DirectX ビューアー (Dxviewer.exe)

このツールは、DirectX Standard Annotations and Semantics (DXSAS) に準拠した DirectX X (.x) ファイルから D3DX エフェクト (*.fx) および 3D メッシュ オブジェクトをロードし、レンダリングを実行します。このツールを使用すると、.x ファイルおよびエフェクト (.fx) ファイルに対する変更を検証し、エフェクトまたはメッシュに対する変更をロード時に表示して確認することができます。

ビューアー内にロードされている時にエフェクト (.fx) ファイルまたは X (.x) ファイルが変更されると、ビューアーが該当するファイルを自動的に再ロードします。これは特に、エフェクト ファイルを変更しながらエフェクト ファイルの有効性をすばやくチェックする場合に便利です。

DXSAS の詳細については、「DirectX 標準アノテーションとセマンティクスのリファレンス」を参照してください。

互換性チャート

Direct3D 9 Direct3D 10 64 ビット ネイティブ モード Windows?XP Windows?Vista

あり

あり

あり

あり

あり

DirectX ビューアーの起動

DirectX ビューアーは、コマンド ラインで dxviewer を実行するか、[スタート] メニューから選択して起動できます。

[スタート] メニューから DirectX ビューアーを起動するには

  • [スタート] をクリックした後、[すべてのプログラム]、[Microsoft DirectX SDK]、[DirectX Utilities] の順にポイントし、[DirectX Viewer] をクリックします。

図形 1.  DirectX ビューアーの初期画面

Bb219745.dxViewer1(ja-jp,VS.85).jpg

キーボード ショートカットのリスト

DirectX ビューアーでは、キーボード ショートカットがいくつかサポートされています。

Home キーを押すと、カメラが既定の位置にリセットされます。その他のキーを押すと、次の表で示す位置に沿って、モデルの境界球のエッジにカメラが配置されます。

キーボード ショートカット モデルの境界球上の位置
X 負の X 軸
Y 負の Y 軸
Z 負の Z 軸
Shift + X 正の X 軸
Shift + Y 正の Y 軸
Shift + Z 正の Z 軸

[Open] ボタン

X (.x) ファイルおよびエフェクト (.fx) ファイルをロードするには、[Open] をクリックします。エフェクト ファイルは、ロードされると、既定のジオメトリ (通常は球) にレンダリングされます。SDK に付属している X ファイルおよびエフェクト ファイルは、DirectX SDK ルート\Samples\Media にあります。

[Open] をクリックして、ファイルをロードします。

図形 2.  [Open File] ダイアログ ボックス

Bb219745.dxViewer4(ja-jp,VS.85).jpg

ファイルを選択し、[Open] をクリックします。既定のエフェクトと共に 3D オブジェクトがロードされます。

    .x ファイルまたは .fx ファイルは、[View] ウィンドウにドラッグ アンド ドロップしてロードすることもできます。

ファイルのマージ

Ctrl キーを押したままファイルを開く場合、.x ファイルを選択するとモデルのジオメトリを変更でき、.fx ファイルを選択するとモデルのマテリアルを変更できます。

ジオメトリの表示

.x ファイル (または .fx ファイル) をロードしてから、左マウス ボタンを使用するとジオメトリの回転、右マウス ボタンを使用するとカメラの回転を実行できます。また、マウス ホイールを使用すると、カメラの表示が拡大または縮小されます。[DirectX Viewer] ウィンドウのボタンについて、以下に説明します。

[View] ボタン

[View] ボタンを押すと、[View] ダイアログ ボックスが表示され、ジオメトリの表示方法を変更できます。

図形 3.  DirectX ビューアーの [View] ダイアログ ボックス

Bb219745.dxViewer2(ja-jp,VS.85).jpg

[View] ダイアログ ボックスのオプションと設定を、次の表に示します。

[View] ダイアログ ボックスのオプション 説明
環境 DDS テクスチャーから環境マップがロードされます (現在ロードされているエフェクトによって環境マップが処理される場合)。
[Fill Mode] [Solid]、[Wireframe]、または [Auto] (エフェクトで指定されている描画モードを使用する場合)。
統計情報 ビデオ カードのタイプ、1 秒当たりのフレーム数、表示形式などの情報が表示されます。
[Manual Refresh] [Refresh] ボタン をクリックした場合にのみ、ビューアーが更新されます。
[Adjacency] 隣接データが濃い紫の線として描画されます。
従法線 従法線 (または複接線) が緑の線として描画されます。
[Bounds] ジオメトリの回りの境界ボックスが白の線で描画されます。
[Creases] クリースがオレンジ色の線として描画されます。
[Edges] トライアングルのエッジが紫の線として描画されます。
[Normals] 頂点法線が赤の線として描画されます。
[Points] ポイントが黄色の正方形として描画されます。
[Tangents] 接線が青の線として描画されます。
[Close] メニューが閉じます。

[Effect] ボタン

[Effect Options] ボタンをクリックして [Effect Options] ダイアログ ボックスを表示すると、エフェクト パラメーターを使った実験が行えます。

