SQL Server 2005 Beta 2 での Transact-SQL コードの編集
October 2004
日本語版最終更新日 2005 年 4 月 18 日
Ron Talmage
Solid Quality Learning
対象 :
Microsoft SQL Server
SQL
Server 2005 Beta 2
SQL Server 2005 Management
Studio
Transact-SQL (T-SQL) コード
概要 : Microsoft SQL Server 2005 Management Studio で使用できる T-SQL 開発ツールの概要を説明します。
目次
はじめに
Management Studio の一般的なクエリ編集機能
Transact-SQL クエリの管理
Transact-SQL コード エディタの使用
クエリの分析
Transact-SQL を編集するための Management Studio の構成
まとめ
はじめに
Microsoft SQL Server 2005 Beta 2 では、Transact-SQL クエリを開発するための主要なツールは Management Studio です。この資料では、Management Studio の Transact-SQL 編集機能を、Transact-SQL 開発向けのより興味深い強力な新機能のいくつかに注目しながら紹介します。 また、Management Studio と SQL Server 2000 クエリ アナライザの違いや Management Studio で強化された点についても説明します。 この資料のお読みになる前に、SQL Server 2005 Management Studio の起動方法と操作方法、SQL Server 2005 インスタンスへの接続方法、および Management Studio のさまざまなウィンドウの操作方法を理解しておく必要があります。
SQL Server 2005 Beta 2 Management Studio は開発段階の製品です。そのため、SQL Server 2005 の最終的なリリースまでに、新機能が追加されたりいくつかの機能が変更されたりする可能性があります。 この資料では、Management Studio は SQL Server 2005 Beta 2 に同梱されているバージョンを、クエリ アナライザは SQL Server 2000 に同梱されているバージョンを使用します。
Management Studio の一般的なクエリ編集機能
すべての SQL Server データベース製品のクエリの編集機能が Management Studio に統合されます。 [新しいクエリ] ツール バー ボタンまたは [ファイル] メニューの [新しいクエリ] から新しいクエリの作成を開始すると、SQL Server、Analysis Services、SQL Mobile 向けのクエリを作成および編集できることがすぐにわかります。 SQL Server クエリを使用して作業しているときは、Management Studio から Transact-SQL コード エディタが呼び出されます。 分析サーバーのクエリを使用して作業しているときは、Management Studio から MDX エディタ、DMX エディタ、および XMLA エディタが呼び出されます。また、SQL Mobile クエリを使用して作業しているときは、Transact-SQL 言語の適切なサブセットに対応する特殊なコード エディタが呼び出されます。 この資料では、Management Studio を使用した Transact-SQL クエリの編集を中心に説明します。
Transact-SQL クエリに注目する前に、クエリ アナライザとは大きく異なる Management Studio の一般的な機能を理解しておくことが役に立ちます。 特筆すべき Management Studio の機能に、接続モードまたは非接続モードで編集できる機能があります。つまり、クエリを編集するときにサーバーに接続されている必要がありません。 クエリの作成を開始すると、接続を求めるメッセージが表示されますが、接続を行わなくても編集を続行できます。 また、編集中に接続を削除または変更しても、クエリを保存して再度開く必要はありません。 これにより、コードをオフラインで開発したり、複数の SQL Server で連続的にコードの開発を実行したりできます。
接続モードでクエリを扱うと、Management Studio では、SQL ネイティブ クライアントを使用して、SQL Server、分析サーバー、または SQL Mobile への接続が行われます。 Management Studio は Microsoft Visual Studio と多くの点で似ていますが、これは Visual Studio のマネージ コードを使用して開発された独自のツールです。 Management Studio では、SQL Server、Analysis Services、および SQL Mobile のクエリの作成と編集がサポートされます。 SQL CLR コードの開発には Visual Studio を使用する必要があります。
