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チュートリアル : 新しい MFC シェル コントロールの使用

このチュートリアルでは、Windows エクスプローラーのような外観のアプリケーションを作成します。 ここでは、2 つのペインのあるウィンドウを作成します。 左ペインにある CMFCShellTreeCtrl オブジェクトには、デスクトップが階層構造で表示されます。 右ペインにある CMFCShellListCtrl には、左ペインで選択されたフォルダー内のファイルが表示されます。

必須コンポーネント

このチュートリアルは、読者が全般的な開発設定を使用することを指定して Visual Studio のセットアップを完了していることを前提としています。 別の開発設定を使用している場合は、このチュートリアルで使用する一部の Visual Studio ウィンドウが既定で表示されないことがあります。

MFC アプリケーション ウィザードを使用して新しい MFC アプリケーションを作成するには

  1. MFC アプリケーション ウィザードを使用して、新しい MFC アプリケーションを作成します。 このウィザードを実行するには、[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。 [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスの [プロジェクトの種類] ペインで、[Visual C++] ノードを展開し、[MFC] をクリックします。 次に、[テンプレート] ペインで [MFC アプリケーション] をクリックします。 プロジェクトの名前 (MFCShellControls など) を入力し、[OK] をクリックします。 MFC アプリケーション ウィザードが表示されます。

  3. [MFC アプリケーション ウィザード] ダイアログ ボックスで、[次へ] をクリックします。 [アプリケーションの種類] ペインが表示されます。

  4. [アプリケーションの種類] ペインの [アプリケーションの種類] で、[タブ付きドキュメント] をオフにします。 次に、[シングル ドキュメント] を選択し、[ドキュメント/ビュー アーキテクチャのサポート] を選択します。 [プロジェクト形式] で、[Visual Studio] を選択し、[視覚スタイルと色] ボックスの一覧の [Office 2007 (青のテーマ)] をクリックします。 その他のオプションはそのままにします。 [次へ] をクリックして、[複合ドキュメント サポート] ペインを表示します。

  5. [複合ドキュメント サポート] ペインで、[なし] をクリックします。 [次へ] をクリックして、[ドキュメントテンプレート文字列] ペインを表示します。

  6. [ドキュメントテンプレート文字列] ペインでは何も変更しません。 [次へ] をクリックして、[データベース サポート] ペインを表示します。

  7. このアプリケーションではデータベースを使用しないため、[データベース サポート] ペインで [なし] を選択します。 [次へ] をクリックして、[ユーザー インターフェイス機能] ペインを表示します。

  8. [ユーザー インターフェイス機能] ペインで、[メニュー バーとツール バーを使用する] が選択されていることを確認します。 その他のオプションはそのままにします。 [次へ] をクリックして、[高度な機能] ペインを表示します。

  9. [高度な機能] ペインの [高度な機能] で、[ActiveX コントロール][コモン コントロール マニフェスト] のみを選択します。 [高度なフレーム ペイン] で、[ナビゲーション ウィンドウ] のみを選択します。 これにより、ウィンドウの左側に、CMFCShellTreeCtrl が埋め込まれた状態でナビゲーション ウィンドウが作成されます。 [次へ] をクリックして、[生成されたクラス] ペインを表示します。

  10. [生成されたクラス] ペインでは何も変更しません。 [完了] をクリックして、新しい MFC プロジェクトを作成します。

  11. アプリケーションをビルドして実行することにより、アプリケーションが正常に作成されたことを確認します。 アプリケーションをビルドするには、[ビルド] メニューの [ソリューションのビルド] をクリックします。 アプリケーションが正常にビルドされたら、[デバッグ] メニューの [デバッグ開始] をクリックして、アプリケーションを実行します。

    標準メニュー バー、標準ツール バー、標準ステータス バー、およびウィンドウの左側にフォルダー ビューと予定表ビューのある Outlook バーを備えたアプリケーションが自動的に作成されます。

シェル リスト コントロールをドキュメント ビューに追加するには

  1. ここでは、ウィザードによって作成されたビューに CMFCShellListCtrl のインスタンスを追加します。 ソリューション エクスプローラーで MFCShellControlsView.h ファイルをダブルクリックしてビューのヘッダー ファイルを開きます。

    ヘッダー ファイルの先頭部分にある #pragma once ディレクティブを探します。 その直後に、次のコードを追加して、CMFCShellListCtrl のヘッダー ファイルをインクルードします。

    #include <afxShellListCtrl.h>
    

    次に、CMFCShellListCtrl 型のメンバー変数を追加します。 最初に、ヘッダー ファイルで次のコメントを探します。

    // Generated message map functions
    

    そのコメントの直前に、次のコードを追加します。

    private:
        CMFCShellListCtrl m_wndList;
    
  2. MFC アプリケーション ウィザードによって既に CMainFrame クラスに CMFCShellTreeCtrl オブジェクトが作成されていますが、これはプロテクト メンバーです。 後で、このオブジェクトにアクセスします。 したがって、ここでアクセサーを作成します。 ソリューション エクスプローラーで MainFrm.h ヘッダー ファイルをダブルクリックして開きます。 次のコメントを探します。

