メッセージ エンコーディング オプション
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2010-07-28
Microsoft Exchange 組織で設定できるコンテンツ変換のオプションは、次のカテゴリに分けられます。
- TNEF 変換のオプション これらの変換オプションは、Exchange 組織から送信されるメッセージ内の TNEF (Transport Neutral Encapsulation Format) を維持するか削除するかを指定します。
- メッセージ エンコーディング オプション これらのオプションは、MIME および非 MIME 文字セット、メッセージ エンコーディング、添付ファイル形式などのメッセージ エンコーディング オプションを指定します。
ここでは、指定できるメッセージ エンコーディング オプションについて、次のレベルごとに説明します。
- リモート ドメイン設定
- メール ユーザーおよびメール連絡先設定
- Microsoft Outlook の設定
- メッセージ形式
- インターネット メッセージ
- インターネット受信者のメッセージ形式
- メッセージ文字セットのエンコーディング オプション
リモート ドメインに送信されるメッセージのメッセージ エンコーディング オプション
Exchange Server 2007 では、リモート ドメインの受信者のメッセージ エンコーディング オプションを、Exchange 管理シェル、または Exchange 管理コンソールの [リモート ドメイン] タブで設定できます。どちらの管理インターフェイスで設定しても機能的には同じですが、使用する用語が少し異なることがあります。
次の表では、リモート ドメインの受信者に対して Exchange 管理シェルで使用できるメッセージ エンコーディング オプションについて説明しています。
Exchange 管理シェルのリモート ドメインの受信者用メッセージ エンコーディング オプション
ソース | パラメータ | 説明 |
---|---|---|
Set-RemoteDomain |
CharacterSet |
指定した文字セットは、独自の文字セットが指定されていない MIME メッセージにのみ使用されます。このパラメータを設定しても、送信メールに既に指定されている文字セットは上書きされません。有効な文字セット名の一覧については、「リモート ドメインの構成でサポートされる文字セット」を参照してください。 |
Set-RemoteDomain |
ContentType |
このパラメータは、リモート ドメインの受信者に送信される MIME メッセージのコンテンツの種類を指定します。このパラメータに有効な値は以下のとおりです。
既定値は |
Set-RemoteDomain |
LineWrapSize |
このパラメータは、電子メール メッセージの本文のテキストの 1 行に含めることができる最大文字数を指定します。古い電子メール クライアント アプリケーションでは、1 行に 78 文字が優先される場合があります。 このパラメータの有効な入力の範囲は、0 ~ 132 です。行ごとの文字の制限を削除する場合、LineWrapSize パラメータの値を |
Set-RemoteDomain |
NonMimeCharacterSet |
このパラメータが使用されるのは、次の条件が満たされる場合です。
有効な文字セット名の一覧については、「リモート ドメインの構成でサポートされる文字セット」を参照してください。 |
次の手順では、Exchange 管理コンソールでリモート ドメインの受信者に対して使用できるメッセージ エンコーディング オプションについて説明します。
Exchange 管理コンソールを使用してリモート ドメインの受信者のメッセージ エンコーディング オプションを構成するには、次の操作を行います。
Exchange 管理コンソールを開きます。
コンソール ツリーで [組織の構成] をクリックし、[ハブ トランスポート] をクリックします。
結果ウィンドウで、[リモート ドメイン] タブをクリックします。
結果ウィンドウで、構成するリモート ドメイン エントリを選択します。操作ウィンドウで、[プロパティ] をクリックし、リモート ドメインの [プロパティ] ページの [メッセージ形式] タブをクリックします。
[メッセージ形式のオプション] の [メッセージ形式] タブで、このリモート ドメインに送信されるメッセージに使用する設定を選択します。次のオプションを利用できます。
- [メッセージの送信者名を表示する] 既定値は有効です。
- [メッセージ テキストの折り返しを使用する列] 既定値は指定されていません。これは、値「無制限」に対応します。
- 文字セット
- [MIME 文字セット] 既定のリモート ドメインの場合、値はオペレーティング システムの地域の設定に一致するように設定されています。たとえば、[西ヨーロッパ言語 (ISO)] などです。ユーザー作成のリモート ドメインの場合、既定値は [なし] です。
[非 MIME 文字セット] : 既定のリモート ドメインの場合、[西ヨーロッパ言語 (ISO)] など、値はオペレーティング システムの地域の設定に一致するように設定されています。ユーザー作成のリモート ドメインの場合、既定値は [なし] です。
[OK] をクリックします。
メール ユーザーおよびメール連絡先のメッセージ エンコーディング オプション
メール ユーザーおよびメール連絡先のメッセージ エンコーディング オプションを設定するには、Exchange 管理シェルを使用する必要があります。
次の表では、メール ユーザーおよびメール連絡先に対して Exchange 管理シェルで使用できるメッセージ エンコーディング オプションについて説明しています。
Exchange 管理シェルのメール ユーザーおよびメール連絡先用メッセージ エンコーディング オプション
ソース | パラメータ | 説明 |
---|---|---|
New-MailUser Set-MailUser Enable-MailUser New-MailContact Set-MailContact Enable-MailContact |
UsePreferMessageFormat |
