<開発者向け> Microsoft Office Outlook 2007 の新機能 (1/2)

[アーティクル]
07/20/2010

Randy Byrne, Program Manager
Microsoft Corporation

May 2006

適用対象:
Microsoft Office Outlook 2007

要約: この記事では、Microsoft Office Outlook 2007 の開発者向け拡張機能および追加機能に関する概要を説明します。また、Outlook のオブジェクトモデルの新規および拡張オブジェクトの一部と、それらのプロパティ、メソッド、およびイベントについて詳しく説明します。この記事には、What's New Add-Ins が付属しています。What's New Add-Ins は、Microsoft ダウンロードセンターからダウンロードできます。Outlook プラットフォームについての事前資料が必要な場合には、この記事とアドインで Outlook 2007 のコーディングを開始する際の詳細情報を得ることができます。

Outlook2007WhatsNewAddin.msi をダウンロードする。

Outlook2007WhatsNewAddin.msi サンプルファイルをダウンロードする。(サイズ未定)
Outlook2007WhatsNewAddin
MSDNSamples\Office2003

はじめに

Microsoft Office Outlook 2007 では新たに、オブジェクトモデルやフォームテクノロジにおける大幅な向上が図られています。これは、開発者の要望に応え、Outlook ベースのソリューションに対するより包括的なプラットフォームを提供するためです。拡張された Outlook 2007 の特長は、次のとおりです。

統合。Microsoft Collaboration Data Objects (CDO) 1.21、Microsoft Exchange Client Extensions、またはその他のサードパーティ製ライブラリに依存せずにソリューションを完成できるようになります。CDO 1.21 などの API は、マネージソリューション用にサポートされません。Outlook オブジェクトモデルが、Microsoft .NET の開発用に完全にサポートされます。
パフォーマンス。フォルダの内容を列挙したり、検索操作を実行したりする際に、他の API を使用する必要がなくなります。
信頼性とセキュリティ。Outlook のオブジェクトモデルが、電子メールを媒体としたワームやウイルスの感染手段として使用されないようにします。
フォーム。アプリケーションのカスタマイズやフォームの展開がより柔軟に行えるようになり、より充実した最新のユーザーインターフェイスがサポートされます。
革新。検索、タスクのフラグ設定、カテゴリごとの色分け、カレンダーの並列配置、Outlook オブジェクトモデルの共有などの Outlook の新機能を、プログラムを使用して組み込めるようになります。

Outlook 2007 のオブジェクトモデルには 85 を超える新しいオブジェクトが含まれており、オブジェクトモデルのサイズは 2 倍以上になっています。この記事では、すべての新しいオブジェクトではなく、いくつかの重要な機能を中心に説明します。リボン拡張機能 (RibbonX)、フォーム領域、セキュリティなどの詳細については、MSDN で参照可能なその他の記事で説明します。

Outlook オブジェクトモデルの拡張と追加

以前のバージョンの Outlook では、ソリューションを完成させるために他の API を使用しなければならないことがしばしばありました。Outlook 2007 では、CDO 1.21 などの API と、Exchange Client Extensions や Extended MAPI のパーツが Outlook オブジェクトモデルに統合されます。この統合を実現するため、Outlook 2007 のオブジェクトモデルには 85 を超える新しいオブジェクトが含まれています。

こうした統合は、Outlook の開発者にとってなぜ重要なのでしょうか。開発者の仕事は、仕様に従ってソリューションのビジネスロジックを実装することです。パフォーマンス、安定性、セキュリティなど、その他の重要な要素にも注意を払います。開発作業を最も効率的かつタイムリに完成させることのできるプラットフォームも探します。以前のバージョンの Outlook では、途中でいくつかの障害にぶつかることがありました。Outlook 2007 で実現されるプラットフォームへの投資により、作業がより簡単になり、難しい Outlook のオブジェクトモデルに多くの時間を費やすことなく、整然とコーディングされたソリューションの作成に集中できるようになります。統合された Outlook のオブジェクトモデルは、Outlook の開発におけるほとんどのニーズを満たします。Outlook のオブジェクトモデルは、ネイティブ開発者およびマネージコード開発者向けに完全にサポートされています。次バージョンの Microsoft Visual Studio Tools for the Microsoft Office System (Visual Studio Tools for Office) では、Outlook 2007 上に構築されるプロフェッショナルなソリューションを作成するための完全な開発環境が提供されます。

下記の表は、メンバが追加されて拡張された既存のオブジェクト、およびオブジェクトモデルに追加された新しいオブジェクトとコレクションを示しています。これらのオブジェクトやメンバのほとんどは、Beta 2 リリースの Outlook 2007 に既存のものです。オブジェクトブラウザでこれらが存在することを確認してください。

既存オブジェクトの拡張

表 1 は、以前のバージョンの Outlook で使用可能であったオブジェクトおよびコレクションの拡張を示しています。"拡張" の列には、新しいメソッド、プロパティ、およびイベントのみを示してあります。

