WS 2007 フェデレーション HTTP バインディング

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このサンプルでは、WS2007FederationHttpBinding の使用例を示します。WS2007FederationHttpBinding は、WS-Trust 仕様のバージョン 1.3 に対応したフェデレーション シナリオを構築するための標準のバインディングです。

Noteメモ :

このサンプルをビルドして実行するには、.NET Framework Version 3.5 をインストールする必要があります。Visual Studio 2008 では、プロジェクト ファイルとソリューション ファイルを開く必要があります。

Noteメモ :

このサンプルのセットアップ手順とビルド手順については、このトピックの最後を参照してください。

このサンプルは、コンソール ベースのプログラム (Client.exe)、コンソール ベースのセキュリティ トークン サービス プログラム (Securitytokenservice.exe)、およびコンソール ベースのサービス プログラム (Service.exe) で構成されています。サービスは、要求/応答通信パターンを定義するコントラクトを実装します。このコントラクトは ICalculator インターフェイスによって定義されており、算術演算 (AddSubtractMultiplyDivide) を公開しています。クライアントは、セキュリティ トークンをセキュリティ トークン サービス (STS) から取得し、指定された算術演算を実行する同期要求をサービスに対して行います。サービスは、結果を添えて応答します。クライアント アクティビティは、コンソール ウィンドウに表示されます。

このサンプルは、ws2007FederationHttpBinding 要素を使用して ICalculator コントラクトを公開します。このバインディングのクライアント側の構成は、次のコードに示すとおりです。

    <bindings>
      <ws2007FederationHttpBinding>
        <binding name="ServiceFed" >
          <security mode ="Message">
            <message issuedKeyType ="SymmetricKey"
                     issuedTokenType ="http://docs.oasis-open.org/wss/oasis-wss-saml-token-profile-1.1#SAMLV1.1" >
              <!-- Endpoint address and binding for Security Token Service -->
              <issuer address ="https://localhost:8000/sts/windows" 
                      binding ="ws2007HttpBinding" />              
            </message>
          </security>
        </binding>
      </ws2007FederationHttpBinding>
    </bindings>

<security> element of <ws2007FederationHttpBinding>では、使用するセキュリティ モードが security 値によって指定されます。このサンプルでは、message セキュリティが使用されており、このため <message> element of <ws2007FederationHttpBinding><security> elementの内側で指定されています。<message> element of <ws2007FederationHttpBinding>の内側にある <issuer> 要素は、セキュリティ トークンをクライアントに発行する STS のアドレスとバインディングを指定します。これにより、クライアントが ICalculator サービスに認証されるようになります。

このバインディングのサービス側の構成は、次のコードに示すとおりです。

    <bindings>
      <ws2007FederationHttpBinding>
        <binding name="ServiceFed" >
          <security mode ="Message">
            <message issuedKeyType ="SymmetricKey"
                     issuedTokenType ="http://docs.oasis-open.org/wss/oasis-wss-saml-token-profile-1.1#SAMLV1.1" >
              <!-- Metadata address for Security Token Service -->
              <issuerMetadata address ="https://localhost:8000/sts/mex" >
                <identity>
                  <certificateReference storeLocation ="CurrentUser" 
                                        storeName="TrustedPeople" 
                                        x509FindType ="FindBySubjectDistinguishedName" 
                                        findValue ="CN=STS" />
                </identity>
              </issuerMetadata>
            </message>
          </security>
        </binding>
      </ws2007FederationHttpBinding>
    </bindings>

<security> element of <ws2007FederationHttpBinding>では、使用するセキュリティ モードが security 値によって指定されます。このサンプルでは、message セキュリティが使用されており、このため <message> element of <ws2007FederationHttpBinding><security> elementの内側で指定されています。<message> element of <ws2007FederationHttpBinding>の内側にある ws2007FederationHttpBinding<issuerMetadata> 要素は、STS のメタデータ取得に使用できるエンドポイントのアドレスと ID を指定します。