図形 4.  DirectX ビューアーの [Effect Options] ダイアログ ボックス

Bb219745.dxViewer3(ja-jp,VS.85).jpg

[Effect Options] ダイアログ ボックスで利用可能なオプションと設定を、次の表に示します。

[Effect Options] ダイアログ ボックスのオプション 説明
[Technique] レンダリング テクニックを選択します。
[Pass Mode] レンダリングの対象となるエフェクト パス ([Pass Index] も参照)。選択肢は 3 つあります。
[All Passes]
テクニックのすべてのパスがレンダリングされます。
[Selected Pass]
テクニックのインデックスによって選択された名前または参照されたパスだけがレンダリングされます。
[Up to selected pass]
テクニックのインデックスによって選択された名前または参照されたパスまでのすべてのパスがレンダリングされます。
[Pass Index] エフェクト パスのインデックス。選択されたテクニックで指定されたパスとインデックス、または利用可能なすべてのもの (テクニックとして最初の有効なテクニックが選択された場合) が表示されます。
[Defines] エフェクトの DXSAS データ バインドの定義を指定します。
include シェーダーのコンパイル時に必要なインクルード パスをセットアップします。
[Debug Pixel Shaders] CPU 上でピクセル シェーディングを強制的に実行させ、デバッグ情報を有効にします。
[Debug Vertex Shaders] すべての頂点シェーダーに頂点処理を強制的に使用させます (CPU 上で頂点シェーダーを実行させ、デバッグ情報を有効にするため)。
[Optimize Shaders] シェーダー コンパイラに対するシェーダーの最適化を有効化/無効化します。
[Validate Shaders] HLSL シェーダーの検証を有効化/無効化します。
[Allow Preshaders] プレシェーダーを有効化/無効化します。
[Allow Partial Precision] 部分精度を有効化/無効化します。
[Prefer Dynamic Flow] / [Avoid Dynamic Flow] 動的フロー制御を有効化/無効化します。

[Refresh] ボタン

[Refresh] ボタンは、[Manual Refresh] を選択しないと利用できません。[View] をクリックし、[Manual Refresh] チェック ボックスをオンまたはオフにすると、更新方法を変更できます。[Manual Refresh] チェック ボックスをオンにして、[View] をクリックすると、ジオメトリがレンダリングされます。

[Direct3D10 Mode] ボタン

このボタンは、ビューアーのモード (Direct3D 9、Direct3D 10) を切り替えます。既定では、ビューアーは Direct3D 9 モードで起動されます。Direct3D 10 モードは、ビューアーが Windows Vista 上で動作している場合にのみ機能します。Direct3D 10 モードでは、Technique10 を使用したエフェクトのみがロードされます。

[Help] ボタン

[Help] ボタンは、SDK ドキュメントを開きます。

その他の機能

その他に、以下のような機能があります。

  • ファイル変更の監視
  • 起動条件の設定

ファイル変更の監視

DirectX ビューアーは、表示されているファイル内の変更を自動的に検出し、それらのファイルを再ロードして変更結果を表示します。これにより、.x ファイルまたは .fx ファイルを DirectX ビューアーにロードしている時に編集すると、その編集結果を自動的に見ることができます。

たとえば、以下の手順を実行すると、Glow.fx に対して実行された変更を DirectX ビューアーが自動的にロードする様子を見ることができます。

  1. DirectX ビューアーを起動し、DirectX SDK ルート\Samples\Media\SharedFx にある Glow.fx を開きます。

  2. Glow.fx をメモ帳 (または他のテキスト エディター) で開き、GlowColor の値 (行 17) を次の値から

    float4(0.5f, 0.2f, 0.2f, 1.0f)
    

    次の値に変更します。

    float4(0.0f, 0.0f, 1.0f, 1.0f)
    
  3. Glow.fx を保存します。

  4. DirectX ビューアーが、該当ファイルに保存された変更を自動的に検出し、該当ファイルを再ロードして変更結果を表示します。変更前と変更後の Glow.fx を、次の図に示します。

図形 5.  サンプル イメージの表示 (変更前と変更後)

Bb219745.dxViewer5(ja-jp,VS.85).jpg

起動条件の設定

次のコマンド ライン構文を使用して、DirectX ビューアーを構成します。

構文

DirectX ビューアーでは、次のコマンド ライン構文をサポートしています。

dxviewer-shape { cube | sphere | cylinder } ] [ -Zip ] [ -Ziv ] [ -Zi ] [ -D string ] [ -I string ] [ file names ]

これらのコマンドライン オプションを次の表に示します。

スイッチ オプション 説明
-shape { cube | sphere | cylinder } 既定のジオメトリ。ユーザーが既定のシェイプ (-shape) と .x ファイル (これにもジオメトリがある) を指定すると、既定のシェイプが優先され、.x ファイルはロードされません。
-Zip ピクセル シェーダーのデバッグ。
-Ziv 頂点シェーダーのデバッグ。
-Zi ピクセル シェーダーおよび頂点シェーダーのデバッグ。
-D string 定義のリスト (セミコロンで区切る)。
-I string インクルード パスのリスト (セミコロンで区切る)。
file names ファイル名 (オプション)。.x ファイルまたは .fx ファイル。以下の制約があります。
  • ファイル名を 2 つ指定する場合、一方は .x ファイル、他方は DXSAS 準拠の .fx ファイルであること。
  • ファイル名を 1 つ指定する場合、該当ファイルは .x ファイルまたは .fx ファイルであること。
  • 指定したファイル名に拡張子 .x も .fx も含まれない場合、該当ファイルは無視される。

関連項目

DirectX コンテンツ ツール, DirectX 標準アノテーションとセマンティクスのリファレンス