表 1. Outlook のオブジェクトおよびコレクションの拡張

オブジェクト	拡張
AddressEntry オブジェクト	メソッド GetContact、GetExchangeDistributionList、GetExchangeUser プロパティ AddressEntryUserType、PropertyAccessor
AddressList オブジェクト	メソッド GetContactsFolder プロパティ AddressListType、IsInitialAddressList、PropertyAccessor、ResolutionOrder
Application オブジェクト	メソッド GetObjectReference プロパティ Assistance、DefaultProfileName、IsTrusted、TimeZones イベント AttachmentContextMenuDisplay、BeforeFolderSharingDialog、ContextMenuClose、FolderContextMenuDisplay、ItemContextMenuDisplay、ItemLoad、ShortcutContextMenuDisplay、StoreContextMenuDisplay、ViewContextMenuDisplay
AppointmentItem オブジェクト	プロパティ EndTimeZone、EndUTC、ForceUpdateToAllAttendees、GlobalAppointmentID、PropertyAccessor、SendUsingAccount、StartTimeZone、StartUTC イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
Attachment オブジェクト	プロパティ BlockLevel、PropertyAccessor、Size
ContactItem オブジェクト	メソッド AddBusinessCardLogoPicture、ClearTaskFlag、ForwardAsBusinessCard、MarkAsTask、ResetBusinessCard、SaveBusinessCardImage、ShowBusinessCardEditor、ShowCheckPhoneDialog プロパティ BusinessCardLayoutXML、BusinessCardType、IsMarkedAsTask、PropertyAccessor、ReminderOverrideDefault、ReminderPlaySound、ReminderSet、ReminderSoundFile、ReminderTime、TaskCompletedDate、TaskDueDate、TaskStartDate、TaskSubject、ToDoTaskOrdinal イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
DistListItem オブジェクト	メソッド ClearTaskFlag、MarkAsTask プロパティ IsMarkedAsTask、PropertyAccessor、ReminderOverrideDefault、ReminderPlaySound、ReminderSet、ReminderSoundFile、ReminderTime、TaskCompletedDate、TaskDueDate、TaskStartDate、TaskSubject、ToDoTaskOrdinal イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
DocumentItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
Explorer オブジェクト	メソッド ClearSearch、Search プロパティ NavigationPane
Folder オブジェクト (以前のバージョンの Outlook の MAPIFolder オブジェクトは、このオブジェクトに置き換わります。今後すべてのアプリケーションでは、Folder オブジェクトを使用してください。)	メソッド GetCalendarExporter、GetStorage、GetTable プロパティ PropertyAccessor、Store、UserDefinedProperties イベント BeforeFolderMove、BeforeItemMove
Inspector オブジェクト	メソッド NewFormRegion、OpenFormRegion、SaveFormRegion イベント PageChange
JournalItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
MailItem オブジェクト	メソッド AddBusinessCard、ClearTaskFlag、MarkAsTask プロパティ IsMarkedAsTask、PropertyAccessor、SendUsingAccount、TaskCompletedDate、TaskDueDate、TaskStartDate、TaskSubject、ToDoTaskOrdinal イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
MeetingItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
Namespace オブジェクト	メソッド CompareEntryIDs、CreateSharingItem、GetAddressEntryFromID、GetGlobalAddressList、GetSelectNamesDialog、GetStoreFromID、OpenSharedFolder、OpenSharedItem、SendAndReceive プロパティ Accounts、AutoDiscoverXml、Categories、CurrentProfileName、DefaultStore、ExchangeMailboxServerName、ExchangeMailboxServerVersion、Stores
NoteItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor
PostItem オブジェクト	オブジェクト ClearTaskFlag、MarkAsTask プロパティ IsMarkedAsTask、PropertyAccessor、ReminderOverrideDefault、ReminderPlaySound、ReminderSet、ReminderSoundFile、ReminderTime、TaskCompletedDate、TaskDueDate、TaskStartDate、TaskSubject、ToDoTaskOrdinal イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
Recipient オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor
RemoteItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
ReportItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
Search オブジェクト	メソッド GetTable
TaskItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor、SendUsingAccount、ToDoTaskOrdinal イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
TaskRequestAcceptItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
TaskRequestDeclineItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
TaskRequestItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
TaskRequestUpdateItem オブジェクト	プロパティ PropertyAccessor イベント AttachmentRemove、BeforeAttachmentAdd、BeforeAttachmentPreview、BeforeAttachmentRead、BeforeAttachmentWriteToTempFile、BeforeAutoSave、Unload
View オブジェクト	プロパティ Filter

新しいオブジェクトとコレクション

表 2 は、Outlook 2007 で導入された新しいオブジェクト、コレクション、およびインターフェイスを示しています。すべてのオブジェクトメンバを "メソッド、プロパティ、およびイベント" の列に示してあります。

