デバッグを有効にするブート パラメーター

カーネル デバッグ接続が確立されると、システムは実行の制御をカーネル デバッガーに任せます。また、バグ チェックが発生するか、カーネル モードのプログラムがデバッガーと通信すると、コンピューターは動作を続行する前に、カーネル デバッガーからの応答を待機します。

ブート パラメーターを使って構成できる基本的なデバッグ方法は、次の 4 つです。

  • 単一コンピューター (ローカル) デバッグ

  • ヌル モデム ケーブルでのデバッグ

  • IEEE 1394 ケーブルでのデバッグ (ターゲット コンピューターとホスト コンピューターの両方で Microsoft Windows XP 以降のバージョンの Windows が実行されている場合のみ)

  • USB 2.0 デバッグ ケーブルでのデバッグ (ターゲット コンピューターで Windows Vista 以降のバージョンの Windows が実行されていて、ホスト コンピューターで Windows 2000 以降のバージョンの Windows が実行されている場合のみ)

Windows Vista より前のオペレーティング システムでのローカル デバッグ用のブート パラメーター

1 台のコンピューターでカーネル デバッグを有効にするには、ブート エントリに /debug パラメーターを追加します。ブート エントリに、その他のデバッグ関連のパラメーターを追加しないでください。

次のサンプル Boot.ini ファイルの最初のブート エントリには、/debug パラメーターが含まれています。


[boot loader]
timeout=30
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS
[operating systems]
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Local Debugging" /fastdetect /debug
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Professional" /fastdetect 

次の Bootcfg コマンドは、ローカル デバッグを有効にします。Bootcfg /debug スイッチで値を ON にすると、ブート エントリに /debug パラメーターが追加されます。/ID スイッチは、ブート エントリを指定します。


bootcfg /debug ON /ID 1 

以下の Boot.ini ファイルを持つシステムのサンプル Bootcfg 表示は、結果を示しています。最初のブート エントリは、ローカル デバッグ用に構成されています。


Boot Entries
------------
Boot entry ID:    1
OS Friendly Name: Windows XP Local Debugging
Path:             multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)\WINDOWS
OS Load Options:  /fastdetect /debug

Boot entry ID:    2
OS Friendly Name: Microsoft Windows XP
Path:             multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)\WINDOWS
OS Load Options:  /fastdetect

Windows Vista 以降でのローカル デバッグ用のブート オプション

1 台のコンピューターでカーネル デバッグを有効にするには、BCDEdit /debug ブート オプションを使います。

BCDEdit を使うには、管理者特権で [コマンド プロンプト] ウィンドウを表示します ([コマンド プロンプト] を右クリックし、ショートカット メニューの [管理者として実行] をクリックします)。

/debug オプションの構文は、次のとおりです。


bcdedit /debug [{ID}] { on | off }

{ID} は、ブート エントリに関連付けられている GUID です。{ID} を指定しなかった場合は、現在のブート エントリに設定が適用されます。次のコマンドは、現在の Windows オペレーティング システム ブート エントリのカーネル デバッグを有効にします。


bcdedit /debug on

次のコマンドは、指定された Windows オペレーティング システム ブート エントリのカーネル デバッグを有効にします。


bcdedit /debug  {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} on

bcdedit /enum コマンドを使うと、現在のブート エントリとその設定を表示し、各エントリに関連付けられている GUID を特定できます。

詳しくは、「BCDEdit /debug」をご覧ください。

Windows Vista より前のオペレーティング システムで、ヌル モデム ケーブルでデバッグを行うためのブート パラメーター

ヌル モデム ケーブルでのデバッグを有効にするには、ブート エントリに /debug パラメーターと、/debugport/baudrate サブパラメーターを追加します。

次のサンプル Boot.ini ファイルの最初のブート エントリは、ヌル モデル ケーブルでのデバッグ用に構成されています。


[boot loader]
timeout=30
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS
[operating systems]
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Debugging with Cable" /fastdetect /debug /debugport=COM1 /baudrate=57600
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Professional" /fastdetect 