Management Studioでは、プレーンテキスト ファイルを編集することもできます。 たとえば、[ファイル] メニューから [開く] ダイアログ ボックスを呼び出してテキスト ファイルを開くと、Management Studio では接続を求めるメッセージが表示されずに、プレーンテキスト エディタが起動します。 また、XML エディタを間接的に呼び出すこともできます。XML エディタについては、「クエリの分析」で説明します。
Transact-SQL クエリの管理
Management Studio で Transact-SQL コードを編集するときには、2 つの基本的な方法があります。 Management Studio のオブジェクト エクスプローラから、補助付きエディタを使用してデータベースの Transact-SQL コード オブジェクト (ストアド プロシージャ、トリガ、ビュー、関数など) を直接編集するか、またはディスク ファイルとして保存された Transact-SQL スクリプトを編集できます。
データベース コードの直接的な編集
Management Studio のオブジェクト エクスプローラは、対話形式で Transact-SQL コードを編集するためには必須のツールです。Transact-SQL クエリの編集中には、ドッキングされているか非表示であるかにかかわらず、使用できる状態で保持しておくことが多くなります。 オブジェクト エクスプローラを使用すると、接続ダイアログに接続情報を入力しなくても、現在の接続から新しいクエリの作成を開始できます。この操作を実行するには、ユーザー データベースに移動し、データベース名を右クリックして、[新しいクエリ] を選択します。
オブジェクト エクスプローラでは、補助付きエディタという新しいツールを使用して、対話形式で直接 Transact-SQL コードを編集することもできます。 オブジェクト エクスプローラで、プログラミング ノードに移動し、いずれかのプログラミング ノードを右クリックすると表示されるポップアップ メニューの [新規作成] および [変更] オプションにより、適切な補助付きエディタが呼び出されます。 補助付きエディタは、ストアド プロシージャ、関数、トリガ、およびビューに使用できます。 例として、AdventureWorks サンプル データベースでのストアド プロシージャの編集に使用されている補助付きエディタを図 1 に示します。

図 1. Transact-SQL コード オブジェクトの直接編集に使用できる補助付きエディタ
データベース コード オブジェクトの変更に補助付きエディタを使用すると、ディスク ファイルを使用せずに編集を行っていることになります。これは、プロジェクトまたはソリューション、およびソース コード管理も使用していないことを意味します。 補助付きエディタでは、Transact-SQL コード オブジェクトのヘッダー部分が管理され、入力に基づいてヘッダーが作成および変更されます。 Management Studio の Transact-SQL コード エディタを使用することで、コード オブジェクトの本文を自由に編集できます。
注意 Transact-SQL コード オブジェクトのヘッダーにコメントまたは特殊な書式が存在し、実行した操作によってその行が上書きされると、これらのコメントまたは書式は削除されます。 これらのコメントを保護できるように、Management Studio によって警告が表示され、クエリ ウィンドウでのコード オブジェクトの編集オプションが提示されます。
オブジェクト エクスプローラを使用して、新しい Transact-SQL コード オブジェクトを作成するか、または補助付きエディタで既存の Transact-SQL コード オブジェクトを変更すると、Management Studio のメニュー バーに新しい [補助付きエディタ] メニューが表示されます。 [補助付きエディタ] メニューでは、オブジェクトのアクセス許可の設定、オブジェクトの拡張プロパティの作成または変更、補助付きエディタのアクションのスクリプトの作成、およびオブジェクトの作成または変更のスケジュール設定を実行できます。
補助付きエディタの新しい [拡張プロパティ] ページでは、長文の説明テキストを入力できます。 [拡張プロパティ] ページがアクティブになったら、[値] ボックスの右にある [参照] をクリックすることで、長文の説明を記述する新しいデータ入力ダイアログが表示されます。
補助付きエディタを使用したデータベース コード オブジェクトの編集は直接的かつ対話形式であることを覚えておいてください。 加えた変更を保存すると、それらの変更はすぐにデータベースに適用されます。 Management Studio には、変更管理の対象となる Transact-SQL コード オブジェクトを開発できるように、ファイル ベースの編集機能も用意されています。
スクリプト ファイルの編集
