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Windows Media サービス: 基本

October 2000
2002 年 3 月 25 日

Windows Media(TM) ファイルやライブストリームを作成したら、それを Windows Media サーバーにホストして、エンドユーザーがネットワーク経由で利用できるようにできます。Windows Media サービスでは、ライブまたは保存形式のコンテンツをユニキャストまたはマルチキャストすることができます。

Microsoft(R) Windows Media(TM) サービスが Windows NT(R) を基盤として作成されているということは、オペレーティングシステムの信頼性、スケーラビリティ、パフォーマンス、およびコストパフォーマンスを利用できることを意味します。 また、Windows Media サービスは、Microsoft Internet Information Server Non-MSDN Online linkMicrosoft Site Server Non-MSDN Online linkMicrosoft Internet Explorer Non-MSDN Online link など、他の Windows NT ベースの製品を補完します。

Windows Media サービスは、Windows NT Server 4.0 が稼動するコンピュータにインストールできます。Windows Media サービス4.1をWindows Media ダウンロードページからダウンロードします。Windows(R) 2000 Server を使用している場合は、Windows Media サービスはすでにインストールされています。

Windows Media サービスは、ブロードキャストとオンデマンドの 2 つのタイプのコンテンツをストリームできます。このタイプは両方とも、ユニキャストと呼ばれる接続タイプでクライアントに配信できます。ブロードキャストコンテンツはまた、マルチキャストと呼ばれる接続タイプで配信することもできます。この記事では、これらの用語を定義し、Windows Media アドミニストレータを使ってどのようにブロードキャスト・ユニキャスト、ブロードキャスト・マルチキャスト、オンデマンド・ユニキャスト用に Windows Media サーバーを構成するかを説明します。

ブロードキャスト ユニキャスト

ブロードキャストは、ストリームを受信する受動的なユーザー経験を指します。ブロードキャスト中に、クライアントはストリームを受信しますが、ストリームをコントロールしません。ユニキャストでは、別々の接続がそれぞれのクライアント-サーバー間で維持されます。

Windows Media サーバーを構成してブロードキャストユニキャスト ストリームを配信するには、ライブストリームか保存形式コンテンツを指し示す「ブロードキャストユニキャスト公開ポイント」を作成します。クライアントは、このエイリアスに接続することによって、コンテンツにアクセスします。ブロードキャスト、マルチキャスト、オンデマンドに関する詳細な情報については、 Windows Media サービスのオンラインヘルプ文書を参照してください。

ブロードキャストユニキャストを設定するには:

  1. [スタート] - [プログラム] - [Windows Media] - [Windows Media アドミニストレータ] を選択します。Windows 2000 Server が稼動しているコンピュータでは,[プログラム] - [管理ツール] - [Windows Media] を選択します。

  2. Windows Media サーバーの名前を入力します。

  3. Windows Media アドミニストレータが接続したら、左側のツールバーの [サーバー設定]の下の「ユニキャスト公開ポイント] を選択します。

  4. [ブロードキャストのユニキャスト公開ポイント] の [新しいブロードキャスト公開ポイントを作成するウィザードを使う] をチェックします。

  5. [ブロードキャスト] ボタンをクリックして、[新規作成] を選択します。ユニキャスト公開ポイントを作成するウィザードが表示されます。[次へ] をクリックします。

  6. [公開ポイントの選択] 画面で、[ブロードキャストの公開ポイントを作成する] を選択します。

  7. [ソースの指定] 画面で、ライブストリームのソースとして [Windows Media エンコーダ] を選択します。

  8. [Windows Media エンコーダへの新しいブロードキャスト公開ポイント] 画面で、[エイリアス] フィールドにストリームの名前を入力し、[パス] フィールドに Windows Media エンコーダのパスを入力します。たとえば以下のように入力します:
    http://MyEncodingComputer
    [ポート] フィールドに、Windows Media エンコーダを設定するときに選んだポート番号を入力します。エンコーダのデフォルト値で設定していた場合は、ポート 8080 を入力して、[次へ] をクリックします。

  9. [公開方法の選択] 画面で、[プロトコル] として MMS を選択します (MMS は、UDP から TCP へ、そして HTTP への自動的なロールオーバーを使用します)。また、いくつかの公開のオプションを選択して、[次へ] をクリックします。