/debugport サブパラメーターの値を、コンピューターの COM ポートに設定します。/baudrate サブパラメーターの値を、ケーブルの接続速度に設定します。既定値は 19200 bps です。

次の Bootcfg コマンドは、最初のブート エントリでデバッグを有効にします。デバッグ ポートを COM1、ボー レートを 57,600 bps に設定します。

Bootcfg /debug スイッチで値を ON にすると、ブート エントリに /debug パラメーターが追加されます。Bootcfg /port スイッチは、/debugport サブパラメーターを、値を COM1 にして追加します。Bootcfg /baud スイッチは、/baudrate サブパラメーターを、値を 57600 にして追加します。/ID スイッチは、ブート エントリを指定します。


bootcfg /debug ON /port COM1 /baud 57600 /ID 1 

次の Bootcfg サンプルは、Itanium ベースのシステムでの結果のブート エントリを表示します。

Boot Entries
------------
Boot entry ID:    1
OS Friendly Name: Windows Server 2003, Enterprise
OsLoadOptions:     /debug /debugport=COM1 /baudrate=57600
BootFilePath:     \Device\HarddiskVolume1\EFI\Microsoft\WINNT50\ia64ldr.efi
OsFilePath:       \Device\HarddiskVolume3\WINDOWS

Windows Vista 以降で、ヌル モデム ケーブルでデバッグを行うためのブート オプション

Windows Vista 以降でヌル モデム ケーブルでのデバッグを有効にするには、BCDEdit を使ってデバッグ接続の種類を "SERIAL" に設定します。これをグローバルに設定する場合は、BCDEdit /dbgsettings コマンドを、後に serial を付けて使います。特定のブート エントリに設定する場合は、BCDEdit /set コマンドを、後に debugtype serial を付けて使います。 カーネル デバッグをグローバルに有効にしたり、特定のオペレーティング システムで有効にするには、BCDEdit /debug コマンドも使う必要があります。

BCDEdit が使われなかった場合、既定のグローバル デバッグ設定はシリアル通信用で、COM1 を使い、ボー レートは 115,200 です。

現在の設定を表示するには、次のコマンドを使います。

bcdedit /dbgsettings

debugtype               Serial
debugport               1
baudrate                115200

BCDEdit を使うには、管理者特権で [コマンド プロンプト] ウィンドウを表示します ([コマンド プロンプト] を右クリックし、ショートカット メニューの [管理者として実行] をクリックします)。

グローバル デバッグ設定をシリアル通信に設定するには、次の構文を使います。

bcdedit /dbgsettings serial [ debugport:port] [ baudrate: baud]

次の例は、グローバル デバッグ設定としてシリアル通信を指定する方法を示しています。

bcdedit /dbgsettings serial debugport:1 baudrate:115200

特定のブート エントリまたは現在のエントリのデバッグ設定をシリアルに設定するには、次の構文を使います。

bcdedit /set [{ID}] debugtype serial

bcdedit /set [{ID}] debugport port

bcdedit /set [{ID}] baudrate baud

{ID} を指定しなかった場合、設定は現在アクティブなブート エントリに適用されます。

次の例は、特定のブート エントリのシリアル デバッグ設定を指定する方法を示しています。デバッグ設定を有効にするには、コンピューターを再起動して、デバッグ用に構成したブート エントリを選ぶ必要があります。

bcdedit /set {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} debugtype serial
bcdedit /set {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} debugport 1
bcdedit /set {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} baudrate 115200
bcdedit /debug {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} on

現在のブート エントリとその設定を表示するには、bcdedit /enum コマンドを使います。

詳しくは、「BCDEdit /debug」と「BCDEdit /dbgsettings」をご覧ください。

Windows Vista より前のオペレーティング システムで、1394 ケーブルでデバッグを行うためのブート パラメーター

ホスト コンピューターとターゲット コンピューターの両方が Windows XP 以降を実行している場合は、IEEE 1394 (FireWire) ケーブルでカーネル デバッグを実行できます。