このパラメータの有効な入力は、 このパラメータを このパラメータが
|
New-MailUser Set-MailUser Enable-MailUser New-MailContact Set-MailContact Enable-MailContact |
MessageFormat |
このパラメータには、メール ユーザーまたはメール連絡先に送信されるメッセージのメッセージ形式を指定します。有効な値は次のいずれかです。
MessageBodyFormat パラメータが |
New-MailUser Set-MailUser Enable-MailUser New-MailContact Set-MailContact Enable-MailContact |
MessageBodyFormat |
このパラメータには、メール ユーザーまたはメール連絡先に送信されるメッセージのメッセージ本文の形式を指定します。このパラメータに有効な値は以下のとおりです。
既定値は MessageFormat パラメータが MessageFormat パラメータが |
New-MailUser Set-MailUser Enable-MailUser New-MailContact Set-MailContact Enable-MailContact |
MacAttachmentFormat |
このパラメータには、メール ユーザーまたはメール連絡先に送信されるメッセージの、Apple Macintosh オペレーティング システムの添付ファイルの形式を指定します。このパラメータに有効な値は以下のとおりです。
既定値は MessageFormat パラメータが MessageFormat パラメータが |
Outlook で使用できるメッセージ エンコーディング オプション
次の手順で説明するように、作成する新しいメッセージすべてに適用される既定のメッセージ形式として TNEF を設定できます。
Outlook 2007 を使用して既定のメッセージ形式をテキストまたは HTML に設定するには、次の操作を行います。
Microsoft Office Outlook 2007 で、ツール バーの [ツール] をクリックし、[オプション] をクリックします。
[メール形式] タブをクリックします。
[メッセージ形式] で、[このメッセージ形式で作成する] ボックスの一覧の [テキスト] または [HTML] をクリックします。
[OK] をクリックします。
注 : |
---|
Outlook 2003 および以前のバージョンの Outlook では、手順 3. のボックスの名前は [このメッセージ形式で送信する] です。 |
次の手順で説明するように、個々のメッセージを作成中に、そのメッセージに適用されている既定のメッセージ形式を変更できます。
Outlook 2007 を使用してメッセージを作成しているときに、そのメッセージ形式をテキストまたは HTML に設定するには、次の操作を行います。
Outlook 2007 で、[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[メッセージ] をクリックします。
新しいメッセージ ウィンドウで、[オプション] メニューの [テキスト] または [HTML] をクリックします。
Exchange 組織外のすべての受信者に送信されるメッセージのメッセージ エンコーディング オプションを指定できます。これらのオプションは、インターネット メッセージ形式オプションと呼ばれます。これらはリモート受信者にのみ適用され、Exchange 組織の受信者には適用されません。次の手順では、これらのオプションについて説明しています。
Outlook 2007 を使用して既定のインターネット メッセージ形式のオプションを設定するには、次の操作を行います。
Outlook 2007 で、ツール バーの [ツール] をクリックし、[オプション] をクリックします。
[メール形式] タブをクリックします。
[メッセージ形式] で、[インターネットメール形式] をクリックします。
- [テキスト形式オプション] で、インターネットに送信されるテキスト形式メッセージに適用する既定のオプションを選択します。次のオプションを利用できます。
[nn 文字で自動的に文字列を折り返す] プレースホルダ nn の既定値は 76 です。有効な入力値の範囲は 30 ~ 132 文字です。
[テキスト形式のメッセージを送信する際、添付ファイルを UUENCODE でエンコードする] 既定では、このチェック ボックスはオフになっています。Uuencode は、メッセージ本文でバイナリ添付ファイルを US-ASCII テキストに変換するエンコーディング アルゴリズムです。Uuencode は、RFC 2822 で定義されているプレーンな US-ASCII テキスト メッセージにのみ使用できます。MIME でエンコードされたメッセージは Uuencode を使用できません。 - [OK] をクリックします。
- [テキスト形式オプション] で、インターネットに送信されるテキスト形式メッセージに適用する既定のオプションを選択します。次のオプションを利用できます。
[メッセージ形式] で、[国際電話番号の形式] をクリックします。
[OK] をクリックします。
Exchange 組織外の特定の受信者に送信されるメッセージのメッセージ エンコーディング オプションを制御できます。これらのオプションはインターネット受信者メッセージ形式オプションと呼ばれます。これらはリモート受信者にのみ適用され、Exchange 組織の受信者には適用されません。次の手順では、これらのオプションについて説明しています。
Outlook 2007 を使用してインターネット受信者のメッセージ エンコーディング オプションを設定するには、次の操作を行います。
次のいずれかの方法を使用します。
- [連絡先] フォルダに保存されているインターネット受信者については、連絡先を開き、[電子メール] ボックスの電子メール アドレスを右クリックし、[送信オプション] を選択します。
- [宛先]、[CC]、または [BCC] に表示されているインターネット受信者については、メッセージの作成時にその受信者を右クリックし、[送信オプション] を選択します。.