  10. [公開の準備完了] 画面で、選択したオプションを確認します。選択したオプションがこれでよければ [完了] をクリックします。変更する場合は [戻る] をクリックします。

  11. 拡張子 .ASX のWindows Media メタファイルを保存します。ストリームがビデオの場合は拡張子 .WVX、オーディオのみの場合は拡張子 .WAX もまた使用することができます。これらの拡張子は、新しいWindows Media テクノロジー バージョン 7 標準に準拠しています。

  12. [公開完了] 画面で、ウィザ-ドで作成された新しい公開ポイントとファイルが正しいかどうか確認することができます。次の要素をテストする場合には、Windows Media エンコーダを起動して適切なボタンをクリックしてください。

    • URL のテスト。Windows Media Player を開き、新しい公開ポイントのURLを使う。
    • .ASX のテスト。Windows Media Player を開き、新しい公開ポイントを示すWindows Media メタファイルを使う
    • HTM のテスト。この構成では、テストボタンは使用できません。

ブロードキャスト マルチキャスト

ブロードキャストマルチキャストの設定は、2つの基本的な理由から、ブロードキャストユニキャストの設定より複雑です。

  • マルチキャストストリームにはヘッダー情報が無い。クライアントがブロードキャストユニキャストやオンデマンドストリームに最初に接続する時に、構成情報がクライアントに送られるので、コンテンツは受信されてレンダリングされ、正常に受信できるようになります。マルチキャストの場合のヘッダー情報は、ブロードキャストマルチキャスト設定の中で作成される、Windows Media ストリーム情報ファイルから代わりに受信します。
  • マルチキャストIPアドレスが必要。それぞれのマルチキャスト接続には,構成されなければならない個別のマルチキャストIPアドレスとポートが必要です。すべてのユニキャストストリームは同じ固定のポートとIPアドレスを使用し、導入中に自動的に構成されます。 ブロードキャストをマルチキャストするのは、帯域幅が問題のひとつとなっている場合には良い選択といえるでしょう。ひとつのストリームが事実上無限の数のクライアントに届けられるからです。ユニキャストでは、それぞれのクライアント接続は別々のストリームを必要とします。しかしながら、欠点として、マルチキャストにはマルチキャストが有効になっているネットワークが必要となります。オプションに関する詳細な情報は、Windows Media サービスに含まれるヘルプ文書を参照してください。

ブロードキャストマルチキャストを構成するには:

  1. [スタート] - [プログラム] - [Windows Media] - [Windows Media アドミニストレータ] を選択します。Windows 2000 Server が稼動しているコンピュータでは,[プログラム] - [管理ツール] - [Windows Media] を選択します。

  2. Windows Media サーバーの名前を入力します。

  3. Windows Media アドミニストレータが接続したら、左側のツールバーの [サーバー設定]の下の [マルチキャスト ステーション] を選択します。

  4. [ステーション] の [ウィザードを使って新しいステーションを作成] をチェックします。

  5. [ステーション] ボタンをクリックして、[新規作成] を選択します。マルチキャスト ステーションを作成するウィザードが表示されます。[次へ] をクリックします

  6. [ステーションの選択]画面で、[新しいステーションの作成] を選択して、[次へ] をクリックします。

  7. [新しいステーションの作成]画面で、ステーションの名前と簡単な説明を入力します。配布方法を選択します。[マルチキャストと配布] を選択して[次へ] をクリックします。この配布モードでは、ステーションはマルチキャスト ストリームと配布ストリームを出力します。配布ストリームはブロードキャスト・ユニキャスト公開ポイントに置かれるので、ブロードキャストをマルチキャストとユニキャストとして提供することができます。

  8. [プログラム名とストリーム名の指定]画面で、新しい名前を入力するかデフォルト値を使用します。[次へ] をクリックします。

  9. [ストリームオブジェクトの入力ソースの種類を指定]画面で、ストリームのソースして [Windows Media エンコーダ] を選択して、[次へ] をクリックします。

  10. [ストリームオブジェクトのソースURLの指定]画面で、Windows Media エンコーダからのライブストリームのURLを入力します。エンコーダへの接続には、HTTP または MSBD プロトコルを使用することができます。Windows Media エンコーダ バージョン7.xを使用している場合は、HTTPのみ使用可能です。[次へ] をクリックします。