    // Attributes
    

    この直後に、次のメソッド宣言を追加します。

    public:
        CMFCShellTreeCtrl& GetShellTreeCtrl();
    

    次に、ソリューション エクスプローラーで MainFrm.cpp ソース ファイルをダブルクリックして開きます。 このファイルの末尾に、次のメソッド定義を追加します。

    CMFCShellTreeCtrl& CMainFrame::GetShellTreeCtrl()
    {
        return m_wndTree;
    }
    
  3. WM_CREATE Windows メッセージを処理するように CMFCShellControlsView クラスを更新します。 MFCShellControlsView.h ヘッダー ファイルを開き、次のコード行をクリックします。

    class CMFCShellControlsView : public CView
    

    次に、[プロパティ] ウィンドウで [メッセージ] アイコンをクリックします。 スクロール ダウンして WM_CREATE メッセージを探します。 WM_CREATE の横のドロップダウン リストで、[<追加> OnCreate] をクリックします。 これにより、メッセージ ハンドラーが作成され、MFC メッセージ マップが自動的に更新されます。

    OnCreate メソッドで、独自の CMFCShellListCtrl オブジェクトを作成します。 MFCShellControlsView.cpp ソース ファイルで OnCreate メソッド定義を探し、その実装を次のコードに置き換えます。

    int CMFCShellControlsView::OnCreate(LPCREATESTRUCT lpCreateStruct)
    {
        if (CView::OnCreate(lpCreateStruct) == -1)
            return -1;
    
        CRect rectDummy (0, 0, 0, 0);
        m_wndList.Create(WS_CHILD | WS_VISIBLE | LVS_REPORT,
            rectDummy, this, 1);
    
        return 0;
    }
    
  4. WM_SIZE メッセージについて、前の手順を繰り返します。 これにより、ユーザーがアプリケーション ウィンドウのサイズを変更するたびにアプリケーションのビューが再描画されるようになります。 OnSize メソッドの定義を次のコードに置き換えます。

    void CMFCShellControlsView::OnSize(UINT nType, int cx, int cy)
    {
        CView::OnSize(nType, cx, cy);
        m_wndList.SetWindowPos(NULL, -1, -1, cx, cy,
            SWP_NOMOVE | SWP_NOZORDER | SWP_NOACTIVATE);
    }
    
  5. 最後に、CMFCShellTreeCtrl::SetRelatedList メソッドを使用して、CMFCShellTreeCtrl オブジェクトと CMFCShellListCtrl オブジェクトを関連付けます。 このメソッドを呼び出すと、CMFCShellTreeCtrl で選択された項目の内容が自動的に CMFCShellListCtrl に表示されます。 これは、CView::OnActivateView からオーバーライドした OnActivateView メソッドで行います。

    MFCShellControlsView.h ヘッダー ファイルの CMFCShellControlsView クラス宣言に、次のメソッド宣言を追加します。

    protected:
        virtual void OnActivateView(BOOL bActivate,
            CView* pActivateView,
            CView* pDeactiveView);
    

    次に、このメソッドの定義を MFCShellControlsView.cpp ソース ファイルに追加します。

    void CMFCShellControlsView::OnActivateView(BOOL bActivate,
        CView* pActivateView,
        CView* pDeactiveView) 
    {
        if (bActivate && AfxGetMainWnd() != NULL)
        {
            ((CMainFrame*)AfxGetMainWnd())->GetShellTreeCtrl().SetRelatedList(&m_wndList);
        }
    
        CView::OnActivateView(bActivate, pActivateView, pDeactiveView);
    }
    

    CMainFrame クラスのメソッドを呼び出すため、MFCShellControlsView.cpp ソース ファイルの先頭部分に次の #include ディレクティブを追加する必要があります。

    #include "MainFrm.h"
    
  6. アプリケーションをビルドして実行することにより、アプリケーションが正常に作成されたことを確認します。 アプリケーションをビルドするには、[ビルド] メニューの [ソリューションのビルド] をクリックします。 アプリケーションが正常にビルドされたら、[デバッグ] メニューの [デバッグ開始] をクリックして、アプリケーションを実行します。

    CMFCShellTreeCtrl で選択されている項目の詳細が、ビュー ペインに表示されるようになりました。 CMFCShellTreeCtrl でノードをクリックすると、CMFCShellListCtrl が自動的に更新されます。 また、CMFCShellListCtrl でフォルダーをダブルクリックすると、CMFCShellTreeCtrl が自動的に更新されます。

    ツリー コントロールまたはリスト コントロールの任意の項目を右クリックします。 実際の Windows エクスプローラーを使用している場合と同じようなコンテキスト メニューが表示されます。

次の手順

  • ウィザードによって、フォルダー ペインと予定表ペインのある Outlook バーが作成されました。 エクスプローラー ウィンドウには、おそらく予定表ペインは必要ありません。 したがって、このペインを削除します。

  • CMFCShellListCtrl では、大きいアイコン小さいアイコンリスト詳細などのさまざまなモードでファイルを表示できます。 アプリケーションを更新して、この機能を実装します。 ヒント:「エクスプローラのサンプル:MFC Windows Explorer アプリケーション」を参照してください。

参照

その他の技術情報

チュートリアル (MFC)