Management Studio では、対話形式の編集だけでなく、Transact-SQL スクリプト ファイルをディスクから個別に編集するか、SQL Server ソリューションやプロジェクトから編集できます。 クエリ アナライザの場合と同様に、個別のスクリプト ファイルを作成および変更し、新しいクエリを独立したスクリプト ファイルとして保存できます。 また、これらの個別のファイルを編集前にソース コード管理システムからチェックアウトし、編集完了後にチェックインすることもできます。 Management Studio の特徴は、作成した Transact-SQL スクリプト ファイルをソリューションとプロジェクトに体系化し、それらのソリューションとプロジェクトをソース コード管理に統合できることです。
Management Studio ソリューションでは、複数のプロジェクトを 1 つに体系化できます。 作成した各プロジェクトと関連付けられるクエリの種類は、SQL Server、Analysis Services、SQL Mobile のいずれか 1 つだけです。また、すべてのソリューションに少なくとも 1 つのプロジェクトが必要です。 特定のプロジェクトには、接続情報に関するアイテム、クエリ スクリプト ファイル、およびその他のファイルを格納できます。
注意 Management Studio ソリューションとプロジェクトは、Visual Studio ソリューションとプロジェクトと似ていますが、互換性はありません。
プロジェクトの外部で SQL Server クエリの作成を開始しても、Management Studio ではプロジェクトを含まない "Solution1" という既定の新しいソリューションが起動されます。 プロジェクトを追加しなかった場合、Management Studio では、この Management Studio ソリューションを保存するかどうかを確認するメッセージが表示されます。 ただし、新しいソリューションを作成するための最も適切な方法は、新しいプロジェクトを作成することです。 この操作を実行するには、[ファイル] メニューの [新規作成] を選択し、[プロジェクト] を選択します。 表示されるダイアログ ボックスでは、新しいプロジェクトの種類、名前、およびソリューション名を選択できます。 ソリューションに複数のプロジェクトを含める場合、図 2 に示すように、そのソリューションの名前がプロジェクトの名前とは異なっていることを確認します。

図 2. 新しいプロジェクトを作成するときの新しいソリューションの命名とカスタム ディレクトリの指定
同時に開くことができるソリューションは 1 つだけですが、どのソリューションにも任意の種類のプロジェクトを複数含めることができることに注意してください。 ソリューションとプロジェクトの詳細については、SQL Server 2005 Beta 2 Books Online の「Introduction to Solutions, Projects, and Items」を参照してください。
Management Studio では、使用しているソース コード管理システムのプラグインが用意されている場合、ソリューションとプロジェクトがソース コード管理システムに統合されます。その後、そのソース コード管理システムは、[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスから構成できます。 選択ツリーの [ソース管理 (Source Control)] ノードの下にある [プラグインの選択 (Plug-in Selection)] ノードには、現在のソース コード管理のプラグインを指定できるダイアログ ボックスが用意されています。ソース コード管理への統合を設定したら、ソース コード システムに SQL Server ソリューションを追加し、そのソリューションをチェックアウトできます。 ソリューション エクスプローラから新しい SQL Server クエリを作成する場合、[チェックインの保留 (Pending Checkins)] ダイアログ ボックスが、チェックインするファイルの決定に役立ちます。
たとえば、コンピュータに Microsoft Visual SourceSafe 6.0 クライアント コンポーネントがインストールされている場合、SQL Server 2005 Management Studio では、VSS プラグインを使用できることが自動的に検出されます。 上記で説明したように、[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスで、[ソース管理 (Source Control)] ノードを展開してから [プラグインの選択 (Plug-in Selection)] ノードを選択することにより、一覧に VSS プラグインが表示されます。 また、[ファイル] メニューの [ソース管理 (Source Control)] がアクティブになります。このオプションを使用して、既存の Management Studio ソリューションをソース管理に追加するか、または Management Studio をソース管理から直接開きます。 複数のソース管理システムを有効にし、あるシステムから他のシステムに変更できます。