このサービスの動作を次のコードに示します。

    <behaviors>
      <serviceBehaviors>
        <behavior name ="ServiceBehaviour" >
          <serviceDebug includeExceptionDetailInFaults ="true"/>
          <serviceMetadata httpGetEnabled ="true"/>
          <serviceCredentials>
            <issuedTokenAuthentication>
              <knownCertificates>
                <add storeLocation ="LocalMachine"
                     storeName="TrustedPeople"
                     x509FindType="FindBySubjectDistinguishedName"
                     findValue="CN=STS" />
              </knownCertificates>
            </issuedTokenAuthentication>
            <serviceCertificate storeLocation ="LocalMachine"
                                storeName ="My"
                                x509FindType ="FindBySubjectDistinguishedName"
                                findValue ="CN=localhost"/>
          </serviceCredentials>
        </behavior>
      </serviceBehaviors>
    </behaviors>

<issuedTokenAuthentication> of <serviceCredentials>> を使用すると、サービスは、認証時にクライアントが提示できるトークンに関する制約を指定できます。この構成の指定では、サブジェクト名が CN=STS である証明書によって署名されたトークンがサービスによって受け入れられます。

STS は、標準の WS2007HttpBinding を使用して、単一のエンドポイントを公開します。このサービスは、クライアントからのトークンの要求に応答し、クライアントが Windows アカウントを使用して認証されている場合は、クライアントのユーザー名がクレームとして含まれているトークンを発行します。STS は、トークン作成の一環として、CN=STS 証明書に関連付けられている秘密キーを使用して、トークンに署名します。また、対称キーを作成し、CN=localhost 証明書に関連付けられている秘密キーを使用して暗号化します。STS は、トークンをクライアントに返すときに、対称キーも返します。クライアントは、発行されたトークンを ICalculator サービスに提示し、対称キーを使用してメッセージに署名することで対称キーを認識していることを証明します。

サンプルを実行すると、セキュリティ トークン要求が STS のコンソール ウィンドウに表示されます。操作要求と応答は、クライアントとサービスのコンソール ウィンドウに表示されます。いずれかのコンソール ウィンドウで Enter キーを押すと、アプリケーションがシャットダウンします。

Add(100,15.99) = 115.99

Subtract(145,76.54) = 68.46

Multiply(9,81.25) = 731.25

Divide(22,7) = 3.14285714285714

Press <ENTER> to terminate client.

このサンプルに用意されている Setup.bat ファイルを使用すると、適切な証明書を使用してサーバーと STS を構成し、自己ホスト型アプリケーションを実行できるようになります。このバッチ ファイルにより、LocalMachine/TrustedPeople 証明書ストアに 2 つの証明書が作成されます。片方の証明書は CN=STS のサブジェクト名を持ち、クライアントに発行するセキュリティ トークンを署名するために STS が使用します。もう片方の証明書は CN=localhost のサブジェクト名を持ち、サービスが暗号化を解除できるようにシークレットを暗号化するために STS が使用します。

サンプルを設定、ビルド、および実行するには

  1. Windows Communication Foundation サンプルの 1 回限りのセットアップの手順」が実行済みであることを確認します。

  2. Setup.bat ファイルを実行して、必要な証明書を作成します (メモ : Windows Vista で Setup.bat を右クリックして、[管理者として実行] をクリックしてください)。このバッチ ファイルでは、Windows SDK と共に配布される Certmgr.exe および Makecert.exe が使用されます。ただし、スクリプトでこれらのツールを見つけるには、Visual Studio Tools のコマンド プロンプト内から Setup.bat を実行する必要があります。

  3. ソリューションの C# 版または Visual Basic .NET 版をビルドするには、「Windows Communication Foundation サンプルのビルド」の手順に従います。

  4. 単一コンピュータ構成か複数コンピュータ構成かに応じて、「Windows Communication Foundation サンプルの実行」の手順に従います。Windows Vista を使用している場合は、Service.exe、Client.exe、および SecurityTokenService.exe をシステム特権で実行する必要があります (ファイルを右クリックして、[管理者として実行] をクリックします)。

関連項目

その他の技術情報

WS フェデレーション HTTP バインディング

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