CLR デバッガ

Microsoft CLR デバッガ (DbgCLR.exe) には、グラフィカル インターフェイスを使用するデバッグ サービスが提供されています。アプリケーション開発時に、共通言語ランタイムを対象とするプログラムのバグを検出して修正する場合に役立ちます。CLR デバッガおよび付属のドキュメントは、Microsoft Visual Studio .NET デバッガで行われる作業に基づいています。このためドキュメントでは、CLR デバッガではなく Visual Studio デバッガとして言及されています。ほとんどの場合、この情報はどちらのデバッガにも該当します。ただし、ドキュメントの中には、CLR デバッガに未実装の機能について説明しているセクションもあります (次の段落を参照)。これらの機能とセクションは無視してかまいません。

ドキュメントの中で説明されている CLR デバッガと Visual Studio デバッガの主な違いを次に示します。

  • CLR デバッガは、Win32 のネイティブ コード アプリケーションのデバッグをサポートしません。CLR デバッガでデバッグできるのは、共通言語ランタイムを対象として作成およびコンパイルされたアプリケーションだけです。
  • CLR デバッガはリモート デバッグを実装していません。
  • レジスタ ウィンドウは CLR デバッガに実装されていますが、このウィンドウにレジスタ情報は表示されません。レジスタ値の表示や変更など、レジスタまたは擬似レジスタを必要とする他の操作はサポートされません。
  • 逆アセンブリ ウィンドウは CLR デバッガに実装されていますが、このウィンドウに表示されるのは、共通言語ランタイム コードではなく Win32 ネイティブ コードとしてコンパイルされた場合にアプリケーションに対して生成される逆アセンブリ コードです。
  • CLR デバッガは F1 ヘルプをサポートしていません。
  • CLR デバッガは自動変数ウィンドウ機能をサポートしていません。

CLR デバッガのソリューション モデル

CLR デバッガは、デバッグ対象のアプリケーションとソース ファイルをソリューションを使用して関連付けます。ソリューションは、コンパイル済みのアプリケーションと、それに対応するソース ファイルを開くと、自動的に作成されます。同じアプリケーションを次にデバッグするときには、ソース ファイルとコンパイル済みアプリケーションを別々に読み込むのではなく、ソリューションを開きます。

デバッグのためにアプリケーションを開くには (初回)

  1. CLR デバッガを起動し、DbgCLR.exe を実行します。DbgCLR.exe は、.NET Frameworks インストールの GuiDebug ディレクトリ内にあります。

  2. [デバッグ] メニューの [デバッグするプログラム] をクリックします。

  3. [デバッグするプログラム] ダイアログ ボックスの [プログラム] ボックスにある省略記号ボタン (...) をクリックします。[デバッグするプログラムの検索] ダイアログ ボックスが表示されます。

  4. デバッグする EXE ファイルがあるディレクトリに移動し、その EXE ファイルを選択します。

  5. [開く] をクリックします。

    [デバッグするプログラム] ダイアログ ボックスに戻ります。[作業ディレクトリ] は EXE ファイルのあるディレクトリに設定されています。

  6. [引数] ボックスに、プログラムに必要な引数をすべて入力します。

  7. [開く] をクリックします。

  8. [ファイル] メニューの [開く] をポイントし、[ファイル] をクリックします。

  9. [ファイルを開く] ダイアログ ボックスで、開くソース ファイルを選択します。

  10. [開く] をクリックします。

  11. 別のソース ファイルを開くには、手順 8. ~ 10. を繰り返します。

以上の手順によって、デバッグ セッションのソリューションが自動的に作成されます。[開始] または [ステップ] をクリックすると [名前を付けてファイルを保存] ダイアログ ボックスが開くので、ここでソリューションを保存します。[終了] または [ソリューションを閉じる] を選択すると、メッセージ ボックスが表示され、まずソリューションを保存するように指示されます。

既存のソリューションを開くには

  • [ファイル] メニューの [開く] を選択します。

参照

デバッグ