ちょっとひと言
ティーンエイジャー
David Platt
.jpg)
今回は、ティーンエイジャーの父親として初めて執筆するコラムです。年ごろの子供がいる方はどのようなものかおわかりでしょう。まだそうでない方も、おそらく自分がティーンエイジャーだったころを思い起こせるでしょう。
娘が生まれた 13 年前には、今日という日をを想像できませんでした。娘が 5 歳で妹が 3 歳のとき、私は "世界で最高のお父さん" でしたが、毎日、徐々に、1 日 1 日と近づいてきて、気が付いてみるとこの状態です。かわいくてお利口な、よちよち歩きの子ども ("お父さん、見て、人間みたいな雪だるま") だったのに、美人で賢くあきれ顔の、気難しいティーンエイジャー ("お父さん、最低。携帯料金よろしくね") になってしまいました。
歌手の Don White のアドバイスに従って、話すときはいつも "I'm not trying to oppress you …" (威圧しようとしているのではないのですが …) で始めることにしましょう (Youtube の bit.ly/18xLpQ7(英語) と bit.ly/1c0gL49(英語) をご覧ください)。なお、White はこのフレーズについて "It's replaced ‘Good morning’ in my house" (このフレーズは、家では "おはよう" に置き換わります) と気の利いたことを言っています。
母は "蛙の子は蛙" と言いますが、それは誤りです。私は携帯電話を持ったことがありませんでした。
子どもたちは 13 歳になると、親が何を言おうと反射的に否定する変換回路を発現させるようです。"Annabelle、どんなことがあってもテニス ボールを 47 個もトイレに詰めてはだめだよ" と言ったとしたら、あきれた顔をされ、文字に表せないどなり声を上げて、"そんなのずるい。他の子は 48 個やったわ。お父さんの意地悪。私は養子なんだって言ってよ" と反射的な反応をされるに違いありません。冗談じゃありません。どんぐりの背比べです。
あきらめかけていたとき、娘が向き直って、"お父さん、お父さんはいろんな人にプログラミングを教えているけど、私にも教えてくれる?" と言いました。
そんなことは思いもよりませんでした。eBay の CTO の子息がしているように (nyti.ms/nupJkY(英語) 参照)、娘はテクノロジを排除したシュタイナー学校に去年まで通っていました。娘は紙の書籍 (この概念については msdn.microsoft.com/magazine/jj863140(英語) を参照してください) で読み書きを学びました。また、読み書きと必ずしも異ならない編み物も学びました。これはテクノロジがすべてであるという狭量な態度の予防のようです。4 年生で PowerPoint を生徒が学習することを喧伝する近所の Clark School とは異なっています (神様は私を 4 年生の PowerPoint プレゼンテーションからお守りくださいました。ただし、4 年生のプレゼンテーションは一部の自称「プロ」のプレゼン担当者 (msdn.microsoft.com/magazine/gg650665参照) よりも優れているでしょう)。
わが家はプログラミングの家系です。母は何年も前、当時行っていた心理学の研究のためにメインフレームのプログラミングをしました。フィラデルフィアをドライブしたことをおぼろげながら覚えています。パンチカードの引き出しをコンピューター センターに持っていって実行し、カードを 1 つか 2 つ交換したら何が起こるのかと思いを巡らせました。最近では、電話口の技術サポート担当者の態度が尊大だと、母は、"ねえ、私はあなたが生まれる以前にメインフレームのプログラミングをしていたんですよ。そういう態度はやめて、これをどうしたらいいのか教えてくれませんか" と言って身の程を思い知らせています。Annabelle がこの伝統を受け継ぐことが想像できます。
どのように教えたらよいでしょうか。何を教えたらよいでしょうか。マネージでしょうか。ネイティブでしょうか。それとも、オブジェクトでしょうか。関数でしょうか。Visual Basic 6 も良いでしょう。これなら非常に長くキャリアを続けることができます (msdn.microsoft.com/magazine/jj133828参照)。または、ゲームも良いかもしれません。何年も前、私が最初に引き付けられたのがゲーム (具体的には、テキスト ベースのスター トレック) でした。親愛なる読者の皆様の意見をぜひお聞かせください。
気持ちは Archie Manning (NFL で優勝できなかったすばらしい大学クォーターバック) のようです。しかし、彼の仕事は息子の Eli と Peyton に引き継がれ、2 人で 3 度スーパー ボウル MVP を獲得しました。Annabelle に追い越されても、私は悔しく思うことはないでしょう。
何よりもまず私が娘に伝えることは、最良の開発者とは巧妙ですばらしいコードを記述する開発者よりも、コードから離れて "ねえ、ここで本当に解決しようとしている問題は何だろう" と言うことのできる開発者だということです。
どの世代も、その最盛期に、次の世代のために道を譲る必要があります。私は、経験、知恵、および時折のちょっとした裏切りによって、この先何年も第一線で活躍できることを願っていますが、私が望んでいようといまいと、娘の 13 歳の誕生日が来たように、その日が 1 日 1 日と近づいてきているのがわかります。娘に託して形にするチャンスが来ています。後はトイレの詰まりを解消する "スッポン"さえ見つけられればいいのですが。
David S. Platt は、ハーバード大学の公開講座や世界中の会社で .NET のプログラミングの講師をしています。『Why Software Sucks...and What You Can Do About It』(Addison-Wesley Professional、2006 年) や『Microsoft .NET テクノロジ ガイド』(日経BPソフトプレス、2001 年) などの、11 冊のプログラミング関連の書籍の著者でもあります。2002 年には、マイクロソフトから Software Legend に指名されました。David は、8 進法で数える方法を学べるように、娘の 2 本の指をテープで留めるかどうか悩んでいるところです。連絡先は rollthunder.com(英語) です。