.NET Framework 3.5 では、ASP.NET および Visual Web Developer の対象領域における機能強化がなされています。最も大きく進化した点は、AJAX 対応 Web サイトの開発に関連したサポート強化です。ASP.NET は、一連の新しいサーバー コントロールおよび API によって、サーバー主体の AJAX 開発を支援します。既存の ASP.NET 2.0 ページを AJAX に対応させるには、ScriptManager コントロールおよび UpdatePanel コントロールを追加します。これにより、ページ全体を再表示することなく、必要な部分だけを更新できるようになります。
ASP.NET は、Microsoft AJAX Library と呼ばれる新しいクライアント ライブラリにより、クライアント主体の AJAX 開発にも対応しています。Microsoft AJAX Library は、ブラウザに依存しない、クライアント主体のオブジェクト指向開発を支援します。クライアント ライブラリのクラスを ECMAScript (JavaScript) で使用することによって、サーバーへのラウンドトリップを必要としない洗練された UI 動作を実現できます。サーバー主体の開発とクライアント主体の開発を適宜組み合わせながら、アプリケーションのニーズを満たすことが可能です。Visual Web Developer ではさらに、JavaScript の IntelliSense サポートと、Microsoft AJAX Library のサポートが強化されています。
今後、ASP.NET および Visual Web Developer では、ASMX ベースと WCF ベースの両方の Web サービスがサポートされることになります。どちらの実装も、Microsoft AJAX Library を使用することにより、Web ページからシームレスに使用できます。また、フォーム認証、ロール管理、プロファイルなどのサーバー側のアプリケーション サービスは、WCF 互換のアプリケーション (クライアント スクリプトや Windows フォーム クライアントなど) から利用できる Web サービスとして公開されます。ASP.NET によって、あらゆる Web ベース アプリケーションが、こうした共通のアプリケーション サービスを共有できるようになります。
これ以外にも ASP.NET の機能強化の一環として、新しいデータ コントロールが追加されています。たとえば、データを表示するための ListView や、ASP.NET のデータ ソース コントロール アーキテクチャを介して Web 開発者に統合言語クエリ (LINQ) を公開する新しいデータ ソース コントロール (LinqDataSource)、プリコンパイル済みアセンブリをマージするための新しいツール (ASP.NET マージ ツール (Aspnet_merge.exe))、IIS 7.0 との緊密な統合などが挙げられます。ListView は、テンプレートやスタイルを使って自由にカスタマイズできるコントロールであり、並べ替えやページング機能のほか、編集、挿入、削除などの操作もサポートします。ListView のページング機能は、DataPager と呼ばれる新しいコントロールによって実現されます。複数のアセンブリを結合させることができるマージ ツールを使用することで、配置やリリース管理におけるさまざまなシナリオに対応することが可能です。ASP.NET と IIS 7.0 の統合により、認証やキャッシュなどの ASP.NET サービスを、あらゆる種類のコンテンツで利用できるようになります。両者の統合がもたらすメリットとしては、他にも、ASP.NET マネージ コードでサーバー パイプライン モジュールを開発できることや、モジュールとハンドラの統一された構成がサポートされる点なども挙げられます。
Visual Web Developer のその他の機能強化としては、マルチ ターゲットのサポート、Web アプリケーション プロジェクトの追加、新しいデザイン ビュー、新しいカスケード スタイル シート (CSS) デザイン ツール、SQL データベース用 LINQ サポートなどがあります。マルチ ターゲットがサポートされたことにより、Visual Web Developer を使って、特定のバージョンの .NET Framework (Version 2.0、3.0、3.5 など) を対象に Web アプリケーションを開発できるようになります。
詳細については、「ASP.NET および Web 開発の新機能」を参照してください。