  11. [ストリーム形式の情報を指定] 画面で、Windows Media エンコーダの設定時に標準のストリーム形式テンプレートを使用したか、カスタム設定を作成したかを選択します。カスタム設定をしていた場合は、次の手順を行ってください。

    1. Windows Media エンコーダで [ファイル] メニューから [保存] をクリックします。これで、拡張子 .ASD の Windows Media ストリーム形式ファイルが保存できます。
    2. そのファイルを Windows Media サーバーからアクセスできる場所にコピーします。
    3. そのファイルへのパスを入力し [次へ] をクリックします。

    Windows Media ストリーム形式ファイルの中にある情報はウィザードが Windows Media ステーションファイルを作成するときに使われます。ステーションファイルは、クライアントがマルチキャストに接続する際のヘッダやマルチキャスト接続情報を提供します。

    注: Windows Media エンコーダ 7.x を使用している場合は、手順が異なります。以下のサイトをして設定してください。
    https://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;EN-US;q250610

  12. [ステーション情報ファイルのエクスポートパス] 画面で、Windows Media ステーションファイルを保存するパスとファイル名を入力します。このファイルはエンドユーザーからアクセスできる必要があります。一般的には、Webサーバー上にこのファイルをホストします。 [次へ] をクリックします。

  13. [ステーション情報ファイルのURL] 画面で、クライアントがステーションファイルにアクセスする方法を選択して、ファイルへの URL またはネットワークシェアへのパスを指定します。[次へ] をクリックします。
    この情報は、拡張子.ASXのWindows Media メタファイルを作る際に使用されます。ブロードキャストマルチキャストに接続するには、エンドユーザーは一般にこのメタファイルにアクセスし、その後 Windows Media Playerがステーションファイル経由でマルチキャストストリームに接続します。

  14. [公開方法の選択] 画面で、デフォルト値・[ASFストリームを使用した ASX ファイルを作成する] に設定します。このオプションを選択すると、クライアントに Windows Media ストリーム形式ファイルを示す Windows Media メタファイルが作成され、その後クライアントはマルチキャストストリームに接続します。その他の選択オプションについては、Windows Media サービスオンラインヘルプを参照してください。 [次へ] をクリックします。

  15. [公開の準備完了] 画面で、選択したオプションを確認します。選択したオプションがこれでよければ [完了] をクリックします。変更する場合は [戻る] をクリックします。

  16. [完了] をクリックし、Windows Media メタファイルをエンドユーザーからアクセスできる場所に保存します。

  17. [公開完了] 画面で、Windows Media メタファイルをテストするか、 [閉じる] をクリックします。

オンデマンド ユニキャスト

オンデマンドはブロードキャストとは対照的に、ストリーム受信のインタラクティブな経験を指します。オンデマンドストリームを受信すると、エンドユーザーは再生において完全にコントロールできます。たとえば、エンドユーザーはオンデマンドストリームで再スタート、一時停止、早送り、巻き戻しをすることができます。

Windows Media サーバーを導入する際にデフォルトのままで設定した場合は、オンデマンドストリームを配信する設定は不要です。inデマンドメディアは、拡張子.wmv、.wma、.asfのWindows Media ファイルからストリームできます。Windows Media ファイルをWindows Media サーバーからストリーミング可能にするには、単純に、サーバー上の ASFROOT ディレクトリにファイルを置いてください。このディレクトリは、Windows Media サービスが導入された時に自動的に作成されています。

サーバーから Windows Media ファイルをストリームするには、Windows Media Player 7で [ファイル] メニューから[URLを開く] をクリックし、ファイルへの URL を、たとえば mms://MyServer/MyFile.wmv と入力します。Web ページ内でオンデマンドファイルを開きたい場合には、拡張子 .wvx、.wax、.asx の Windows Media メタファイルへリンクさせます。

オンデマンド マルチキャスト

オンデマンド マルチキャストは、誤った名称です。ユーザーは、いつマルチキャスト ストリームを開始するか決めることができないからです。マルチキャストは伝統的な放送モデルであり、いつブロードキャストを開始するかは、コンテンツ作成者またはホストが決めます。

Quality of Service

Windows 2000 には、ネットワーク管理者が Windows Media サービスなどの特定のアプリケーションのためにネットワーク帯域幅の一部を確保できる Quality of Service (QoS) 機能が組み込まれています。 Windows プラットフォームはすぐれたストリーミングメディア機能を提供する」Non-MSDN Online link ページを参照してください。 -->