購買契約書について

適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012

購買契約とは、長期にわたって複数の発注書を使用して指定された数量または金額を購入することを組織に確約する契約です。この確約と引き換えに、購買担当者は特別価格と割引を受けます。購買契約は、製品の特定数量、製品の特定通貨金額、または調達カテゴリの製品の特定の通貨金額に適用できます。購買契約の価格と割引は、既存の売買契約で指定された価格と割引よりも優先されます。

注意

フランスの公的機関部門の場合、契約を表すために購買契約のドキュメントが使用されます。

[購買契約書] フォームで、組織と仕入先間に存在する購買契約書の作成、適用、およびフォローアップを行うことができます。たとえば、購買契約書を作成したら、そこから直接注文できます。

すべての購買契約には、購買契約書を作成する担当者によって定義された有効期間があります。購買の配送日は有効期間の有効日にする必要があります。

既定では、購買契約書は保留中です。購買契約書の発注書を作成する前に購買契約書のステータスを [開始] に変更する必要があります。

確約のタイプ

購買契約書の各行は、購入確約を示します。複数の発注書の行を使用して確約を履行することができます。確約には次の 4 つのタイプがあります。

  • 製品数量確約: 製品の特定数量を購入します。

  • 製品価値確約: 製品の特定通貨金額を購入します。

  • 製品カテゴリ価値確約: 調達カテゴリの特定通貨金額を購入します。金額はカタログ品目またはカタログ以外の品目で設定できます。

  • 価値確約: 製品または調達カテゴリの特定通貨金額を購入します。

重要

確約タイプは、購買契約書が値または数量に基づくかどうかを示すものに過ぎず、フランスの公的機関部門で使用される確約ドキュメントとは異なります。確約ドキュメントに関する詳細については、「(FRA) About commitments (Public sector)」を参照してください。

購買契約書の価格条件

価格決定条件は、確約のタイプに応じて異なる場合があります。購買契約書の価格決定条件は、売買契約で設定された他の価格決定条件よりも優先されます。

次の表に、各確約タイプによって影響を受ける価格関連フィールドを示します。「はい」を含むフィールドは、注文明細行で更新できます。

取引契約のタイプ

単価

価格単位

割引率

現金割引金額

製品数量確約

製品価値確約

製品カテゴリ価値確約

価値確約

購買契約ポリシー

次のポリシーは、購買契約書の確約と対応する購買注文明細行間のリンクの動作方法に影響します。

  • 最大値の適用: すべての注文明細行の合計数量または合計金額が、関連する確約で指定された数量または金額を超えることはできません。

  • 価格/割引の固定: 注文明細行の価格と関連する確約の価格は、互いに異なっていてはなりません。注文明細行で価格を変更すると、確約へのリンクが破損します。そのリンクが破損すると、注文明細行が確約の履行に使用されません。

  • 最小リリース金額最大リリース金額: 金額を指定したときに、注文明細行が関連する確約と異なるために注文明細行を変更した場合にメッセージが表示されます。

購買契約のフルフィルメント計算

"購買契約書" フォームにある [明細行の詳細] クイック タブの [フルフィルメント] タブに、フルフィルメントの数量および金額が表示されます。

[フルフィルメント] 領域で、指定された購買契約書にリンクされているすべての注文明細行の合計数量および合計金額を表示できます。また、確約の履行に必要な残余金額または残余数量も表示できます。

[契約] 領域で、指定された購買契約書の数量および金額を表示できます。これらの数量および金額は、確約された合計数量および合計金額です。

購買契約書の確認およびバージョン履歴

購買契約書を確認すると、購買契約書の現在のバージョンが履歴テーブルに保存されます。購買契約書を変更した場合、その契約書を再確認してその別のバージョンを履歴に保存できます。

購買契約書を確認しない場合は、その契約書を使用して発注書を作成することができます。ただし、購買契約書の履歴情報は保存されません。

確認のすべての変更をプレビュー表示したり、印刷したりできます。その後、承認を得るためにそれらの変更を仕入先と共有できます。

注文プロセスでの購買契約書の適用

"発注書" フォームを使用して、注文することができます。その後、購買契約書の条件を発注書ヘッダーに適用できます。条件には、支払条件、配送条件、配送先住所などの情報を含めることができます。新しい発注書を作成する際に購買契約書を選択できます。1 つ以上の注文明細行が購買契約書で指定された製品およびカテゴリを対象とする場合は、購買契約書の価格と割引がその明細行に使用されます。さらに、注文明細行の金額または数量が確約に登録され、確約の履行に使用されます。同一の発注書に、購買契約書に関連しない明細行と購買契約書の確約がある明細行の両方を含めることができます。詳細については、「購買リリース注文の作成」を参照してください。

購買契約書の自動検索

発注書が間接的に作成される場合には、Microsoft Dynamics Ax で適切な購買契約書を自動的に検索するかどうかを制御できます。たとえば、自動的に計画発注書を確定したり、販売注文に基づいて発注書を作成したりするときに、この制御を行う場合があります。

購買契約書と会社間追跡

会社間取引関係は、異なる法人の仕入先勘定と顧客勘定の間で作成できます。関係者の 1 つに販売注文または発注書が作成されると、会社間注文チェーンが作成されます。注文チェーンでは、販売注文と発注書が適切な法人で作成されます。詳細については、「会社間取引のための仕入先、顧客、および品目の設定」、「内部で使用される会社間発注書の作成および請求」、および「内部で使用される会社間販売注文書の作成および請求」を参照してください。

会社間取引関係者の 1 つに購買契約書または販売契約書を作成できます。その後、他の法人の他の会社間取引関係者に対応する販売契約書または購買契約書を生成できます。

1 つの法人の会社間購買契約書を使用する会社間販売注文書を作成した場合、対応する会社間販売注文書は他の法人の対応する会社間販売契約書を使用します。会社間販売契約書の確約の履行と購買契約書の確約の履行は、会社間販売販売注文書と会社間発注書の同期と同様に同期されます。

購買契約書のトランシュおよびロット

購買契約書の階層を作成できます。マスタの上位レベル契約書が親であり、補助の下位レベルの契約書が子として機能します。購買契約書が契約を表すため、この親子階層を使用してトランシュとロットを作成できます。

注意

この機能は、次の条件が真である場合にのみ使用できます。

詳細については、「(FRA) Key tasks: Administer purchase agreements (Public sector)」を参照してください。

購買契約書の財務分析コード

購買契約書のドキュメント ヘッダーまたは個々の明細行に財務分析コードをコピーできます。契約書のヘッダーまたは契約明細行の分析コードはいつでも変更可能であり、分析コードは、リリース注文のリリース ヘッダーまたはリリース明細行に自動的にコピーされます。

参照

購買契約機能または販売契約書機能の設定

購買リリース注文の作成

購買リリース注文や販売リリース注文の明細行を表示

購買契約書の仕入先請求明細行を表示

確認済購買契約の履歴を表示

購買契約書のステータスを印刷