表 2. Outlook 2007 で導入された新しいオブジェクト、コレクション、およびインターフェイス

オブジェクト、コレクション、またはインターフェイス	メソッド、プロパティ、およびイベント
Account オブジェクト	プロパティ AccountType、Application、Class、DisplayName、Parent、Session、SmtpAddress、UserName
AccountRuleCondition オブジェクト	プロパティ Account、Application、Class、ConditionType、Enabled、Parent、Session
Accounts コレクション	メソッド Item プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
AddressRuleCondition オブジェクト	プロパティ Address、Application、Class、ConditionType、Enabled、Parent、Session
AssignToCategoryRuleAction オブジェクト	プロパティ ActionType、Application、Categories、Class、Enabled、Parent、Session
AttachmentSelection オブジェクト	メソッド Item プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
AutoFormatRule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Enabled、Filter、Font、Name、Parent、Session、Standard
AutoFormatRules コレクション	メソッド Add、Insert、Item、Remove、RemoveAll、Save プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
BusinessCardView オブジェクト	メソッド Apply、Copy、Delete、GoToDate、Reset、Save プロパティ Application、CardSize、Class、Filter、HeadingsFont、Language、LockUserChanges、Name、Parent、SaveOption、Session、SortFields、Standard、ViewType、XML
CalendarModule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、NavigationGroups、NavigationModuleType、Parent、Position、Session、Visible
CalendarSharing オブジェクト	メソッド ForwardAsICal、SaveAsICal プロパティ Application、CalendarDetail、Class、EndDate、Folder、IncludeAttachments、IncludePrivateDetails、IncludeWholeCalendar、Parent、RestrictToWorkingHours、Session、StartDate
CalendarView オブジェクト	メソッド Apply、Copy、Delete、GoToDate、Reset、Save プロパティ Application、AutoFormatRules、BoldDatesWithItems、BoldSubjects、CalendarViewMode、Class、DaysInMultiDayMode、DayWeekFont、DayWeekTimeFont、DayWeekTimeScale、DisplayedDates、EndField、Filter、Language、LockUserChanges、MonthFont、MonthShowEndTime、Name、Parent、SaveOption、Session、Standard、StartField、ViewType、XML
CardView オブジェクト	メソッド Apply、Copy、Delete、GoToDate、Reset、Save プロパティ AllowInCellEditing、Application、AutoFormatRules、BodyFont、Class、Filter、HeadingsFont、Language、LockUserChanges、MultiLineFieldHeight、Name、Parent、SaveOption、Session、ShowEmptyFields、SortFields、Standard、ViewFields、ViewType、Width、XML
Categories コレクション	メソッド Add、Item、Remove プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
Category オブジェクト	プロパティ Application、CategoryID、Class、Color、Name、Parent、Session、ShortcutKey
CategoryRuleCondition オブジェクト	プロパティ Application、Categories、Class、ConditionType、Enabled、Parent、Session
Column オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、Parent、Session
ColumnFormat オブジェクト	プロパティ Align、Application、Class、FieldFormat、FieldType、Label、Parent、Session、Width
Columns コレクション	メソッド Add、Item、Remove、RemoveAll プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
ContactsModule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、NavigationGroups、NavigationModuleType、Parent、Position、Session、Visible
ExchangeDistributionList オブジェクト	メソッド Delete、Details、GetContact、GetExchangeDistributionList、GetExchangeDistributionListMembers、GetExchangeUser、GetFreeBusy、GetMemberOfList、GetMembers、GetOwners、Update プロパティ Address、AddressEntryUserType、Alias、Application、Class、Comments、DisplayType、ID、Name、Parent、PrimarySmtpAddress、PropertyAccessor、Session、Type
ExchangeUser オブジェクト	メソッド Delete、Details、GetContact、GetDirectReports、GetExchangeDistributionList、GetExchangeUser、GetExchangeUserManager、GetFreeBusy、GetMemberOfList、Update プロパティ Address、AddressEntryUserType、Alias、Application、AssistantName、BusinessTelephoneNumber、City、Class、Comments、CompanyName、Department、DisplayType、FirstName、ID、JobTitle、LastName、MobileTelephoneNumber、Name、OfficeLocation、Parent、PostalCode、PrimarySmtpAddress、PropertyAccessor、Session、StateOrProvince、StreetAddress、Type、YomiCompanyName、YomiDepartment、YomiDispayName、YomiFirstName、YomiLastName
FormNameRuleCondition オブジェクト	プロパティ Application、Class、ConditionType、Enabled、FormName、Parent、Session
FormRegion オブジェクト	メソッド Reflow、Select、SetItemControlProperty プロパティ Application、Class、Detail、DisplayName、EnableAutoLayout、Form、FormRegionMode、Inspector、InternalName、IsExpanded、Item、Language、Parent、Session、SuppressControlReplacement イベント Close、Expanded
FormRegionStartup インターフェイス	メソッド BeforeFormRegionStartup、GetFormRegionStorage
FromRssFeedRuleCondition オブジェクト	プロパティ Application、Class、ConditionType、Enabled、FromRssFeed、Parent、Session
IconView オブジェクト	メソッド Apply、Copy、Delete、GoToDate、Reset、Save プロパティ Application、Class、Filter、IconPlacement、IconViewType、Language、LockUserChanges、Name、Parent、SaveOption、Session、SortFields、Standard、ViewType、XML
ImportanceRuleCondition オブジェクト	プロパティ Application、Class、ConditionType、Enabled、Importance、Parent、Session
JournalModule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、NavigationGroups、NavigationModuleType、Parent、Position、Session、Visible
MailModule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、NavigationGroups、NavigationModuleType、Parent、Position、Session、Visible
MarkAsTaskRuleAction オブジェクト	プロパティ ActionType、Application、Class、Enabled、FlagTo、MarkInterval、Parent、Session
MoveOrCopyRuleAction オブジェクト	プロパティ ActionType、Application、Class、Enabled、Folder、Parent、Session
