラーの原因を迅速に特定するために必要な詳細なエラー情報が表示されます。詳細については Windows フォームデザイナでのデザイン時エラーおよび Windows フォームデザイナーでのデザイン時エラー.

また、スマートタグの安定性、ツールボックスへの読み込み、およびデザイナーの基本的な応答やパフォーマンスも向上しています。