Windows Media ファイルにスクリプトコマンドを追加する

Microsoft Corporation

November 2000

Microsoft® Windows Media™ テクノロジーの最もパワフルな機能の 1 つは、ストリームの中にスクリプトコマンドを埋め込めることです。このようにすることによって、ブラウザの中でイベントを発生させることから、他の ActiveX® コントロールの中でイベントを呼び出すことまで、Microsoft Visual Basic® Scripting Edition (VBScript) または JavaScript でできることなら何でもできます。

スクリプト イベントを Webページに追加する機能を利用するには、2 つのステップがあります。

  • メディアにコマンドを追加する
    デジタルメディアにコマンドを追加するには、複数のエンコードツールから1つを利用することができます。ツールが、ファイルやライブストリームをエンコードまたは保存する際に、コマンドがメディア内に保存されます。
  • Webページ内のコマンドを処理する
    スクリプトは、Playerオブジェクトによって引き起こされたスクリプトコマンドを処理します。イベントスクリプト、オブジェクトエレメント、クロスブラウザ スクリプトなどを追加すれば、コマンドをActiveXやプラグインで処理できるようになります。

この記事では、コマンドを追加する方法を次のトピックで説明します:

  • スクリプトコマンドを追加するためのエンコードツール
  • Windows Media ASF Indexerでコマンドを追加する
  • 詳細情報

スクリプト イベントを追加するためのエンコードツール

デジタルメディアにスクリプト コマンドを埋め込むには、コマンドが発生する時間、タイプ文字列、およびパラメータ文字列を入力する必要があります。タイプには、URL、TEXT、EVENTなどいくつかの予約タイプを別とすれば、Webページ内でそれを解釈するために必要な VBScript または JavaScript コードがありさえすれば、どんな名前でもかまいません。タイプとパラメータ文字列をストリームに入れる方法は、Windows Mediaベースの コンテンツの作成に使用するツールによって異なります。スクリプトコマンドを追加するのに使用できるツールの概要を以下に示します。

会社名とツール名 説明
Windows Media
エンコーダ
キャプチャカードからエンコードしている進行中に、コマンドを追加します。Microsoft Windows Media エンコーダは、ライブストリームにコマンドを追加できる唯一のツールです。
最初に、セッションやエンコード プロファイルでスクリプトコマンドを有効にします。次に、スクリプト パネルにテキストを入力し、コマンドを送りたい時点で挿入をクリックします。
Windows Media
ASF Indexer
スクリプトコマンドを時間軸順にリストに加え、そのリストを編集したり、グラフィカルなタイムライン表示上でコマンドを新しい位置にドラッグすることにより、コマンドのタイミングを調整します。ASF Indexer では、Windows Mediaファイルを開いて編集することのみ可能です。
Windows Media Advanced Script Indexer リストにスクリプトコマンドを追加し、リスト内のアイテムを編集してタイミングを調整します。Windows Mediaファイルを開いて編集することのみ可能です。
ASFChop ASFChopはWindows Media ASF Indexer と機能的にはほとんど同じユーティリティですが、コマンドラインで使用します。Microsoft メモ帳かその他のお気に入りのテキストエディタで、スクリプトファイルを作ります。その後、コマンドプロンプトで -script スイッチをつけてスクリプトファイルのパスと名前を入力し、Windows Mediaファイルをコンパイルします。

以下はサンプルのコマンドラインです:
asfchop -in wavfile.wmv -out newasf.wmv -script scriptfile.txt

Sonic Foundry Sound Forge はサードパーティのツールです。オーディオやビデオファイルのグラフィカルな波形表示へスクリプトコマンドを追加します。Sound Forgeでは、AVIやWAVファイルのようなメディアファイルのオーディオ特性を編集し、その後メディアとコマンドをWindows Mediaファイルへエンコードできます。Windows Mediaファイルを直接編集することはできません。
Windows Mediaファイルは、Stream AnywhereやACIDといった、他のSonic Foundry製品でもエンコードできます。
Terran Cleaner 5 はカメラからWEBへストリーミングする、サードパーティのソリューションです。Cleaner 5 では、キャプチャし、スクリプトコマンドを追加し、エンコードし、Windows Mediaファイルを公開することができます。

