ジェネリックインターフェイス

[アーティクル]
08/09/2011

このトピックでは、さまざまなジェネリック型のファミリ間で共通の機能を提供するジェネリックインターフェイスの概要について説明します。

ジェネリックインターフェイス

ジェネリックインターフェイスは、順序付け比較と同等比較、およびジェネリックコレクション型で共有される機能のための、非ジェネリックインターフェイスに対応するタイプセーフなインターフェイスです。

メモ
.NET Framework Version 4 以降では、複数のジェネリックインターフェイスの型パラメーターが共変または反変としてマークされ、これらのインターフェイスを実装する型の代入と使用の柔軟性が向上しています。「ジェネリックの共変性と反変性」を参照してください。

同等比較と順序付け比較

System 名前空間のジェネリックインターフェイス System.IComparable<T> と System.IEquatable<T> は、対応する非ジェネリックインターフェイスと同様に、それぞれ順序付け比較と同等比較を行うメソッドを定義します。型はこれらのインターフェイスを実装して、このような比較を実行する機能を提供します。

System.Collections.Generic 名前空間のジェネリックインターフェイス IComparer<T> および IEqualityComparer<T> を使用すると、ジェネリックインターフェイス System.IComparable<T> または System.IEquatable<T> を実装しない型の順序付け比較または同等比較を定義したり、実装する型の関係を再定義することができます。これらのインターフェイスは、多数のジェネリックコレクションクラスのメソッドやコンストラクターで使用されます。たとえば、ジェネリック IComparer<T> オブジェクトを SortedDictionary<TKey, TValue> クラスのコンストラクターに渡すことにより、ジェネリック System.IComparable<T> を実装しない型の並べ替え順序を指定できます。ジェネリック IComparer<T> 実装を使用して配列またはリストを並べ替えるための、Array.Sort 静的ジェネリックメソッドと List<T>.Sort インスタンスメソッドのオーバーロードがあります。

ジェネリッククラス Comparer<T> と EqualityComparer<T> には、ジェネリックインターフェイス IComparer<T> と IEqualityComparer<T> を実装するための基本クラスが用意されています。また、それぞれの Comparer<T>.Default プロパティと EqualityComparer<T>.Default プロパティを使用して、既定の順序付け比較と同等比較を行うこともできます。

コレクションの機能

ICollection<T> ジェネリックインターフェイスは、ジェネリックコレクション型の基本インターフェイスです。このインターフェイスは、要素の追加、削除、コピー、列挙を行う機能を備えています。 ICollection<T> は、ジェネリック IEnumerable<T> と非ジェネリック IEnumerable の両方から継承します。

IList<T> ジェネリックインターフェイスは、インデックスによる取得に使用するメソッドによって ICollection<T> ジェネリックインターフェイスを拡張します。

IDictionary<TKey, TValue> ジェネリックインターフェイスは、キーによる取得に使用するメソッドによって ICollection<T> ジェネリックインターフェイスを拡張します。 .NET Framework 基本クラスライブラリのジェネリックディクショナリ型は、非ジェネリック IDictionary インターフェイスも実装しています。

IEnumerable<T> ジェネリックインターフェイスは、ジェネリック列挙子構造体を提供します。ジェネリック列挙子によって実装された IEnumerator<T> ジェネリックインターフェイスは、非ジェネリック IEnumerator インターフェイスを継承します。型パラメーター T に依存しないメンバー MoveNext および Reset は、非ジェネリックインターフェイスにだけ出現します。つまり、非ジェネリックインターフェイスのコンシューマーは、ジェネリックインターフェイスも使用できます。