IEEE 1394 ケーブルでのデバッグを有効にするには、ブート エントリに /debug パラメーターと、/debugport/channel サブパラメーターを追加します。/debugport サブパラメーターの値を、1394 に設定します。/channel サブパラメーターの値を、ケーブル チャネルに設定します。

次のサンプル Boot.ini ファイルの最初のブート エントリは、1394 ケーブルでのデバッグ用に構成されています。

[boot loader]
timeout=30
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS
[operating systems]
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Debugging with 1394" /fastdetect /debug /debugport=1394 /channel=44
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Professional" /fastdetect

次の Bootcfg コマンドは、1394 ケーブルでのデバッグを有効にし、デバッグするチャネルを 44 に設定します。/dbg1394 スイッチに値 ON を指定すると、ブート エントリに /debug パラメーターと /debugport=1394 サブパラメーターが追加されます。/ch スイッチを指定すると、ブート エントリに /channel サブパラメーターが追加されます。/id スイッチは、2 つ目のブート エントリを指定します。

bootcfg /dbg1394 ON /ch 44 /id 2 

次の Bootcfg は、Boot.ini ファイルを持つシステムでのコマンドの結果を示しています。新たに追加されたパラメーターは、太字で表示されています。これで、このコンピューターのブート オプションとして、デバッグなしの Windows XP の起動と、1394 ケーブルでのデバッグを有効にする起動の両方が設定されました。デバッグなしの起動が既定です。

Boot Entries
------------
Boot entry ID:   1
Friendly Name:   "Microsoft Windows XP Professional"
Path:            multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS
OS Load Options: /fastdetect

Boot entry ID:   2
Friendly Name:   "1394 Debug Windows XP"
Path:            multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS
OS Load Options: /fastdetect /debug /debugport=1394 /channel=44

   Windows Server 2003 (Service Pack がインストールされていない) または Windows XP Service Pack 1 (SP1) が実行されているターゲット コンピューターに対して 1394 ケーブルを使ってカーネル デバッグを実行するには、ターゲット コンピューター上の 1394 ホスト コントローラーを無効にし、さらに Debugging Tools for Windows パッケージに含まれている 1394 仮想ドライバーをホスト コンピューターにインストールする必要があります。必要な手順について詳しくは、Debugging Tools for Windows のドキュメントの 1394 ホスト コントローラーの無効化に関するページと 1394 仮想ドライバーのインストールに関するページをご覧ください。

Windows Vista 以降で、1394 ケーブルでデバッグを行うためのブート パラメーター

Windows Vista 以降で IEEE 1394 ケーブルでのデバッグを有効にするには、BCDEdit を使ってデバッグ接続の種類を "1394" に設定します。これをグローバルに設定する場合は、BCDEdit /dbgsettings コマンドを、後に 1394 を付けて使います。特定のブート エントリに設定する場合は、BCDEdit /set コマンドを、後に debugtype 1394 を付けて使います。 カーネル デバッグをグローバルに有効にしたり、特定のオペレーティング システムで有効にするには、BCDEdit /debug コマンドも使う必要があります。

BCDEdit を使うには、管理者特権で [コマンド プロンプト] ウィンドウを表示します ([コマンド プロンプト] を右クリックし、ショートカット メニューの [管理者として実行] をクリックします)。

1394 用のデバッグ設定をグローバルに設定するには、次の構文を使います。

bcdedit /dbgsettings 1394 [ channel:channel ]

次の例は、グローバル デバッグ設定として 1394 を指定する方法を示しています。

bcdedit /dbgsettings 1394 channel:32 

特定のブート エントリまたは現在のエントリのデバッグ設定を 1394 に設定するには、次の構文を使います。

bcdedit /set [{ID}] debugtype 1394

bcdedit /set [{ID}] channel channel

{ID} を指定しなかった場合は、現在のブート エントリに設定が適用されます。

次の例は、特定のブート エントリの 1394 デバッグ設定を指定する方法と、/debug オプションを使ってそのブート エントリのカーネル デバッグを有効にする方法を示しています。 デバッグ設定を有効にするには、コンピューターを再起動して、デバッグ用に構成したブート エントリを選ぶ必要があることに注意してください。

bcdedit /set {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} debugtype 1394
bcdedit /set {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} channel 32
bcdedit /debug {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} on