これらのツールの使い方に関する詳細な情報は、それぞれのプログラムに含まれるオンラインヘルプ文書を参照してください。Windows Media ASF Indexer、Windows Media Advanced Script Indexer、ASFChopは、Windows Media Resource Kitの一部であり、ヘルプ文書はKitに含まれています。Windows Media Resource Kit及びWindows Media エンコーダは、Windows Media Webサイトからダウンロードできます。

Windows Media ASF Indexerでコマンドを追加する

Windows Media ASF Indexerを使って、スクリプトコマンドだけでなくマーカーやテキストのプロパティを、既にWindows Media ファイルとしてエンコードされているデジタルメディアに追加できます。この章で、このツールを使ってスクリプト コマンドを追加したり編集したりすることがいかに簡単か、おわかりいただけます。ここで得られる知識は、スクリプトコマンドを追加する他のエンコードツールのどれかを使う場合にも、役に立つでしょう。

注: マーカーはブックマークのようなものです。Windows Mediaファイルにマーカーを追加すると、エンドユーザーはWindows Media Playerを使って、デジタルメディアの異なる部分にナビゲートできます。

Windows Media ASF Indexerを使うには

  1. コマンドを追加したいファイルの拡張子を確認します。拡張子が.wmaか.wmvの場合は、拡張子.asfに名前を変更します。ASF Indexerは現在.wmaと.wmvファイル名拡張子を認識しません。
  2. コンピュータ上のプログラムファイル・asfindxr.exeを探して開きます。Windows Media Resource Kitをインストールしたときにデフォルト設定を使っていれば、[スタート]から[ファイル名を指定して実行]をクリックし、次のパスを入力してください。
    c:\Program Files\Windows Media Components\Tools\asfindxr.exe

スクリプトコマンドを追加するには

  1. [File]メニューから[Open]をクリックし、次にファイル拡張子.asfのファイルを開きます。
  2. スクリプトコマンドを発生させたい時点までファイルを再生し、Pauseボタンをクリックします。
  3. [Edit]メニューから、[Edit Script Command]をクリックします。
  4. [Script Command]ダイアログボックスで、[New]をクリックし、次の情報を入力します:
    • Time
      スクリプトコマンドを発生させたい時間
    • Type
      リストからタイプを選択するか、カスタムタイプを入力します。たとえば、2つのテキストボックス内でテキストを切り替えたい場合は、最初のテキストボックスに表示したいテキストに関連するものをTextbox1 というタイプにし、2番目のテキストボックスに関するものはTextbox2にします。
    • Parameter
      タイプに関連させたいコマンドまたはテキスト文字列です。たとえば入力したタイプがURLであれば、パラメータはあるURLです。入力したタイプがCAPTIONであれば、パラメータはキャプションとして使うテキスト文字列になります。
  5. ダイアログボックスを閉じます。

スクリプトコマンドが Script Command Timeline 上に緑のアイコンとして表示されることに注意してください。そのアイコンをドラッグして、スクリプトコマンドが発生する時点を変更することができます。

スクリプトコマンドを編集するには

  1. EditメニューからEdit Script Commandをクリックします。
  2. 編集したいコマンドをクリックし、Editをクリックします。
  3. 変更して、ダイアログボックスを閉じます。

ファイルに保存するには

  • Fileメニューから[Save]をクリックします。

ファイルを新しいスクリプトコマンドとともに保存した後で、これまでのファイル名拡張子を.wmaや.wmvに変更します。

ファイルを再生するとき、Windows Media Playerはスクリプトコマンドの発生を処理します。URLやCAPTIONなどの特定のキーコマンドタイプは、Windows Media Player内で処理されます。PlayerがWebページに埋め込まれている場合は、コマンドはイベントのスクリプトによって処理されます。

詳細情報

スクリプトに関する情報とコードサンプルについては、MSDN Online Sample エリアのWindows Mediaセクションを参照してください。