[この受信者へのメッセージに形式を指定] を選択します。
[メッセージ形式] で、次のいずれかのオプションを選択します。
- MIME このオプションは、この受信者に送信するメッセージの MIME エンコーディングを指定します。これは既定のオプションです。MIME を選択した場合、[メッセージ本文] で、次のいずれかのオプションを選択する必要があります。
[テキスト] このオプションは、MIME でエンコードされたメッセージ本文がテキスト形式の書式を使用する必要があることを指定します。メッセージ本文は、書式が設定されていないテキストのみを含むことができます。
[テキストと HTML の両方] このオプションは、メッセージが、メッセージ本文のテキスト形式バージョンと HTML 書式設定されたバージョンを含むマルチパート MIME メッセージであることを指定します。
[HTML] このオプションは、MIME でエンコードされたメッセージ本文が HTML 書式を使用する必要があることを指定します。メッセージ本文には、さまざまなフォント、埋め込まれたグラフィック、およびその他の書式オプションを含めることができます。 - [テキスト/UUEncode] このオプションは、メッセージが、RFC 2822 で指定されている US-ASCII テキストのみから構成されているメッセージである必要があることを指定します。Uuencode エンコーディング アルゴリズムは、任意の添付ファイルに使用されます。
-既定では、Macintosh ファイル用の [BINHEX] 添付ファイル形式が選択されています。Macintosh ファイルの添付ファイルの形式を強制的に UUEncode にするには、[BINHEX] の横のチェック ボックスをオフにします。
- MIME このオプションは、この受信者に送信するメッセージの MIME エンコーディングを指定します。これは既定のオプションです。MIME を選択した場合、[メッセージ本文] で、次のいずれかのオプションを選択する必要があります。
[OK] をクリックします。
注 : |
---|
Outlook 2007 では、個人用アドレス帳 (.pab) ファイルを使用できません。一方、Outlook 2003 および以前のバージョンの Outlook は, .pab ファイルを完全にサポートしています。連絡先の保存場所が連絡先フォルダでも .pab ファイルでも、上記で説明した手順は同じです。 |
既定では、Outlook は送信メッセージのテキスト全体をスキャンしてそのメッセージに使用する適切なエンコーディングを決定することで、自動文字セット メッセージ エンコーディングを使用します。この設定は、インターネット受信者、および Exchange 組織の受信者に送信されるメッセージに適用されます。
Outlook 2007 を使用して既定のメッセージ文字セット エンコーディングを設定するには、次の操作を行います。
Outlook 2007 で、ツール バーの [ツール] をクリックし、[オプション] をクリックします。
[メール形式] タブをクリックします。
[メッセージ形式] で、[文字設定オプション] をクリックします。[エンコード オプション] で、送信メッセージの既定のエンコーディング オプションを選択します。次のオプションを利用できます。
- [送信メッセージのエンコード方法を自動選択する] 既定では、このチェック ボックスはオンになっています。Outlook は、送信メッセージのテキスト全体をスキャンし、メッセージに最も適した文字セットを決定します。Outlook の自動エンコーディング選択が正しく機能するためには、適切なインターナショナル サポート NLS ファイルおよびフォントがクライアント コンピュータにインストールされている必要があります。
- [送信メッセージで優先使用するエンコード方法] このエンコーディング オプションは、すべての送信メッセージに既定の MIME 文字セットを指定します。このエンコーディングが使用されるのは、エンコーディング方法の自動選択がオンではない場合、またはエンコーディング方法の自動選択が複数の適切なエンコーディング方法を検出した場合です。
[OK] をクリックします。
個別メッセージの既定の文字セット メッセージ エンコーディングを変更することができますが、これは送信メッセージの既定の優先エンコーディングを指定している場合に限られます。次の手順で説明するように、メッセージの作成中に、既定の文字セット メッセージ エンコーディングを変更できます。
Outlook 2007 を使用してメッセージを作成しているときに、メッセージ文字セット エンコーディングを設定するには、次の操作を行います。
Outlook 2007 で、ツール バーの [ツール] をクリックし、[オプション] をクリックします。
[メール形式] タブをクリックします。