現在のブート エントリとその設定を表示するには、bcdedit /enum コマンドを使います。

詳しくは、「BCDEdit /debug」と「BCDEdit /dbgsettings」をご覧ください。

Windows Vista より前のオペレーティング システムで、USB 2.0 デバッグ ケーブルでデバッグを行うためのブート パラメーター

USB 2.0 デバッグ ケーブルでのデバッグは、Windows Vista より前のバージョンの Windows を実行しているターゲット コンピューターではサポートされません。

Windows Vista 以降で、USB 2.0 デバッグ ケーブルでデバッグを行うためのブート パラメーター

ターゲット コンピューターが Windows Vista 以降を実行していて、ホスト コンピューターが Windows 2000 以降を実行している場合は、USB 2.0 デバッグ ケーブルでのカーネル デバッグを実行できます。

これらのバージョンの Windows で USB ケーブルでのデバッグを有効にするには、BCDEdit を使ってデバッグ接続の種類を "USB" に設定します。これをグローバルに設定する場合は、BCDEdit /dbgsettings コマンドを、後に usb を付けて使います。特定のブート エントリに設定する場合は、BCDEdit /set コマンドを、後に debugtype usb を付けて使います。 カーネル デバッグをグローバルに有効にしたり、特定のオペレーティング システムで有効にするには、BCDEdit /debug コマンドも使う必要があります。

BCDEdit を使うには、管理者特権で [コマンド プロンプト] ウィンドウを表示します ([コマンド プロンプト] を右クリックし、ショートカット メニューの [管理者として実行] をクリックします)。

USB 用のデバッグ設定をグローバルに設定するには、次の構文を使います。

bcdedit /dbgsettings usb [targetname:name]

次の例は、グローバル デバッグ設定として USB を指定する方法を示しています。

bcdedit /dbgsettings usb targetname:U1

特定のブート エントリまたは現在のエントリのデバッグ設定を USB に設定するには、次の構文を使います。

bcdedit /set [{ID}] debugtype usb

bcdedit /set [{ID}] targetname name]

{ID} を指定しなかった場合は、現在のブート エントリに設定が適用されます。

次の例は、特定のブート エントリの USB デバッグ設定を指定する方法と、/debug コマンドを使ってそのブート エントリのカーネル デバッグを有効にする方法を示しています。 デバッグ設定を有効にするには、コンピューターを再起動して、デバッグ用に構成したブート エントリを選ぶ必要があることに注意してください。

bcdedit /set {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} debugtype usb
bcdedit /set {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} targetname u2
bcdedit /debug {18b123cd-2bf6-11db-bfae-00e018e2b8db} on

現在のブート エントリとその設定を表示するには、bcdedit /enum コマンドを使います。

詳しくは、「BCDEdit /debug」と「BCDEdit /dbgsettings」をご覧ください。

Windows Vista 以降で起動プロセスをデバッグするためのブート パラメーター

ターゲット コンピューターが Windows Vista 以降を実行していて、ホスト コンピューターが Windows 2000 以降を実行している場合は、いずれかの起動コンポーネントのブート デバッグを実行できます。

ブート デバッグを有効にするには、BCDEdit /bootdebug コマンドを使い、適切な起動コンポーネントを指定します。Windows の起動後にカーネル デバッグを行う場合は、BCDEdit /debug コマンドも使います。

デバッグ接続 (シリアル、1394、または USB 2.0) も選ぶ必要があります。そのためには、通常のカーネル デバッグと同じように、BCDEdit /dbgsettings または BCDEdit /set コマンドを使います。

詳しくは、「BCDEdit /bootdebug」をご覧ください。

 

 

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