Office 2000 アシスタント キャラクターのデザイン

はじめに

このドキュメントでは、Microsoft®Office 2000 Developer に収録されている Microsoft Agent Character Editor (英語版) により、Microsoft Office 2000 で使用できる Office アシスタント キャラクターのデザインと開発を支援する情報を提供します (Agent Character Editor で開発したキャラクターは Office 97 では動作しません)。

アニメーションのデザイン

画像のデザイン

パレットのリアライゼーションの問題が生じる可能性を最小限に抑えるために、キャラクターをデザインするときには Microsoft Office Palette を使用してください。ドキュメント内で使用する色に似た透明色を選択するのは避けてください。

Office Palette ファイルは、Office 2000 Developer CD-ROM の \ODETools\v9\MSAgent\SDK フォルダに assistpalette.bmp というファイル名で収録されています。

サウンド

Microsoft Agent では、アニメーションの中でサウンドを再生することができます。Idleアニメーションにサウンドは組み込まないことをお勧めします。これは、Agent がシステム マルチメディア DLL をロードする必要が生じたときに、アニメーションの途中で遅れが生じる可能性があるからです。

フレーム サイズ

典型的な Office アシスタントは 123 x 93 ピクセルの大きさです。他のサイズのキャラクターを作成することもできますが、Assistant Gallery では 123 x 93 にスケーリングされます。

フレームの移動

Goodbye

GreetingShow、およびHide以外のすべてのアニメーションは RestPose アニメーションで始まり、終わらなくてはなりません。Microsoft Office は明示的なReturnアニメーションを再生しないので、Return アニメーションを定義してはなりません。また、すべてのアニメーションは終了分岐を持ちます。終了分岐により、次のアニメーションを呼び出す前に、現在のアニメーションを「急いで終わらせる」ことが可能になります。終了分岐を用意しないと、アニメーション間の移動がぎくしゃくする可能性があります。

キャラクター プロパティ

Microsoft Agent では、キャラクターのNameDescription、およびExtraDataプロパティを設定することができます。Microsoft Office は、ExtraDataフィールドを使って、1 つまたは複数の Introduction Phrase と Reminder Phrase を保持しています。Microsoft Office は、他の Introduction Phrase からフレーズを選んで、Assistant Gallery の吹き出しに表示します。Reminder Phrase は Outlook からアラームが発行されたときに使用されます。

ExtraData

フィールドの形式を次に示します。

IntroPhrase1IntroPhrase2IntroPhrase3^^ReminderPhrase1ReminderPhrase2ReminderPhrase3

Introduction Phrase はティルダ文字 (~) のペアで区切られ、その後に Reminder Phrase が続きます。これらの Reminder Phrase もティルダ文字のペアで区切られます。この 2 つのフレーズのセットは、2 つのカレット文字 (^^) で区切られています。どちらの種類のフレーズについても、少なくとも 1 つは存在していなければならないという点を除けば、数に制限はありません。

Office のアニメーション セット

次の表は、Microsoft Office 2000 のキャラクターに対して定義されているアニメーションを示しています。Microsoft Office で独自のキャラクターを使用する場合には、この表に示しているすべてのアニメーションをサポートしなくてはなりません。これ以外にも任意のアニメーションを追加することができますが、それらが Microsoft Office から呼び出されることはないということに注意してください。アスタリスク (*) が付いているアニメーションは、100% の確率でループしなくてはなりません。その他のアニメーションは短いものでなくてはなりません。

アニメーション

Agent の状態

使用すべき状況の例

具体的なアニメーションの例

Alert

なし

キャラクターがユーザーに警告を発したいとき

キャラクターはユーザーの方を向く

CheckingSomething*

なし

スペルチェック、文章校正

キャラクターは辞書で何かを調べている

Congratulate

なし

ウィザードの完了

大きな笑み、ほっとした様子、疲れているが楽しげ

EmptyTrash

なし

Outlook のごみ箱を空にする

キャラクターはごみ箱に火をつける

Explain

なし

キャラクターがユーザーに対して何か説明をしようとしているとき

短い時間だが注意を払いつつユーザーの方を見た後に、別の方を向く

GestureDown

GesturingDown

キャラクターが画面上の何かをポイントする

キャラクターはユーザーの方を見た後に、画面上の何かをポイントし、目を向ける

GestureLeft

GesturingLeft

キャラクターが、ヘルプ トピックや UI の一部など、画面上の何かをポイントする

キャラクターはユーザーの方を見た後に、画面上の何かをポイントし、目を向ける

GestureRight

GesturingRight

ヘルプ トピックまたはダイアログを見せる

キャラクターはユーザーの方を見た後に、画面上の何かをポイントし、目を向ける

GestureUp

GesturingUp

キャラクターが画面上の何かをポイントする

キャラクターはユーザーの方を見た後に、画面上の何かをポイントし、目を向ける

GetArtsy*

なし

AutoFormat

キャラクターはベレー帽をかぶり、パレットを手に取り、絵を描く

GetAttention

なし

優先度の高いヒント

ユーザーの注意を引くために大きなジェスチャーを行う。たとえば、腕を振りながら上下にジャンプする

GetTechy

なし

プログラミング環境の中での実行

キャラクターは計算機や半田ごてを取り出す

GetWizardy*

なし

キャラクターが見えている状態でグラフ ウィザードを実行 (新しいウィザード パネルで毎回再トリガされるアクション)