NavigationFolder オブジェクト	プロパティ Application、Class、DisplayName、Folder、IsRemovable、IsSelected、IsSideBySide、Parent、Position、Session
NavigationFolders コレクション	メソッド Add、Item、Remove プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
NavigationGroup オブジェクト	プロパティ Application、Class、GroupType、Name、NavigationFolders、Parent、Position、Session
NavigationGroups コレクション	メソッド Create、Delete、GetDefaultNavigationGroups、Item プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session イベント NavigationFolderAdd、NavigationFolderRemove、SelectedChange
NavigationModule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、NavigationModuleType、Parent、Position、Session、Visible
NavigationModules コレクション	メソッド GetNavigationModule、Item プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
NavigationPane オブジェクト	プロパティ Application、Class、CurrentModule、DisplayedModuleCount、IsCollapsed、Modules、Parent、Session イベント ModuleSwitch
NewItemAlertRuleAction オブジェクト	プロパティ ActionType、Application、Class、Enabled、Parent、Session、Text
NotesModule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、NavigationGroups、NavigationModuleType、Parent、Position、Session、Visible
OlkBusinessCardControl オブジェクト	プロパティ MouseIcon、MousePointer イベント Click、DoubleClick、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkCategory オブジェクト	プロパティ AutoSize、BackColor、BackStyle、Enabled、ForeColor、MouseIcon、MousePointer、TextAlign イベント Change、Click、DoubleClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkCheckBox オブジェクト	プロパティ Accelerator、Alignment、BackColor、BackStyle、Caption、Enabled、Font、ForeColor、MouseIcon、MousePointer、TripleState、Value、WordWrap イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Change、Click、DoubleClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkComboBox オブジェクト	メソッド AddItem、Clear、Copy、Cut、DropDown、GetItem、Paste、RemoveItem、SetItem プロパティ AutoSize、AutoTab、AutoWordSelect、BackColor、BorderStyle、DragBehavior、Enabled、EnterFieldBehavior、Font、ForeColor、HideSelection、ListCount、ListIndex、Locked、MaxLength、MouseIcon、MousePointer、SelectionMargin、SelLength、SelStart、SelText、Style、Text、TextAlign、TopIndex、Value イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Change、Click、DoubleClick、DropButtonClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkCommandButton オブジェクト	プロパティ Accelerator、AutoSize、Caption、Enabled、Font、MouseIcon、MousePointer、Picture、TextAlign、WordWrap イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Click、DoubleClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkContactPhoto オブジェクト	プロパティ Enabled、MouseIcon、MousePointer イベント Change、Click、DoubleClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkDateControl オブジェクト	メソッド DropDown プロパティ AutoSize、AutoWordSelect、BackColor、BackStyle、Date、DragBehavior、Enabled、EnterFieldBehavior、Font、ForeColor、HideSelection、Locked、MouseIcon、MousePointer、ShowNoneButton、Text、TextAlign、Value イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Change、Click、DoubleClick、DropButtonClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkFrameHeader オブジェクト	プロパティ Alignment、Caption、Enabled、Font、ForeColor、MouseIcon、MousePointer
OlkInfoBarオブジェクト	プロパティ MouseIcon、MousePointer イベント Click、DoubleClick、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkLabel オブジェクト	プロパティ Accelerator、AutoSize、BackColor、BackStyle、BorderStyle、Caption、Enabled、Font、ForeColor、MouseIcon、MousePointer、TextAlign、UseHeaderColor、WordWrap イベント Click、DoubleClick、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkListBox オブジェクト	メソッド AddItem、Clear、Copy、GetItem、GetSelected、RemoveItem、SetItem、SetSelected プロパティ BackColor、BorderStyle、Enabled、Font、ForeColor、ListCount、ListIndex、Locked、MatchEntry、MouseIcon、MousePointer、MultiSelect、Text、TextAlign、TopIndex、Value イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Change、Click、DoubleClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkOptionButton オブジェクト	プロパティ Accelerator、Alignment、BackColor、BackStyle、Caption、Enabled, Font、ForeColor、GroupName、MouseIcon、MousePointer、Value、WordWrap イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Change、Click、DoubleClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkPageControl オブジェクト	プロパティ Page
OlkSenderPhoto オブジェクト	プロパティ Enabled、MouseIcon、MousePointer、PreferredHeight、PreferredWidth イベント Change、Click、DoubleClick、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkTextBox オブジェクト	メソッド Clear、Copy、Cut、Paste プロパティ AutoSize、AutoTab、AutoWordSelect、BackColor、BorderStyle、DragBehavior、Enabled、EnterFieldBehavior、EnterKeyBehavior、Font、ForeColor、HideSelection、IntegralHeight、Locked、MaxLength、MouseIcon、MousePointer、Multiline、PasswordChar、Scrollbars、SelectionMargin、SelLength、SelStart、SelText、TabKeyBehavior、Text、TextAlign、Value、WordWrap イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Change、Click、DoubleClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OlkTimeControl オブジェクト	メソッド DropDown プロパティ AutoSize、AutoWordSelect、BackColor、BackStyle、Enabled、EnterFieldBehavior、Font、ForeColor、HideSelection、IntervalTime、Locked、MouseIcon、MousePointer、ReferenceTime、Style、Text、TextAlign、Time、Value イベント AfterUpdate、BeforeUpdate、Change、Click、DoubleClick、DropButtonClick、Enter、Exit、KeyDown、KeyPress、KeyUp、MouseDown、MouseMove、MouseUp