[メッセージ形式] で、[文字設定オプション] をクリックします。[エンコード オプション] で、[送信メッセージのエンコード方法を自動選択する] をオフにします。
[OK] をクリックして、[文字設定オプション] ウィンドウを閉じます。
[OK] をクリックして、[オプション] ウィンドウを閉じます。
[ファイル] メニューの [新規] をポイントし、[メール メッセージ] をクリックします。
新しいメッセージ ウィンドウで、[エンコード] メニューを選択して、使用する文字セットを選択します。
メッセージ エンコーディング オプションの優先順位
Exchange 2007 では、Exchange 組織外の受信者への送信メッセージに適用されるメッセージ エンコーディング オプションは、次に示す優先順位に従って決まります。
- リモート ドメイン設定
- Outlook の設定
- メール ユーザーまたはメール連絡先の設定
このリストでは、優先順位が高い順に上から下へ並べられています。優先順位の高い設定が低い設定よりも優先されます。
次の表で、最も低い順位から最も高い順位へ、メッセージ文字セット エンコーディング オプションの優先順位を説明します。
メッセージ文字セット エンコーディング オプションの、最も低い順位から最も高い順位への優先順位
ソース | パラメータ | 値 |
---|---|---|
Set-RemoteDomain |
CharacterSet |
指定済み |
Set-RemoteDomain |
NonMimeCharacterSet |
指定済み |
Outlook の設定 |
メッセージ文字セット エンコーディング |
|
注 : |
---|
Set-RemoteDomain コマンドレットの NonMimeCharacterSet パラメータの値は、文字セットを次の種類のメッセージに割り当てるために使用されます。 • 指定された文字セットが含まれない、構成済みのリモート ドメインへの送信メッセージ • 指定された文字セットが含まれない、構成済みのリモート ドメインからの受信メッセージ ハブ トランスポート サーバーの Windows ANSI コード ページの値は、文字セットを次の種類のメッセージに割り当てるために使用されます。 • 指定された文字セットが含まれない、内部メッセージ • 指定された文字セットが含まれるが、指定されたサーバー コード ページが含まれない、内部メッセージ メッセージに、指定されているが無効な文字セットが含まれる場合、ハブ トランスポート サーバーは無効な文字セットを有効な文字セットに置換しようとします。 |
次の表で、最も低い順位から最も高い順位へ、テキスト形式のメッセージ エンコーディング オプションの優先順位を説明します。
テキスト形式のメッセージ エンコーディング オプションの、最も低い順位から最も高い順位への優先順位
ソース | パラメータ | 値 |
---|---|---|
Set-RemoteDomain |
LineWrapSize |
|
Outlook の設定 |
メッセージ形式 |
テキスト |
Outlook の設定 |
インターネット メッセージ形式 |
テキスト形式オプション :
|
Outlook の設定 |
インターネット受信者のメッセージ形式 |
テキスト形式
|
Set-MailUser Set-MailContact |
UsePreferMessageFormat |
|
Set-MailUser Set-MailContact |
MessageFormat |
Text |
Set-MailUser Set-MailContact |
MessageBodyFormat |
Text |
Set-MailUser Set-MailContact |
MacAttachmentFormat |
|
次の表で、最も低い順位から最も高い順位へ、MIME メッセージ エンコーディング オプションの優先順位を説明します。
MIME メッセージ エンコーディング オプションの、最も低い順位から最も高い順位への優先順位
ソース | パラメータ | 値 |
---|---|---|
Set-RemoteDomain |
ContentType |
|
Outlook の設定 |
メッセージ形式 |
|
Outlook の設定 |
インターネット受信者のメッセージ形式 |
MIME メッセージ形式
|
Set-MailUser Set-MailContact |
UsePreferMessageFormat |
|
Set-MailUser Set-MailContact |
MessageFormat |
Mime |
Set-MailUser Set-MailContact |
MessageBodyFormat |
|
Set-MailUser Set-MailContact |
MacAttachmentFormat |
|
詳細情報
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