ツールのサポート
これらの編集方法に加え、Transact-SQL とその他のコードの編集をサポートする多くの Management Studio ツールが用意されています。
たとえば、Management Studio のテンプレート エクスプローラ ウィンドウからアクセスできる [クエリ テンプレート] を使用して、SQL Server クエリの作成に移動できます。 テンプレート エクスプローラでは、Transact-SQL クエリだけでなく、すべての SQL Server クエリ向けの独自のテンプレートを使用、変更、および追加できます。 テンプレート エクスプローラの SQL Server テンプレートは、SQL Server 2000 テンプレートと互換性があり、同じ種類のパラメータ置換タグを使用しています。
Management Studio の Transact-SQL エディタを使用して、SQLCMD クエリを実行およびデバッグできます。この操作を実行するには、クエリの実行時に [SQLCMD] ボタンをクリックします。 その後、Management Studio では、SQLCMD 固有のコマンドが Transact-SQL コマンドと共に認識および実行されます。
注意 SQL Server 2005 Beta 2 では、Management Studio を使用した Transact-SQL コードのデバッグはサポートされていません。 Transact-SQL コードをステップ実行するには、Visual Studio 2005 を使用する必要があります。
Transact-SQL コード エディタの使用
SQL Server 2005 Management Studio での Transact-SQL コードの編集は大部分が SQL Server 2000 クエリ アナライザでの編集とよく似ていますが、コードの作成に関しては多くの拡張機能があります。
編集機能
Management Studio で Transact-SQL コードを編集すると、構文の強調表示の色と編集のオプションが、SQL Server 2000 クエリ アナライザで使い慣れたオプションとほとんど同じであることがわかります。 また、編集を元に戻すだけでなく、やり直すことができます。 さらに、強化された検索と置換ダイアログ ボックスも用意されています。このダイアログ ボックスでは、複数のファイルにまたがって検索と置換を実行できるだけでなく、正規表現またはワイルド カードに基づいて検索を実行できます。
注意 Beta 2 の Management Studio には、クエリ アナライザの [オブジェクトの検索] ダイアログ ボックスに相当するツールが用意されていません。
Management Studio の [編集] メニューに追加された編集オプションには、行方向のスペースを削除する機能だけでなく、タブとスペースの相互変換を実行できるオプションも含まれています。 また、テキストを折り返すかどうかを切り替える機能と、テキストの折り返し記号を使用するかどうかを切り替える機能も追加されています。 [ツール]、[オプション]、[テキスト エディタ]、[すべての言語 (All languages)] の順に選択および展開すると表示されるダイアログ ボックスで、テキストの折り返しを構成できます。
キーボード ショートカット
既定の [標準] ツール バーのボタンを使用すると、コメントの設定と解除、テキストへのインデントの設定と解除を実行できます。 ただし、Management Studio では、Transact-SQL コードでコメントの設定と解除を実行するための標準のキーボード ショートカットが変更されました。 SQL Server 2000 クエリ アナライザでコメントを設定するには、Ctrl + Shift + C キーを押し、コメントを解除するには Ctrl + Shift + R キーを押していました。Management Studio でコメントを設定するには、Ctrl + K キーを押してから Ctrl + C キーを押し、コメントを解除するには Ctrl + K キーを押してから Ctrl + U キーを押します。 コードにコメントを設定するには、Ctrl キーを押しながら、K キーを押した直後に C キーを押します。詳細については、SQL Server 2005 Beta 2 Books Online の「SQL Server Management Studio Keyboard Shortcuts」を参照してください。
注意 [ツール]、[オプション]、[環境]、[キーボード] の順に選択および展開すると表示されるダイアログ ボックスで、Management Studio のキーボード ショートカットの構成を [標準] から [SQL Server 2000] に変更できます。 Beta 2 の Management Studio では、カスタム キーボード ショートカットは定義できません。
ウィンドウの管理