OrderField オブジェクト	プロパティ Application、Class、ColumnFormat、IsDescending、Parent、Session、ViewXMLSchemaName
OrderFields コレクション	メソッド Add、Insert、Item、Remove、RemoveAll プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
PlaySoundRuleAction オブジェクト	プロパティ ActionType、Application、Class、Enabled、FilePath、Parent、Session
PropertyAccessor オブジェクト	メソッド BinaryToString、DeleteProperties、DeleteProperty、GetProperties、GetProperty、LocalTimeToUTC、SetProperties、SetProperty、StringToBinary、UTCToLocalTime プロパティ Application、Class、Parent、Session
Row オブジェクト	メソッド BinaryToString、GetValues、Item、LocalTimeToUTC、UTCToLocalTime プロパティ Application、Class、Parent、Session
Rule オブジェクト	メソッド Execute プロパティ Actions、Application、Class、Conditions、Enabled、Exceptions、ExecutionOrder、IsLocalRule、Name、Parent、RuleType、Session
RuleAction オブジェクト	プロパティ ActionType、Application、Class、Enabled、Parent、Session
RuleActions コレクション	メソッド Item プロパティ Application、AssignToCategory、CC、Class、ClearCategories、CopyToFolder、Count、Delete、DeletePermanently、DesktopAlert、Forward、ForwardAsAttachment、MarkAsTask、MoveToFolder、NewItemAlert、NotifyDelivery、NotifyRead、Parent、PlaySound、Redirect、Session、Stop
RuleCondition オブジェクト	プロパティ Application、Class、ConditionType、Enabled、Parent、Session
RuleConditions コレクション	メソッド Item プロパティ Account、AnyCategory、Application、Body、BodyOrSubject、Category、CC、Class、Count、FormName、From、FromAnyRSSFeed、FromRssFeed、HasAttachment、Importance、MeetingInviteOrUpdate、MessageHeader、NotTo、OnlyToMe、OnLocalMachine、OnlyToMe、OnOtherMachine、Parent、RecipientAddress、SenderAddress、SenderInAddressList、SentTo、Session、Subject、ToMe、ToOrCc
Rules コレクション	メソッド Create、Item、Remove、Save プロパティ Application、Class、Count、IsRssRulesProcessingEnabled、Parent、Session
SelectNamesDialog オブジェクト	メソッド Display、SetDefaultDisplayMode プロパティ AllowMultipleSelection、Application、BccLabel、Caption、CcLabel、Class、ForceResolution、InitialAddressList、NumberOfRecipientSelectors、Parent、Recipients、Session、ShowOnlyInitialAddressList、ToLabel
SenderInAddressListRuleCondition オブジェクト	プロパティ AddressList、Application、Class、ConditionType、Enabled、Parent、Session
SendRuleAction オブジェクト	プロパティ ActionType、Application、Class、Enabled、Parent、Recipients、Session
SharingItem オブジェクト (基本クラス MailItem に追加されたメンバ、または基本クラス MailItem とは異なるメンバのみリスト)	メソッド Allow、Deny、Forward、OpenSharedFolder、Send プロパティ AllowWriteAccess、BCC、CC、Class、MessageClass、Parent、RemoteID、RemoteName、RemotePath、RequestedFolder、SharingProvider、SharingProviderGUID、Type
StorageItem オブジェクト	メソッド Delete、Save プロパティ Application、Attachments、Body、Class、CreateTime、Creator、EntryID、LastModificationTime、Parent、PropertyAccessor、Session、Size、Subject、UserProperties
Store オブジェクト	メソッド GetRootFolder、GetRules、GetSearchFolders、GetSpecialFolder プロパティ Application、Class、DisplayName、ExchangeStoreType、FilePath、IsCachedExchange、IsDataFileStore、IsInstantSearchEnabled、IsOpen、Parent、PropertyAccessor、Session、StoreID
Stores コレクション	メソッド Item プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session イベント BeforeStoreRemove、StoreAdd
Table オブジェクト	メソッド FindNextRow、FindRow、GetArray、GetNextRow、GetRowCount、MoveToStart、Restrict、Sort プロパティ Application、Class、Columns、EndOfTable、Parent、Session
TableView オブジェクト	メソッド Apply、Copy、Delete、GoToDate、Reset、Save プロパティ AllowInCellEditing、Application、AutoFormatRules、AutomaticColumnSizing、AutomaticGrouping、AutoPreview、AutoPreviewFont、Class、ColumnFont、DefaultExpandCollapseSetting、Filter、GridLineStyle、GroupByFields、HideReadingPaneHeaderInfo、Language、LockUserChanges、MaxLinesInMultiLineView、Multiline、MultiLineWidth、Name、Parent、RowFont、SaveOption、Session、ShowItemsInGroups、ShowNewItemRow、ShowReadingPane、ShowUnreadAndFlaggedMessages、SortFields、Standard、ViewFields、ViewType、XML
TasksModule オブジェクト	プロパティ Application、Class、Name、NavigationGroups、NavigationModuleType、Parent、Position、Session、Visible
TextRuleCondition オブジェクト	プロパティ Application、Class、ConditionType、Enabled、Parent、Session、Text
TimelineView オブジェクト	メソッド Apply、Copy、Delete、GoToDate、Reset、Save プロパティ Application、Class、DefaultExpandCollapseSetting、EndField、Filter、GroupByFields、ItemFont、Language、LockUserChanges、LowerScaleFont、MaxLabelWidth、Name、Parent、SaveOption、Session、ShowLabelWhenViewingByMonth、ShowWeekNumbers、Standard、StartField、TimelineViewMode、UpperScaleFont、ViewType、XML
TimeZone オブジェクト	プロパティ Application、Bias、Class、DaylightBias、DaylightDate、DaylightDesignation、Index、Name、Parent、Session、StandardBias、StandardDate、StandardDesignation
TimeZones オブジェクト	メソッド ConvertTime、Item プロパティ Application、Class、Count、CurrentTimeZone、Parent、Session
ToOrFromRuleCondition オブジェクト	プロパティ Application、Class、ConditionType、Enabled、Parent、Recipients、Session
UserDefinedProperties オブジェクト	メソッド Add、Find、Item、Refresh、Remove プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
UserDefinedProperty オブジェクト	メソッド Delete プロパティ Application、Class、DisplayFormat、Formula、Parent、Session、Type
ViewField オブジェクト	プロパティ Application、Class、ColumnFormat、Parent、PropertyName、Session
ViewFields コレクション	メソッド Add、Insert、Item、Remove プロパティ Application、Class、Count、Parent、Session
ViewFont オブジェクト	プロパティ Application、Bold、Class、Color、Italic、Name、Parent、Session、Size、Strikethrough、Underline

