エンコーディングとローカリゼーションの概要
.NET Framework には、国際対応アプリケーション開発の拡張サポートが備わっています。 国際対応アプリケーションを開発する場合、開発作業を 3 つのステップ (グローバリゼーション、ローカライズ対象の確認、およびローカリゼーション) に分割することをお勧めします。
グローバリゼーションは、国際対応アプリケーション開発時に最初に着手する作業です。 グローバリゼーションでは、アプリケーションの実行可能コードを作成します。 グローバルなアプリケーションは、特定のカルチャや言語に依存しません。 したがって、すべてのユーザーのローカライズ済みユーザー インターフェイスと地域データをサポートするアプリケーションの作成に重点を置きます。 グローバライズ済みアプリケーションはこのように柔軟ですが、グローバリゼーション作業ではユーザー インターフェイスの翻訳は行われません。 グローバリゼーションではサポートするすべてのカルチャおよび地域のユーザーに対し、同等に機能するアプリケーションの作成に取り組みます。
ローカリゼーションに着手する前に、中間チェックを実行してアプリケーションのローカライズ対象の確認を確認します。 ローカライズ可能なアプリケーションでは、実行可能コードがリソースから分離されています。 この切り分け作業を適切に行うことで、ローカライズ作業中にアプリケーションのソース コードを変更しなければならなくなる事態を避けることができます。
国際対応アプリケーション作成の最後の作業は、ローカリゼーションです。ローカリゼーションでは、特定のカルチャまたは地域に合わせてアプリケーションをカスタマイズします。 グローバリゼーションとローカライズ対象の確認を適切に行うと、ローカリゼーションでは主にユーザー インターフェイスの翻訳作業が行われます。
国際対応アプリケーションの設計および開発による利点を次に示します。
世界規模の収益。 アプリケーションでサポートされるカルチャの増加に伴い、ユーザーまたは顧客ベースも拡大します。
新しいカルチャへ迅速に対応可能。 初期アプリケーションが完成した後は、アプリケーションをローカライズするための開発作業は不要です。 新しいカルチャをサポートするために必要な作業は、対象カルチャに合わせたアプリケーション リソースの翻訳だけです。
リソース利用の効率化。 本来の開発作業の一部として国際対応化を組み込むことで、初期開発作業の開始後に新しいカルチャのサポートを追加する場合に比べ、必要となる開発リソースおよびテスト リソースが少なくて済みます。 米国英語などのような 1 つのカルチャだけをサポートするアプリケーションを、ほかのカルチャもサポートするように変更する作業には、 労力と時間がかかります。 さらに、完成したアプリケーションに新しいカルチャのサポートを追加すると、アプリケーションのバグや不安定性の原因となることがあります。