Management Studio では、タブ付きまたは MDI ドキュメントという 2 つのスタイルのクエリ編集ウィンドウを使用して作業できます。 既定の設定はタブ付きウィンドウです。タブを選択することにより、開いているクエリ ウィンドウのいずれかを選択できます。 [ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスから表示できる [環境] ダイアログ ボックスで、ウィンドウのレイアウトを MDI ウィンドウに変更できます。 この操作を実行すると、Management Studio が自動的に再起動されますが、接続と開いているウィンドウはすべて保持されます。
注意 Management Studio では多くのウィンドウを使用できるので、Shift + Alt + Enter キーを押してクエリ編集ウィンドウを全画面表示することをお勧めします。この操作は [表示] メニューからも実行できます。 ウィンドウを既定の設定にリセットする場合は、[ウィンドウ] メニューの [ウィンドウ レイアウトのリセット (Reset Window Layout)] をクリックします。
クエリ ウィンドウは、左右または上下に並べて表示できます。この操作を実行するには、クエリ ウィンドウのタブを右クリックし、[新しい水平タブ グループ (New Horizontal Tab Group)] または [新しい垂直タブ グループ (New Vertical Tab Group)] を選択します。 この操作を実行してから Alt + Shift + Enter キーを押すと、設定した配置でクエリ ウィンドウが最大表示されます。 図 3 は、[垂直タブ グループ (Vertical Tab Group)] を使用して 2 つのクエリ ウィンドウを左右に並べて表示し、Shift + Alt + Enter キーを押して最大表示した状態を示しています。

図 3. クエリのタブを右クリックし、[新しい水平タブ グループ (New Horizontal Tab Group)] または [新しい垂直タブ グループ (New Vertical Tab Group)] を選択することによって複数のクエリ ウィンドウを並べ、Shift + Alt + Enter キーを押してウィンドウを最大表示した状態
クエリ結果を使用した作業
クエリの実行には、[クエリ] ツール バーの [実行] ボタンだけではなく、F5 キー、Alt + X キー、Ctrl + E キーも使用できます。 同様に、結果をテキスト、グリッド、またはファイルに出力できます。 結果をグリッドに出力すると、クエリ結果を別のタブ ウィンドウに表示できます。また、[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスを使用して、次に開くクエリ ウィンドウにこの変更を適用できます。 このダイアログ ボックスのツリー ビューで、[クエリ結果]、[SQL Server]、[結果をグリッドに表示] の順に移動します。 次に、[結果を別のタブに表示する] チェック ボックスをオンにします。
実行中の作業を反映するときに、いくつかの制限があります。 Management Studio Beta 2 では、別のタブ付きウィンドウには "テキスト ベース" の結果を表示できません。 別のタブ付きウィンドウにグリッド ベースの結果を表示すると、ウィンドウの最下部にタブが表示されます。このときにタブを上部に配置することはできません。
Management Studio には、結果ウィンドウの表示を切り替えるツール バー アイコンはありません。ただし、クエリ アナライザの場合と同様に、Ctrl + R キーを押すとこの操作を実行できます。 [ウィンドウ] メニューの [結果ペインの表示] と [結果ペインの非表示] を使用することもできます。また、[ツール] メニューの [ユーザー指定 (Customize)] を使用して、これらのオプションのボタンを [クエリ] ツール バーに追加できます。
クエリの分析
Management Studio では、クエリの分析をサポートするための新機能が追加されています。 馴染みのあるグラフィカルなプラン表示やテキストのプラン表示出力だけでなく、XML にプラン表示を出力することもできます。 インデックス チューニング ウィザードは、データベース チューニング アドバイザに置き換わります。また、クライアント統計にはいくつかの新機能があります。
グラフィカルなクエリ プラン
クエリ アナライザの場合と同様に、推定クエリ プランと実際のクエリ プランを視覚的に調べることができます。この操作を実行するには、[標準] ツール バーを使用するか、または [クエリ] メニューのオプションをクリックします。 Management Studio では、クエリ プランを分析するための一連のアイコンが変更されています。 特に、演算子が青色、カーソルの物理的な動作が黄色、言語要素が緑色で表示されるという点が異なっています。 グラフィカルなクエリ プランの各ノードの上部のフライオーバー表示は、演算の情報をより明確に示しています。ただし、目的のオブジェクト (テーブルまたはインデックス) を見つけるには、特定のノードの [プロパティ] ページにアクセスする必要があります。グラフィカルなクエリ プランのアイコンの完全な一覧については、Beta 2 Books Online の「Graphically Displaying the Execution Plan Using SQL Server Management Studio」を参照してください。