What's New Add-Ins

この記事には、ダウンロード可能なアドインが付属しています。アドインは、2 つの言語による 2 つのバージョンのものが作成されています。Microsoft Visual C# と Microsoft Visual Basic .NET です。アドインを実行するには、Microsoft Visual Studio 2005 および Microsoft Office Outlook 2007 Beta 2 以降が必要になります。

この記事の第 2 部には、What's New Add-Ins のコードサンプルが掲載されています。アドインは、Outlook 2007 のオブジェクトモデルのいくつかの重要な新機能について理解するために役立つラーニングツールです。オブジェクトモデルの新機能は、1 つのサンプルでは網羅しきれないほど多くあるので、アドインでは次のような重要な新機能を対象としています。

ショートカットメニューのカスタマイズ。
Table オブジェクトモデルと簡易検索クエリ。
Outlook オブジェクトモデルで明示的に公開されていないプロパティの取得または設定を可能にする PropertyAccessor オブジェクト。
Outlook 自動仕訳ウィザードでサポートされているほとんどのルールを、プログラムを使用して作成またはアクセスできるようにする Rules オブジェクトモデル。
Outlook アドレス帳を表示し、ダイアログボックスのキャプションや受信者の選択方法をカスタマイズできるようにする SelectNamesDialog オブジェクト。
AddressEntry オブジェクトおよび AddressList オブジェクトの拡張。これらの拡張には ExchangeUser オブジェクトおよび ExchangeDistributionList オブジェクトも含まれますが、この 2 つのオブジェクトは、Exchange ユーザーまたは Exchange 配布リストのプロパティの取得および設定を可能にします。

What's New Add-Ins に加えて、Rules Add-In、Prepare Me Add-In、Travel Agency Add-In などの、MSDN で間もなく公開予定のその他の Outlook アドインでは、オブジェクトモデルのさまざまな新機能とアプリケーションとの連係方法を示すコード例も多数提供されます。

**注: **Visual C# Express Edition または Visual Basic Express Edition を使用してサンプルアドインを開く場合は、セットアップ/配置プロジェクトを構築したり、サンプルアドインをインストールしたりできません。

インストールの手順

Outlook2007WhatsNewAddin.msi をダウンロードしてハードディスクに保存します。
Outlook2007WhatsNewAddin.msi をダブルクリックしてセットアッププログラムを開始します。
画面の指示に従ってインストールを完了します。

**注: **各サンプルソリューションは、ソリューションフォルダおよびサブフォルダに含まれています。サンプルソリューション名のサフィックスにより、サンプルで使用される言語を識別できます。Visual Basic .NET のサンプルのサフィックスは VB で、C# のサンプルのサフィックスは CS です。たとえば、WhatsNewAddinVB フォルダには Visual Basic .NET バージョンが存在し、WhatsNewAddinCS フォルダには C# バージョンが存在します。

サンプルアドインを実行する

このサンプルの実行方法は、次のとおりです。

Outlook 2007 を閉じます。
WhatsNewAddinVB または WhatsNewAddinCS のいずれかの <ソリューション名> のソリューションを開きます。これらのソリューションは、マイドキュメント\Visual Studio 2005\Projects\<ソリューション名> フォルダに存在します。
ソリューションエクスプローラで、<ソリューション名> Setup を選択します。
[ビルド] メニューの [<ソリューション名> Setup のビルド] をクリックします。
ビルドプロセスが完了したら、[プロジェクト] メニューを開いて、[インストール] をクリックし、ソリューションをインストールします。
Outlook を起動してアドインを "実行" モードで起動するか、F5 キーを押してアドインを "デバッグ" モードで起動します。

Outlook が "デバッグ" モードで開かないときは、ソリューションエクスプローラを開いて <ソリューション名> を選択します。次に、[プロジェクト] メニューの [<ソリューション名> のプロパティ] をクリックし、[デバック] タブをクリックして、[開始動作] の [外部プログラムの開始] オプションをクリックします。[...] ボタンをクリックしてフォルダを参照し、次のフォルダの Outlook.exe を選択します。

<ドライブ>:\Program Files\Microsoft Office\Office12

フォーム領域

フォーム領域は、以前のバージョンの Outlook では不可能であった方法で組み込みアイテムとカスタムアイテムをカスタマイズできるようにします。ユーザーインターフェイスの観点から、フォーム領域は、拡張性を備えた Outlook プラットフォームに対する最も重要でエキサイティングな追加機能です。フォーム領域では、インスペクタや閲覧ウィンドウに表示可能な Outlook の標準フォームに、カスタムユーザーインターフェイスを追加できます。以前のバージョンの Outlook では、閲覧ウィンドウのカスタマイズや Outlook の標準フォームへのユーザーインターフェイス機能の追加は困難または不可能でした。Outlook 2007 のフォーム領域では、これらの過去の制限の解消を図っています。この記事では、フォーム領域については詳しく説明しませんが、『Outlook Developer Reference』(英語) に詳細情報が記載されています。

フォーム領域によって実現可能なことを簡単にまとめると、次のようになります。

Outlook の標準フォームのカスタマイズ、または派生メッセージクラスの新しいフォームの作成。
インスペクタや閲覧ウィンドウでのフォーム領域の表示。
フォーム領域での Outlook 2007 の新しいコントロールの使用。フォーム領域のすべてのコントロールは、Microsoft Windows のテーマに沿ったものであり、外観が新しくなっています。Outlook 2007 のコントロールは、MouseUp、MouseDown、KeyPress など、すべての種類のコントロールイベントもサポートしています。Outlook 2007 には、次のものが備わっています。
- 日付と時刻のコントロール
- ページコントロール。予定アイテムのスケジュールページおよびトラッキングページを含みます。
- 電子名刺コントロール
- 連絡先および送信者の写真コントロール
- カテゴリコントロール
- チェックボックス、コンボボックス、コマンドボタン、ラベル、リストボックス、オプションボタン、およびテキストボックスコントロール
- 情報バーコントロール

Travel Agency Sample Add-In

フォーム領域について考えるにあたり、図 1 と 2 にフォーム領域の機能と柔軟性を示しました。これらは、Travel Agency Add-In のスクリーンショットです。Travel Agency Add-In は、間もなく Microsoft ダウンロードセンターからダウンロード可能になります。全体のシナリオとしては、旅行代理店が個人の連絡先アイテムに旅程を保存しています。これらの旅程は、XML 形式の旅程などの隠し添付ファイルとして連絡先アイテムに保存されています。そのため、旅程は、オンラインとオフラインの両方で使用可能であり、ユーザーはどこからでも参照できます。