キャラクターは魔法使いの帽子をかぶり、杖を振る

Goodbye

なし

別のキャラクターが選択されたとき

RestPose

で始まり、空のフレームで終わる、キャラクターの退場を細かく描いたアニメーション

Greeting

なし

キャラクターが選択されたとき

空のフレームで始まり、RestPoseで終わる、キャラクターの登場を細かく描いたアニメーション

Hearing_1*

なし

時間がかかるファイル オープン

耳を下に向けて、コンピュータの音を聞く

Hide

Hiding

キャラクターが一時的に退場する

煙を残して素早く消え去る

Idle1_1

ユーザー入力なし

能動的に耳を傾けているが、そのうちに体を丸めて寝てしまう (キャラクターのパーソナリティを強調する良い機会)

瞬きし、周囲を見回し、辛抱強く待つ

Idle2

ユーザー入力なし

比較的長いアイドル期間

キャラクターは欠伸をし、眠そうに見える

Idle3

ユーザー入力なし

きわめて長いアイドル期間 (キャラクターが長期にわたってアイドル状態にあるとき)

キャラクターは眠ってしまう

IdleHit

なし

これは、アイドル レベル 1 のアニメーションの典型的なサンプルで、実際には再マッピングされない

すべてのアイドル アニメーション

LookDown

なし

ちょっとの間、下の方を見る

行が挿入されたことに気づき、そちらの方を一瞥する

LookDownLeft

なし

ちょっとの間、左下の方を見る

行が挿入されたことに気づき、そちらの方を一瞥する

LookDownRight

なし

ちょっとの間、右下の方を見る

列が挿入されたことに気づき、そちらの方を一瞥する

LookLeft

なし

ちょっとの間、左の方を見る

テーブルが挿入されたことに気づき、そちらの方を一瞥する

LookRight

なし

ちょっとの間、右の方を見る

単語が移動されたことに気づき、そちらの方を一瞥する

LookUp

なし

画面上のキャラクターの上の方で何かが起こっているかのように、ちょっとの間、上の方を見る

ツールバー ボタンがクリックされたことに気づき、そちらの方を一瞥する (キャラクターは驚いてはおらず、関心を示すだけである)

LookUpLeft

なし

ちょっとの間、左上の方を見る

ツールバー ボタンがクリックされたことに気づき、そちらの方を一瞥する (キャラクターは驚いてはおらず、関心を示すだけである)

LookUpRight

なし

ちょっとの間、右上の方を見る

ツールバー ボタンがクリックされたことに気づき、そちらの方を一瞥する (キャラクターは驚いてはおらず、関心を示すだけである)

Print

なし

印刷ジョブの 1 ページを印刷する

紙を 1 枚つかみ、それをプリンタに送り込む

Processing*

なし

特定のキャラクター アクションが定められていない一般的なアクション

キャラクターは集中している様子で、ハンマーを取り出して打ちつける。アニメーションのループへの出入りは素早く行われなくてはならない

RestPose

なし

キャラクターがアニメーションを再生していないときに使用される

アシスタントの画像

Save*

なし

ファイル保存操作の際に使用される

キャラクターは何かを金庫に入れる

Searching*

なし

検索、スペルチェック、および文章校正で使用される

後ろを向いて、ドキュメントを眺める。アニメーションのループへの出入りは素早く行われなくてはならない

SendMail

なし

メールの送信

手紙を取り出し、メールボックスに入れる

Show

Showing

一時的に消えていたキャラクターが戻ってくる

ステージに素早く現れる

Thinking*

なし

ソルバーなどの複雑な計算の実行中

キャラクターは上の方を向いて頭を掻く。アニメーションのループへの出入りは素早く行われなくてはならない

Wave

なし

補助的な警告

Alert に似ているが、Alert ほど長くも激しくもない

Writing*

なし

カスタマが [ ツール ] - [ オプション ] で何かを変更している。カスタマが IntelliSearch 要求を入力している

メモ帳を取り出し、何かを書き始める。アニメーションのループへの出入りは素早く行われなくてはならない

キャラクターのインストール

キャラクターが Assistant Gallery に表示されるようにするには、ユーザーの Application Data フォルダの中の Microsoft\Office\Actors フォルダにインストールします。Application Data フォルダは、Windows ディレクトリか、Winnt ディレクトリの User Profiles ディレクトリの中にあります。たとえば、Windows NT 4.0 では、キャラクターを"C:\Winnt\Profiles\username\Application Data\Microsoft\Office\Actors"にインストールすることになります。

 

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