注意 グラフィカルなクエリ プラン ウィンドウの右下にあるプラス記号を使用すると、クエリ プランを拡大表示できます。
プラン表示出力を XML に出力することもできます。 まず、次のコマンドを呼び出すとします。
SET SHOWPLAN_XML ON
次に、結果をグリッドに表示するように指定してクエリを実行すると、結果セットには、XML ドキュメント形式の XML プラン表示が含まれます。この XML ドキュメントは、1 行、1 列のテーブルで返されます。 その後セルの内容に含まれている内部リンクをクリックして、Management Studio の XML エディタでこの XML プラン表示を確認します。 出力は結果をテキストとして出力した場合と同じですが、グリッド結果セルから開くと XML エディタが呼び出されます。
注意 Management Studio Beta 2 では、グラフィカルなクエリ プランを XML ドキュメントとしてエクスポートしたり、XML ドキュメントをグラフィカルなクエリ プランの表示形式でインポートすることはできません。
データベース チューニング アドバイザ
SQL Server 2005 データベース チューニング アドバイザは、従来のインデックス チューニング ウィザードに置き換わるツールです。選択されたクエリに対して [クエリ] メニューから呼び出すか、または Ctrl + I キーを押すことによって呼び出すことができます。[ツール] メニューから直接データベース チューニング アドバイザを呼び出すこともできます。
クライアント統計
クライアント統計は、クエリの総応答時間の中で、ネットワーク コンポーネントとクライアント コンポーネントが占める割合を判断するのに役立ちます。 Management Studio では、[クエリ] メニューからだけでなく、SQL エディタ ツール バーからもクライアント統計を収集できます。 SQL Server 2005 Beta 2 Management Studio のクライアント統計では、クライアント側の統計をリセットするオプションを指定したり、結果が平均値になるテスト実行を表示したりすることにより、クライアント側の統計に関する優れた制御が可能になります。 クライアント統計をオンにするには、Shift + Alt + S キーを押すか、または [クエリ] メニューを使用します。[クエリ] メニューでは、クライアント統計をリセットできます。 各テスト結果は、すべてのテストの平均結果と共に出力の一覧に表示されます。 時間統計には、新しいクライアント統計と総実行時間が追加されます。
Transact-SQL を編集するための Management Studio の構成
Management Studio には、Transact-SQL クエリの編集に影響を与える 3 つの主要な構成オプションが用意されています。
[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックス
[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスに、Management Studio の大部分の構成オプションが表示されます。 このダイアログ ボックスは、すべてのクエリの編集に関する Management Studio の既定のオプションを集中管理する場所として機能します。 SQL Server クエリに関連するオプションを変更すると、クエリ アナライザの場合と同じように、それ以降のすべてのクエリの既定の設定が影響を受けます。 ただし、変更される構成によって、変更が有効になるタイミングが異なります。 いくつかの選択肢は、構成するクエリの種類 (Transact-SQL、Analysis Services、SQL Mobile など) によって異なります。 変更がすべてのクエリ ウィンドウにすぐに適用される場合、次のウィンドウからのみ適用される場合、適用するために Management Studio の再起動が必要な場合などがあります。
注意 Management Studio では、[ツール] メニューからテーブル インデックスまたはテーブルの統計を管理できません。 これらの操作はオブジェクト エクスプローラに移動されました。 操作を実行するには、オブジェクト エクスプローラで、操作するテーブルの [Indexes] ノードまたは [Statistics] ノードに移動します。