図 1. Contoso Travel Information は、閲覧ウィンドウまたはインスペクタに表示される隣接フォーム領域です (クリックするとイメージが拡大されます)。

図 1 は、閲覧ウィンドウ内の隣接フォーム領域を示しています。隣接フォーム領域は、Outlook のインスペクタ、または Outlook エクスプローラウィンドウの閲覧ウィンドウに表示できます。この場合、フォーム領域は、受信メッセージがビュー内で選択されているときにのみ表示されます。隣接フォーム領域 Contoso Travel Information は、メッセージクラスが IPM.Note であるアイテムに対して登録されています。メッセージの送信者が [連絡先] フォルダに存在しないため、隣接フォーム領域または特定のメッセージを表示したくない場合は、プログラムを使用し、必要に応じてフォーム領域を非表示にしたり表示したりできます。

図 2. 特定の連絡先の旅程を別のフォーム領域に表示 (クリックするとイメージが拡大されます)

図 2 は、Outlook の標準の連絡先フォームの [Itineraries] ページを示しています。以前のバージョンの Outlook のカスタムフォームとは異なり、[メッセージ]、[予定]、[連絡先] など、Outlook のあらゆる標準フォームにフォーム領域を関連付けることができます。また、フォーム領域は、IPM.Contact.TravelAgency などの、派生メッセージクラス用のカスタムフォームにも使用できます。Travel Agency Add-In の場合、フォーム領域は既定の連絡先アイテムである IPM.Contact に対して登録されています。

別のフォーム領域には、カスタムアイコンを関連付けることもできます。フォーム領域の XML にアイコンを含めると、リボンの [表示] グループにカスタムアイコンが自動的に表示され、ユーザーは別のフォーム領域に移動できるようになります。

図 2 に示されているフォーム領域のもう 1 つの重要な機能は、電子名刺コントロールの使用です。このコントロールは、設計時にフォーム領域に配置されます。ユーザーが何もしなくても、コントロールに連絡先の正確な情報が入力されます。以前のバージョンの Outlook のカスタムフォームとは異なり、フォーム領域ではカスタマイズの結果が Outlook のユーザーインターフェイスの統合コンポーネントとして表示されます。

FormRegionStartup インターフェイス

フォーム領域を作成するには、FormRegionStartup インターフェイスをアドインに実装する必要があります。FormRegionStartup は、アドインが記憶域やフォーム領域のユーザーインターフェイスを指定できるようにしたり、そのフォーム領域用のオブジェクトを取得したり、フォームまたは閲覧ウィンドウにフォーム領域がいつ表示されるようにするかを決定したりするインターフェイスです。FormRegionStartup オブジェクトは、抽象型クラスです。つまり、このオブジェクトを直接インスタンス化することはできません。

クライアントコンピュータの Outlook フォームでフォーム領域を展開するアドインは、FormRegionStartup インターフェイスを実装する必要があります。FormRegionStartup は、BeforeFormRegionShow と GetFormRegionStorage の2 つのメソッドから構成されています。Outlook がアドインを読み込むとき、Outlook は IDTExtensibility2 インターフェイスに FormRegionStartup を照会します。

このアドインは、GetFormRegionStorage 内のフォーム領域用の記憶域とレイアウトファイルを示します。GetFormRegionStorage が呼び出されると、Outlook は記憶域を割り当て、フォーム領域のレイアウトを計算し、フォーム領域のオブジェクトをインスタンス化します。そして、アドインに割り当てられる記憶域を示す値を戻します。GetFormRegionStorage が成功すると、インスペクタウィンドウまたは閲覧ウィンドウにフォーム領域が表示される前に、Outlook は BeforeFormRegionShow を呼び出して、フォーム領域の FormRegion オブジェクトをアドインに渡します。アドインは、フォーム領域が表示される前に、その時点でフォーム領域のコントロールを更新したり、フォーム領域の表示を設定したりします。

アドインは、フォーム領域のフレームを閉じる際に、フォーム領域のオブジェクトを解放する必要があります。

FormRegionStartup を実装する、C# および Visual Basic .NET のアドインの例については、MSDN で間もなく公開予定の「Building an Outlook 2007 Form Region with a Managed Add-in」(英語) というタイトルの記事を参照してください。

セキュリティ

Outlook 2007 では、Outlook オブジェクトモデルガードの動作方法に重要な変更が加えられました。Outlook のアドインでは、オブジェクトモデルガードの動作に大幅な変更はありませんが、Outlook 2007 では、オブジェクトモデルガードのプロンプトが表示されることなく外部アプリケーションを実行できます。ただし、それが可能なのは、コードが実行されているコンピュータに正常に機能するウイルス対策ソフトウェアがインストールされていて、すべてのウイルス定義が最新の状態になっている場合に限ります。

この変更は、外部のアウトプロセスの COM 呼び出し元に対する以前のバージョンのオブジェクトモデルガードの動作方法からの大きな脱却を表しています。Outlook 2007 の前は、外部の COM 呼び出し元は、常にオブジェクトモデルガードから信頼されていませんでした。つまり、外部アプリケーションは、図 3 に示すような Outlook 2007 のオブジェクトモデルガードによる警告の表示を防ぐために、拡張 MAPI またはサードパーティのライブラリを使用する必要がありました。

