/Yc (プリコンパイル済みヘッダー ファイルの作成)
ある時点でのコンパイルの状態を表すプリコンパイル済みヘッダー (.pch) ファイルを作成します。
/Yc[filename]
Arguments
- filename
ヘッダー (.h) ファイルを指定します。 この引数を使用すると、コンパイラは .h ファイルまでのすべてのコードをコンパイルします。
解説
引数を使わずに /Yc を指定すると、コンパイラはベース ソース ファイルの最後まで、またはベース ファイルで hdrstop が現れる位置までのすべてのコードをコンパイルします。 生成される .pch ファイルでは、hdrstop プラグマまたは /Fp オプションを使って別のファイル名を指定しない限り、ベース ソース ファイルと同じ基本名が使用されます。
プリコンパイル済みコードは、/Yc オプションで指定されたファイルの基本名に拡張子 .pch が付いた名前のファイルに保存されます。 /Fp (.pch ファイルの名前の指定) オプションを使用して、プリコンパイル済みヘッダー ファイルの名前を指定することもできます。
//Ycfilename を指定すると、後で /Yu オプションで使用できるように、指定されたファイルまでのすべてのコードがコンパイルされます。
/Ycfilename オプションと /Yu (プリコンパイル済みヘッダー ファイルの使用)filename オプションが 1 つのコマンド ラインに指定され、その両方が同じファイル名を参照または暗黙に指定する場合は、/Ycfilename が優先されます。 したがって、メイクファイルの作成が簡単になります。
プリコンパイル済みヘッダーの詳細については、以下のトピックを参照してください。
Visual Studio 開発環境でこのコンパイラ オプションを設定するには
.cpp ファイルを選択します。 .cpp ファイルは、プリコンパイル済みヘッダー情報を含む .h ファイルを #include する必要があります。 プロジェクトの /Yc 設定はファイル レベルでオーバーライドできます。
プロジェクトの [プロパティ ページ] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「方法 : プロジェクト プロパティ ページを開く」を参照してください。
[C/C++] フォルダーをクリックします。
[プリコンパイル済みヘッダー] プロパティ ページをクリックします。
[ファイルを使用して PCH を作成/使用] プロパティまたは [プリコンパイル済みヘッダーの作成/使用] プロパティを変更します。
このコンパイラ オプションをコードから設定するには
- 「PrecompiledHeaderThrough」および「UsePrecompiledHeader」を参照してください。
使用例
次のコードがあるとします。
#include <afxwin.h> // Include header for class library
#include "resource.h" // Include resource definitions
#include "myapp.h" // Include information specific to this app
...
コマンド CL /YcMYAPP.H PROG.CPP を使用してこのコードをコンパイルすると、AFXWIN.h、RESOURCE.h、および MYAPP.h までのコンパイル結果がプリコンパイル済みヘッダー ファイル MYAPP.pch に保存されます。