[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスで使用できるすべてのオプションが Beta 2 でアクティブになるわけではありません。たとえば、[テキスト エディタ]、[すべての言語 (All Languages)]、[タブ (Tabs)] の順に選択および展開すると表示されるダイアログ ボックスで選択できるのは、インデントなし、ブロック インデント、およびスマート インデントです。 Beta 2 では、SQL Server クエリ向けにブロック インデントが実装されていますが、スマート インデントは実装されていません。
[ツール]、[すべての言語 (All Languages)]、[全般] の順に選択および展開すると表示されるダイアログ ボックスには、ステートメントの完了に関するオプションがあります。 これらのオプションは、IntelliSense の動作に影響を与えます。 また、このダイアログ ボックスでは、テキストの折り返しオプションを指定したり、SQL クエリ内でのシングルクリックによる URL ナビゲーションを有効にしたりできます。
注意 IntelliSense は、SQL Server 2005 Beta 2 の SQL Server クエリではアクティブになりません。ただし、XML エディタや MDX エディタではアクティブになります。[オプション] ダイアログ ボックスのツリーの [テキスト エディタ] ノードの下にある [XML] ノードでは、XML の編集をさらに細かく構成できます。
ツール バーのカスタマイズ
Management Studio の [ツール] メニューの [ユーザー指定 (Customize)] オプションでは、ツール バーの外観をカスタマイズできる [ユーザー指定 (Customize)] ダイアログ ボックスが呼び出されます。 たとえば、結果ペインを切り替えるツール バー ボタンが必要な場合は、[ユーザー指定 (Customize)] ウィンドウの [コマンド] タブで、[ウィンドウ] カテゴリを選択し、[結果ペインの表示] コマンドまで下にスクロールします。 このコマンドを選択し、目的のツール バーまでドラッグします。
注意 Beta 2 の Management Studio には、キーボード ショートカットをカスタマイズするメカニズムは用意されていません。 代わりに、標準の Management Studio か、または SQL Server 2000 のキーボード ショートカットの構成を選択できます。
クエリ オプション
[クエリ オプション] ダイアログ ボックスを呼び出すことにより、現在のクエリ ウィンドウに特定のオプションを設定できます。このダイアログ ボックスを呼び出すには、[クエリ] メニューを使用するか、Ctrl + Shift + O キーを押すか、または [クエリ] ツール バーの [クエリ オプション] ボタンをクリックします。 [クエリ オプション] ダイアログ ボックスでは、クエリ ウィンドウごとに、クエリの実行と結果の表示の両方に関するオプションを設定できます。 使用できるオプションは、[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスにあるオプションのサブセットです。 [実行] オプションは、[ツール]、[オプション]、[クエリ実行]、[SQL Server] の順に選択および展開すると表示されるダイアログ ボックスのオプションと同じです。また、[結果] オプションは、[クエリ結果]、[SQL Server] の順に選択すると表示されるダイアログ ボックスのオプションと同じです。 [クエリ オプション] ダイアログ ボックスでオプションを設定すると、現在のクエリ ウィンドウだけに影響する点が異なります。
まとめ
SQL Server 2005 Beta 2 Management Studio では、Transact-SQL クエリを開発するためのいくつかの優れた拡張機能が提供されます。 具体的には、編集を行うときに SQL Server と物理接続されている必要がなくなったこと、接続、切断、接続の変更をすべて同じ編集セッションで実行できるようになったことです。 最も重要な拡張機能は、Transact-SQL スクリプト ファイルをソリューションとプロジェクトに体系化し、それらのソリューションをソース コード管理システムに統合する機能です。 Management Studio はクエリ アナライザと非常に似ているため、初めてでも簡単に操作できます。また、Transact-SQL コードの編集における重要な新しい補助機能も提供されます。
著者について
Ron Talmage は Solid Quality Learning の創設者かつ学長であり、シアトルに在住しています。 彼は SQL Server MVP であり、現在 Pacific Northwest SQL Server Users Group (pnwsql.org) の会長です。また、PASS InfoLink の寄稿編集者でもあります。 SQL Server Professional、SQL Server Magazine、および CoDe Magazine で執筆を行っています。 電子メール アドレスは、Ron@SolidQualityLearning.com です。