Outlook のアドレス帳の警告

図 3. Outlook のアドレス帳の警告

オブジェクトモデルガードは、Microsoft Outlook 98 と Microsoft Outlook 2000 で始めて導入されました。そして、オブジェクトモデルガードが導入されて以来、正当な外部 COM アプリケーションやそのユーザーに対してアドレス帳で表示される警告の多さは、開発者がフラストレーションを感じる原因となっていました。また、MAPI プロパティのアクセスまたはパフォーマンスの向上を実現するために CDO を使用する必要があった場合は、Outlook のアドイン信頼モデルに統合されていない、異なるセキュリティモデルに直面することになりました。Outlook 2007 では、ほとんどのアプリケーションに対して CDO が必要なくなりました。Outlook 2007 でのセキュリティの向上は、Outlook のすべての正当な開発者にとっての開発時の障害を取り除くために役立ちます。以降のセクションでは、Outlook 2007 の Outlook オブジェクトモデルガードの動作について説明します。

アドインと Outlook のオブジェクトモデルガード

アドインの動作については、Microsoft Outlook 2003 からの大きな変更はありませんが、既定以外のセキュリティ設定を保存するためのグループポリシーオブジェクト (GPO) が Outlook 2007 で新たに導入されました。アドインおよび Outlook オブジェクトモデルガードの動作は、次のとおりです。

すべてのアドインは、既定で信頼されています。つまり、Outlook で既定の設定が使用される場合、アドインの OnConnection イベントで渡される Application オブジェクトは、信頼されたオブジェクトとして Outlook オブジェクトモデルにアクセスできます。Visual Studio Tools for Office を使用してアドインを作成している場合、組み込みの Application オブジェクトも信頼されます。信頼された Application オブジェクトから派生したすべてのオブジェクトも信頼されます。信頼された Application オブジェクトから派生していない Outlook の Application オブジェクトを作成しようとする場合、そのオブジェクトおよびそのオブジェクトから派生するすべてのオブジェクトは、オブジェクトモデルガードにより信頼されませんので、注意が必要です。
ユーザーが Microsoft Exchange Server に接続されている企業での設定の場合は、IT 管理者がクライアントコンピュータ上の AdminSecurityMode キーを修正し、指定したアドインの一覧のみが Outlook で信頼され、オブジェクトモデルガードに対しては既定以外の設定が適用されるようにできます。
AdminSecurityMode キーが設定されている場合は、次のいずれかの処理が実行されます。
- Outlook で、特定のアドインが信頼され、特定のオブジェクトモデルガードの設定が適用されるように、Exchange のパブリックフォルダ内の Outlook セキュリティフォームがチェックされます。
- Outlook で、特定のアドインが信頼され、特定のオブジェクトモデルガードの設定が適用されるように、GPO がチェックされます。

アウトプロセスの呼び出し元と Outlook のオブジェクトモデルガード

アウトプロセスの呼び出し元に対する動作は、Outlook 2003 から大幅に変更されました。クライアントコンピュータにウイルス対策ソフトウェアがインストールされ、最新の状態になっている場合、Outlook では、MailItem.Send や MailItem.Recipients などのプロテクトメンバを呼び出すときに、オブジェクトモデルガードの警告ダイアログが表示されません。

次の条件を満たす場合、アウトプロセスの COM 呼び出し元とアドインはすべて、セキュリティ関連のプロンプトが表示されることなく実行されます。

クライアントコンピュータで Microsoft Windows XP SP2 または Microsoft Windows Vista が実行されており、Windows セキュリティセンターが、ウイルス対策ソフトウェアが正常に動作していることを示している。コンピュータがドメインに参加している場合、動作状態は示されませんが、動作は継続しています。
インストール済みのウイルス対策ソフトウェアが Windows XP SP2 または Windows Vista 用のものである。
Outlook が次のいずれかの方法で構成されている。
- 既定のセキュリティ設定を使用。
- グループポリシーを使用。セキュリティ設定が定義済みであり、ウイルス対策ソフトウェアが何も検出されないときに警告するように設定されている場合。
- グループポリシーを使用。セキュリティ設定が定義済みであるが、プログラムのアクセスポリシーが適用されない場合。

さらに、図 4 に示すとおり、[セキュリティセンター] ダイアログボックスでプロンプトの構成が [不審な動作に関する警告を表示しない（推奨しません）] となっている場合、Outlook ではプロンプトが表示されません。

図 4. Outlook セキュリティセンターを使用した、プログラムのアクセスの制御 (クリックするとイメージが拡大されます)

これらの条件は、Outlook が起動するたびにチェックされます。さらに、Outlook では、ウイルス対策設定の変更をチェックするための変更通知も使用されます。コンピュータが以前に定義されていた安全な状態から逸脱してしまうような変更が検出された場合、オブジェクトモデルガードのプロンプトが有効になり、状況が修正されるまでシステムは信頼されていると見なされません。Outlook で、これらの条件が再び満たされていることを示すような変化が検出された場合は、オブジェクトモデルガードのプロンプトは表示されなくなります。

管理者は、Outlook セキュリティ GPO、または Exchange Server のパブリックフォルダ内の Outlook セキュリティフォームを使用して、オブジェクトモデルの警告ダイアログ機能を有効にしたり、保護されたオブジェクトモデルのメンバへのオブジェクトモデルのアクセスを無効にしたりできます。

Outlook 2007 のオブジェクトモデルのセキュリティの詳細については、MSDN で公開されている記事「Code Security Changes in Outlook 2007」(英語) を参照してください。

まとめ

2 部構成の第 1 部に当たるこの記事では、Microsoft Office Outlook 2007 で開発者向けに拡張および追加された機能について概要を説明しました。拡張された Outlook オブジェクトモデルについては、この記事の第 2 部を参照してください。<開発者向け> Microsoft Office Outlook 2007 の新機能 (2/2)

その他の参考資料

Microsoft Office Developer Center : Outlook

<開発者向け> Microsoft Office Outlook 2007 の新機能 (1/2)

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